珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

夜のオーディオ

2013-03-24 06:56:08 | オーディオ
桜の開花のペースは異様ですね。ここまでのフライングはちょっと記憶にありません。

これまで何度かメインシステムの様子を紹介していますが、昼間の写真ばかりでした。平日は夜しか音楽を聴けませんから、紹介してきたのは土日・休日の表情とも言えます。ということで、おそらく初めてかと思いますが、夜の様子を紹介します。部屋の照明には暖色のクリプトン球を使っています。夜のオーディオに期待したいのは仕事で疲れた頭と体のリフレッシュ。照明や真空管、アナログターンテーブルの視覚効果も加わって心地よい時間となります。心地よさを通り過ぎて寝てしまうこともしばしばです。アナログは不用意に寝れないところが、逆に痛いところではあります。


真空管と言えば、リンクにある「真空管とマルチチャンネルで聴く音楽」を訪問しては写真から伝わる雰囲気に感心していました。Vacuumtubeさんのこのブログの存在を知ったのは2009年で、ちょうど私がVienna AcousticsのSPを買った頃です。当時はアンプにも関心があって、おそらくVienna Acoustics+Macintoshの組み合わせでネット検索して、たどり着いたのでしょう。以後、写真はもちろん、音楽やオーディオの記事も面白く読ませていただきました。真空管の美しさは特に印象強かったです。最近はご多忙なのか更新が無いようですが、私がホームページやブログを始めるトリガーとなったことは間違いありません。

結局、視覚的に映えるブルーアイズは私の手元にはなく、ドイツ製の無骨なアンプを導入しましたが、これはこれで大変気に入っています。横浜のVienna Acoustics fan兼Octave fanといったところです。球は購入時に付属していたEL34を使っています。この3年で1本を交換しましたが、それ以外は問題なく使えています。そろそろ球を替えて遊ぼうとも思いますが、KT88や6550よりEL34の音が好きといったファンは意外に多いようです。こればかりは聴かないと判断できませんので、遠回り覚悟で試すのもいいかと思っています。Macintoshのアンプほどインパクトはありませんが、Octaveの表情も中々ではないでしょうか?


夜に聴くなら、やはりアナログがいいですね。このところ、月1、2回は中古レコードに寄る日を決めて、レコードを仕入れています。相変わらずジャンルは多様ですが、敢えてCDを持っていない音源を買う傾向は共通しています。例えば昭和歌謡、それも60年代モノもその一例です。盤質がいいと即決することもあります。私の記憶にあるのは欧陽菲菲の「雨の御堂筋」あたりからですから、こちらの面々はリアルタイムでの接点はありません。右端の弘田三枝子だけは80年録音で、オーディオマニア向けの45回転/重量盤です。少し前の「無線と実験」で記事になったのを憶えていたところ、レコード屋で見つけたというわけです。


「伊勢崎町ブルース」を聴くなら、どうしても夜でしょうね。決してこの曲ばかり聴いているわけではありませんので、誤解の無いように。
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Fournierを聴く

2013-03-17 08:59:35 | クラシック
東京では桜が咲いたそうです。庭のレンギョウ、ユキヤナギも一斉に満開となりました。一気に季節の進み方がペースアップした感じがあります。このまま花粉も早く過ぎ去って欲しいところです。今回は久々に音楽の話題です。


先日の書籍の記事でも触れましたが、クラシックではチェロが気になる存在になっています。Jacqueline du Preのボックスセットを買ったのは、もうしばらく前になりますが、大抵ボックスものは聴くペースがゆっくりになります。一気にではなく、気が向いた時にリッピングして都度聴くのが、私には合っているようです。やがて知らない曲の中にも、気になる曲が出てきます。Haydnのチェロ協奏曲第2番もそんな例です。全体的に穏やかな旋律で、何かの節目とか、仕事の区切りとか、にリラックスしながら聴きたくなるような曲です。今の卒業や転勤シーズンにもマッチしますし、曲の雰囲気にも春らしさを感じます。


クラシックを聴かれる方は、おそらくご贔屓のチェリストがいることでしょう。私は今のところ、Pierre Fournierが気になっています。先のHaydnの協奏曲を探して買ったのが、こちらのCDです。実は買ったときはFournierの意識はなく、指揮者のGeorge Szell狙いでもあったのですが、Szellが指揮したのはHaydenでなくカップリングされたDvorakの協奏曲の方でした。Haydnの協奏曲を聴いてすぐに、このチェロは誰?となったのですが、調べてみると20世紀を代表するチェリストFournierだったというわけです。チェロの貴公子と称されたという先入観を差し引いても、優雅な演奏はHaydnの協奏曲に合っていると思いました。


Fournierはボックスも出ているようですが、せっかくなので個別のアルバムを揃えていこうと思っています。2番目の写真にあるように、Bachの無伴奏チェロ組曲とBeethovenのチェロソナタを購入しました。集中力の必要なBachより、Beethovenを聴く頻度が高いです。特に人気のある3番は私のような初心者でも、いい曲だなあと思ってしまいます。タイトルはチェロソナタとなっていますが、チェロとピアノが2人主役といった感じで両楽器の相性の良さを楽しめます。ピアノはBeethoven弾きとして知られるWilhelm Kempffです。1965年のライブ録音ですが、この瑞々しさは何処から来るのでしょう。


2009年SS誌の長谷川陽子さんと小林悟朗さんの対談の中で、チェリストにはテノールタイプとバリトンタイプがいて、Fournierはテノールに近い中間的存在といった・・・といった話がありました。まだ多くのチェリストの演奏を聴いたわけではないのですが、時間をかけてFournier像を構築できればいいと思っています。そういえば、Fournierは私の大好きなSegoviaを尊敬し多くを学んだとあります。これは大いに期待できそうです。一方で、生のチェロを意識して聴いていないことにも気づきます。調べたら4月にみなとみらいで、長谷川さん・仲道さん・千住さんの華やかな共演がありました。早速家内を誘って行くことにしました。

ちなみに長谷川さんはバリトンタイプとのことですから、その力強い演奏に期待しています。
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春の古都

2013-03-13 05:12:39 | その他
たまたまですが3日間のうちに京都、鎌倉に行く機会がありました。京都は関西方面の出張の経由地で、少々時間があったので四条界隈に出ました。鎌倉は家内と梅見物です。気温や日の長さもそうですが、やはり花に最も春を感じますね。

京都に行くと寄りたくなるのがイノダコーヒです。この店も池波正太郎のお気に入りの店でした。店名はコーヒーではなくコーヒです!コーヒーは最近はブラックで飲むことが多いですが、イノダではデフォルトがクリーム+砂糖入りです。一応店員さんが確認に来ますが、郷に従ってクリーム+砂糖入りを頼みます。酸味と甘みのバランスが良く、ロゴ入りの縦長のカップで飲むと、京都に来ていることを実感します。時間に余裕があると寺町通りを散歩し、三条の本店まで向かいたいところですが、この日は地下鉄駅近くの四条支店にしました。東京や横浜にも支店がありますが、やはり京都でなければなりません。


関西方面で本屋に寄るとすればジュンク堂です。梅田や四条に店舗があり、本も豊富で、時間に余裕があるとつい入ってしまいます。仕事の本も買いますが、それ以外だとやはり音楽ものになります。先日のオフ会の影響受けすぎという話もありますが、ジャズのスタンダードおよび古楽CDのガイドブックと、チェリスト長谷川陽子さんの自伝を買いました。ジャズの方は、プレイヤーのための、という但し書きが付いてます。ジャムセッションのためのガイドで読みこなせるか、甚だ疑問ではありますが。古楽は末節に入らずまずは全体観からです。チェロは個人的に関心が高まってきた楽器です。


五月並みの暖かさとなった日曜日、鎌倉へ梅見物に出かけました。暖かいのは結構だったのですが、晴れにもかかわらず空は黄色く霞んでいました。普段は外でもマスクは不要なのですが、さすがにこの日は着けました。向かったのは瑞泉寺です。小町通りや八幡宮のように人が多い場所もきらいではないのですが、金沢街道沿いにある古い寺の静かさが個人的には好みです。瑞泉寺もその一つです。といっても訪れるのは16年振りですから、近くて遠い鎌倉といったところです。梅の方は若干ピークを過ぎたようです。帰りは30~40分かけて鎌倉駅までお土産を買いながら歩きました。


これは黄梅で、天然記念物に指定されています。江戸時代からの古木です。花弁が退化しているとのことですが、もう散った跡かもしれません。幹が白くなっているのはウメノキゴケだそうです。


紅い梅に、


白い梅。


すっかり春と言いたいとことろですが、この日は昼間の暖かさが嘘のように夕方は冷え込みました。本格的な春到来まではもう少しというところでしょうか。
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AIT LABO のDAC試聴

2013-03-10 08:11:32 | オーディオ
AIT LABOのDACの試聴を終えて、返却してきました。一週間の試聴期間でしたが、まとまった時間が取れず、設定は電源オン後の推奨モードしか試せていません。それでもこのDACの音の良さを実感することができました。デジタルの最上流はこれまでDDコンバートに注力していて、MPD on Cubox + X-DDCで一段落感がありました。次に手を加えるとしたらDAコンバートだったのですが、ご存じのようにDACは依然、日進月歩の世界です。大きな投資をした後の陳腐化は避けたいのが本音です。このような状況でES9018チップを使ったAIT LABO社のDACを知り、今の私にはこれかな、と思うようになりました。

前の記事でも書きましたが、AIT LABOのDACはジッター除去技術により、使いこなしの難しいES9018 Lowestモードを安定動作させています。実現しているのはFPGAと呼ばれる集積回路上のプログラムです。返却時に代表の方とも話しましたが、最近のFPGAの高性能化でこのような処理が可能になったようです。ジッター低減策としては外部クロックの供給が知られていますが、現実問題として高級コンポが買える値段のクロックジェネレータには手が出ません。DACには外部クロック入力が無いものも多く、本当に外部クロックがいいのか様子見気分もあります。FPGAによるアプローチは何よりリーズナブルです。

さて、DACの音ですが、一番感じるのは音場、特に立体表現の向上です。個々の音の出どころがよく分るようになります。見通しが良くなるため、広がりも増すようです。一方でセンターの定位が安定しますから、ヴォーカルの密度感もギュっと上がります。これはとても好ましい変化です。ジッターは時間軸の特性ですから、直感的にも空間知覚に影響することが想像できます。解像度も上がったようですが、微妙なところです。音数はあまり変わりません。というかエソテリックD-07でも十分出てましたし、ここまで来るともう打ち出の小槌というわけにはいきません。


今回の試聴で伏兵だったのが光ケーブルです。デジタルケーブルはオーディオファンの間では圧倒的に同軸が支持されれますね。光から電気に変換する手間を嫌ってのことかと思います。ところが、このDACは光でもLowestモードで音飛びが生じないくらい、ジッターが抑制されています。これであればPC側と絶縁できる光ケーブルのメリットが俄然クローズアップされます。時々覗いているMusic To Goの記事に光ケーブルとPCオーディオの組み合わせが言及されていました。2009年と随分前の記事ですが、やっと時代が追いついたのでしょうか?背番号10の控え投手が檜舞台で活躍するかも知れません。

セカンドシステムの、それもブルーレイディスクの音声用に甘んじていたKimberの光ケーブルの復活です。詳しい聴き比べはしてませんが、光ケーブルの方が雑味が少ないように感じました。


試聴の結果は総じてGoodです。現用D-07をどうするか、光ケーブルは何製にしようか、連休前には結論を出そうかと思っています。年初はOPPOのブルーレイプレーヤーでES9018の音を導入なんて考えてましたが、今回の試聴で方向が変わりそうです。DAC返却後、再びD-07をメインシステムに組み込み、聴いてみました。これはこれで十分聴ける音ですね。仮にAIT LABOを導入してもD-07は手放さず、メインシステムとセカンドシステムを共にグレードアップさせることが今のところの有力案です。
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濃い週末2:じょんびさん宅、訪問

2013-03-06 22:33:57 | オフ会
濃い週末の2日目です。当ブログからもリンクを張っているPhilewebのつながりで、じょんびさんのお宅にお邪魔しました。向かったのは千葉方面です。東京を跨いだ交流となりましたが、電車のアクセスもよくDoor to Doorで2時間ほどでした。前日に買ったSS誌や文庫本を携えて休日の電車移動も楽しみました。Philewebには参加者と裏で連絡する仕組みがあり、オフ会の調整に活用されている方も多いようです。参加者の入れ替わりは早いようにも思いますが、音楽やオーディオ製品をネタに輪を広げることができるので、私も時々覗いています。私自身の日記の更新は全く滞っていますが。

じょんびさんは、一部の電源を除いてシステムをLINNに統一されています。既にCDプレイヤーでの再生は止め、もっぱらDSでファイル再生を楽しまれています。ラック中の3台は上からDS、プリ、パワーで、いずれもAkurateシリーズです。じょんびさんも、かつてはジャズの王道のマッキントッシュ+JBLを使っていたようですが、今はすっかりLINNの虜というわけです。Giuliaさんもそうですが、LINNのDSをやっている方の様々な試みは、Voyage MPDユーザーにも大いに参考になります。実際、私もじょんびさんの記事の影響でCoregaのハブを買ったくらいです。


こちらはLINNのSPです。最近、パワーアンプと共に故障したばかりだったのですが、部品が国内にあり早期の復帰となりました。代替機もそれなりには聴けたようですが、戻ってきて聴いた音に、格の違いを実感されたようです。パワーアンプは4CH仕様です。高域、低域別々に駆動するマルチアンプシステムになっています。このお蔭でSPのパフォーマンスを価格以上に引き出しているとのことでした。お部屋は6畳程度で決して広くはありませんが、部屋の大きさで決まらないのがオーディオのいいところですね。その分密度の高いをジャズを楽しませていただきました。


じょんびさんご自身のブログのプロフィールに「ジャズしか聴きません」とあり、少々こちらも構えておりました。でも心配は無用でした。私が主に聴いているハードバップは、実はじょんびさんにとっても、ど真ん中のストライクだったのです。後期のマイルスやフリー、ビッグバンド、北欧系を聴かないと知って、肩の力が抜けました。ジャズ歴の浅い私は分かりやすさから入ったのですが、じょんびさんも分かりやすいジャズこそ聴きたいと、嬉しいコメント。お邪魔した時間は、殆どハードバップを聴いていました。こちらは特に気に入った6枚のピックアップですが、ここに挙げきれないほどのアルバムを紹介いただきました。


修理後の影響なのか、ご自身は良かった時の音とのギャップを気にされていました。システムの音はオーナーが一番分かっています。私は全く気になりませんでした。短辺配置でSPは内振りですから、拙宅と音場の様子はかなり異なります。でも数曲で慣れると一気に音楽に入れました。まず感じたのはSN感の良さで、音の出入りが手に取るよう聴こえます。一方で、弾力感のあるベース、シンバルのリアルさは、一貫していていました。ただし個々のパーツを追うことはしていないと、きっぱり言われました。ジャズをいかに鳴らすかを追求した結果であり、電源環境、ネットワーク環境、そしてLINNシステムの総合力ですね。

スタンダードはオフ会の共通言語になりますね。私が好きな「Blue Skies」を未知のアーティスト、それも二人分用意していただきました。オフ会の嬉しい側面です。


じょんびさんのジャズ歴は学生以降ですから、もう35年ほどになります。この写真は大学時代のアメリカ旅行のお土産だそうです。Charles Parker とMiles Davisです。ジャズの歴史が凝縮されたような写真です。土曜日に伺ったIさんは、やはり高校時代からフレンチバロックです。ジャンルは違えど、特定分野への拘りは共通しています。対照的に私は、オーディオによって、多くのジャンルの音楽の良さを教えてもらっている状況です。聴く音楽をいかに選ぶか・・・これは数十年かけて形成されるものですから、路線変更がききません。このこと自体に後悔はないのですが、それにしても音楽の選び方って実に多様ですねえ。


今回のオフ会はじょんびさんの奥様も同席されました。オーディオにジャズにご理解があるとは、実に羨ましい!奥様からは、「家にジャズのCDしかないのでジャズを聴いている」との、実に分かりやすい回答でした。お越しいただいた際に何をかけようか思案しています。私が持っているジャズの音源はじょんびさん、おそらくお持ちです。敢えてボール球も混ぜようかと思っています。
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