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離婚相談・養育費~養育費の支払い確保「強制執行編」

2014年08月20日 14時46分25秒 | 離婚

離婚相談・養育費~養育費の支払い確保「強制執行編」

 

離婚相談)養育費の取り決めをして離婚をしたのですが、最近養育費の支払いが滞っています。どのようにすれば養育費の確保ができますか?

 

答)養育費の支払い確保としては、

 

・強制執行

 

・履行勧告

 

・履行命令

 

・金銭の寄託

 

・審判前の保全処分など

 

があります。

ここでは、強制執行について考えます。


1.強制執行

 

離婚の際、公正証書作成、調停調書作成、審判、判決など強制執行力のある書面を作成していれば、その書面に基き強制執行が可能です。

これは、債務名義(支払いを確実にする約束。公正証書や調停調書、審判、判決文をいいます)に基いて地方裁判所に申立を行い、支払義務者から強制的に支払いを確保する方法です。

弊事務所は行政書士事務所ですので、ご相談のほとんどが公正証書を作成した場合のご相談です。強制執行認諾文付与の公正証書を、公正証書を作成した公証役場に持参し、送達付与をしてもらうところから強制執行が始まります。

 

2.差押対象

 

平成16年の民事執行法の改正により、支払いが滞っている場合には、未払い分だけではなく、将来分の差押も可能となりました。

ただし、この条文によって差押できる範囲は、
「請求債権の確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付にかかる債権」だけです。

つまり、給料のほか、地代・家賃などの賃料、商品・役務の継続的供給契約に基く売掛金などで、かつ、養育費などの支払い期限後に支払われるものに限られるのです。

なお、給料の差押については、法改正により、2分の1まで差押が可能です。

 

3.財産開示制度

 

養育費の支払いを求めて強制執行をする際、裁判所は養育費の支払い義務者を裁判所に呼び出し、義務者の財産について陳述させる財産開示制度があります(民事執行法196条以下)。

ただし、債務名義が公正証書の場合、この財産開示制度は使えません。

どうしても支払い義務者が財産を隠匿しているなどで財産を開示したい場合には、改めて調停調書などを作成する必要があります。

 

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