乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

七月末日

2020-07-31 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 七月末日

 天神祭も祇園祭も、七月大歌舞伎も見ることができなかった2020年

 山東京伝の『仮名手本胸之鏡』、十返舎一九の『今昔狐夜噺』と云う様に芝居を思い浮かべられる黄表紙を読んで、気を紛らせて居る。

 

 そう云えば、昨年の七月大歌舞伎の昼夜の感想も、我當さんの感動など、二演目だけしか入れてなかった。

 ま、途中で息切れするのは、芝居や旅行や読書など、今に始まったこっちゃ無いが。

 好きな演目の『葛の葉』も入れてなかったことを思い出す。

『葛の葉』も他の芝居と同様、役者によって随分舞台の味わいが変わる演目のひとつだ。

 私が見た中では、私の見た日の中村扇雀の『葛の葉』は完璧に近かった。

 昨年から数年登って見た中村扇雀の『葛の葉』は色々な場面をかなり鮮明に覚えて居る。

『今昔狐夜噺』を読んでいて、内容こそ大きく変わるが、中村扇雀の『葛の葉』をふと思い出した。

 

 

 写真は、大阪の天神祭

 帝国ホテル、船能の『猩々』

 

 

 

 

 

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今昔狐夜噺 8 (いまハむかし きつねのよばなし) 六丁裏 七丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-07-31 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 8 (いまハむかし きつねのよばなし) 六丁裏 七丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

今昔狐夜噺六丁裏

さてもへいけがたにハ

かなわじとやおもい

けん、われも/\と

ひ□□(欠け)せんにとり

のり□(欠け)にをさし

て、こきいだすを

のがさじと、げん

じのつわもの

おつかけ/\

たくかいけるに

はるかのふねに、

ひのまるかいたる

あふぎをおしたて

玉むしといふ

くわん女へ、さきに

い出て、ひなたぼこを

していたりける、この

たまむし、うつくしい

やりとおもいのほか

とんだ あはたづら

なり、どうりこそ

よく/\見れば

いしぢぞう也

ぜんざい/″\いうに

げんじのやり ばら

このあふぎの

 

今昔狐夜噺七丁表

まとをいる

べし、「われハこれ、玉むしと

いふ うつくしい

くわん女のつもり

なり、ゆめ/\うた

がふことなかれと、かきけす

や、ふでハなく、やつはり

さつくりとたつていたり

けるに、なすのよいちハ

とり おどしにて、もち

まへのゆみや おつとり

かのおふだのまと

ねらつてハいれども

いつきつて はなす

ともしれず

されども きつね

つうりきにて

どこぞのはづみ

にむつちりと

おふぎにわたつて

とびちりければ

ゐたりや/\

あつはれ ハだしの

ゆ□□□(欠け)やと

□(欠け)んずる こへハ

□(欠け)らましいほど

       きこへる

 

今昔狐夜噺六丁裏 中

  「おのゝ

   こまちが

   なれのはて

   やまだのうじと

   うたわれた

   おとこだァ〜

     つがも

     わへ

 

今昔狐夜噺六丁裏 下

     すゞ

     がもり

     からの

     くだり、らう

     そくハ また

     かくべつ

 

今昔狐夜噺七丁表 下

    「よその

     かたしハ

     まとに

     なるが

       このかゝしハ

       あちら

       こちらだ

 

今昔狐夜噺六丁裏

扨も平家方には

叶わじとや思い

けん、我も我も

ひ□□(欠け)せんに、とり

のり□(欠け)にを差し

て、扱(こ)き出だすを

逃さじと、源氏

の兵(つわもの)

追っかけ追っかけ

たく、(船を)かいけるに

遥かの船に、

日の丸描いたる

扇を押し立て

玉虫と云う

官女へ、先に

い出て、日向ぼこ(ひなたぼこ)を

していたりける、この

玉虫、美しい

槍と思いの外

とんだ 粟田面(あわたづら)

也、道理こそ

よくよく見れば

石地蔵也

善哉善哉 云う

源氏の槍 ばら

この扇の

 

今昔狐夜噺七丁表

的を射る

べし、「我はこれ、玉虫と

云う 美しい

官女のつもり

也、夢夢疑う

事なかれと、搔き消す

や、筆は無く、やつぱり

さっくりと立って居たり

けるに、那須与一は

鳥脅しにて、持ち前

の弓矢 押っ取り

かのお札の的

狙ってはいれども

粋って 話す

共知れず

されども 狐

通力にて

どこぞのはづみ

に むっちりと

扇に渡って

飛び散りければ

いたりゃ、いたりゃ

あつぱれ 裸足の

ゆ□□□(欠け)やと

□(欠け)んずる 声は

□(欠け)らましい程

       聞こえる

 

今昔狐夜噺六丁裏 中

  「小野小町

   なれの果て

   山田の氏と

   うたわれた

   男だァ〜

     つがも

     わへ

 

今昔狐夜噺六丁裏 下

     鈴ヶ森

     からの

     下り、蝋燭は 又

     格別

 

今昔狐夜噺七丁表 下

    「よその

     かたしは

     的に

     なるが

       この案山子は

       あちら

       こちらだ

 

 

くわん女

 官女

 

なすのよいち(那須与一公)

 源氏と平家の「屋島の戦い」にて、平家が立てた扇の的を、見事射落としたことで有名な源氏方の武士。

 

扇の的

 平家物語

 屋島の戦い

 

かく

 (船を)かいける と 日の丸描いたる

  掛詞

 

 

 

鈴ヶ森のくだり

     すゞ

     がもり

     からの

     くだり、らう

     そくハ また

     かくべつ

 そうそう、鈴ヶ森のくだりを、出来る事なら今一度、故中村富十郎などで、 見てみたい。

 歌舞伎が見たいワイ!

 

 

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今昔狐夜噺 7 (いまハむかし きつねのよばなし) 五丁裏 六丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-07-30 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 7 (いまハむかし きつねのよばなし) 五丁裏 六丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

今昔狐夜噺五丁裏

ひよ

どりごへ

さかおとし

のよろい

むしや

とみへ

たるハ

かきみ

かんの

たぐひなり

まのきつね

すけにきたり、

さかおとしの

てつだいをする

なんきんあやつりの▲

 

今昔狐夜噺五丁裏 中央

  ▲かくにて木のゑだへ

   あがつてつかうきねの

   うちでも よつほと

   きゆふ えだのてやいが

       つうつて

       いる   

 

今昔狐夜噺六丁表

よせだいこのどん/″\と

きこへしハ、いなり

さまのたいこのおと

ちやん/\ハ、わにぐち

にて、きつねの

うちにても

いたみ、

でやいが

より あつ

まり、

おもい/\に

おちを

とらんと

しやかうしける

ひるなかにおい

だしたる き

つねや うまに

のせたる きつねハ

なんのやくにたゝ

ねども、よるのき

つねハ、なか/\

わかしゆをも

わかしかねぬ

い□□□(欠け)

 よつぷど

 きのきいた

  ものなり

 

今昔狐夜噺五丁裏 中央

  「よろひ

   むしゃが

   ひとやま四もんと

    わるくちをいうこなしき

 

今昔狐夜噺五丁裏 下

     「ももくり

      三ぜんかきハ

      せんあうしせて

        いちまん

        よきばら

        り/\とやま

        かぜにおちちる

        ごとく、すさまじし

        このところの りじの

            もんくなり

 

今昔狐夜噺六丁表 下

        「ちつとむまの

         ほねのしんと  

         きらつせへ

 

今昔狐夜噺六丁表 中

  「せりだしの

    あなハいゝかの

    いし

    ぢぞうの

    せりあげ

 

今昔狐夜噺五丁裏

鵯(ひよどり)子(ご)

逆(さか)落とし

の鎧

武者

と見え

たるは、

柿、蜜柑の

類也、

魔の狐助(固有名詞)

に来たり、

逆落としの

手伝いをする

南京操りの▲

 

今昔狐夜噺五丁裏 中央

  ▲かくにて木の枝へ

   上がって遣う杵の

   うちでも よっぽど

   きよう、枝の手やいが

       通(つぅ)って

       いる   

 

今昔狐夜噺六丁表

寄せ太鼓のどんどん

聞こえしは、稲荷様

の太鼓の音

チャンちゃんは、鰐口

にて、狐の

うちにても

痛み、

出会い(でやい)が

より 集まり

思い思い

オチを

取らんと

しゃこうしける

昼中に追い出したる

狐や馬に

乗せたる 狐ハ

何の役に立た

ねども、夜の狐

は、なかなか

若衆をも

沸かしかねぬ

い□□□(欠け)

 よっぽど

 気の利いた

  者なり

 

今昔狐夜噺五丁裏 中央

  「鎧

   武者が

   一山四文と

    悪口を言う子、無しき

 

今昔狐夜噺五丁裏 下

     「桃栗

      三千、柿八千

      合わせて(あうしせて)

        一万

        良き腹り、良き腹り

        と山風に落ち散る

        如く、凄まじし、

        この処の りじの

            文句也

 

今昔狐夜噺六丁表 下

        「ちっと、馬の

         骨のしんと  

         斬らっせえ

 

今昔狐夜噺六丁表 中

  「迫り出しの

    穴はいいかの

    石地蔵

    迫り上げ

 

 

 

わかしゆ(若衆)

よつぷど(よっぽど)

合うしせて(合わせて)

 

迫り出し、迫り上げ

  「迫り出しの

    穴はいいかの

    石地蔵

    迫り上げ

  乱鳥、歌舞伎が見たいワイ!

 

 

 

  

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今昔狐夜噺 6 (いまハむかし きつねのよばなし) 四丁裏 五丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-07-30 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 6 (いまハむかし きつねのよばなし) 四丁裏 五丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

今昔狐夜噺四丁裏

よのなかに、ふしぎな□□(欠け)

□(欠け)うろしも、たねのない

□(欠け)なざまハできぬもの

にて、きつねがつうりき

も□□(欠け)とくいちのたに

へいけのちんどりおほくと

見へたるそのたねハと

いへバ、このゑのごとく

やくらと見へしハ、ところ/″\の

なるこなわ、しゝごやハしろと

見へ、いなむらかざしをよろい

むしや、とちゆう つうせし

きつねのつうりきなれぼ

はくがくのらくさいさま

でも、こんな事ハ

御ぞんじ

あるまい、

きつねも

いまハ

たねを

見せて

ばかす

やふに

なり

やた、

 

今昔狐夜噺五丁表

きつねが

こう

ぜうに

あたがい

どん/″\

ちやん/″\の

おとに

つれて、つ

かいが

三年ひよ

どり、ご人

のてい

さい

せう

よし、

つねをはじ

め、あまたの

ぐんびやう

さりおとしの

ありさま

ふきやてうの

かしへだし

ても、はづかし

からぬきつねの

□□(欠け)き、まことに

 おそれいつた

 ものなり

 

今昔狐夜噺四丁裏

  「これから又

   てつかいが

   みねの

   せりさけ

   が大じかけ、

   とか/\

   とう/\

    でなけれバ

    おちが とれ

        ませぬ

 

今昔狐夜噺五丁表

  「ありや

    /\

    /\

 

今昔狐夜噺五丁表 

   「ゑい/\わい

       /\

    どん/″\

     どた/″\

     □□(欠け)チキ

           チャン

 

今昔狐夜噺四丁裏

世の中に、不思議な□□(欠け)

□(欠け)うろしも、種の無い

□(欠け)な樣(ざま)は出来ぬ物

にて、狐が通力

も□□(欠け)とくいちの他に

平家の珍鳥多くと

見へたる その種はと

云えば、この絵の如く

櫓と見えしは、所々の

鳴子縄、獅子小屋は しろと

見へ、稲村翳し(かざし)を鎧

むしや、途中 写せし

狐の通力なれぼ

博学の楽斎様

でも、こんな事は

御存知

有るまい、

狐も

今は

種を

見せて

化かす

様に

成り

やた、

 

今昔狐夜噺五丁表

狐が

口上に

与えがい

どんどん

ちゃんぢゃんの

音に

つれて、使い

三年鵯(ひよどり)

御人

の体裁、

良し、

常を初め

頭の

軍兵

去り落としの

有様

ふきや町

貸しへだし

ても、恥ずかし

からぬ狐の

□□(欠け)き、誠に

 恐れいった

 物也

 

今昔狐夜噺四丁裏

  「これから又

   手番が

   峰の

   芹酒

   が大仕掛け、

   とかとか

   とうとう

    でなければ

    おちが とれ

        ませぬ

 

今昔狐夜噺五丁表

  「ありや

    ありや

    ありや

 

今昔狐夜噺五丁表 

   「えいえい、わい

       わい

    どんどん

     どたどた どたどた

     □□(欠け)チキ

           チャン

 

こうぜう(口上)

 

獅子村だの口上だの、

『仮名手本忠臣蔵』そして『仮名手本忠臣蔵』の二つ玉の段を思い浮かべる。

 定九郎役は何と言っても、片岡仁左衛門丈で見たい。

 歌舞伎が見たいワイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

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今昔狐夜噺 5 (いまハむかし きつねのよばなし) 三丁裏 四丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-07-30 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 5 (いまハむかし きつねのよばなし) 三丁裏 四丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

 

今昔狐夜噺三丁裏

かのこん八

ぎつねハ、らく

さいに、い

と□□(欠け)

もと□□(欠け)

これまでの

御おんなが/\

ふねくるまにも

つまれねほどの

ありがたさ、おん

れいにハふくを

さづけてあげ

たくても、そんな

事ハおきらい也、

きつねとせうで

あらわし(まま)うへハ

うまいものをあげ

ても、うまのふん

かとおぼしめす

であろふこのうへハ

何もおなぐさみ

せんねんにてみしが、わうい

とき見ました げんへいの

うつせんいちのたに、さか

おとし、ゆしまのさかいの

よふすを、今このおゆわ

さきにていたく御らんににいれ

ませう、とゝんまれなる大どうぐ

 

今昔狐夜噺四丁表

まくなしにて

おめにかけま

せう、まづさい

しよが、いちの

たに、すまの

うら、へいけがた

ぢんちうの

ていをいたして

おめにかけんと

せうじを

ひらきみせ

けれバ、はるか

のむかふに

ぢんちうの

ありさま

いちのたにの

やまにより、なみうち

ぎわまでさくゆいわたし

あかはた、てんにふき

なびきと、

ふたバぐんきの

もんくのとふ

りてにとる

ど□□(欠け)へ

□□□(欠け)らく

□(欠け)い大きに

かんしんして

 みとれいる、

 

今昔狐夜噺三丁裏 中

   「さいしよ

    御らんに

    いれまする

    が、いちの

    たに、す

    まのだ

    いりの

    けいしよく

    これも

    これ

    よに

    いります

    れば

    てう

    ちんたい

    まつひ

    をとも

    して

    おめ

    にかけ

    ます、

 

今昔狐夜噺三丁裏 下

     「まだ

      /″\はい

      ふきより

      じやをいだ

      しする

      ほんに、ことき

      をつくして

      おめにかけ

      ませふ、

 

今昔狐夜噺四丁表 下

    「いや

     はや

      おそろかし

      さまご ことし

      のさまごにや

      ゆだんが

      なら

      ぬ

      

 

今昔狐夜噺三丁裏

かの こん八狐は、

楽斎に、い

と□□(欠け)

もと□□(欠け)

これまでの

御女が、御女が、

船来る間にも

積まれね程の

有難たさ、御礼

には福を

授けて

上げたくても、そんな

事はお嫌い也、

狐と性で(性根を)

現す(あらわし ママ)上は

美味い物をあげ

ても、馬の糞

かと思し召す

であろふうこの上は

何も御慰み、

千年にて見しが、多い(わうい)

時見ました 源平の

討つ 戦、一の谷、逆(さか)落とし

湯島の境の

様子を、今この、おゆわ

さきにていたく御覧に入れ

ましょうと、とんと(とん)稀なる大道具

 

今昔狐夜噺四丁表

幕無しにて

お目にかけま

しょう、先ず最初が

一の谷

須磨の浦

平家方

尋常の

程を致して

お目に掛けんと

障子を

開き見せ

ければ、遥か

の向こうに

尋常の

有様

一の谷の

山により、波打ち際

まで索ゆ 言い渡し(いわたし)

赤旗、天に吹き

靡きと、

双葉軍記の

文句の通り

てに、とる

ど□□(欠け)へ

□□□(欠け)らく

□(欠け)い大きに

感心して

 見とれいる、

 

今昔狐夜噺三丁裏 中

   「最初

    御覧に

    入れまする

    が、一の谷

    須磨の

    内裏

    けいしょく

    此れも

    此れ

    世に

    入ります

    れば、

    提灯

    松明

    を灯して

    お目

    に掛け

    ます、

 

今昔狐夜噺三丁裏 下

     「まだ

      まだ、はい

      ふきより

      じやを出(いだ)

      しする

      ほんに、事、気

      を尽くして

      お目に掛け

      ましょう、

 

今昔狐夜噺四丁表 下

    「いや

     はや

      恐ろ(おそろ)かし

      さまご、 ことし

      のさまごにや

      油断が

      なら

      ぬ

      

 

 

さまご

 ?

 

一の谷   (ウィキペディア)

 一ノ谷の戦い(いちのたにのたたかい)は、平安時代の末期の寿永3年/治承8(1118)年2月に摂津国福原および須磨で行われた戦い。(源平合戦)における戦いの一つ。

 

逆(さか)落とし   (ウィキペディア)

 精兵70騎を率いて、一ノ谷の裏手の断崖絶壁の上に立った義経は戦機と見て坂を駆け下る決断をする。

 

 

 

 

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今昔狐夜噺 4 (いまハむかし きつねのよばなし) 二丁裏 三丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

2020-07-29 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 4 (いまハむかし きつねのよばなし) 二丁裏 三丁表 上、中、下  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

 

今昔狐夜噺二丁裏

らくさい

もろ/\と

いほりの

たちへいり

けれ□□るの

とん八ハいつ

しんに本を

よみいたりし

ゆへ、らくさいの

かへりたるをもしらず

こん八とよばれて、はつと

おどろき、へいふくして申けるハ

わたくしハちるごろのあたりへ

ひきこしたる

きつねにて候が

そこもとのはくがく

たさいなるを

うらやましく

わたくしも

ちくせうにハ

うまれたれ

ども、せん

ねんのよわひ

をたもち、ふるぎ

つねのことしまでも

ついにしりをく人に

見られず、かへつて

人をばかさんと

にんげんのかたちと

なるつゞり

 

今昔狐夜噺三丁表

わきじざいのみのうえでも

ちくせうの

あさましさ

いちもんもんめ

のこのみなれバ

てんとうを

しらずして

ふぢゆんの

みちにまよい

せうがいくらき

よりくらき

をたどるこゝち

して、ついにあ

かるきみちへ

いですして

くちはつる

こと、くち

おしく、なに

とぞ、ほん

せんのみち

をまなび

たく、さて

こそにん

げんのすがたと

なりて、御ほうこう

いた□□(欠け)さゆふに

□(欠け)ちをまなび

今こそめいとくを

あきらめにするの

こゝちをあきらめ▲

 

今昔狐夜噺二丁裏 下

   ▲候ゆへ、あらうれしやとぞん

   じおもわず、われをわすれて

   ほん  せうをあらわし

       もはや

       にんげんの

       まじ

       わりも

       いなわず

       おなごり

       おしけれ

       ども、御

       いとま申

       たるへし

       と、楽斎

       へ

       ねがひ

       ける

 

今昔狐夜噺二丁裏 下

茶を点てる楽斎と対座し、

楽斎に指を指す、こん八

   「これハわた

    くしがしいじ  

    のせうねだま

    でござり

    ます

    ぞ

性根玉を挟んで

    もちてが

    もちてゆへ、今

    までハひかりも

    でませなんだが、みちを

    あきらめましたら

    たちまち

    このとうりで

 

 「ハヽア、おれハ

  また、とりの

  まちのみや

  げるとおもつ

  たら、しんがく

     心学

  性根玉ハ

   そのたま

   のことじや

       の

 

 

     さて/\

     よくひかる

     たまだ

     イヨ、たまや

     と、いひたい

     よふだ

 

今昔狐夜噺二丁裏

楽斎

諸々

庵の

館へ入り

ければ、居るの

こん八は、一心

に本を

読み至りし

故、楽斎の

帰りたるをも知らず

こん八と呼ばれて、「はっ」と

驚き、平伏して申けるは

私達はちるごろの辺りへ

引っ越したる

狐にて候が

其処もと(そこもと)の博学

多才なるを

羨ましく

私も

畜生には

生まれたれ

ども、千年

の齢

を保ち、古狐

の事、し(知る)までも

ついに知り置く人に

見られず、却って

人を化かさんと

人間の形と

なる綴り

 

今昔狐夜噺三丁表

わき、自在の身の上でも

畜生の

浅ましさ

一文、匁

のこの身なれば

天道を

知らずして

不純の

道に迷い

生涯暗き

より暗き

を辿る心地

して、ついに明るき

道へ

出でずして

朽ち果つる

事、口

惜しく、何卒

、本線

の道

を学び

たく、扨こそ、

人間の姿と

成りて、御奉公

致したさ故に

道を学び

今こそ 明徳を

諦めにするの

心地を諦め▲

 

今昔狐夜噺二丁裏 下

▲候故、あら嬉しやと存知、

   思わず、我を忘れて

   本性を現し

       もはや

       人間の

       交わり

       否わず

       御名残

       惜しけれ

       ども、御

       暇 申し

       たるべし

       と、楽斎

       へ

       願い

       ける

 

今昔狐夜噺二丁裏 下

茶を点てる楽斎と対座し、

楽斎に指を指す、こん八

   「これは私

    が しいじ  

    の

    でござり

    ます

    ぞ

性根玉を挟んで

    持ち手が

    持ち手故、今

    までは光も

    出ませなんだが、道を

    諦めましたら

    たちまち

    この通りで

 

今昔狐夜噺三丁表

 「はぁぁ、俺は

  又、鳥の

  まちの見上げる(みやげる)

  と思っ

  たら、心学(しんがく)

  性根玉は

   その玉

   の事じゃ

       の

 

今昔狐夜噺三丁表

     扨々

     よく光る

     玉だ

     「いよ!玉屋!」

     と、言いたい

     ようだ

 

 

けれ□□るの

 □は、欠け 

   庵の

   館へ入り

   けれバ、いる  (か?)

 楽斎が囲炉裏の庵に入ると、こん八が居たと云う意味。

 

平伏(へいふく)

《名・ス自》ひれふすこと。両手をつき、頭を地や畳につけて礼をすること。

 

ちるごろのあたり(ちるごろの辺り)

 ちるごろ(固有名詞) 土地名

 

いた□□(欠け)さゆふに

 いたしたさゆうに(致したさ、ゆうに)

□(欠け)ちをまなび

 みちをまなび(道を学び)

 

くちはつる

こと、くち

おしく

 掛詞 口、朽ち

 今昔狐夜噺でも上のような掛詞が多く使われている。

 

 性根玉を花火に見立てる。

      ↓

     さて/\

     よくひかる

     たまだ

     イヨ、たまや

     と、いひたい

     よふだ

 

心学(しんがく)

 中国

 宗明理学の学派のひとつ。陸王心学、陸王学派、心学派とも。

 日本

 陽明学の異称。上記参照。

 

 石門心学

 石門心学(せきもんしんがく)は、日本の江戸時代中期の思想家・石田梅岩(1685年 - 1744年)を開祖とする倫理学の一派。

 平民のための平易で実践的な道徳教のことである。

 

 

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今昔狐夜噺 3 (いまハむかし きつねのよばなし) 一丁裏 二丁表  十返舎一九 画・作

2020-07-29 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 3 (いまハむかし きつねのよばなし) 一丁裏 二丁表  十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

 

今昔狐夜噺一丁裏

こゝにみめ

ぐりのほ

とりに

くさの

いほ

むすび

よをのがれ

くらす

らくさいと

いふものあり

おゑどの

まんなかに

有、とやしき

ひきまハした

大あきんど

なりしが、あと

しきハむすこに

ゆづりて、そのみハ

わかいんきよの

みのうえ

なれバ、このところへ

ひきこもり、わかんの

ふみをのみ、ともと

して、たのしみ

くらしけるが、らく

さいあるとき、ほか

よりかへりが、どの

とのすきまかり

 

今昔狐夜噺二丁表

ふとのぞき

見けるに

めしたき

おとこの

こん八と

いふもの、よねん

なく、いろ/\の

しよもつをとり

いたし、ながめいたり

けるが、このこん八の

すがた、いつと

なく、きつね

のすがたと

なり、なをも

よねんなく

しよもつに

見入れたる

ありさま

らくさいも

おどろき

ながら

よふすを

なをも

うろぐ

 

今昔狐夜噺一丁裏 中央

鼠頭の異形が、草子を読んでいる

    「明徳(めいとく)を

     あきらか

     にすると

     いふ事がやふ/\と

      わかつてきた

      うれしや

         /\

 

 

今昔狐夜噺二丁表 下

門口で黒い羽織の男(楽斎)が中をのぞいている

     さてハこん八ハ

     きつねでおつ

     たか、どうりで

     よく

     あぶ

     らげ

     のさい

     はかり

     くり

     せた

     

   

 

   

 

今昔狐夜噺一丁裏

此処に見目

ぐりの辺り

草の

いを

結び

世を逃れ

暮らす

楽斎(固有名詞)と

云う者あり

お江戸の

真ん中に

有り、と(とある)屋敷、

引き回した

大商人

成りしが、後

敷きは息子に

譲りて、その身は

若隠居の

身の上

なれば、この所へ

引き篭もり、和漢の

文をのみ、友と

して、楽しみ

暮らしけるが、楽斎、

或る時、他

より帰りが、どの

との、隙間かり(ママ から)

 

今昔狐夜噺二丁表

ふと覗き

見けるに

飯炊き

男の

こん八と

云う者、余念

無く、色々の

書物を取り

致し、眺め居たり

けるが、このこん八の

姿、いつと

なく、狐

の姿と

なり、尚も

余念無く

書物に

見入れたる

有様、

楽斎も

驚き

ながら

様子を

尚も

うろぐ

 

今昔狐夜噺一丁裏 中央

鼠頭の異形が、草子を読んでいる

    「明徳(めいとく)を

     明らか

     にすると

     云う事が、ようようと

      分かって来た

      嬉しや

         嬉しや

 

 

今昔狐夜噺二丁表 下

門口で黒い羽織の男が中をのぞいている

     扨はこん八は

     狐でおったか、

     道理で

     よく

     油揚げ

     の菜

     ばかり

     喰り

     せた

一代目十返舎一九の『今昔狐夜噺』での言葉の特徴

下は一例

   すきまかり(隙間から)

   くりせた(喰りせた→食っていた)

 

明徳

  正しく公明な徳。
 2 《「大学集注」から》天から与えられたすぐれた徳性。

徳性

 徳義をそなえた品性。道徳心。道徳意識。

 

 

 

 

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今昔狐夜噺 2 上、中、下 十返舎一九 画・作

2020-07-28 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 2 上、中、下 十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

 

来ル巳正月より  作者 十返舎

              一九

 

げんじ の ろひらき

源氏炉開

へいけ の くちきり

平家口切

いま ハ むかし きつね の よばなし 

今昔狐夜噺 上

      全部 三番纉

 

右古今、まれなる大道具

大じかけ、幕なしにて、奉

入 御覧候以上

       板元

 

来たる巳 正月より  作者 十返舎一九

 

げんじ の ろひらき

源氏炉開

へいけ の くちきり

平家口切

いま は むかし きつね の よばなし 

今昔狐夜噺 上

      全部 三番纉

 

右(ここでは、上)古今、稀(まれ)なる大道具

大仕掛け、幕無しにて、奉り

入り、 御覧候え 以上

       板元

 

 

表紙では、下の様に書かれているが、

げんじ の くちきり

源氏口切

へいけ の ろひらき

平家炉開

いま ハ むかし きつね の よばなし 

今昔狐夜話 上

裏表紙では

げんじ の ろひらき

源氏炉開

へいけ の くちきり

平家口切

いま ハ むかし きつね の よばなし 

今昔狐夜話 上

上の様に、赤い文字の部分がテレコになっている事に面白みを感じる。

         

  口切、炉開)→炉開、口切)

 

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今昔狐夜噺 1 上,、中、下 十返舎一九 画・作

2020-07-28 | 十返舎一九

 

今昔狐夜噺 1 上,、中、下 十返舎一九 画・作

 

早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html

今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)

十返舎一九 画・作 1765-1831

1冊(合3冊) ; 18cm

[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]

黄表紙

げんじ の くちきり

源氏口切

へいけ の ろひらき

平家炉開

いま ハ むかし きつね の よばなし 

今昔狐夜噺 上

 

巳 新板

 

舎 (山吉)

舎 (山吉)

 山に、榎本屋吉兵衛の吉

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仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v)  17 下 五丁裏

2020-07-28 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v)  17 下 五丁裏

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html

仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v)

 

仮名手本胸之鏡 下

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 下 17 五丁裏

 

 

提灯14個に書かれた文字

 い ろ に

 ま よ ふ な

 さ け は

 ご む よ う

 

下 五丁裏 上

大ぼしか いろとさけとをもつて

かたきをあざむき、大功(たいこう)をたて

たれをも世(よ)の人のふちうふつうを

なす、そのみなれハ、たぶんいろと

さけなり、此二つを

つゝしまば

いつしぞか

心がす

くして

みをあや

めること

なかるべ

   し

がてん

  か

 /\

 

 

下 五丁裏 下

    京傳作

    ◯山東京傳作にて

     忠臣(ちうしん)水滸伝(すいこでん)と申、五さつもの

     おもしろきものがたりもの

     出来仕候、これハちうしんぐら

     を すいこでんのすぢにかき

     とりさバきうしあり

 

    ◯京傳、店にてあきなひ候、はな

     かみぶくろかひ

     御かみたばこ入候   キセルの絵

     べつしてとう年ハめずらしき

     しんがたおほく御ざ候あいだ

         にもとめ可被下候

 

 

         千秋萬歳    

         めでたく

         筆をとゞむ

 

 

仮名手本胸之鏡 下 17 五丁裏

 

 

提灯14個に書かれた文字

 い ろ に

 ま よ ふ な

 さ け は

 ご む よ う

  色に迷うな

  酒はご無用

 

下 五丁裏 上

大星が 色と酒を以って

仇を欺き、大功(たいこう)をたて、

誰をも世(よ)の人のふちゅうふつうを

なす、その見慣れは、たぶん色と

酒也、この二つを

慎しまば

いつしぞか

心が空く(すく)

して

身を殺(あや)

めること

なかるべ

   し

合点

  か 

合点

  か

 

 

下 五丁裏 下

    京傳作

    ◯山東京傳作にて

     忠臣(ちゅうしん)水滸伝(すいこでん)と申す、五冊物

     面白き物語もの

     出来仕(つか)わし候、これは忠臣蔵

     を 水滸伝の筋に書き

     取り、さばき、うし有り

 

    ◯京傳、店にて商い候、

     鼻紙袋買い

     御紙煙草入れ候   キセルの絵

     別して当年は珍しき

     新型、多く御座候間(ござそうろうあいだ)

         に、求め下されるべく候

 

 

         千秋萬歳    

         めでたく

         筆を止どむ

 

 

い ろ に

ま よ ふ な

さ け は

ご む よ う

大ぼしか いろとさけとをもつて

かたきをあざむき、大功(たいこう)をたて

   ↓

 大星の色と酒にのめった様に見せかけ、作り阿呆で大成をなす。

 この場面の大星は片岡仁左衛門がいとよろし。

   芝居見たいや

   見たやの芝居

   芝居見たやで

   読む草子

 

 

忠臣蔵

を 水滸伝の筋に書き

取り、さばき、うし有り

 忠臣蔵を 水滸伝の筋に書き取り、さばき、無くなってしまった。

もとめ可被下候

 求め下されるべく候

千秋萬歳

 歳月の非常に長いこと。また、長寿を祝う言葉。▽「千」「万」は数の非常に多いことを示す。「秋」「歳」はともに年のこと。千年、万年の非常に長い年月の意。「万歳」は「ばんぜい」「まんざい」とも読む。

 

 

   

 

 

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仮名手本胸之鏡 下 16 四丁裏 五丁表

2020-07-27 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 下 16 四丁裏 五丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html

仮名手本胸之鏡 下

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 下 16 四丁裏 五丁表

 

下 四丁裏 

人ハとかく

義(ぎ)といふ

ものがな

けれバ

ならず

義(ぎ)に

 

より

てハ、いのちも かろん

ずるが、人のみち

なり、天川やがで

とくゑんのおん

をわすれず

大ぼしにたの

まれて、つま子

をすて、ぎを

まもりて

心をへん

ぜざる人の

たましいハ

きんてつの

ごとくにて、

水にいり、火に

いりてもくだ

けるといふこと

なし

 

  大星が曰(いわく)

 「うたが日が生れた

  もうじいハ/\、まことに天川やハ

  まだその中のあまり、ほうづきの

  中のさんごじゆじや

 

大星の前に鍛冶屋二人の頭には、  の文字

鋏で  の文字を日の中に突っ込み、叩く

 

 

下 五丁表

   わたくしどものてに有り

   ましてハいかやうなかたき

   かねでもへさげぬと中

   ことはござりませぬが

   義(ぎ)ある人のたましいハどの

   やうにいたしても、とろけ

            ませぬ

 

 

鏡の下の文字  

      おとこ の  かゞみ

      男之鏡

 

 

   以上(いじやう)十六面のかゞみハみな

   さま御そんじのきやうげんを

   おもてとし、よの人、きどあい

   らくにてけうみて、さま/″\の

   かたちをあらハす、そのどう

   りをうらとして、こどもしゆ

   にちうしんけうていのあらま

   しをしやすなり、かゞみハすなハ

   ち人の心にとうぜんもあくも

うつせばうつる、かならずあしきにうつるべからず

 

仮名手本胸之鏡 下 16 四丁裏 五丁表

 

下 四丁裏 

人は兎角

義と云う

物が無

ければ

ならず、

義(ぎ)に

 

依り

ては、命も 軽ん

ずるが、人の道

也、天川屋がで

特縁の恩

を忘れず

大星に頼

まれて、妻、子

を捨て、義を

守りて

心を変

ぜざる人の

魂は

金、鉄の

如くにて、

水に入り、火に

入りても砕

けると云う事

無し

 

  大星が曰く

 「疑いが生れた

  もうじいはじいは、誠に天川屋は

  まだその中の余り、ほうづきの

  中の珊瑚樹じゃ

 

大星の前に鍛冶屋二人の頭には、  の文字

鋏で  の文字を日の中に突っ込み、叩く

 

 

下 五丁表

   私どもの手に有り

   ましては、如何様な形、

   金でも へ下げぬ 途中

   事はござりませぬが

   義ある人の魂はどの

   様に致しても、とろけ

            ませぬ

 

 

鏡の下の文字  

      おとこ の  かゞみ

      男之鏡

 

 

   以上(いじょう)十六面の鏡は皆様

   御存知の狂言を

   表とし、世の人、喜怒哀楽

   にて、きょう見て、様々の

   形を表す、その道理

   を裏として、子供衆

   に忠臣協定のあらまし

   をしやす也、鏡は即ち

   人の心に問う善も悪も

写せば写る、必ず悪しきに写るべからず

 

 

さんごじゆ(珊瑚樹)

 植物。秋にできる赤い実が珊瑚に似ているとして名付けられた。

人の心にとうぜんもあくも

うつせばうつる、かならずあしきにうつるべからず

 人の心に問う善も悪も写せば写る、必ず悪しきに写るべからず

きょう見て

 狂言を観て

 

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山本寛斎・・・

2020-07-27 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

ナクシェ・ロスタムにて

 

 

 山本寛斎氏が亡くなられたと云う。

 山本寛斎といえば、David Bowieの舞台衣装を手がけられた。

 坊主のようなファッションも忘れがたい。

 

 大学卒業前の事。一ヶ月ばかりヨーロッパ学生旅行に行った事がある。

 パリの左右に木の螺旋階段の付いた表向きは二階建て(実は何階まであったかは覚えてないが、アーブギーネ博物館と同じ作り)のホテルでの事。

 階段上でチェックアウトを待っていた処、山本寛斎がホテルに入ってこられた。

 氏は左階段を登って来られる。

 見るからに愛想が良さそうで、彼は男子数人に囲まれて、結構長い時間話して行かれた。

 

 それから数分後、今度はなんと、山◯小◯子がホテルに到着。

 あの美しい女性が、実は割合に背丈が低いことに驚く。

 彼女はばつが悪そうに、右の階段を登ってこられ、無言で消えて行かれた。

 

 あれからうん十年

 若かりし頃が、懐かしい。

 学生の頃に戻る事はできないが、只言えることは

   今こうして私はここに居る。

 旅行に行きたいし、舞台も観たい。

 やりたいことが多く感じることって素敵だと感じる。

 山本寛斎の死を忍び、若い頃を思い出し、これからの人生も考えさせられた事に感謝。

   

 

 

 

 

 

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仮名手本胸之鏡 下 15 三丁裏 四丁表

2020-07-27 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 下 15 三丁裏 四丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html

仮名手本胸之鏡 下

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 下 15 三丁裏 四丁表

 

下 三丁裏 上

むこ力弥が

てにかけ

さぞほん

まうで

ござろふ

のふとい

大ぼし

本ぞうが

こゝろのまゝ

にいあてたる

 ことばなり

 

 

   なんとわしが

   すいりやうの

   やさきハどう

   でござるの

 

 

      りきやがひたるやりたきハ

      あう多いも、せのゑんのツナと

      なる

 

 

弓でいられそう、又槍でも疲れそうな

下三丁裏 四丁表中央の、マトで身を守る男、着物には、 の文字

マトには 心のまと の文字

 

 

四丁表

    きでんの

    すいりやう、わが

    こゝろのまとにあたり

           ました

 

 

四丁表

座敷で女の馬乗りになる男に、

別の女が切りつける

様子を映し出す鏡の下の文字

      ちうしん の かゞみ

      忠臣之鏡

 

 

ごりうをいためて ちう

せられし ごしよがちうぎハ

とるにたらず、ちうしんのか

みとハもろこしのよじやう

につポンの大ぼしといへること

ばにつきて、心かゞみをおゝもん

かゞみとなづく

 

仮名手本胸之鏡 下 15 三丁裏 四丁表

 

下 三丁裏 上

婿、力弥が

手に掛け、

さぞ、本望

御座ろう

の太い

大星

本蔵が

心のまま

に射当てたる

 言葉なり

 

 

   なんとわしが

   推量の

   矢先はどう

   でござるの

 

 

      力也が浸る やりたきは

      あう(ああ)多いも、せの縁の綱と

      なる

 

 

弓でいられそう、又槍でも疲れそうな

下三丁裏 四丁表中央の、マトで身を守る男、着物には、 の文字

マトには 心のまと の文字

 

 

四丁表

    貴殿の

    推量、我が

    心のまとに当たり

           ました

 

 

四丁表

座敷で女の馬乗りになる男に、

別の女が切りつける

様子を映し出す鏡の下の文字

      ちうしん の かゞみ

      忠臣之鏡

 

 

御陵を痛めて 忠

せられし ごしょが忠義は

取るに足らず、忠臣のか

みとは、唐土の余剰

日本の大星と云える言葉

に付きて、心鏡を「大門

之鑑」と名付く

 

 

ふとい(太い)

 厚かましい

大門

 大門 - 江戸時代、吉原にあった門。

 島原大門(京都府京都市下京区にある門。)

大門之鑑(大門之鏡で良いのだが、歌舞伎の演目風に、鑑の文字でしゃれてみた)

 

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亦亦、乱鳥断捨離

2020-07-27 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 お金を数えるイラン人のおじいさん。

 私が最後にイランに訪れた頃、物価が上がっていると雑貨屋店主が嘆いておられた。

 現在イランの物価は2倍3倍と高騰化している。

 映画1時間半3コイン2時間4コイン、ミモサ2個1コイン大きなナンは2枚3コインという時代はとうの昔に終わっているのかもしれない。 (1コインは、50リアルとする)

 

 

 

 これまでも、なんども断捨離を行なってきた。一週間前から、第四、五段目の断捨離を行なっている。

 一日二、三時間以内と時間を決めての整理整頓。

 体を動かしているせいか、歩数計がずいぶんカウントしている。一石乱鳥

 

 民芸家具などもいくつか整理した。

 収納庫を減らし、そこに必要なものだけを余裕を持って入れる。

 ウンウン、使い勝手が良さそうだ。乱鳥合点

 

 コロナの影響で自粛生活を強いられているので、自宅の空間はありがたい。

 これで、うっとおしいコロナ自粛生活も乗り切れそうだと、自分で自分を納得させる。

 美味いコーヒーが飲めそうだ。乱鳥心舞

 

 

 

 ご来場、誠にありがとうございます。

 感謝申し上げます。

 

 

 

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映画『新聞記者』2019年 監督:藤井道人 シム・ウンギョン 松坂桃李 北村有起哉 田中哲司 西田尚美

2020-07-27 | 映画

 映画『新聞記者』2019年 監督:藤井道人 シム・ウンギョン 松坂桃李 北村有起哉 西田尚美

 

 

 友人が映画『新聞記者』が良かった。」とあまりにも勧めてくれるので2,3日前に見た。

 うーん。これくらいの内容で、日本で圧力がかかったのか。

 

 筋を追うごとに現日本の問題云々を思わせる場面が多く関心はしたものの、他の方達が書いていらっしゃるようにそんなに過激なものではなく、ずいぶん控え気味に作らねばららなかったのだなと、映画作りの大変さを感じた。

 その映画作りの大変さ、表現の自由が複雑に絡まりあう圧力によって、映画作りにおける制限のみだけではなく、この映画の最後の松坂桃李の表情とリップムーブ(←このことは、後で)で、日本そのものの真実の意思表現の難しさを描き出している。

 表現の自由や真実を暴く内容は、上にも書いたように、映画を見ている間中、政治家や政治家ジュニアや、日本の問題点やニュースがいくつも脳裏をよぎった。ただ、惜しいことに、実際はもっと切実で一般の人間は目を背けたくなるような問題が多く造像できるだけに、前宣伝の大きかった映画『新聞記者』には少々肩透かしをきわされたが、一般的には話の展開がわかりやすく、「私もこういったことに関心を持ってるのよ」と云った自尊心をくすぐらせながら、わかりやすい筋書きを役者の熱演で進めていく、こう云った映画もあってもいいのであろうと感じた。ただし、本作品は、韓国映画『半地下 パラサイト』と比較されているきらいがあるが、韓国映画『半地下 パラサイト』は現代社会をきる正真正銘の名作の一つであることを付け加えておきたい。

 

 映画『新聞記者』の反響や受賞歴は置いておいて、作品そのものについて少しだけ記録しておきたい。

 始まってすぐ、松坂桃李は力を投じておられた。そしてシム・ウンギョンも。

 シム・ウンギョンは韓国人の母と日本人の父を持つアメリカから日本に来た女性記者という設定。

 始まるやいなや、松坂桃李は間がいいのに対し、シム・ウンギョンは「あぁ」「うぅ」か片言で、おまけに台詞が少ない。アメリカからきたという設定なので、日本語が下手でも良いので、話の絡み合わせを加えないと、誰が主役なのか、また、『新聞記者』とい題名に対しての内容が弱い。

 また、「あぁ」「うぅ」か片言の後には、彼女の力量ある顔表現をされちるのだが、歌舞伎にして1,5秒も間が長い。

 毎回毎回1,5秒ほども間が長すぎるのは、台詞を覚えきれない役者の、黒衣か後見が裏で台詞を教えているか或いは空白の多い少女漫画くらいのものであろう。

 吉田都さんというバレリーナがいらっしゃるが、あの方は日本舞踊のように、手先を決めた上に猛威少し余韻の部分を強調されると云った素晴らしい方法をとっておられるのであった、「あぁ」「うぅ」の空白の魔というものではない。またその少しの魔の長さに、表情を作り上げられているつもりであろうが、それが物足りない。もう少し掘り下げて、描いていただかないとと残念でならない。

 

映画『新聞記者』のラスト、何もかもがうまく云ったように思われた。

だが、色彩はコロリと二分化する。

衣装の色の二分化、背景の色の二分化

交差点を背景に、松坂桃李は立つ、その背景の信号は 

   緑 緑 

そして女記者も交差点の向かい側の松坂桃李にたどり着く。背景の信号は

   赤 赤 赤

松坂桃李の困ったような泣きそうなようなくしゃくしゃの表情

そして

     ご め ん ・・・

 

 

 

 

 

   

 上のような感想をどなたかが言われていたとかいないとか、そんな気がいたします…か?

   

 

 

 

監督:藤井道人

 大学在学中、入江悠監督や鈴木章浩監督の作品に助監督として参加する一方で、脚本家・青木研次に師事。19歳から映像ディレクターとしてCMやPVを手がける。大学卒業後はフリーランスとして活動し、オリジナルビデオ作品やインディーズ長編映画などで企画・脚本・監督を務める。大学時代に知り合ったプロデューサーの奥山和由の提案で伊坂幸太郎の小説「オー! ファーザー」の脚色を手がけ、数年後に監督を打診され承諾、14年に公開された同作で商業映画監督デビューを果たした。その後は、「TOKYO CITY GIRL」(15)、「全員、片想い」(16)、「青の帰り道」(18)、「デイアンドナイト」(19)などの作品を手がける。19年にメガホンを取った、東京新聞の記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションが原案の社会派映画「新聞記者」は、現代の社会に斬り込んだ映画として口コミで評判が広まり、観客動員数33万人、興行収入4億円を突破する大ヒットを記録。同作で日本アカデミー賞の優秀監督賞を受賞した。(https://eiga.com/person/255534/)

 藤井道人氏は1986年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。大学卒業後、2010年に映像集団「BABEL LABEL」を設立。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』(2014 年)でデビュー。以降『青の帰り道』(18年)、『デイアンドナイト』(19年)など精力的に作品を発表。  2019年に公開された『新聞記者』は日本アカデミー賞で最優秀賞3部門含む、6部門受賞をはじめ、映画賞を多数受賞。 新作映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』(9月4日公開)が控える。(http://babel-pro.com/members/fujiimichihito/)

 

美術:津留啓亮

 

キャスト

シム・ウンギョン

松坂桃李

北村有起哉

田中哲司

西田尚美

本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋和也、高橋努、

 

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