乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

大阪 堀越神社 「扇姿の守り神」  (7景)

2010年10月31日 | お出かけ



          大阪 堀越神社 「扇姿の守り神」







 大阪の天王寺に向かう。

 家族との待ち合わせまでには時間があったので、堀越神社に向かう。

 堀越神社は天王寺駅からだと四天王寺の方向に歩くが、途中、この辺りでは有名な鐘饅頭のある商店街(右手)には入らない。

 右に曲がらず真っすぐに進むと、向かい側に堀越神社がみえる。

 鳥居をくぐると、提灯がみえる。




 下は以前にこの神社に行った時の記録

      堀越神社 1

      堀越神社 2

 前回行ったのは7月。

 随分ようすが違い、ひとり歩く境内は物寂しい。



 夕刻

 お稲荷さんの近くでは、灯が灯されている。



 入ってすぐにも新しい狛犬があるが、境内奥にある古い狛犬を目指す。



 プチプチ プチ



 足下を見ると、一面に銀杏



 見上げるとイチョウの葉

 まだ青い



 目を凝らすと、空にも銀杏の実

 雄の葉だろうか…

 黄色くなった一枚の扇が実を守っていた。

 たった一枚の守り神






 見て下さいまして、ありがとうございます。

 心より感謝申し上げます。


 間違いやお気づきの点がございましたら、お教えいただけましたら嬉しいです。

 どうぞよろしくお願い致します。




                 堀越神社


                     大阪市天王寺区茶臼山町
                     JR・地下鉄天王寺駅下車徒歩5分

                     2010年10月29日






 
コメント (6)
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映画89; 『胸より胸に』  家城巳代治 監督 高見順 原作 1955年 有馬稲子

2010年10月31日 | 映画

 記録だけ



      2010年度 映画89本目; 『胸より胸に』




 満足度 ★★★★★ ★★★☆☆

 この映画の好きさ ★★★★★ ★★★☆☆



1955年 日本映画  108分




監督
家城巳代治 イエキミヨジ

原作
高見順
   
    如何なる星の下に(1962)
    わかれ(1959)
    情痴の中の処女 天使の時間(1957)
    胸より胸に(1955)
    朝の波紋(1952)
    無国籍者(1951)
    今ひとたびの(1947)


 明治40年(1907年)1月30日 - 昭和40年(1965年)8月17日

脚色
椎名利夫 シイナトシオ
家城巳代治 イエキミヨジ

美術
平川透徹 ヒラカワトウテツ



キャスト(役名)

有馬稲子 (宮島志津子)
大木実  (吉植松雄)
冨田浩太郎 (波多野俊彦)
下元勉  (日下重吉)
山本和子 (日下妙子)
水戸光子 (上村優子)
久我美子 (川添春江)
加東大介 (狭間)
城久美子 (ルリ子)
内藤武敏 (タクシー運転手)
小夜福子 (波多野の母邦子)
原保美  (宇佐美支配人)
眸瑠璃子 (狭間夫人)
朝霧鏡子 (アパートのおかみ)
里見由利 (メリー池上)
秩父晴子 (エミー月丘)
吉岡久子 (ジーン登世)
織田政雄 (楽屋番の善さん)
神田隆  (ブローカー岡)
後藤泰子 (日下家の婆や)
矢田茂   (振付師)
武智豊子 (川添春江の母)





 随分前に録画した『胸より胸に』を見る。

 知らない俳優ばかり。

 キャスト一覧を見ると、美しい主演女優は有馬稲子さん(@@)



 浜辺で飛び跳ねはしゃぐシーンは、上質のフランス映画のようだった。

 愛する教授の知人男性の前で、挑発的にもみえる彼女の無邪気ぶりに、ヒヤヒヤする。

 知人男性の、過去の思い出と浜辺の女性を重ねあわせて目宇をしばしばさせる場面が好きだった。



 聞いたことが無い歌が出てkiた。多くの民衆が集まって歌っている。

 ♩ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ 仕事は・・ つらいけど ・・・・ ・・・・

 
       高見順

          東京府立第一中学校から第一高等学校を経て東京帝国大学英文科卒業。

          在学中より「左翼芸術」などに作品を発表し、プロレタリア文学の一翼を担う作家として活動する。
 
          1932年、治安維持法違反の疑いで検挙されるが、「転向」を表明し、半年後に釈放される。


 こういったことに関連しているのかな?



 昭和の浅草のストリップ劇場が出てきた。

 その描き方が美しすぎるような気がしたが、当時も浅草もストリップ劇場も知らないので、何とも言えない。



 女は深川生まれといった設定。愛した大学教授は鎌倉。

 この辺の設定が上手いなと思う反面、構想が平たいなとも感じた。

 原作者は 高見順。読んだことが無い。



 この話は 映画でイメージを定着させるより、気分転換に読んだ方がおもしろいのかもしれない。

 わたしは立原正秋風の内容も好きなので、高見順も楽しめるのではないかと思う。



 ところで気になる点がある。

 題名の『胸より胸に』は高見順明治40年(1907年)1月30日 - 昭和40年(1965年)8月17日の小説。

 一方、島崎 藤村1872年3月25日(明治5年2月17日)- 1943年8月22日)には「落梅集」 胸より胸にがある。

 高見順が「落梅集」を念頭におき書き上げたかどうかといった点が、わたしにはわからない。
 

 

 




解説

高見順の小説を「花嫁はどこにいる」の椎名利夫と「姉妹(1955)」の家城巳代治が共同脚色し、同じく家城巳代治が監督、木塚誠一が撮影を担当した。主なる出演者は「太陽は日々新たなり」の有馬稲子、大木実、「続・獅子丸一平」の久我美子、民芸の冨田浩太郎、「珠はくだけず」の水戸光子など。

あらすじ

戦争で肉親を失った宮島志津子はトランペット吹き吉植松雄の世話で、今は浅草の踊り子として働いていた。ふとしたことから、彼女は大学の助教授波多野俊彦を知った。波多野は志津子に心をひかれ、先輩の日下重吉に彼女を会わせた。日下はその昔、踊り子だった恋人を捨てて、金持の娘と結婚し、今では女房の尻にしかれていたので、志津子に会うのは何か救われたような気持になるのだった。日下の捨てた女、優子は今では浅草で「はの字」というお好み焼き屋をやり、志津子のことも知っていて、何くれとなく彼女を励すのであった。志津子の下宿する家には町工場に働く春江がいて、貧しいなりに幸福な生活を築きあげようと努力をしていた。やがて波多野との間に破綻が起った。二人の住む社会の相違が主なる原因であった。そして彼女は吉植と結ばれ、男の為にストリッパーをするようになった。だが、志津子は吉植の冷い性格を知ってがっかりし、春江を訪れた。そして春江とその働く仲間のむつみ合いを見て、今までの生活に別れを告げようと決心した。吉植は慌てて彼女を引きとめようとするが、もはや志津子はいうことをきかなかった。吉植の手をのがれてアパートの非常階段を降りる時、腐っていた手すりが折れ、彼女は転落して死んだ。波多野は葬式の参列を断り、日下は暗然とし、優子は泣いた。だが志津子は明るい生活の窓をはっきりつかんでいたのだ。



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島崎藤村 「落梅集」より   胸より胸に

2010年10月31日 | 民俗考・伝承・講演



    
島崎藤村

「落梅集」より   胸より胸に





 
     其一
     めぐり逢ふ
     君やいくたび

      
めぐり逢ふ君やいくたび         
あぢきなき夜を日にかへす
わがいのちやみ  たにま
吾 命 暗の谷間も
君あれば恋のあけぼの
 

樹の枝に琴は懸けねど
朝風の来て弾くごとく
面影に君はうつりて
吾胸を静かに渡る
 

雲迷ふ身のわづらひも
紅 の色に微笑み
流れつゝ冷ゆる涙も
いと熱き思を宿す
 

知らざりし道の開けて 
大空は今光なり 
もろともにしばしたゝずみ
新しき眺めに入らん
   



      其二
     あゝさなり
     君のごとくに

 
あゝさなり君のごとくに
何かまた優しかるべき
帰り来てこがれ侘ぶなり
ねがはくは開けこの戸を
 

ひとたびは君を見棄てゝ
世に迷ふ羊なりきよ
あぢきなき石を枕に
思ひ知る君が牧場を
 

楽しきはうらぶれ暮し
泉なき砂に伏す時
青草の追憶ばかり
悲しき日楽しきはなし
 

悲しきはふたゝび帰り
緑なす野辺を見る時
飄泊の追憶ばかり
楽しき日悲しきはなし
 

その笛を今は頼まむ
その胸にわれは息はむ
君ならで誰か飼ふべき
天地に迷ふ羊を
   



      其三
     思より
     思をたどり


思より思をたどり
樹下より樹下をつたひ
独りして遅く歩めば
月今夜幽かに照らす
 

 
おぼつかな春のかすみに
うち煙る夜の静けさ
仄白き空の鏡は
俤(おもかげ) の心地こそすれ
 


物皆はさやかならねど
鬼の住む暗にもあらず
おのづから光は落ちて
吾顔に触るぞうれしき
 


其光こゝに映りて
日は見えず八重の雲路に
其影はこゝに宿りて
君見えず遠の山川
 

 
思ひやるおぼろ/\の
天の戸は雲かあらぬか
草も木も眠れるなかに
仰ぎ視て涕を流す
   



      其四
     吾恋は
     河辺に生ひて



吾恋は河辺に生ひて
根を浸す柳の樹なり
枝 延て緑なすまで
生命をぞ君に吸ふなる
 


北のかた水去り帰り
昼も夜も南を知らず
あゝわれも君にむかひて
草を藉き思を送る
    



      其五
     吾胸の
     底のこゝろには



吾胸の底のこゝには
言ひがたき秘密(ひめごと)住めり
身をあげて活ける牲(にへ)とは
君ならで誰かしらまし
 

 
もしやわれ鳥にありせは
君の住む窓に飛びかひ
羽を振りて昼は終日
深き音に鳴かましものを
 


もしやわれ梭にありせば
君が手の白きにひかれ
春の日の長き思を
その糸に織らましものを
 

 
もしやわれ草にありせば
野辺に萌え君に踏まれて
かつ靡き(なびき)かつは微笑み
その足に触れましものを
 


わがなげき衾(しとね)に溢れ
わがうれひ枕を浸す
朝鳥に目さめぬるより
はや床は濡れてたゞよふ
 


口唇に言葉ありとも
このこゝろ何か写さん
たゞ熱き胸より胸の
琴にこそ伝ふべきなれ
   




      其六
     君こそは
     遠音に響く



君きそは遠音に響く
入相の鐘にありけれ
幽(かす)かなる声を辿りて
われは行く盲目(めしひ)のごとし
 


君ゆゑにわれは休まず    
君ゆゑにわれは仆( たふ)れず
嗚呼われは君に引かれて
暗き世をはずかに捜る
 


たゞ知るは沈む春日の
目にうつる天(そら)のひらめき
なつかしき声するかたに
花 深き夕を思ふ
 


吾足は傷つき痛み
吾胸は溢れ乱れぬ
君なくば人の命に
われのみや独ならまし
 


あな哀し恋の暗には
君もまた同じ盲目か
手引せよ盲目(めしひ)の身には
盲目こそうれしかりけれ





         2010年10月30日夜  映画『胸より胸に』を見て







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