珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

今年の振り返り

2011-12-30 21:56:58 | オーディオ
いつもながら年末のこの時期を迎えると、1年の短さを感じています。今年は地震抜きに語れない年となりました。一方で、なでしこJAPANの活躍に何かを感じた方も多いのでは。政治も経済も混沌の最中ですが、年末年始に音楽に浸れる状況に感謝しています。今回はチョン・キョンファのBOXセットを中心に聴いています。ざっくりですが、この1年のオーディオを振り返ってみます。


1)セッティングの固定化
メインシステムのセッティングはこの1年変更していません。GRFさんのブログ知った平行法を実践し、SPではなく部屋を鳴らすことを耳で覚えました。相互交流で得た経験値は、今後のオーディオライフの礎になることでしょう。平行法の恩恵を私なりに挙げると、音楽が活き活きする、システムを弄った際の音の変化が判り易くなる、の2つとなります。平行法の中身はステレオ再生のごく基本であるのですが、これまで20年近く実に無頓着でした。お金かかりませんので、皆さんも是非!


2)Voyage MPDの導入
GRFさんとの交流で、V40SE+Beethoven Baby Grandの潜在力を実感することができました。裏を返すとソースを何とかしなきゃダメだと気付かされたわけです。一部のPCオーディオファンの間で話題になっていたVoyage MPDをGWに導入しました。PCオーディオと言っても、PC自体を黒子にさせる発想は目から鱗でした。モニターもキーボードも無いALIXがオーディオシステムの中核に定着しました。音源に入っている音が素のまま出てくる感覚は今も変わっていません。


3)電源環境の整備
PCオーディオは電源とクロックが肝とよく言われます。クロックは手つかずですが、電源環境をかなり見直しました。GiuliaさんをはじめLINNのDSユーザーさんの高音質化の取り組みは、Voyage MPDでも参考になります。クリーン電源を足元に導入する一方、スイッチング電源撲滅を進めました。アナログ電源をNAS用に2台、ALIX用に1台購入しています。検証は未だですが、リッピング用CDドライブ(Premium2、内蔵タイプ)のアナログ電源をエルサウンドに特注して、何とか年内に入手しました。


4)サブシステムの充実
サブシステムのテコ入れが進みました。Classic 1をリビングから戻し、スタンドに砂を入れて音に芯を持たせました。NASはメインシステムと共有です。したがってNASやルーターまわりの電源環境の改善は、一石二鳥でサブシステムの充実にもつながりました。格安のチャイナDACはここに来て電源が入らなくなり、然もありなんと言いたくなる側面も。それでも、メインシステムを焦らせる音を出せたのではないかと思います。早々に修理に出す予定です。

さて、来年ですが、ようやくアナログを導入します。レコードに針を落とすのは高校以来ですから感慨深いものがあります。デジタルは例によって試行錯誤でしょう。まだ紹介はしていませんが、サブシステムに壁掛けモニターを導入しています。今後は映画や放送もいい音で聴き(見)たいですね。この1年、ご訪問された方、ありがとうございます。皆様、良い年をお迎えください!
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コバルトアワー、さざ波

2011-12-24 11:19:17 | POPS(邦)
少し前になりますが、NHKで荒井由実の『ひこうき雲』にかかわった面々が再開してマスターテープを聴きながら当時を振り返る番組がありました。その中で取り上げられていた「ベルベット・イースター」は、荒井由実の中でも特に好きな曲です。番組で細野さんが"イギリスの音"と表現していましたが、言われてみるとどんよりとした英国の曇り空のイメージが重なります。「曇り空」「雨の街を」など、『ひこうき雲』は私の中ではどんより系の印象が先行しているアルバムです。

今回は逆に晴天のイメージが湧く、荒井由実の2曲を紹介します。まずは3枚目のアルバムの表題にもなっている「コバルト・アワー」です。疾走感は松任谷時代を通じても1番じゃないかと思います。歌詞に出てくる"横須賀ガール""湘南ボーイ"、そして"ベレG"。ピンと来る方は60年代に青春を過ごされた方でしょうか。それも裕福なご家庭の。複雑なメロディが絡む間奏もこの曲の魅力の一つで、海沿いの高速道路をカッ飛ばしている雰囲気が伝わってきます。


ユーミンのトリビュートアルバムがいくつあるのか、把握はしていませんが、私が持っているのは下の2枚(Dear Yuming とQueen's Fellws)です。この中でレベッカのNOKKOとクレイジーケンバンドが「コバルト・アワー」をカヴァーしています。同じ曲でもユーミンやNOKKOだと朝焼けのイメージ、横山剣だと白いベレットGTのイメージが先行します。横山剣のズシッと重い声がこの曲にマッチするのは意外でしたが、一度慣れると、こっちの「コバルト・アワー」も十分ありだと思います。


2曲目は荒井由実としては最後のアルバム『14番目の月』から「さざ波」です。今は季節外れですが「さざ波」の場面設定は10月の湖です。秋晴れ、ボート、落葉、そしてさざ波・・・情景がイメージできる詞と曲、それをサポートするアレンジ、にはいつも感心してしまいます。女性の失恋の心境はわかりかねる私でも、"オールを持たず漂いながら"のフレーズに、秋晴れ中の憂いを感じることができます。『14番目の月』はアルバム全体としても洗練された曲が多く、後の松任谷時代への布石を感じます。


さて今日はクリスマスですね。皆さん思い思いの曲をオーディオで鳴らしていることでしょう。最近、チョン・キョンファのBOXセットを買ってしまいました。19枚入っていますので、一気には無理ですが、この年末年始はヴァイオリン三昧の予定です。ブログの方ですが、年内は後1回、今年の振り返りを予定しています。
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オーディオ関連書籍より

2011-12-18 09:37:25 | オーディオ
先日の皆既月食は好天にも恵まれ、楽しまれた方も多いことでしょう。ほぼ真上にあったので首が疲れましたが、見てて気持よかったのは、オリオン、牡牛(すばる)、ぎょしゃなど冬のオールスター級の星座が月を囲んでいたことです。天文は詳しくありませんが、この点でも見ごたえのある月食でした。

今回は最近、購入したオーディオ絡みの書籍の話題です。オーディオほど多面的に楽しめる趣味はないのではないでしょうか。文系/理系の側面、演奏/録音/再生の側面、メーカー志向/自作志向の側面などなど・・・。せっかく趣味の一つとして選んだ以上、この多面性を味わいたいですし、それをアシストしてくれるのが書籍です。ジャンルを超えて、また新旧問わずオーディオ関連の書籍に触れたいと思っています。

既に亡くなられて久しいですが、オーディオ関連の書物やネットの記事を読んでいると、瀬川冬樹氏の名前を目にします。活躍されたのは80年代以前ですから私がオーディオを意識するずっと前に活躍されていた方です。先入観を持たずに写真の古本を手にしました。30年前の本ですが、オーディオの本質は何ら変わっていないのだと感じます。オーディオはつまるところ、自身の耳を物差しにして音を創る創造行為なのですね。他の著書も読んでみようと思います。


PCオーディオを追求する上で、デジタルの基礎知識は知っておいた方がいいだろうと、写真の2冊を購入しました。どちらかというと、音楽を提供する側へ向けた本だと思いますが、オーディオファン向けとしても読める内容です。デジタルファイルの世代落ちの話は、私の中では理屈がつきませんが、プロの現場で(音質劣化を嫌って)世代管理をされているとなると考えてしまいます。今までPC内蔵のハードディスクにリッピングし、そこからNASにコピーしてたので・・・。


最後はSS誌絡みです。最新の冬号で和田氏の連載「ニアフィールドリスニングの快楽」が終わりました。ニアフィールドはSS誌読者層にも十分受け入れられたのだと思っています。斜め読みして感じたことですが、デジタルファイル再生の波が着実にSS誌にも押し寄せていますね。別冊のハイエンドアナログは、アナログ導入計画とも相まって思わず書店でレジに運びました。ハイエンドに限らず、今のアナログを取り巻く状況を俯瞰できます。


SS誌別冊で柳沢氏が長文寄稿の中、「アナログは音だけでなく過程も楽しめる」と書いています。これを読んでPCオーディオとの共通性を感じました。いい音楽聴いて、耳を鍛えて、また追求する・・・結局はこの過程の繰り返しですが、アナログにしてもPCオーディオにしても、主体的に過程を楽しめる(苦しむことも含めて)点は共通です。一連の書籍を読んで再認識したことです。
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アナログ試聴会他

2011-12-09 20:35:43 | オーディオ
師走なのに秋晴れのようであった5日、アナログプレイヤーを試聴してきました。これから四半期あまりかけてアナログ機器の選定をする予定で、今回が絞りみ第一弾です。どんな結末が待っているかわかりませんが、過程も楽しもうと思います。

秋葉原の某店に行く前に、外苑前に寄りました。この時期、少々背伸びして洋服を買うのも楽しみの一つです。都内で私がくつろげる場所を挙げるとするならば、まずは神田・神保町界隈であり、同じく外苑前・表参道・青山界隈です。全くカラーの異なる街ですがそれぞれに気に入っています。今年は暖かいせいか、紅葉も遅れ気味。おかげで絵画館前の銀杏も見ごろでした。洋服屋の店員さんによると土日は交通整理で見物も大変だったようです。


さて、試聴です。聴きたいアナログプレイヤーは数多あるのですが、情報過多にならないようとの配慮の下、LINNのLP12とLUXMANのPD-171を用意していただきました。LP12にはMCカートリッジ、PD-171にはMMカートリッジと、条件は異なりますが、同じレコードを相互に聴き比べることから始めました。LP12とPD-171の比較というより、音の違いを感じることからスタートです。組み合わせたアンプ/SPはマッキントッシュのハイエンドですので不足なしです。


ピアノのタッチの余韻、コーラスの浸透力・・・私はLP12+MCカートリッジに1日の長を感じました。でもPD-171がダメというわけでなく、MCカートリッジだとまた印象が変わるでしょう。むしろ価格差を考えるとPD-171のコストパフォーマンスの良さを感じます。比較が目的ではなかったのでその後は、LP12で聴かせていただきました。

アナログ導入には、1)ターンテーブル、2)トーンアーム、3)カートリッジ、4)フォノイコライザー、を揃えねばなりません。どれも音に効くのでしょうが、入門者としては、どこかポイントを抑えて残りは徐々に・・・となります。カートリッジにいい仕事をさせるには1)2)次第との話も出て、今のところテーブルとアームの組み合わせに力点を置こうと思っています。今回試聴したLP12とAKITOの組み合わせは良き基準となるでしょう。

12月初旬は冬至よりも日の入りが早く、あっという間の夕暮れです。試聴後は例によって神田・神保町をフラフラしました。ルートはオヤイデ電気→石丸電気→聖橋(写真)→ジャズ喫茶オリンパス→神保町です。オヤイデ電気では検討中のALIXのアナログ電源用のケーブルを購入しました。散歩の締めはビンテージSPで聴くジャズ、もちろんアナログです。師走の中の秋晴れ?を楽しんだ、充実の1日でした。
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クリーン電源GPC-TQ

2011-12-03 21:08:54 | オーディオ
早くも師走となりました。この1か月も駆け足で過ぎることでしょう。今年は11月に入っても暖かい日が続いていましたが、昨日のような寒い日が来ると冬へのスイッチが入ります。今回は9月に導入したボルトアンペア社のクリーン電源の話題です。存在を知ったのはPCオーディオ指南書でしたが、その後、テレオンで開催された試聴会にも参加して導入を決めました。

PCオーディオに切り替えて以降、HUB、NAS2台、ALIX(Voyage MPD用のPC)、USB-DDC基板がシステムに加わり、コンセントの絶対数が足りなくなっていました。メインシステムの近くにセカンドシステムがあることも、コンセント不足に輪をかけていました。コンセント不足を解消しつつ、かつ音も良くできないか?と思案する中、クリーン電源を意識するようになったわけです。

アキュフェーズは予算的に厳しく、手頃な価格で目に止まったのがGPC-TQでした。倒産してしまった信濃電気の製品がベースになっています。当時の担当の方がボルトアンペア社を興して製品化しています。録音現場やミュージシャン、特にベーシストの評価が高いようです。私も試聴会でベースの躍動感の向上を実感することができました。見た目は薄いですが、ずっしりと重いです。


こちらは裏側の写真です。コンセントは表に2個、裏に6個あります。現在、GPC-TQには、HUB、NAS2台、ALIX、それにセカンドシステムの電源タップ(ORB)をつないでいます。ノイズが気になる、無線ルーターと操作用のノートPCは意識的にGPC-TQにはつないでいません。裏側にはアース対策としてのモード切り替えSWがついています。IN側、OUT側、今のところメーカー推奨の設定にしています。


クリーン電源は庭の土壌改良のようなものと、捉えています。一聴して声の消え方などのニュアンスの表現力が増した印象でした。その後何も気にせず使っていますが、裏方として音を支えてくれていると思っています。若干のうなり音があるのはあるのですが、今は気にしていません。

ついでですが、セカンドシステム用に導入したORBのDP-4i/Goldも紹介しておきます。セカンドシステムではSACD/CDプレイヤーPD-D9、プリメインアンプINT30、チャイナDAC SD-1955をこのタップにつないでいます。GPC-TQにしてもDP-4i/Goldにしても電源ケーブルを変えることができます。カルダスのGolden Power導入で浮いた、キンバーのPK-10Gをそれぞれに使用しています。


結局今年の後半は電源環境の整備がテーマになってしまいました。概ね収束してきましたが、残るはALIXの足元にアナログ電源を当てようか考えているところです。
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