珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

盛夏前のオーディオ近況

2017-07-30 12:24:58 | オーディオ
先週、先々週と関西方面への出張が続きました。暑さはやはり西日本の方が上ですね。たまたま街路樹の下を通る機会がありましたが、例のシャーシャー鳴くクマゼミの大合唱が凄まじかったです。蝉はお互いの鳴き声聞いて、張り合っているのでしょうか?ともあれ、クマゼミの声を聞くと夏到来を実感します。19日は、会社の仲間のお誘いで甲子園球場に行ってきました。ビール片手に、バックネット裏の素晴らしい席でプロ野球観戦です。広島はすっかり有名な選手ばかりになりました。この日も大勝で、強さの一端を目の当たりにしてきました。完全アウェーでもめげないカープファンの熱狂ぶりにも感心しました。


さて、久しぶりのオーディオ近況です。横浜方面は蒸し暑い日が続いていて、真空管アンプ派にはつらい状況です(苦笑)。実は6月あたりから、ポツポツとV40SEの保護回路が働くようになりました。以前の経験から、出力管の寿命だと推測しました。前回交換から3年超になります。もう少し長く持って欲しい気はしますが、保護回路を気にしながらでは音楽鑑賞になりません。EDさんからビンテージ品の紹介もありましたが、結構いい値段がします。この3年間使ってきたスヴェトラーナ社の新品を再登板することにしました。秋葉原のアポロ電子にてEL34をツーペア購入しました。この夏は慣らし運転になりそうです。


秋葉原で真空管を購入した、その足で神保町に向かいました。行き当たりばったりの音源探しです。3月に石川さゆりの『影を慕いて~古賀メロディを唄う』を購入しました。今回は、その続きで美空ひばりの『エヴァ―グリーン』です。両盤とも2015年にo.kumazakiさんからレコードをデジタル録音した音源を送っていただきました。ネットだと中古CDは高値が付いていたのですが、街のレコード屋で不意に出会えるから不思議です。『エヴァ―グリーン』はCD黎明期の作品です。ライナーノーツでひばりさんが新メディアであるCDへの期待感を語っています。そのCDもデジタルファイル再生の波に押され・・・時代の経過を感じます。


アナログレコードの戦利品です。70年代~80年代のこの手の作品を脈略もなく。やまがたすみこは、先日K&Kさんのお宅でアナログ盤をかけていただきました。こちらは76年の『サマー・シェイド』になります。中島みゆきにはセルフカヴァーの『おかえりなさい』がありますが、85年の『御色なおし』を購入しました。有名なところだと「すずめ」や「かもめはかもめ」が入っています。歌唱力に定評のある石川ひとみは、78年の1stアルバム『くるみ割り人形』にしました。決して「まちぶせ」だけでないことを、確認できるでしょう。一服の清涼剤としての役割を、この3枚には期待しています。


あとこの夏はウェルフロートのQuad Ringの導入、PCオーディオへのlight MPDの導入を考えています(Quad Ringは入手済)。こちらは、項目として大きいので、あらためて纏まった形式で紹介したいと思います。暑さの中にもオーディオの楽しみを見出す・・・そんな2017年夏になりそうです。
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kikiさんのお宅へ

2017-07-22 13:15:37 | オフ会
昨年に相互交流をさせていただいた大田区のYさんからお誘いをいただき、7月8日、横浜市内にお住まいのkikiさんのお宅を訪問してきました。音場表現に拘りを持つYさんが、やはり音場表現を追求されてるkikiさんと交流をされ、その流れでお声をかけてただいた次第です。kikiさんと言えば、昨年ネットを席巻?した対向法のご本家ですが、名前が付くずっと前(数十年前)から真の音場づくりに取り組まれてきました。オーディオの常識を覆すような対向配置ですが、ポン置きでもそこそこ音がでるのでトライして驚かれた方も多いと思います。勿論、kikiさんはポン置きではありません。

京浜東北線の本郷台にて3人で待ち合わせて、kikiさんのお車でお宅に向かいました。長らく横浜に住んでいますが、なかなか石川町より先に行く機会がありません。磯子から先の新杉田、洋光台、港南台の位置関係も怪しい感じです。改札を出るとウチワを持ったYさんがkikiさんと既に談笑されていました。空梅雨だった今年の横浜ですが、この日も当然のように晴れでした。ただ、現在のような猛暑までは至らず、風と青空が爽やかだった印象があります。車で5分ほどだったでしょうか、kikiさんがお住まいのマンションに到着。さっそくオーディオ部屋へ案内いただきました。

お部屋は6畳程度で横長配置、かつリスニングポジションはSPにかなり接近するセッティングです。SPは何と4セットで、うち3セット(QUAD ESL、ENSEMBLE ANIMATA、Audio Physic Brilon)が対向配置です。もう一つは正面を向いたAcoustic Energyのブックシェルフでした。


この日は3時間ほどの滞在で、使用したSPはANIMATAのみでした。本来はブックシェルですからスタンドを使うのでしょうが、床の上の台座に仰角をつけて置かれています。シミュレーションを使ってSPの最適な位置、向きを割り出した、とのことです。


CDプレイヤーはCECのCH-5000Rです(写真の左上、一部しか写っていません)。CDチェンジャーで5枚のCDを自動で切り替えます。kikiさんは80年~90年当時の機器を長く使われていますね。音場表現のみならず、時流に流されずにオーディオをやられてきたことが窺えます。


プリアンプはご自作です。ノイズ低減に拘ったとのことです。詳しいことは分かりませんが、この外観、配線、サイズ・・・世界に一つのプリアンプですね。音場のシミュレーションといい、プリアンプ製作といい、kikiさんのエンジニアとしての側面が見え隠れします。


こちらは京セラのパワーアンプB-910です。やはり80年代の製品です。私がいわゆる高級オーディオに感心を持ったのは90年代以降ですから、京セラがこのような製品を出していたこと自体、知りませんでした。30年はさすがに一昔ですね。


この日のメインゲストは勿論、Yさん。まずはYさんにセンターポジションへ座っていただき、その後は適宜、ポジションを交換しました。私が最初に座ったポジションはシステムの右側後方で、斜めから俯瞰する位置です。kikiさんは終始、床にお座りになってCDを操作されていました。最初の音源は、音楽ではなく清里高原の鳥の囀りでした。まず驚いたのは、どのSPが鳴っているか全くわからないことです。鳥によって聞こえる高さ(定位の方)が異なります。聴き込むほど森にいるような感覚になりました。音楽と違って好き嫌いが入りにくいので、むしろ調整には向いているとのことでした。

その後は、kikiさんの音源、Yさんと私の持ち込み音源を聴きながら、音場と音楽を楽しませていただきました。音場については、いわゆるSPを消す感覚を、これまでに経験してきており、kikiさんの音場だけが特別という感じはしませんでした。部屋の広さを考えると、部屋のどこにいても聴けるのは驚きであり、これは対向配置と詳細な位置決めの賜物でしょうね。対向配置にすると音場が狭くなる先入観もありましたが、チェリビダッケ&ミュンヘンフィル「くるみ割り人形」では量感あるコントラバスが右遠方に定位していました。直接音は天井に向かっているはずなのに、細かい音が解像されていたのも不思議でした。

私が持ち込んだ音源は室内楽が中心でした。ピリシュのモーツァルト「ピアノソナタ5番」は、メリハリと余韻が両立して心地よかったです。イタリア合奏団のヴィバルディ「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」は艶やかさを、チョンキョンファのショパン「夜想曲20番」ではしっとり感を・・・そうです、音場というより音色を楽しんでいたかも知れません。Yさんは持ち込まれた60年代録音の音源について、ご自宅の音場との違いを確認しているご様子でした。おやつ休憩を挟んで3時間はあっという間に過ぎ、お約束の時間となりました。再び車で本郷台まで送っていただき、散会となりました。

kikiさん、大田区のYさん、夏の午後のひとときを、ありがとうございました。以前から気になっていたkikiさんのサウンド、そしてオーディオへの取り組みの一端に触れることができました。先のStereoHallさんもそうですが、百人いれば百通り、オーディオの取り組みの自由さ、拘りの大切さを実感することができました。少し離れてはいますが、同じ横浜市内のオーディオ仲間として今後もよろしくお願いします。きっかけを下さった大田区のYさんにも感謝する次第です。この秋、涼しくなったところで皆さんと再交流できること、願っています。もっとも、拙宅はほどほど音場、ほどほど音色ですのでご了解ください。
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梅雨の晴れ間のピアノ鑑賞

2017-07-16 11:59:17 | ライブ
横浜は連日の猛暑で、まるで梅雨が明けたような日々が続いています。6月以降を振り返ってみても、雨が降ったという印象が薄いです。九州の豪雨とは逆の方向ですが、これも異常気象の表れと思われます。さて、そんな梅雨の晴れ間に、趣の異なる二つのピアノ鑑賞に行ってきました。一つはN響の定期演奏会です。大野のデーンちゃんさんが行くはずだったのですが、ご都合が悪くなり、ご厚意でチケットを譲っていただきました。もう一つは地元、町田市成瀬のアートスペース・オーで開かれた児玉麻里さんのリサイタルです。こちらはベルウッドさんのお庭です。今回は家内と足を運びました。

N響の定期演奏会は6月24日でした。午前中は仕事があったため鶴見の職場から渋谷へ移動し、NHKホールを目指しました。渋谷の雑踏、若者の多さは時代を経ても変わりませんね。妙な懐かしさを感じながら、公園通りを上っていきました。実はN響の定期演奏会は今回が初めてです。


デーンちゃんさんのお目当ては勿論、河村尚子さん。定期演奏会へは5年ぶりの登場です。冬の大仕事が終わって、解放感の下で聴く尚子さんのピアノを、さぞ楽しみにされていたことでしょう。少し申し訳ない気もしましたが、代打で行って参りました。この日はオール・フランス・プログラムで、デュティユー、サン・サーンス、ラヴェルの構成でした。河村さんの出番はサン・サーンスのピアノ協奏曲2番です。普段、ピアノ協奏曲はベートーヴェン、モーツァルトを中心に聴いているので、サン・サーンスのピアノ協奏曲の存在は、正直、この演奏会で知りました。5つあるピアノ協奏曲の中でも2番は特に人気があるようです。


3階席でしたので、小柄な尚子さんがさらに小さく見える状況でしたが、デーンちゃんさんに成り代わってしっかり目と耳に焼き付けてきました(笑)。初めて聴く曲でもグイグイ来ますねぇ。ダイナミックな演奏は2月にチューバホーンさんのお宅で聴かせていただいたラフマニノフで予習済です。サン・サーンスのピアノ協奏曲2番は全般にメロディが美しい上に、動と静のコントラストがつきます。体を擲って弾く尚子さんとN響の一体感も素晴らしかったです。尚子さん×フランスの組み合わせは珍しいようで、私のような俄かファンはともかく、本来のファンの方も十分満足したのではないでしょうか。


デーンちゃんさん、貴重な機会をいただきありがとうございました。今度は、少し小さめのホールで、尚子さんの演奏を聴き(見に?)に行きたいと思います。10月にはいくつかチャンスがありそうです。うーん、その頃にはデーンちゃんさんは冬籠りでしたか。

7月2日は児玉麻里さんのベートーヴェン プログラムでした。会場のアートスペース・オーはいわゆる音楽ホールではなく、絵画、陶芸、音楽など多目的の芸術空間です。狭いスペースではありますが、直球勝負の音楽鑑賞を楽しめます。喩えると、演奏家の自宅に招かれて演奏を聴く感じでしょうか(勿論、そんな経験はありませんが)?企画自体は90年代初めに始まっており、都合209回目のコンサートでした。嘗てはアルゲリッチ/クレーメル/マイスキーが揃って出演したこともあります。拙宅から至近距離の成瀬で、このような場があると知ったのは、オフ会等でお世話になっているベルウッドさんのお蔭です。


児玉麻里さんは、妹の桃さんとの連弾(チャイコフスキー)のCDで知りました。麻里さん自身は大阪で生まれた後、6才で渡欧し、以後はフランスを中心に活躍されました。ここに来て日本でも演奏や録音にも取り組まれているようです。今回はベートーヴェン プログラムということもあり、嘗てピアノを弾いていた家内も関心が一致。オーディオへの理解は依然さっぱりですが、音楽まで立ち位置を広げれば、円満も可能というわけです(苦笑)。ベルウッドさんとは特段約束していたわけではありませんが、予想通り会場入りされていました。何と3連戦だそうです。毎度のフットワークに脱帽です。


プログラムは19番、20番、8番「悲愴」そして休憩後に29番「ハンマークラヴィーア」という構成でした。ベートーヴェンのピアノソナタは番号が後の方になると曲に深みが出る印象ですが、弦楽四重奏のような難しさが無いので、私の場合、全集聴くならまずはピアノソナタとなります。前半は会場の音を確認しながら穏やかな演奏で、ウォーミングアップ気味だったでしょうか。休憩後は、一転、渾身の演奏となりました。ピアノ演奏の難しさのことはよくわかりませんが、この曲はかなりの難易度のようですね。そういったことも知らずに、至近距離で麻里さんが放つ生音を浴びていました。

こちらのピアノは、ヤマハグランドG3Aです。リサイタル終了後、主催者側の許可をいただき撮像しました。芯もありますが、どことなく円やかさを持った音でした。実はオーディオ投資より家内向けのピアノ投資を考え始めました(アップライトです)。先般、銀座のヤマハにも足を運んだばかりですが、ベルウッドさんからは表参道のカワイも教えていただきました。ピアノを選ぶプロセスも楽しめそうです。


ベルウッドさんが帰られた後、しばし居残ってサイン会に臨みました。併せてペンタトーンのハイブリッドSACDを購入しました。購入したのは「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集」です。この日、演奏された曲は入っていませんが、家内の好きな17番「テンペスト」が入った盤にしました。


というわけで、本格的な夏を前に、ピアノ三昧の梅雨となりました。真空管使いとしては、夏の本格化=オーディオ一休みの構図ですが、たまには部屋を冷やして、ゆったりとピアノを味合う、そんな夏休みもありかと思っています。
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上信越、山と音楽紀行:akahanamizukiさん宅訪問編

2017-07-09 11:42:53 | オフ会
山と音楽紀行、最終編はakahanamizuki邸訪問です。春日山城跡散歩を終えて、清々しい気持ちのままお宅のリビングに通していただきました。philewebの日記から開放感溢れるリビングルームを想像していましたが、予想以上オープンぶり。まさしく、お子様が走り回れる家を実現されていました。SP奥のスクリーンの向こうは中庭です。リスポジの後ろ側も庭ですからふんだんに自然光が入ってきます。午前から夕方まで陽の変化も感じながら、音楽を聴かせていただきました。散歩で乾いた喉を、美味しい麦茶で潤しつつ、サウンド交流がスタートしました。


akahanamizukiさんは、ここ数年でヴィンテージオーディオに舵を切られました。嘗てはLINN KlimaxDS/K、B&W siganature diamond、そしてアンプはアキュフェーズのセパレートC-3800、A-45という、現代のハイエンド品を使われていました。もう上がりとも思えるようなラインナップですが、それだけで頂上とならないのがオーディオの難しさ、面白さです。どんなオーディオシステムを組むか、これは正解のない旅のようなものです。聴いてきた音楽、今後聴く音楽、交流で知り得た仲間、自身の志向、資金・・・岐路はいろいろありますね。いずれにせよ最後はご本人が決めるものですし、選択は尊重されるべきと思います。

お洒落なリビングルームの裏側を見せていただきました。オーディオ機器とレコード収入スペースになっていました。これは男の部屋ですね。ドイツの香りもします。武骨な機器群をリビングルームに置かない(置けない)のは、どのご家庭でも同じですね(笑)。


akahanamizukiさんのメイン音源はデジタルではなくアナログです。核となるプレイヤーはEMT930stです。カートリッジはTSD-15を使われていました。躯体の頑強さがいかにもドイツといった風情です。訪問先でトーレンスを聴く機会はそれなりにありましたが、EMTは初めてかもしれません。


こちらが、真空管フォノアンプklangfilm 6S Ela 2145. Eladyn-Steuerverstarkerです。元は劇場用のマイクアンプだったそうです。CDプレイヤーの出力も受けられるようにしてあり、プリアンプ的な位置づけです。左右独立のモノラル・アンプです。


フォノアンプから出た左右独立の信号は、そのままパワーアンプZeissIkonDominal-L(左右独立で2台)に受け継がれます。真空管も新品をドイツから取り寄せたそうです。現在でも入手できるのが素晴らしいです。手前の台のアッテネーターで音量を調整します。


最下流はSiemensStudioMonitorです。モニターSPのことはよく分かりませんが、オーストリアのスタジオで使われていたそうです。ユニットはお馴染みTANNOY Monitor Red(15インチ)です。導入当初は音に愕然としたそうですが、朗らかに鳴っていました。


akahanamizukiさんのメイン音源はアナログレコードに移行しましたが、CDはリビング壁面に設置されたB&OのBeosound9000で再生します。LINN KlimaxDS/Kは去りましたが、洗練されたデザインの本プレイヤーは残りました。というわけで、この日はファイル再生無しです。


時間が無くなって今回は聴けなかった電蓄です。次の機会にお願いします。


一緒に音楽聴いたり、うたた寝したり、庭で遊んだり・・・優雅な時間を過ごすハナちゃん。


午前中から夕方にかけての長丁場でしたので、途中、近所のお蕎麦屋さん「にのみや」で昼食をとりました。人気のお店で行列も覚悟とのことでしたが、タイミング良く待たずに入れました。味よしボリュームよしの「天ぷらせいろ」、美味しくいただきました。


全てではありませんが、聴かせていただいた音楽を紹介します。今回の訪問ではヴィンテージ機器も去ることながら、akahanamizukiさんの選曲が楽しみでした。昨年12月にお越しいただいた際に、様々なジャンルの曲をかけましたが、大抵の曲に音でなく音楽にまつわる話が入って時間が押したことを憶えています。これまで様々な音楽を聴かれてきたことがよく分かります。私の知らない音源をきっと紹介いただける、という予感と期待ですね。音源の種類ではデジタル→アナログ、ジャンルではソウル→クラシック→ジャズ→クラシックの流れで沢山聴かせていただきました。

メインの音源がアナログに移行しても、昔から好きで聴いてきたジャンルから離れるわけでありません。akahanamizukiさんにとってソウル、ブラック・コンテンポラリーはそんな分野の一つです。私は70年代から80年代にかけてくらいが精一杯ですが、90年代以降もしっかり追われていました。


続いてソプラノ歌手、森麻季の『日本の歌~花は咲く』から「落葉松」です。お子さんの卒業式での合唱に感動されて、この曲への想い入れが高まったと聞きました。akahanamizukiさんらしいですね。


時代を超えて様々なピアノを聴かせていただきました。モーツァルトの幻想曲はハ短調のK.475に行きがちですが、改めてニ短調K.397の物憂げな雰囲気とメロディの美しさに惹かれました。ミケランジェリの名盤はakahamizukiさんがオーディオの方向を変えるきっかけとなった1枚です。実際、CDと比較をしましたが、CDの方が希薄な印象でした。再生方法というより、マスター音源からのデジタル化の過程の問題と思われます。マルセル・メイエ(フランス)、アリシア・デ・ラローチャ(スペイン)は往年の名ピアニストです。私は存じ上げませんでしたが、ネット時代の昨今、音源の入手のハードルは下がっているようです。


akahanamizukiさん一押しの音源が続きます。コンドラシンの交響組曲『シェエラザード』はCD音源を持っていますが、もっと聴き込んでおけばよかったと反省。オケ系は左右の分離がよく広がりも十分と感じました。浅学を露呈しますが、エルナ・ベルガーの存在も初めて知りました。


クラシックは更にご用意があったようですが、時間の経過を鑑み、ジャズへ移行しました。ヴォーカルを中心に聴かせていただきました。サラ・ヴォーンは「Lullaby Of Birdland」が有名ですが、アルバム全体が素晴らしいですね。クリフォードブラウンのトランペット、沁みました。『Sinatra At The Sands』はフランク・シナトラとカウント・ベイシーオーケストラとの共演。私の好きな「Shadow of your smile」他、シナトラのトーク、会場の雰囲気含めて楽しめました。アニタ・オデイはakahanamizukiさんが横浜にお越しの際の、当方の課題曲としておきます(ありがとうございました)。


サウンド交流の締めは、大御所二人とバッハの組み合わせでした。グリュミオーは存在こそ知っていましたが、聴く機会が殆どありませんでした。akahanamizukiさんが「弾き切る」という表現を使われています。とても熱いヴァイオリンソナタでした。


再びミケランジェリ登場です。ブゾーニ編曲の「シャコンヌ」です。ヴァイオリンのイメージが強いので、ピアノで聴く「シャコンヌ」は新鮮でした。48年録音ですから、貴重な盤を入手しましたね。モノラル盤で音質は決していいとは言えませんが、音楽の芯を感じます。


帰りの新幹線から逆算して、近所の居酒屋にて感想戦です。流石は日本海の近くです。ボリューム満載の海の幸に、冷えたビールと日本酒を合わせて談義を続けました。こちらはakahanamizukiさんは常連のようで、お店の方とも親しく話されてました。嘗てはKYLYN(キリン)さんもここで一杯やったそうです。


akahanamizukiさん、終日、ありがとうございました。散歩と音楽と食事とお酒を堪能いたしました。ヴィンテージの先入観は持たないようにして臨みましたが、実際、聴かせていただいた音は極めてオーソドックスという印象です。以前のシステムの音は最早聴くことは叶いませんが、例えばデジタルに限っては案外同じような音だったのでは、と想像しました。一方で、往年の音源を求めて音楽を楽しむ、ここ数年のakahanamizukiさんの取り組みを直に見ることができました。志向や路線は私とは異なりますが、今後も音楽愛好家としてのお付き合い、よろしくお願いします。

感想戦の後は、奥様の運転で上越妙高駅まで送っていただきました。車中、話が盛り上がっていたのは記憶しているのですが、4日間の疲れとお酒の酔いが加わり睡魔が・・・。失礼しました。

上信越、山と音楽紀行、これで区切りです。
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上信越、山と音楽紀行:春日山城跡編

2017-07-01 18:27:50 | その他
上信越の山と音楽紀行、最終日はakahanamizukiさん宅訪問です。事前のやりとりで前泊が春日山になると伝えたところ、akahanamizukiさんのお宅が極めて近いことが判りました。その流れで春日山城跡を、案内していただく運びとなりました。城跡は愛犬ハナちゃんとの散歩コースだそうです。ご存じのように、春日山城は上杉謙信の居城でした。私は城マニアではありませんが、謙信は好きな戦国武将の一人です。春日山に行ったら、足を延ばして、いにしえの空気感を味わたいと思っていました。と言うわけで、サウンド交流の前にもう一編、春日山城跡編を挟みます。

akahanamizukiさんとの待ち合わせの前、少し時間があったので春日山駅近くまで散歩しました。手前の大毛無山の両サイドにちょこん出ているのが妙高山(左)と火内山(右)です。どちらも百名山です。こうして見比べると火打山の雪の多さが分かります。


akahanamizukiさんご夫妻に車でホテルまで迎えに来ていただき、そのまま春日山城跡へ送っていただきました。akahanmizukiさんのガイドで城跡の観光スタートです。この日は地元の方々がボランティアで草刈りをされていました。ご苦労様です。


初っ端の急な階段を上ると、まず春日山神社が現れました。城跡の麓には、別の春日神社があります。地味ながら歴史は春日神社の方が長く、謙信とのゆかりもあるようです。後日調べたところ、春日山神社は明治時代に作られたようです。


毘沙門堂です。ここは嘗て謙信が読経した場所とされています。近くには戦勝を祈祷した護摩堂の跡もありました。ここまで来ると天守台はもうすぐです。それにしてもバックの青空が眩しい!天守台では見事なパノラマが待っていました。


まずは頸城三山です。妙高山は春日山駅より更に見えづらくなりました。中央右が火打山、さらにその右には現在登山が禁止されている焼山です。サプライズは、妙高山のすぐ右に見えている高妻山です。これは地元の方が同定されていました。後で地図で確認しましたが間違いありません。


焼山からさらに目を右に向けると雨飾山です。2日前のモヤモヤは大分薄れはしましたが、目の前で見てしまうとリベンジ願望が湧き出ます。焼山と雨飾山の中間部に、白い頂が見えます。これは北アルプスの白馬岳の北方、雪倉岳あたりと思われます。


今度は南東へ目を転じます。謙信が小田原攻めに向かった方角です。山容と方向からして、中央左の平らな頂の山は、苗場山と推測しましたが、どうでしょうか。足元に広がるのは頸城平野で、ここを右方向に進むと新幹線の上越妙高駅、さらには妙高高原へ至ります。


春日山は日本海が目の前です。直江津港方面を見下ろします。高台から見る海はやはり格別ですね。本来は遠く、佐渡島まで見渡せるはずですが、霞んでいて目視では確認できませんでした。新潟はここからまだ遥かだそうです。


天守台の展望を満喫した後は、謙信の後継者である景勝や、家臣の柿崎氏の屋敷を回りました。春日山神社へ戻る途中で、有名な謙信公の銅像です。バックの青空を入れるのがポイントと、akahanamizukiさんからアドバイスいただきました。


城跡のすぐ隣に、謙信が幼少期に学問を学んだ、林泉寺があります。上杉氏の菩提寺です。立派な山門です。茅葺の惣門は別の場所にあるようです。林泉寺の内部にある宝物館で、「第一義」と記された謙信直筆の額や、甲冑などを見学しました。


林泉寺は謙信のお墓もあります。棺自体は会津、米沢と転々としたようです。米沢には仕事で何度も行ったことがありますが、謙信は祀り上げられた存在です。こちらには眠っていないようですが、手を合わせて、林泉寺を後にしました。


林泉寺を出てから、春日神社の前を通り、akahanamizuki邸へ向かいました。梅雨入り前とは言え、このような青空はなかなか無いとのことでした。実に素晴らしい散歩コースですね。アップダウンもあって健康的です。訪問先の皆さんの日常に触れる時間は、貴重です。ありがとうございました。


上信越、山と音楽紀行、つづいてakahanamizukiさんとのサウンド交流となります。
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