乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『池の水 ぜんぶ“は” 抜くな』池田清彦監修 月刊つり人編集部編 つり人社  2019

2021-04-29 | 読書全般(古典など以外の一般書)

竜田川

 

 

  『池の水 ぜんぶ“は” 抜くな』池田清彦監修 月刊つり人編集部編 つり人社  2019

 

 

 外来種を多角的に捉えられた『池の水 ぜんぶ“は” 抜くな』は、外来種のみの問題ではない。

 現在抱えるコロナにおける医療崩壊問題の命の選択を考えると、人ごと(いや、外来種ごと)ではない。

 池田清彦氏が語る第7章 外来種問題の現在での命の選別は許されるのかでは、ついつい深刻に考えてしまう。

 池田清彦氏の「外来種駆除については、はっきりと言ってしまえばナチスの優生思想に通じる」とキッパリと言い、その上で「命の選択はしないほうがいいんです」と述べている。

 尤!

 

 多くの印象に残る部分はあったが、上以外でもう一つ。

 令和の「令」は『万葉集』からの引用だということは、記憶に新しい方も多いと思います。

『万葉集』「梅花の歌」歌三十二首并序 原文「梅披鏡前之粉」(梅は鏡の前の美人が白粉白粉で装うように花が咲き云々)から引いたものだが、「梅」もまたしかり。

 カミツキガメやブラックバスを見て外来種だから排除しなければならないという人はいても、美しさや身の恵みをもたらす梅を見て、「全部抜かねばならない。」という人はいないであろうと、著者は云う。

 尤!

 

 ことごとく納得がいく。

 読みやすい。しっかりとした内容の本であった。 

 

 

 

 

 外来種問題は「ケース・バイ・ケース」で考える必要があるのではないか。共存可能なら共存していくのが、今後のありかたではないか−。外来種の駆除について考える。池田清彦が語る「外来種問題の現在」

 人間の都合で持ってきた生きものを、同じく人間の都合で、今度は駆除する……。

 外来種というのは、本当に駆除すべきワルモノなのか? 

 ブラックバスやコイを駆除するため池の水が抜かれた後、酸欠で口をパクパクさせる魚たちは、私たちに何かを訴えているように思えてなりません。

 本書では、近年注目されている外来種問題について考えます。

 この問題に詳しい池田清彦先生、岸由二先生らに取材を行ない、まとめました。

 外来種は、なぜこれほどまでに嫌われているのか? 

 彼らを根絶した先に、いったい何があるのか? 

 そしてそもそも、外来種は完全にいなくなったほうがいいのか?

 そして、単に外来種だからといってひとくくりに駆除することは、差別につながるのではないか……?

 身近に棲む生きものたちについて、改めて考えてみるきっかけを作る一冊です。

 

目次

 第1章 外来種と在来種の境界線

 第2章 なぜ外来種はワルモノにされるのか?

 第3章 外来種を駆除して何を守るのか?

 第4章 人が手を加えるのはそこまで悪なのか

       令和元年に思う「梅」のこと

 第5章 必要なのはケース・バイ・ケースの対応

 第6章 群馬県邑楽町に見る外来魚駆除の現実

 第7章 池田清彦が語る外来種問題の現在

       命の選別は許されるのか

 

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アラン『定義集』1 (フランス国立図書館にある木箱の中に、アランの手稿の264枚のカードがある 訳者覚書より)

2021-04-29 | 哲学

 

 アラン『定義集』1 (フランス国立図書館にある木箱の中に、アランの手稿の264枚のカードがある 訳者覚書より)

 

アラン『定義集』

「咎め立てる炯眼よりも赦す炯眼の方が上手(うわて)なのだ」(「悪口」)/「叡知.これは怒り狂った判断を克服した徳である」(「叡知」)/「真の奇蹟は人間に属している」(「奇蹟」)――哲学者アラン(1868-1951)のカード箱に遺された,思索の〈定義集〉.264枚に書かれた断想の初の全訳と,未刊主題500余を収録.貴重な日本版

 

アラン『定義集』 訳者覚書 (訳者 神谷幹夫) P.7より

 フランス国立図書館

 木箱(カード・ボックス・アラン)

 その中に、アランの手稿、264枚のカード あり

 外500枚ほどのタイトルのみのカードあり

 アランが亡くなってから、モーリス・サヴァンの手によって、刊行される。

 

アラン(Alain) (ペンネーム)

エミール=オーギュスト・シャルティエ

 1868年3月3日 - 1951年6月2日)

 フランス帝国(フランス第二帝政)

 ノルマンディー・モルターニュ=オー=ペルシュ出身の哲学者、評論家、モラリスト

 ペンネームのアラン(フランス中世の詩人、作家であるアラン・シャルティエ(英語版)に由来する。)

 

 1925年に著された『幸福論 (アラン)(フランス語版)』で名高い。

 哲学者や評論家としても活動し、アンリ・ベルクソンやポール・ヴァレリーと並んで合理的ヒューマニズムの思想は20世紀前半フランスの思想に大きな影響を与えた。

 体系化を嫌い、具体的な物を目の前にして語ろうとしたのがアランの手法。

 理性主義の立場から芸術、道徳、教育などの様々な問題を論じた。

 フランス文学者の桑原武夫は「アランの一生は優れた「教師」の一生であったと言えよう」と評している。

 また、アランの弟子で同国出身の小説家、評論家であるアンドレ・モーロワは1949年にアランの伝記や教えをまとめた『アラン(Alain)』の中で、アランを「現代のソクラテス」と評している。

 

 

  アラン『定義集』

  モーリス・サヴァン刊行

  神谷幹夫  翻訳

  岩波文庫 

  青656-4

 

 

訳者 神谷幹夫

 北星学園大学・文学部・教授

 

アラン『定義集』1 (フランス国立図書館にある木箱の中に、アランの手稿の264枚のカードがある 訳者覚書より)

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『ソクラテスの弁明 クリトン』「クリトン」読了(ソクラテス:安田顕 クリトン:國村隼の二人芝居を思い浮かべながら読む。)

2021-04-29 | 哲学

『ソクラテスの弁明 クリトン』「クリトン」読了(ソクラテス:安田顕 クリトン:國村隼の二人芝居を思い浮かべながら読む。)

 

 「クリトン」(一名、市民の義務)

 

 対話の人物 ソクラテス、クリトン

 場面    獄舎

 ソクラテスとクリトンの対話

 獄中においてソクラテスとその忠信なる老友クリトンとの間に交わされる対話から成り立っている。

 クリトンがソクラテスに罪から逃がれるように説得する。 

 

 獄中での対話形式なので、舞台思い浮かべながら、読む。

      ソクラテス : 安田顕

      クリトン  : 國村隼

 

「ソクラテスの弁明」を読んだ後だったので、「クリトン」は安田顕と國村隼のそれぞれの所作や表情や声色を感じ取り想像しながら読むと、大変楽しかった。

 どこまでも楽しい、信天翁(乱鳥)である。

 でも、こんな舞台なら観てみたい^^

    

 

 

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 

 

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「ソクラテスの弁明」 部分写し 及び 本文読了 (1−30)   『ソクラテスの弁明 クリトン』 プラトン 著

2021-04-29 | 哲学

東大寺 戒壇院

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』「ソクラテスの弁明」部分写し及び読了

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 

 

 
 
     
 
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『ソクラテスの弁明 クリトン』30 ソクラテス(もう去るべき時が来たーー私は死ぬために、諸君は生き永らえるために。いっそう良き運命に出逢うか、それは神より外に誰も知る者がない。)

2021-04-29 | 哲学

カーシャーン(イラン) バザール

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』30 ソクラテス(もう去るべき時が来たーー私は死ぬために、諸君は生き永らえるために。いっそう良き運命に出逢うか、それは神より外に誰も知る者がない。)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.58、59 抜萃)

 

 しかし裁判官諸君よ、諸君もまた楽しき希望を持って死に直面し、そうしてこの一事をこそ真理と認めることが必要である。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 しかしもう去るべき時が来たーー私は死ぬために、諸君は生き永らえるために。

 もっとも我ら両者のうちのいずれがいっそう良き運命に出逢うか、それは神より外に誰も知る者がない。

 

 

『ソクラテスの弁明 クリトン』 「ソクラテスの弁明」終わり

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

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『ソクラテスの弁明 クリトン』29 ソクラテス(不正の裁判によって殺された昔の人に逢えるなら、自分の運命と比較してみることは私にとって、決して少々の愉快ではないだろうと思うからである。)

2021-04-29 | 哲学

カーシャーン(イラン)色染め屋(染色屋)さん バザールで

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』29 ソクラテス(不正の裁判によって殺された昔の人に逢えるなら、自分の運命と比較してみることは私にとって、決して少々の愉快ではないだろうと思うからである。)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.58 抜萃)

 

 ・・・・・・・。

 少なくても私は幾度死んでも構わない。もしこれが本当であるならば。

 あの世における生活は私にとっては特に驚嘆すべきものであろう。

 なぜならそこには、パラメデスやテラモンの子のアイヤスやその他不正の裁判によって殺された昔の人に逢えるのであったら、自分の運命と比較してみることは私にとって、決して少々の愉快ではないだろうと思うからである。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

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『ソクラテスの弁明 クリトン』28 ソクラテス(私は敢えて諸君に言う、私の死後直ちに、諸君が課したる死刑よりも、ゼウスにかけて、さらに遙かに重奇抜が、諸君の上に来るであろう)

2021-04-29 | 哲学

シーラーズ(イラン)映画ポスター

 

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』28 ソクラテス(私は敢えて諸君に言う、私の死後直ちに、諸君が課したる死刑よりも、ゼウスにかけて、さらに遙かに重奇抜が、諸君の上に来るであろう)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.54、55 抜萃)

 

 ・・・・・・・。

 私に死を課したる諸君よ。

 私は敢えて諸君に言う、私の死後直ちに、諸君が課したる死刑よりも、ゼウスにかけて、さらに遙かに重奇抜が、諸君の上に来るであろう・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

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『ソクラテスの弁明 クリトン』27 ソクラテス(かくて今、私は諸君から死罪を宣告されて、しかし彼らは真理から賎劣と不正との罪を宣告されて、ここを退場する。)

2021-04-29 | 哲学

Chehei Sotun Museum(イラン)

カリグラフィーと窓のステンドグラスの木漏れ日

 

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』27 ソクラテス(かくて今、私は諸君から死罪を宣告されて、しかし彼らは真理から賎劣と不正との罪を宣告されて、ここを退場する。)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.54、55 抜萃)

 

 ・・・・・・・私は有罪となったのは、言葉の不足によるものであると。

 言い換えれば、もし私にして、有罪宣告を逃がれるどんなことでもしたり言ったりして構わないと信じていさえしていたなら、言葉次第で諸君を説き伏せることもできたであろうに、と。

 しかし、そんなことは思いもよらない。

 もとより何かの不足があったために、私は有罪になったのであるが・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 かくて今、私は諸君から死罪を宣告されて、しかし彼らは真理から賎劣と不正との罪を宣告されて、ここを退場する。

 私はこの判定に従おう、が彼らもまたそうせなばならぬ。

 恐らくこうなるより他になかったのであろう、そうして私はこれで結構なのだと思う。

 

 

賎劣

 [名・形動]下品で劣っていること。また、そのさま。

 「此民にして此―に陥るは何ぞや」〈福沢・学問のすゝめ〉

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

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『ソクラテスの弁明 クリトン』26 ソクラテス(長くもない歳月の間の辛抱が足らぬために、諸君は賢人ソクラテスを死刑に処したという汚名と罪科とを負わされるに至るであろう。)

2021-04-29 | 哲学

Chehei Sotun Museum(イラン)

 

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』26 ソクラテス(長くもない歳月の間の辛抱が足らぬために、諸君は当布を誹謗せんとよくする人々から、賢人ソクラテスを死刑に処したという汚名と罪科とを負わされるに至るであろう。)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.53 抜萃)

 

 アテナイ人諸君、長くもない歳月の間の辛抱が足らぬために、諸君は当布を誹謗せんとよくする人々から、賢人ソクラテスを死刑に処したという汚名と罪科とを負わされるに至るであろう。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

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『ソクラテスの弁明 クリトン』25 ソクラテス(プラトンやクリトンやクリトブロスやアポロドロスは、罰金三十ムナを提議せよと私に勧告する。彼らはその保証人に立とうという。)

2021-04-29 | 哲学

シラーズ(イラン) 映画のポスター

 

 

 『ソクラテスの弁明 クリトン』25 ソクラテス(プラトンやクリトンやクリトブロスやアポロドロスは、罰金三十ムナを提議せよと私に勧告する。彼らはその保証人に立とうという。

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.52、53 抜萃)

 

 ここにきて、恐らくこういう人がいるかもしれない。

「ソクラテスよ、君はここを立ち退いてから、沈黙して静かな生活を送れないのか。」

と。

 これこそは諸君のうちのある人は納得させるに、何よりも困難な点である。

 ・・。

 ・・・・・・・。

 ・・・・・・・。

 もっとももし私に金があったならば、わたしhs支払える限りの罰金を定義するであろう。

 ところがわたしは、無一文である。

 ・・・・・・・。

 多分私も銀一ムナ位ならば払うことができるであろう。

 だから私はそれだけの課金を定義する。

 ところが、アテナイ人諸君、ここにいるプラトンやクリトンやクリトブロスやアポロドロスは、罰金三十ムナを提議せよと私に勧告する。

 そうして彼らはその保証人に立とうという。

 しかしこの金額に対してはこれらの人達は、諸君にとって、これだけの金に対する信用に足りる保証人であろう。

 

 

 ソクラテスは弁論によって、裁判員や審判員の心象をさらに悪化した。

 30票の差によって有罪が確定されていたが、審判を進めるうちに。その差は、さらに広がり、80ぷ王の遅配となる。

 無一文であると訴えるが、プラトンやクリトンやクリトブロスやアポロドロスは、罰金三十ムナを提議せよと私に勧告する。

 プラトンやクリトンやクリトブロスやアポロドロスは保証人いなるというが、ソクラテスは今や疑心暗鬼である。  (『ソクラテスの弁明 クリトン』注釈 要約で抜萃)

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

 

 

 

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