珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

球ころがし

2016-09-25 14:53:54 | オーディオ
この夏のオーディオトピック、球ころがしの近況です。球ころがし、という言葉はタモリ倶楽部で初めて知りました。真空管アンプにて、球を変えては音の違いを楽しむこと、を指すようです。OCTAVE V40SEを使い始めて早くも6年半になります。購入時にデフォルトでついていたEL34を交換したのが、約2年半前で、実は交換したのはその1回のみです。ケーブルのとっかえひっかえに抵抗感があるように、球をころがすことに躊躇いがあったのかもしれません。風向きが変わったのは岡山のEDさんとの交流です。4月にお借りした球がV40SEに合わず、改めて7月の赤羽飲み会で推薦の球を貸していただきました。


パワー管も変わるが、プリ管はもっと変わる・・・と言いますね。フューレンのページでV40SEの仕様を見ると、ドライバー管は ECC83 / 位相シフタECC88(6922)と記載されています。この時点でちんぷんかんぷんな状況でしたが、EDさんのご丁寧な解説もあって、互換性を考慮すべきことを理解しました。お薦めの球がECC88系でしたので、まずはそちらのみ交換することにしました。左がAmperex製6DJ8、右がSeimens製E88CCです。笛吹童子だとか金足とかいう用語もあり、マニアックな世界を感じさせます。6DJ8とECC88の関係、ECC83とECC88の関係などの疑問は残しつつ、ころがしてみました。


交換した方は二つあるドライバ管のうち、左側の方です。抜きにくいとかいう話もありましたが、実際にやってみるとすんなり交換できました。V40SEに元々付属していた球は6H23という低グレードの球でした。禁断の球ころがしの世界に踏み入ったというわけです。


さて音の方はどうだったでしょうか?結論から言いますと、交換して世界が広がりました。音はかなり変わります。私が気に入ったのはSeimensの方でした。とてもすっきりした音で、サウンドステージも広がります。一方で適度な湿りや潤いもあり、これはV40SEやAIT DACの個性にも合致するように思いました。低音の解像度が改善し、音楽の表情が変わりました。Amperexはヴォーカルの表現に魅力がありますが、音が少し粗く感じられました。総合判断でSeimensを購入しました。残りの球は先週の音会in岡山でEDさんに返却しています。バックアップなどはこれから考えねばなりません。

プリメインアンプからセパレートアンプに移行するのがオーディオの階段かもしれませんが、球一つでも随分と変わることが判りました。まだまだV40SEとの付き合いは続くでしょうから、仮想プリアンプ交換の楽しみを得ました。他にも弄ってますので、一概には言えませんが、球ころがしは大きな影響だったように思います。かと言ってここから球を本当にころがすのは、危険な気もします。Seimensのエージング兼ねて多ジャンルの音源を聴くつもりです。例年、真空管アンプ派にとって夏はつらい時期ですが、関東方面が比較的暑くなかったことに加え、一連の球遊びでオフシーズン感がありませんでした。
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ヒデさんを訪ねて白河へ

2016-09-24 11:48:39 | オフ会
しばらく出張や遠方でのオーディオ交流が続き、更新が遅れていました。横浜は一気に涼しくなり、慌ててタオルケットから掛布団に切り替えました。すっきりしない天気が続いてますが、秋晴れの高い雲が待ち遠しいです。前回の記事、PVジャズ喫茶キタサン訪問の翌日、白河のヒデさんを訪問してきました。taoさん、チューバホーンさん、seiboさん、Oさん、私の総勢5名での白河行きとなりました。井荻駅でseiboさんと私をピックアップいただき、チューバホーンのお車で東北道で北上です。前回は腰痛で急遽キャンセルとなったチューバホーンさんも、今回は万全でした。

ヒデさんと言えば、1に自転車、2にオーディオ、3にジャズ、4に女性ヴォーカル、次はとら食堂、ではないでしょうか?サウンドと共にこちらでの一杯を楽しみにしているオーディオ訪問者は多いと思います。この日も県外から白河入りした車で駐車場は満杯でした。


私は焼豚ワンタンメンをいただきました。澄んだスープは見た目も味もよし!ひたすら食べることに専念しました。ヒデさんは具が別の皿で提供される、特別仕様でした。こちらで修行した人が町田でお店を開いているようです。至近距離ですので行ってみようと思います。


ヒデさんのシステム、ざっと見た感じでは機器は変わっていないようでした。能率の良いホーンスピーカー(アバンギャルド)を、4台のパワーアンプ(レビンソン)で駆動します。5人適当に席を変えながら、切れのいい直接音を浴びることとなりました。


アヴァンギャルドDUO健在でした。この2年の間にチューニングも入ったようです。本国ではわかりませんが、日本だと、どうもジャズオーディオ、それも濃い方々のイメージが重なります。音を前に飛ばすなら、やっぱりホーンの一択なのでしょうか。


アヴァンギャルドの背後で上向きに置かれているのは、何とスーパーツィーターです。BOSSという中国製品です。数も位置も向きも、常識に捉われない奔放さは、ヒデさんらしいですね。オンオフのブラインドテストなどは勿論いたしません。


充実の上流機器です。プレイバックデザイン、トーレンスに、オクターブのプリです。こちらのトーレンス、実は、今回ご一緒のOさんが以前所有されていたプレイヤーそのものだそうです。Oさんは、嫁ぎ先の娘の働きぶりを見る想いだったのではないでしょうか。


ほぼジャズ、一部、女性ヴォーカルをかけていただきました。2年前より、一段と切れも、厚みも出ましたね。全般にCD再生でその傾向を感じました。個人的な嗜好で言えば、アナログの柔らかさが乗る分、レコードがフィットしました。トミー・フラナガンの「Communication : Live At Fat Tuesday's New York」のアナログ盤はずっと浸りたくなる1枚でした。しかし、圧巻は最後に聴かせていただいた、ロイ・ヘインズ トリオでしょう。私は脇の和室にいましたが、それでも異次元の音がビシバシと飛んで?きました。ヒデさんが求めている音、それを実現されている様子を再確認し、散会となりました。


ヒデさん、2年ぶりの力溢れるサウンドありがとうございました。取りまとめていただいたチューバホーンさんを始め、ご同行の皆さん、ありがとうございました。前日のキタサンさん、この日のヒデさん、ある意味180度違うサウンドかも知れません。それでも、ジャズをこよなく愛されていることに変わりありません。オーディオは音楽を聴く手段であること、そして手段は問われないこと、がよく分かりました。多少、体には応える週末でしたが、ジャズづいた非日常を楽しませていただきました。

※amazonでロイ・ヘインズ トリオをチェックしたら、お勧め商品にパッハベルのカノン(オルフェウス)、マーラー(クレンペラー)が出てきました。うーん、オーディオファン繋がってますねぇ!
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PVジャズ喫茶、キタサン訪問

2016-09-11 12:38:08 | オフ会
9月に入っての最初の週末、ニッキーさんのお誘いを受けて、キタサンさん宅を訪問しました。キタサンさんを訪ねるのは、ちょうど3年ぶりになります。前回も9月でしたから、和らいだ暑さの中の訪問に懐かしさも加わっていました。午後2時のゆっくりのスタートだったこともあり、午前中所要を済ませて待ち合わせの赤羽に向かいました。交通の便の良い赤羽は、拙宅からも意外に早く着けてしまいます。計算通り埼京線を使ってジャストの時間に改札を出ると、キタサンさん、ニッキーさんが、にこやかにお出迎えです。間をおいての再会も嬉しいものですね。

前回訪問から、キタサンさんのシステム、というか音楽を聴くスタイルが大きく変わったことは伺っていました。前に訪問した際にはほぼ、アナログは休止状態でしたが、現在はアナログ主体となっています。この間、CDの音源を手放したり、オリジナル盤を集めたり、モノラル再生に取り組んだりと、大きく舵を切られました。舵を切ったと言えばオーディオ機器も然りです。以前のSPはモニターオーディオのPL100でした。現在は、ソナスファベールの90年代の銘機、MINIMAを使われています。アンプもクォードのビンテージ品ですから、随分と様変わりしました。


本日のある意味主役、MINIMAです。90年代初頭、オーディオ誌を通じて存在を知りました。兄貴分のElecta Amator含めて、SP界の新風のような扱いでした。当時の私には、システム総額が30万が精いっぱいでしたから、高嶺の花でした。


クォードのプリアンプQUAD44(上段)です。ラックスマンのプリアンプC-06α(中段)は、この日はお休み?最下段はやはりラックスマンのフォノイコライザーE-06です。これらは専らアナログ用で、CD系統は最初の写真にあるデノンのCDプレイヤー&真空管プリメインアップで完結です。


ステレオパワーアンプQUAD405です。確かチューバホーンさんも使われていました。私がビンテージ路線に行くことは、おそらく無いと思われますが、いわゆる現代ハイエンドの音を求めているわけではありません。こうして訪問先で多様なビンテージの音を聴かせていただく、のが丁度いいかも知れません。


アナログプレイヤーもLINNのLP12からトーレンスTD124へ変わっていました。ブログを拝見すると、TD124の持つトルク感が音楽に活力を与えてるとか。カートリッジはオーディオテクニカAT33EVです。TD124はステレオ再生用で、モノラル再生にはケンウッドの入門機を使われています。


こちらは番外編のご自作?SPです。私はよく分からないのですが、60年代のRCAユニットを使ったフルレンジ+ツイーター構成のSPです。いわゆるジャズ喫茶の音がする、とのことでした。MINIMAの後でしたので分が悪かったですね。慣れると聞けました(笑)。


キタサンと言えば、PVジャズ喫茶「キタサン」でしょう。この日はグァテマラを淹れていただきました。極上のコーヒーとロールケーキ、そしてMINIMAから繰り出される温かいジャズの組み合わせ。ニッキーさんと仲良く並んで満喫させていただきました。ごちそうさま。


前半はCDから入り、後半アナログの流れでした。かかった曲は、ほとんどがジャズでした。アナログではやはりオリジナル盤が気になりました。一つ一つにキタサンさんの解説が入ります。ポップス系は八神純子とカーペンターズくらいでした。


この3年の音の変化は、想像通りだったとも言えます。前回の日記を読み返すと、とても整った音とあります。控えめながら細かいところ手が届くような音、だったと記憶しています。PL-100の個性だと思いますが、SPがMINIMAに代わり、さらにアンプがクォードのビンテージ品となり、温かみのあるサウンドになりました。ジャズ向きかどうか・・・これは一概には言えませんが、浸っていたくなる音でした。機器が定まったのは今年に入ってからですから、紆余曲折を経て落ち着き先を見つけたということでしょう。暫くオフ会を控えられてましたが、それが良かったのかも知れませんね。

前回はジャズ喫茶「キタサン」から居酒屋「キタサン」へシフトしましたが、この日は夜の赤羽へ繰り出しました。ベルウッドさん、いたちょうさんが始めているとの事前情報がありました。さすがに土曜の赤羽、いい混雑ぶりでした。当初予定していた「八起」が入れず「紅とん」へ変更です。1時間ほどしてから、ご家族で関東方面へ遠征していたniraさんも合流です。ニッキーさんの弄られぶりは相変わらずでした。楽しい時間はあっという間に過ぎます。この翌日は、やはりジャズ好きのヒデさんを訪ねるツアーでした。赤羽の深酒は危険!ですので、一足に先にお暇させていただきました。


キタサンさん、ニッキーさん、そして赤羽で合流した皆さん、ありがとうございました。
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ウィーンアコースティックの会in横浜

2016-09-03 08:23:58 | オフ会
8月27日、福井からデーンちゃんさんを招き、Lotus Rootsさんと3人でウィーンアコースティックの会を行いました。B&WやJBLの様なメジャーなSPではないので、会といってもメンバー集めには苦労します(苦笑)。昨年の秋、越前大野のデーンちゃんさんを訪ねてから早11か月。年々、月日が経過するスピードが上がっています。Lotus Rootsさんを訪問したのは、ついこの間の5月でした。同じSPユーザー同士のオフ会は、好みのベースが似ているので、お互いのシステムの違いに敏感になります。なかなか面白い企画でした。まずは拙宅、続いて日吉へ移動してLotus Roots邸、そして感想戦という流れでした。

午前中、部屋の掃除をしていると、Lotus Rootsさんから電話が入りました。諸事情でデーンちゃんさんの横浜入りが遅くなるとの一報でした。飛行機から新幹線へ、移動手段を切り替えられたようです。それでも北陸新幹線の恩恵で、何とか、会の方は催行となりました。


デーンちゃんさんのギター好きを憶えていたので、アール・クルーなどフュージョン系をプログラムに入れました。オーディオファン必携?のしばじゅん、私も1枚だけ持ってます。やはりアコースティックギターが美しい「22才の別れ」を選びました。ジュディ・オングは最近中古レコードを2枚仕入れました。


デーンちゃんさんがお越しになるまでは、Lotus Rootsさん向けに、棚から一掴み的に聴いていただきました。Lotus Rootsさんの好きな女性ヴォーカルとクラシック中心です。デーンちゃんさんを迎えに行く間も留守番をお願いして、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番(ミケランジェリ)を聴いていただきました。


暑さが控えめだったこともあり、今年はいつもの夏よりオーディオを聴いたように思います。EDさんからお借りしているシーメンスのプリ管の音が、すっかり気にいったことも勿論理由の一つです。ウェルフロート導入、SPの足回りの整備、アンプの移動、アイソレーショントランス導入といった下積みの上に、プリ管による音の変化が上手く嵌った印象です。全般に音はすっきりして見通し感がよくなりました。低域の解像度も改善しました。同じメーカーのSP使いの仲間という安心感と共に、音への不満が減ったため、幾分気楽なホスト役でした。昨年10月にお越しいただいたLotus Rootsさんも音の変化を感じられていたようです。

さて貴重なウィンアコの会です。福井から横浜へ来られる機会は限られます。拙宅の会を切り上げ、1時間ほどかけて日吉のLotus Roots邸へ移動しました。Lotus Rootsさんも、この3か月で、あちこちら手を加えている様子でした。バーチ素材のウェルフロートボードや、ラダーケーブルを導入されました。同じ場所に留まっていられないのは、皆さん同じですね。一聴、音が前回より澄んだ印象を持ちました。両者の効果でしょうか。お部屋の大きさや形状とSPの大きさの関係でご苦労があるようですが、また一段登られました。デーンちゃんさんからは交差法の提案もあり、なるほどと思いました。


兄貴分SPの余裕のようなものを再度、実感しました。前回は昼間の訪問でしたが、夜間ですと照明も入り違った雰囲気になります。仕事疲れの中で聴くヴォーカルもまた格別のことでしょう。女性ヴォーカルには勿論癒されましたが、特にスティングの「エンジェルアイズ」に惹き込まれました。


暖まったアンプの音をもう少し聴いていたい気もしましたが、時間が時間です。最後は日吉駅前に移動し感想戦です。お宅の玄関を出たときの涼しさに、夏の終わりを感じました。いつもオフ会で使われている串焼きやさんが満席で、同じく駅前の居酒屋に流れました。乾杯のビールの後は、デーンちゃんさんに選んでいただいた日本酒「五凛」を飲みながら談義を続けました。実は、Lotus Rootsさんは福井にもゆかりがあります。この夏、ウィンアコの会in福井を企画されたようですが日程調整がつかなかったそうです。場所を変えての開催となりましたが、漸く実現となりました。


3人中2人が福井と関係あるという、稀有な感じも、ウィーンアコースティックらしくていいではありませんか(笑)。あらためて昨年訪問した越前大野が懐かしく感じられました。皆さん、楽しい会をありがとうございました。お互いもう少し年齢を重ねたところで、またできるといいですね。
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