見出し画像

乱鳥の書きなぐり

山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』二オ(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 4


 
 山東京傳作 上 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』(浮気の蒲焼 上)稀書複製会   二オ   4

 

 なごりのもミぢちりまくら
 なつごろも.はるのよ.あきのよ
 ますかゞミ.よわのかね.おぼろ月
 はるがすミ.ミだれどり.おもひ川
 おんなさんぐう.げんぶく.まんぎく
 九月がや.よしのぐさ.なつの月
 あけがらす.むらがらす。あふぎ
 はなのり.はなのゑん.のこるあつさ
 さしぐし.あいのやま.□けず.そめいと
 めいどのとり.こいざくら.あきのもぐさ
 ふたつもじ.ひだりもじ.わかこたつ
 ゑどゆかた.たゝミざん

 ひとつミぞ
 こいばなし
 まだいつくらも
 あれどちよつと
 したところか
 このくらいな
 ものサァ、
   口がすく
     ないさ
 ふみのもんくにハ
 たいぶでんじやの
 あることさふうじ
 めをつけぬと
 ゑんがきれると
 申やすふミの
 すておさなを
 かくよふニなると
 むづかしいね


    ひつさきめに
    くちべにの
    ついてる
      のハ
    いつでも
   ぢものの
    ふミでハ
     ねへのさ
      ごねへに
       ぢみでも


         ミヽの
          わきニ
           まくら
            たこの
             あるので
              しやうばい
               あがりハ
                ソレ
                 ぢきに
                  しれやす


         英一條書



 よわ  =よは【夜半】    (学研全訳古語辞典)
     名詞 夜。夜中(よなか)。
        出典新古今集 雑上
       「めぐり逢(あ)ひて見しやそれとも分かぬ間(ま)に雲隠れにしよはの月影」
        [訳] ⇒めぐりあひて…。

 ミだれどり =乱れ鳥
        ^^ 乱鳥(Rancho)だわ


 九月がや =九月に吊された蚊帳
       江戸時代、滋賀県近江八幡の赤縁、緑の西川制蚊帳がブランド

 そめいと =染糸

 たゝミざん =たたみ‐ざん【畳算】
        かんざしなどを畳の上に落とし、その落ちた所から畳の編み目を端まで数えて、その丁・半の数で吉凶を占うもの。
        浄瑠璃、心中重井筒「一文投げる賽銭さへ進ぜうか進ぜまいかと―置いてみて」

 ミヽのわきニ 
 まくらたこのあるので
 しやうばいあがりハ 
 ソレ ぢきにしれやす =(意味)耳の脇(ところ)が たこになっているので、
                 置屋あがりほら、すぐに知れます(ばれます)。



 (読み間違いはお許しください。)

 
   
 山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』(浮気の蒲焼 上)稀書複製会   1

 
 山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』一オ(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 2 

 
 山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』一ウ(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 3 

 
 山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』二オ(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 4   
 

       

  

  

  

  

  

 印行三百部之内
 第三七號(第37号)

 會製複書稀(稀書複製会)          
 
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「山東京傳」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事