ドラクエ9☆天使ツアーズ

■DQ9ファンブログ■
オリジナルストーリー4コマ漫画を中心に更新中
時々ドラクエ風味ほかゲームプレイ漫画とかとか

春駆ける

2014年04月25日 | 天使界の章

うかうかしてたらもうすぐゴールデンウィーク!!

気合を入れ直す意味で、急きょ、次から天使界編!

ウイが下級天使になる前の話を全19回でお届けしまっす

 

オールスターとはいかなかったものの以前描いた天使↓

 

できるかぎり出してます

 

 

 

 

すみませんヒロの話となるといつも頓挫してしまってちっともエンジンかからないんでございます(;'▽')

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習性2

2014年04月15日 | DQ9 4コマ劇場

ミカ 「犬でも危険なら避けるってんだよ…」

 

 

 

 

犬属性のヒロと猿属性のウイが飛びつきたくなるので

ブーメランは禁止です!

ていうネタ(ネタ?!)

かなり初期の頃に描いたやつなので(ミオの槍でズッキーニャ、と同時期)

ウイとヒロがただのアホな子に…

(とかいうと今はアホな子じゃないみたいだが)

賢者繋がりで入れてみましたが、これ、クエストカテゴリーから著しくかけ離れ…

ああうん

そんなネタ

 

 

 

 

 

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春うらら

2014年04月05日 | ツアーズ らくがき

なんかすっごくやばいくらい久々にウイたちを描いた…(;'▽')

(というか描けてない…)

てことで砦のssのおまけイラスト

 

「賢者の砦」は話の都合上、私が形だけ空想したあの世界のボードゲームですが

将棋とかチェスみたいなものです

でもって予想以上に話がくどくなって、3部作みたいになったので(守)と(攻)という

副題をつけましたが…

書きたかった内容からいえば、守りと攻め、というより、受けと攻めの方が

書きやすかったかなという、くせものの副題です

全ては「賢者の砦」という架空のボードゲームになぞらえて話を展開したがゆえの

軽いミスマッチなんですけども(;'▽')

 

ミカはあんな性格だけど、受け身タイプです

ウイもそう

そしてミオはああ見えて攻めのタイプ、ヒロも攻めです

私がキャラを作るために適当に枠組みする攻めと受けの関係なので曖昧なところですが

たとえば

恋人の誕生日には贈り物とかサプライズとかとにかく色々計画してばっちり決めるのが攻めタイプ

受け身は、特に何もしないけど恋人の要望があれば全力で叶える用意があるぜ、っていう感じ?

(なので、仮に攻めタイプのミオとヒロがカップルになった場合、

有名な「賢者の贈り物」という話そのもののような事態になるんじゃないかな、とか思ったり)

 

てことで

今まで受け身っぽい感じでパーティの役割をこなしていたミオが攻めに転じる話

ミオの性質そのもの、というか、本来の持ち味をいかんなく発揮できるような立ち位置を手に入れて

バージョンアップ!

てな具合です

勿論、完全にミオが戦闘をコントロールできるようになるにはまだまだ修行が必要です

(技術的にも、精神的にも)

 

ゲームだと数値が設定されていて、経験値がたまって、レベルがあがった!ってなるので

強くなるのが非常にわかりやすいところですが

物語では多分こんな風、脱皮をするように新しい自分になったり、何かを掴んだり、覚醒したり、

そうやってウイたちは強くなっていってるのだと思います

 

てことで

そろそろ確実に春到来

ウイたちも春らしく始動の準備中です

 

 

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砦の礎

2014年04月04日 | ツアーズ SS

今日は、ずいぶんとめまぐるしい一日だった。

役割分担を終えて就寝のために部屋に戻ったミオは、ベッドの中で一息つく。

それなのに、眠りの妖精はなかなか訪れそうもなく、ただ波の音に耳をすます。

(皆の盾になる)

それは今までにない感覚。

なれるかな、ではなく、なりたい、とはっきり思った時、不安よりも高揚の方が大きかった。

(なんだか、不思議)

自分にできることがあって、それを叶えることで皆が強くなる。

今のお前ならやれる、とミカが言った。

定石を知りたいと思い、知ればこそ犠牲も、騙しあいも駆け引きも恐れることはないと考えた。

その盤上での感覚を遊戯だと流さず、ミオの覚醒だととらえたミカの言葉だ。

ミカの言葉は力になる。

そう思った時、もう一つの言葉が胸によみがえる。

「俺だって、自分が一から百まで正しいことを出来てるとは思ってない」

それはミオが初めて見た、ミカの弱さだった。

ミオにとっては、あんなにも優秀で完璧に見えるミカでも、内心ではそんなことを思うのか、とただ驚いた。

常に最善かどうかを迷い、それを一人で決断しなければならず、それでもミオを導いていたなら、

それはどういう強さだろう。

(強さにも色々あって)

それは一つの正解ではなく。

(皆が力を合わせたら)

やみくもに強くなりたいと願っていたミオへの、一筋の光明。

(砦になる)

なりたい自分に、なる。

 

 

 

「ミカさん!おはようございます!!」

「ああ?」

翌朝、洗い終えた洗濯物を甲板まで運んでいたミオは、廊下の先にミカの姿を見つけて、

つい勢い余った。

昨夜からの興奮状態が、われ知らずまだ続いていることの表れだったが。

「朝っぱらから、声でけえ…」

「あっ、ごめんなさい」

寝起きのミカは大体、本調子ではないらしく気だるそうにしている。

今朝もそれは変わらず、ミオが通ることに気づいて道を開けてくれたが、そのまま壁に寄り掛かる。

それでも今を逃せば、言う勇気は挫けそうだ、と思ったのでミオはミカに向かい合った。

「あのですね、ミカさんっ」

「はあ?」

「昨日、ミカさんが私に謝ってもらおうとは思ってないって言ってくれたことなんですがっ」

「んなっ?!」

「私はミカさんの指示があったからこそ、今までずっとやってこれたと思ってるんです」

「……」

「思ってるっていうか、そう!事実、事実そうなんです!」

ここでミカに反論されては自分の主張はまたくじけてしまう。だから精一杯、声を出す。

「だから、今までありがとうございました!」

「はあ?」

「それで、それでですね、ミカさんがそれが私の為に良くない、って気づいてくれて」

「……」

「あ、ああ、あ、あ、あやまってく、くださいましたが」

慣れないことをしている自覚はあるだけに、もう緊張で倒れそうになっているミオを、

ただあっけにとられたように見ているミカの視線が気恥ずかしい。それでも。

「ど、どういたしまして!」

言った。

ちゃんと、言えた。

それは、ミカの謝罪をミオなりに受け止めたことの、最大の礼儀だった。

だったのだが、ミカは何を言われたのか解っていないように、まるで無反応だ。

「あ、あの、昨日、言えなかったので、ちゃんと、ちゃんと終わらせたかったんです」

終わったことなんですよね、とミオはミカを見る。

「ミカさんは前を見ろ、って言ってくれたけど、でも私、自分がだめだったところを」

受け止めなければ、前を見ることができない。

ただ自分の役割だけを考えていた幼稚さと、責任をミカに丸投げしていた自覚のなさと。

それを思い知らされたから、ミカの謝罪を受け入れることができなかった。

そう説明したことに、やっと、ミカからの反応があった。

「お前…、それ昨日から続いてんのか…」

「え?」

「昨日からずっとそれ言おうとしてたのか」

「あ、は、はい。でも自分でもどう言えばいいのかわからなくて、考えてて」

今になっちゃいましたが、と少々、時期をはずしていることは承知の上で、恐縮する。

「ミカさんが、主張の意義がわからない、って言ってたから…」

「…ああ…言ったけどな…」

「あ!これは話を交ぜ返してるわけじゃ、ありません!そうじゃなくて」

そうではなくて。

「ミカさんの謝罪はごもっともですが、私が私の反省点を謝罪するのも尤もだと思いまして」

「俺はそうは思わねえけどな」

「えっ」

「障害に起因する物事の責任は一人が負うことで、早急に解決に向かう」

その場にいる全員が責任を分担して、非が自分にあることの自己主張を始めてしまっては、

無意味であるし、解決の妨げにしかならない、と不機嫌な調子で言われたが。

「で、でも私の責任は私のものです」

「…いや、そういうことじゃ…」

ミカの言い分が正しいのかどうか、ミオには解らなかったが、自分のことはわかる。

解るからこそ、宣言する。

「ミカさんに責任とってもらおうとか思ってませんから!」

「……」

言ったあとに、その場が急激に氷点下にまで下がったような気がした。

なにかものすごく偉そうなことを口走ってしまった。

よりよって、その場の勢いだの、雰囲気だの、訂正だの、そういう曖昧さが一切効かないミカに。

「へえ」

その一言も、背筋が凍るほど冷やかに響く。

「じゃあお前はお前で譲る気がねえ、ってことだ」

「う、お、え、えー、ええ、はい、そっ、そうっです!」

(きゃー何言ってるのー今のうちに、まだ間に合ううちに、ちゃんと説明を…)

そんな弱気な考えが一瞬脳裏をよぎったが、それは出来ないことも知っている。

そうだ。もう、自分の弱さのつけをミカに払わせるようなことはしないのだ。

それが、自分で決めた強さだったのだから。

恐ろしいほどの沈黙は、ほんの数秒だったのかもしれない。

だが地獄の悪鬼もかくや、と言わんばかりのミカの威圧と戦っていたのは永久にも等しかった。

ふうん、と、凍りついていたその場に放たれたミカの感情。

「いいんじゃねえ?」

とだけ言ったミカが、微笑を見せた。

気を、失うかと思った。

 

 

 

「ものすごくものすごくものすごく怖かったです!!」

と顔面蒼白で今朝の出来事をヒロに打ち明けると、軽快に笑いとばされた。

ヒロの笑顔を見ると安心する。どんな失敗でも自己嫌悪でも、気持ちが軽くなる魔法のようだ。

今朝の一件から朝ごはんもろくに喉を通らないくらい後悔にさいなまれていたミオだったが、

ヒロに、それはすげえ!と笑われて、やっと呼吸が楽になった気がした。

「いやー、ほんと、がんばったねー、えらいえらい」

「そ、そうでしょうか」

「そうそう、寝起きのミカには、この俺でさえ絡みたくないと思ってるほどだよ?」

それを一歩も引かず言い負かしたってことでしょ、と、昼食の準備をしながらヒロが言う。

その隣で玉ねぎの皮をむきながら、ミオは宙に目を泳がせた。

「言い負かした…っていうわけでは…ないような…」

いいんじゃねえ?のミカの言葉の芯の部分は、よくもこの俺様に盾突きやがったな、覚悟しとけよ

だと思う。

素直にそう告白すると、ミオに悪い、と思ってくれているのか、背中をむけたヒロが、

…声も出さずに笑っている。

「だって本当に怖かったんですよ、本当に!なんかもう、本当に!」

「うんうん、そーかそーだね」

と、鍋に向き直ったヒロはそれをかき混ぜながら、でも、とミオを見る。

「それ、ミカは嬉しかったんだと思うよ」

と、ミオにはまるで理解できないことを言った。

「え?」

「ミカはさ、そういう場面で、皮肉だったり揚げ足とったり、そういうこと言える人じゃないからさ」

ミカが良いっていったんなら、本気でそう思ってるんだよ、と調理の手を止めずに言う。

それは。

ヒロが言うのなら、そうかもしれないけれど。でも。

「私、ミカさんの言うことに思いっきり逆らってしまったんですけど」

それって嬉しいような部類のことだろうか?と戸惑えば。

「ミカはハッキリ言ってくれる人が好きだからなあ」

人の心情を汲むとか、場の雰囲気を読むとか、そういうのが苦手なんだよ、と言ったヒロが

小皿にスープを入れて味見をし、お!美味い!と漏らす。

それを見たミオに小皿をさしだし、魚のアラを煮出したスープを入れてくれた。

「美味しいです!塩味を入れたらこれだけで十分ですね」

「だね」

よしこれに麺をいれてみよう、とスープを濾す作業に移ったヒロは、話を続ける。

「だから、言ってくれなきゃ解らないっていうのがミカの主張なわけ」

「…はい」

「それで、今回ミオちゃんがどうしても譲れなかったことは、解ってほしいってことでしょ?」

「え?」

「ミカに解ってほしくて頑張ったわけじゃん?これから一人でやる覚悟はあるってことを、さ」

「……あ」

そう言われたことで、急に心が晴れた気がした。

そうか、自分は解ってほしかったのか。だからあんなに気が急いていたのだ。

ミカを一目見るなり、突進した。

ミカにとっては迷惑極まりない行為であったと今では思うが、それでも解ってほしくて、

どうしようもなくて、もてあましていたが故の。

「ミオちゃんは解って欲しかった。ミカは解らなかったミオちゃんのことがわかった」

で、と、ミオの手の中にある空になった小皿を引き抜くヒロが。

「お互いにちゃんと要求が繋がった。…それを、良しとしたんじゃないかな」

そう結論づけておいてから、まー実際ミカがどう考えてるかはわかんないけどね、と前置いて、

笑顔を見せる。

「俺の目からは、そんな風に見えるよ」

だから不安がる必要はなし、と太鼓判を押されて、はい!と素直に返事が出来た。

「うん、とはいえ、ミカも自分に非があると認めるまでは絶対譲らないから、それはまた別の話しな」

と付け加えることも忘れないヒロ。

「えっと」

「話を蒸し返すとまた衝突するだろうから、ミカの言うように、もう放っといていいんじゃないかな」

「放っといて、どうなりますか?」

「どうしたって相容れないことはあるし、相容れないからってそれで切り捨てるようなことはしないよ」

ミカはね、とヒロが言う。

「ただ相容れないから、また同じようなことがあると、ぶつかる」

「はい」

「それだけのことかな」

と、こともなげに、平然としているヒロを見ていると、いつもヒロとミカはそうしているのだ、と解った。

互いに主張して、互いを認めつつ、相容れない。すごいことのようだが。

「それでいい、って最近やっと思えるようになったからね。ま、余裕だね、余裕」

「余裕ですかあ」

「あーなんか可愛いこと言ってらあ、って流す。多分、俺のもミカに流されてる」

ウイはとっくにその域だし、ミオもそのうち自然とそうなる、それがヒロのくれた答え。

今日のことは、理解し合うことの第一歩だ、と安心させてくれた。

「ありがとうございます、私なんかもう、一人でおたおたしてて」

「いやいや、だって俺、ほら、当事者じゃないしね」

自分のこと以外は良く見えるもんなんだよ、と謙遜するような素振りを見せるが、それでも、

ミオにとっては救世主のように見える。

「そりゃミカに威圧されたままなら、どんな態度だって攻撃的に見えるよ」

そう言いながら、アラを濾した別の鍋に移しながら、今朝のミカは、と続ける。

「機嫌良かったからさ、なんか良いことあった?って聞いたら、まーなって言ってたよ」

そんときは訳わかんなかったけど、ミオちゃんの話聞いてたら合点がいった、と言う。

だから怖いとか思わずにミカを誘ってみたらいい、本人ぜんぜん普段通りだから、と言われ

首をかしげる。

「誘う、って、あの、なにに…」

「え?だって、あれだろ、今日から兵法とかの理論だかなんだかをやるんだろ?」

「あ!」

そう言えば昨日、ミカにはそう言われていたのだった。

ミカに理論を教わる。陣形や武器の扱いを教わったことはあっても、勉強を教わるのは初めてだ。

どうするんだろう、とミオの不安が顔に出たのか、ヒロが、そうだ、と軽く付け足す。

「俺も良かったら誘ってよ」

それはミカと二人きりになることへの手助けを申し出てくれているのかと、申し訳なくなったが、

それには違う違う、とヒロが手を振る。

「ミカのそういう宮廷仕様とか兵法の話とか、話として聞く分には面白いんだよね」

ただ、と、ごまかすように照れ笑いを混ぜて。

「それを実践でやれ、って言われると、なんかこう…、性に合わないっていうかさあ」

ヒロのそんな様子には、ミオの緊張もほぐれる。

「ヒロくんは実践型だから仕方ない、ってミカさん言ってましたよ」

「うーん、ありがたいお言葉」

冗談めかして答えたヒロが、じゃあミオちゃんは理論型なのか、と感心したように言う。

「そう、言われましたけど…、でも、よく解らないし…」

「いや言われてみれば、そうかもな、って思うんだけど、あ、そうだ」

「え?」

「あれあれ、賢者の砦、あれもさ、ちゃんと習ってみたらいいよ」

ものすごく強くなるかもよ?と、ヒロは軽く請け負う。

「私が強くなったら、ヒロくんは嬉しいですか?」

ミカに、ヒロに勝てるくらいまで鍛えてやる、と言われたことも打ち明けると、

ヒロが腕をくんで、芝居がかったような声音で、うーむと唸る。

「そんなに俺を倒したいか」

「あ、私は、別に、ヒロくんを倒したいとか思ってないですよ?」

「ああ、うん、ミオちゃんが思ってないことは解るんだけど」

と、唸りモードをあっさり解除したヒロは、ああでも、それもいいかもね、と言った。

「え?」

「俺も別に、相手を倒したいとか、絶対負けねえとか、勝ちにこだわるのってあんま好きじゃないんだけど」

「はい」

それは普段のヒロを見ていればわかることだったから、ミオも頷く。

勝負事が苦手なのは、多分、ヒロとミオの感覚は似ているようにも思う。

…思っていた。

だから、次のヒロの言葉には、とっさに言葉が出なかった。

「最近、ミカに勝つのが面白くなってきちゃって」

それは、平和主義を自認するヒロらしからぬ言葉だっただけに、どう反応すればいいのか

ミオが戸惑っていると。

「ミカは対抗心とか、向上心とか、そういう自分を鍛えることにかけては貪欲じゃん?」

とヒロに確認されて、ただ頷く。

「だから俺も安心してミカを負かしにいける、っていうか、さ」

全力で相手を負かす。そうしたことへの不可解な罪悪感、それが少なからずある。

勝っても負けても、言い知れぬ不穏なものが胸の内に巣くう。

そういうヒロの感覚は、ミオにも解る。とても似ていると思う。対人が苦手、という根底。

それをヒロは、面白い、と表現した。

「俺がミカを負かしても、すぐさまやり返しにくるじゃん?だからもやもやする間がないんだよね」

力が拮抗すると、互いに追いつ追われつの関係になる。

倒れても必ずどちらかが上に行く。それをさらに超える高みへと登る。

そうして勝ち続けることをやめない限り、繋がっていられるような安心感さえある。

遊戯や今だけの話でなく、旅の終わり、その先、ずっと遠い未来まで、絆は強くなる。

「まあ、それは今のとこミカだけに言えることなんだけどさ」

だから他の誰かとの勝負事はまだ苦手意識があるけどね、と。

そう、ヒロが話してくれることは、とても感覚的なことで、曖昧で、不確かで、だからこそ

感情的に心が揺さぶられる。

共鳴する。

そこに、ミオもおいで、と呼んでくれていることが分かった。

絆を強固なものにするために。

「ちょっと解りにくい?」

ミオの返答がないことに、ヒロが気遣うような素振りを見せる。

それに、いいえ!と大げさすぎるくらい首を振った。

解る。自分は、その感覚をとてもよく解ると思う。だから、ミオはあふれだすように言葉にしていた。

「ヒロくんは、ミカさんの‘良い人’になれたんですね」

「んん?」

と、今度はヒロが、困惑する。

「あ、ミカさんにとっても、ヒロくんは‘良い人’なんだと思います」

以前、レンリが言っていたこと。

互いに切磋琢磨し合う関係。厳しさの中にも互いを高めあう覚悟。

ヒロが言っていることは遊戯の勝敗に留まらず、そのまま二人の関係にも通じているだろう。

だから理解できる。もちろん、ミオもそこに加わる。否応もない。

誰もが、誰かの良い人であり、誰かを良い人と呼ぶ。

そうして繋がっていく。

それは、礎。

「ね、そういうことですよね」

「ううん、えっとー」

俺、男だから…ミカの良い人、とはあんまし言わないんじゃないかな、と困ったように言われて、

そう言えば、‘良い人’とは、男女の仲を指す意味合いもあったな、と気づく。

気づいて、ヒロの困惑が可笑しくなる。

「あのね、良い人っていうのは…」

そうだ。

以前、レンリに言われたことを話してあげなきゃ、とミオがヒロに向き合った時。

「ひゃっほーう!」

と、甲板の方から奇声が聞こえた。

同時に。

「くっそう、負けだ!!」

という、ミカの屈辱の完敗宣言も重なる。そして。

「やったー!一本とったー!」

堂々たるウイの勝利宣言を聞いてから、ミオとヒロは顔を見合わせて笑った。

「うん、良い人っていうのは?」

ヒロが、先を促してくれる。

それに答える。

今日も、波は穏やかだ。

朝から快晴、午後もきっと快適な一日になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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賢者の砦(攻)

2014年04月03日 | ツアーズ SS

甲板にでると、そこには気持ちいい風が吹いていた。

 

慣れないうちは不快でしかなかった潮の匂いも波の動きも、今では体になじみつつある。

快適というほどではないが、そういうものだと気にせずにいられるほどになった。

いやいや人は、成長するものである。

 

そんな会話を先日ヒロと交わしていたミカが、甲板に上がるよう促した。

逆らえないままミカに従って甲板に出たミオは、普段みんなが椅子代わりに使っている木箱を、

これまた言われるがままに配置した。

それで舞台が整ったのか、さて、と改まり、何が始まるのかと思いきや、

「敵に退治した時の陣形の基本は、こう」

と、目の前のマストを敵にみたて、ミオをかばうように立つミカが、振り返って口を開く。

では、そこから離れて二つ並んだ木箱は、ヒロとウイなのだろうと理解し、

確かにそれはいつも言われている通りの陣形であったので、ミオは素直に頷いた。

「はい」

「後衛の回復役に一番大切なことは何か解るか」

これまた唐突に聞かれ、何かの試験が始まったようだ、と頭が真っ白になる。

それを見て、ミカが少し考えるように目線をそらせ、再びミオを見る。

「お前がいつも戦闘中に心がけていることで良い」

「あ、えーと、みんなの補助、です」

「一番大事なことは」

大事なこと。何よりも、それをしなくてはいけないことは。

「みんなを、死なせないことです」

ミオにとってそれだけは絶対の覚悟、だったが、ミカは「それが違う」と言った。

違う?

「一番大事なことは、お前自身が死なないことだ」

その言葉は、なぜか他人事のように思えた。

確かに唯一の回復魔法をもつミオがいなければ戦闘は立ち行かないだろう。それはわかる。

理解していると思う。だが、皆を死なせない事と自分が死なない事の重要性は

同一線上にないような気がする。

なぜなら、自分はいつもミカを始め、皆に守ってもらう立場にあるから。

それをどう返せばいいか解らなくて言葉が出ない。ミカが何を言いたいのかも解らなかった。

が、構わずにミカが続けた。

「戦闘において、お前がいつまでも自信を持てないのはそのせいだと思う」

「え?」

俺もさっき気がついたんだが、とミカは手にした剣で、軽く床を突いた。

「賢者の砦。自分の手順が正しいかどうか分からないって言っただろ」

「あ、はい」

「これは、その定石の話だ」

 

 

 

「戦闘において自身が真っ先に倒れる回復役などありえない」

「はい、わかります」

「うん、だから回復役は前衛を盾にする」

回復役にミオを、前衛に自分を指さして、敵にみたてたマストを指さすミカが無言で確認してくる。

それも、いつもミカに念を押されている陣形だ、と思いただ頷くと、さらに続ける。

「強敵になると、盾役は俺一人の手に余る。当然、ヒロもお前の盾として動く」

遠く離れた場所にある木箱を指され、そこへ移動しろということか、と戸惑えば

動かなくていい、と制された。

「お前の第一の盾は俺だ。軸をずらすな。…そうじゃなくて」

盾役は自ら標的になるために動く。

回復役を狙われないために、前衛が突撃する。派手に動いて敵の目をそらす。

それが盾だ。当然、消耗するし疲労もする、怪我も負うだろう。倒れることもある。

「が、お前はそれを良しとしなければならない」

そう言われて、思わず言葉を失う。

「え…、あ…、あの」

ミオにとってそれは考えたこともない選択だ。

「いや、なにも回復せずにほっとけ、って言ってるわけじゃねえよ」

そういう盾の役割を理解しろ、っていう話だ。

そう言ったミカが、腕を組む。

「た、盾の、役割?」

盾役がやられるのは必然の戦略であり、囮であり、壁である。

その影に身を潜め、敵にそれと悟らせないように回復魔法を唱えることが回復役の使命だ。

時には犠牲を出してでも最小限の被害で食い止めるための術。そのために。

「お前は戦況に応じて、俺という固定の盾と、ヒロという自在の盾を」

すらり、と剣を抜いてマストに向かって構えるミカの、いつになく静かな声。

「使いこなさなくてはならない」

それがお前にかけているものだ、と言われているかのようにミオの心に突き刺さる。

 

 

 

盾は己を守るもの。

その為に在る。

「今、敵と対峙しているのは俺だ。攻撃も俺一人で受ける。お前は回復魔法を唱えるな?」

「あ、はい」

「敵は回復役がいることに気づいて標的をお前に変える」

「えっと、軸、をずらさない、で」

「そう、下がる。その隙にヒロが出る。あるいはウイの方が早いかもしれない」

前後したとしても標的がミオから逸れるまで、この二人は全力でたたきに行く。

「この時点でお前が守るべき対象は、ウイだ」

なぜだか解るか、と背中越しに問われ、離れた場所にある二つの木箱を見る。

そこにいるのは、ヒロとウイ。ヒロはいつもウイを背にし、かばうようにして戦う。

魔法の詠唱を中断されないように、そして詠唱で完全に無防備になるのを守るように。

それは。

「ヒロくんが、盾、だから?」

「そうだ」

回復魔法はヒロにこそ必要に思えて、そうではないのだ、とミカが諭すように木箱を指す。

「ヒロは盾役として頑丈だが、ウイは一撃で沈む可能性が高い。そのくせ火力はでかい」

敵にとって攻撃面で手ごわく、防御面で隙だらけの存在は格好の餌食になる。

そのためにヒロはウイのそばにいるが、そのヒロを頼るのはウイではない。ミオだ。

ヒロの状態を見極め、盾として機能するかどうかを判断し、回復魔法はウイのために使う。

「ウイを守るためにヒロが盾になるなら俺が標的として囮になれる火力を出す」

ウイとヒロの状況が予断を許さないほど切羽詰まっているなら、敢えて回復役自らが犠牲となり、

敵の目を引き付ける方法も早い。

「私が標的になる場合は、ミカさんが盾になれるかどうか考えるんですね」

「そういうことだ」

二つの盾を、使いこなす。

ミカとヒロを盾にし自分が安全な位置にいることこそが、勝利のための最善の策。

「今までは、俺がその流れを読んで、後ろにいるお前に支持を出していたわけだが」

と、ミカが剣を鞘に納めて振り返る。

「それが、お前の知りたがってた定石、じゃないのか」

そういわれて初めて、ミオは、ミカが自分をここまで連れてきた意味を知った。

自信がなくて、となぜかこぼれた本音を、盤上ではなく、疑似の遊戯でもなく、実際の、

ミオの実際の問題として扱い、それに応えてくれたのだと解った。

「は、はい」

「が、あくまでもこれは俺が近衛として所属する前の兵団で叩き込まれた野外戦闘の基礎だ」

だからどこででも通用するものでもないらしい、といったミカが、軽くため息をつく。

「え?」

「事実、ヒロとウイには全く通用しなかったからな」

「え、ええ?」

「あいつらには教えたんだ、初めに、てんで戦闘がなってなかった頃に」

そう言ったミカは、苦々しい思い出でもあるのか、当時の二人の様子を話してくれた。

「うへー盾とかめんどくせー!状況判断でどっちでもこなせるほうが効率的じゃねえ?」

「あーもー!そんな小難しいこと戦闘中にいちいち考えてらんないよ!!」

そんな反発を散々聞かされて、もういい好きにしろ!と投げたのだという。

実際好きにさせると、めちゃくちゃなのだが、次第にミカの動きをみて学習するようになり、

ミオを入れた4人パーティになってからはミカに支持されているミオの動きも考慮して、

今では戦術もなにも組み立てる必要もないくらいだ、と付け足した。

「あ…」

「だから、今言った定石の話は兵士として訓練された奴にしか通用しないのかと思ってたからな」

お前には教えなかった、とミカはミオを見た。

「悪かったな、今まで」

その謝罪は、とても心が苦しかった。

 

 

 

「俺がもっと早く気づいていれば、お前の成長も熟練も違ったかもしれない」

自信がないと委縮させ、向上をさまたげていた原因を作ってしまった、とミカが詫びてくれる。

だがミオにはミカを、どうしてもそんな風には思えなかった。

「で、でも、あの、私、前衛とか後衛とか…役割を考えたこともなかったし」

そうだ、ただ皆の邪魔をしないように、控えているだけでよかった。

それ以上のことは、ミカが、時にはヒロが、的確な指示をくれたから窮地に陥ったこともない。

二人はすごいのだと思った。

そしてその二人と滞りなく通じ合っているように動くウイもまた、戦闘に優れていて…

自分がそこに並んでいることは想像できなかったから。

「だから、あの、私、私が勝手に思ってただけで、だからミカさんのせいじゃないと、…思います」

何を言いたいのか解らなくなってしまったが、とにかくミカが悪者になるのは違うと言いたい。

必死でミカは関係ないを主張しているのだが、ミカはますます険しい表情になっていく。

(あれ?どうしよう、なにか間違ってる?)

ミオは弱り果てる。

どう頑張っても自分にはミカを説得できる気がしない。そもそもどうして説得したいのかも

解らなくなってきた。

「あのー、そのう…」

腕を組んだまま、しばらくミオの様子をみていたミカが、苛立ったようなため息を一つ。

これは怖い。

最近はあまり怖くないなと思っているミカのことだが、時々、こうして怖気づくほどの気配を見せる。

逃げ出したくなる。いや、逃げるともっと怖そうなので、なんとかその場に踏みとどまったものの。

「お前がわざわざ主張したいことの意義がわからない」

と、組んでいた腕を腰に置いたミカが無感動に言い放つ。

「お前の意識改革にある問題を提起した、その原因を突きつめて俺自身が間違いを認めた、で」

「は、はい?」

「あとはこれを是正するだけだが、なぜそこに異を唱える必要がある?」

「ぜ、ぜせい?」

「いつまでも俺にあーしろこーしろ言われてる方がいいのか」

「え?良い、っていうか」

ミオとしてはミカに全てを任せているほうが皆のためになるだろうと思っていたのだが、

これはそういう流れではない。

このままではダメだ、ということに気がついたミカからの提言なのだから。

「あ、良くない、んです、よね」

しかし良くないことになると、ミカの非を認めてしまうことになる。それはどうだろう。

自分が成長しない、自信が持てない、そういう短所を果たしてミカの責任にしていいものだろうか。

「あのあの、良くないっていうか、良くないのはミカさんが良くないっていうせいじゃなくって」

「だから!」

「はいいい!!」

「俺のことはこの際ほっとけ!お前自身が戦闘において自分の役割をどうしたいかだ!」

「ええ?!えっと、えっと」

「このままでいいのか!?」

その質問は質問の形をしてはいたが、たとえ良くても良いとは言わせないほどの圧力。

「よよよ良くないです!」

ほぼ恐怖でいいなりになってるとしか思えない返答ではあったが、ミカは満足したらしい。

「うん、じゃあ明日から理論の方を叩き込むからな」

「はい?」

勢いで答えてしまったものの状況がよく飲み込めない。

「あの、理論って…、勉強、ですか?」

「お前は多分、理論型だ」

と、ここまで無感動に突っ立っていただけのミカが、がくりと項垂れ、再びため息。

今度は先ほどとは違って恐ろしくはない方の。疲れたように、長々と吐いて、そばの木箱に腰を下ろす。

「なんでお前もヒロも自分が悪い自分が悪いで話まぜかえすんだよ、進まねえだろちっとも」

「ま、まま、まぜかえしてるつもりでは…」

「そんなに他人を悪者にするのが怖いのかよ」

「それは…」

怖いな、と思う。意見が食い違うことも、言い争うことも、そして相手の非を暴くことも怖いのだ。

「せめて相手が非を認めてる時くらいは受け入れろよ」

真実がゆがむ、と言われて、顔を上げる。

ミカは困ったようにミオ見る。

「俺だって、自分が一から百まで正しいことをできてるとは思ってない」

間違いはある、と言って、それが戦闘においてもだ、と付け加えた。

その言葉にミオは胸を突かれた気がした。

「俺の判断だけでお前に指示を飛ばしても、それが最善の策だとは限らない」

 

 

 

それは戦闘中の全ての責任をミカが肩代わりしていてくれたのだと思った。

陣形の要である回復役のミオが一人でこなせないことを、ミカに押しつけた。

ミカは一人で二人分の仕事をしていたわけだ。

「あの、私…、今まで本当に何も考えてなくて」

申し訳ないと思う。

それをどう詫びればいいだろう。と、身がすくむ。顔があげられない。それを。

「だから、話を交ぜ返すな、って言っただろう」

俺は詫びたがお前に詫びてもらいたいとは砂粒の先ほども思っちゃいねえ、と言い、

お前に対して悪かったと言っただけで、俺自身は何の問題もないね、と続けて

「だいたいお前に回復任せとくと苛々したからな」

と断言されては、言葉もない。

「精神衛生上、俺が俺のためにやったことであってお前に謝られても何のことやらだぜ」

とわざとらしい乱暴な投げやり口調で言ったあと、前を向け、とミカが言う。

前を?

勇気を出してミオが顔をあげれば、ミカは普段と変わらずそこにいる。

何を見ろと言われたのかが解らなくて呆けていると、ミカが立ちあがった。

「前だ、前。この先。間違いを認めて、それを正す。正した、その先のことだ」

そうして、剣の先で、前方にある木箱を指す。

「お前がこれから戦闘の理念を習得して、俺の手を離れたら、俺はお前の盾を降りる」

そうしてウイの盾になる、と、ウイがいるはずの場所まで歩いていく。

一人その場に取り残されたミオは、どうして良いかわからない。

それを。

「不安に思うか?俺がここにくることで、お前は3つの盾を手に入れたことになる」

それは、ウイも盾にするということだろうか?

ミオの無言の問いに、ミカがにやり、と笑った。

「俺と、ヒロとが自在に動く盾、そしてお前自身が固定の盾だ」

「私?」

「これで3つの盾が機能する。攻撃魔法が最大限の火力を発揮できる」

このパーティの戦闘力は爆発的に上がる、そう言ったミカが、どうだ?と問う。

どうだ?知りたくないか?この先にある、未来を。

それは、ミオの覚悟ひとつでつかめる力。

もう、太刀打ちできない悲劇に屈することのないように、残酷な世界を嘆かなくてもいいように。

前を見る。

 

 

 

「もーお話おわった?」

と、いつの間にか戻ってきていたウイが、背後から声をかけてきてミオは驚いた。

甲板の手すりにヒロと並んで腰かけている。

「え?え?」

全く気配を感じなかったのでミオは心底驚いたが、ミカは慣れている、とでも言うように

「おせえ!」

とだけ言った。

それに悪びれることもなく、ヒロが笑う。

「いや、ちょっと前に戻ってたんだけど、なんかミカが奮闘してたから」

「手助けしちゃ悪いかと思って」

と後を続けたウイが、ヒロと顔をあわせて、ねー♪、なんて返している。

「うるせえ、さっさと介入しろ、そういう時は!」

なんて勝手なことをいうミカに笑って、二人が身軽に駆けよってくる。

「何々、陣形の話?なんでこんな天気のいい日にそんな堅苦しい話してんの?」

「…天気は関係ないだろ」

「すがすがしさぶち壊しだよねえ」

ほらーミオちゃん固まっちゃってるし、とウイがやんわり非難めいたセリフをミカに聞かせながら、

ミオの両手をとると、はい背伸びの運動~、と上に引っ張り上げる。

それにつられながら体がほぐされていくのと同時に、知らず緊張も解けていく。

「堅苦しいのもほどほどにねっ」

とそのまま楽しそうに両手を揺らされ、ウイと二人じゃれあっているような形になり。

それを見てヒロが荷物を肩からおろし、ミカの隣の木箱に置く。

「ミオちゃん、ミカのお世話、お疲れ!」

おかげで収穫ばっちり!と、ヒロなりの感謝のしるしか、ミオに親指をたてて突きだす。

それを受け止めたのはミオとミカ。

「い、いえ、あの、はい」

「お世話?」

後半はともかく、前半の声変えには何と答えたものやら、とあわてたミオに構わず、

ミカはヒロを見る。

ヒロはその怪訝な視線にも悪びれず、さらり、とミカに説明する。

「ミカ起きてくるの待ってたんだけどさ、昨日遅かったじゃん?だからこりゃ起きねえな、と思って」

「ミカちゃん一人船に置いとくのも可哀想だったし、ミオちゃんにお世話頼んでたんだよね」

ねー♪、と今度はウイがミオに同調を求めてくるので、は、はいー、とどうにか答える。

「お世話って…」

「昼飯までには戻れるって思ったけど、ミカ一人じゃ茶も飲めんだろ」

「そーそー、おひる食べようよ!美味しそーな果物見つけたんだ」

ウイがミオを促し、ヒロがミカを手招いてから、船室へと足を向ける。

なんとなくそれに従い、4人で食堂へと向かう道すがら。

ミカがいきなり、きれた。

「お前そうならそうで先に言えよ!余計な気ぃまわしちまったじゃねーか!」

「はあ?!」

「なになにっ、どうしたのっ」

「えっ、ええ?」

三者三様の反応を見せたものの、ミカがいう‘お前’はどうやら、ミオを指しているらしい。

「す、すみませんすみませんっ」

何を怒られているのかわからなかったが、とりあえず謝っておいた。

やっと、日常に戻った気がした。

 

 

 

その後、昼食をとりながらミカとミオから事の顛末を聞いた二人は、大いにうけた。

「そりゃーミオちゃんに構って攻撃されたら全力でかまっちゃうよね」

「そのくせ縄張りから一歩も出ないで上から目線で構うのがミカだよな」

ミカは大いに不服そうだったが、まーまーそのおかげで成果があったんでしょ、と

ウイになだめられている。

「いいねえ、新しい陣形。俺もちょっと強力な武器できそうで試したかったんだよな」

棍と杖なんだけどさ、とヒロがミカに提案をする。

まだ制覇してない強力な地図があったよね、とウイも加わる。

それを見守るだけのミオは。

そうか、と気づく。

この3人の盾になれるのだ。

正しく、過たず、最善の手を尽くすことで切り開いていく道がある。

そのためにミオが果たさなくてはならない盾の役割は、攻めだ。

そう頭の中に閃いたと同時に、「攻めてこい」と言ったミカの声が重なる。

前を見る。

この先、それを超えたもっとずっと先。

理想を追う、その後に続く道を定石と呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

いやーまだ後日談もあるよー

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賢者の砦(守)

2014年04月01日 | ツアーズ SS

いつもの朝。

というか、昼近く。日もだいぶ昇りきってから目を覚ましたミカは、なんで誰も起こしに来ないんだ、と

身支度を整えてから、まず食堂へと足を向ける。

今日は波も穏やからしく、船内でもさほど揺れが気にならない。

ある孤島に停泊して、1日。窓の外は快晴。

と、寝起きの頭を働かせるように状況を確認して食堂へ入れば、そこには一人、ミオが席についていた。

 

 

 

「あ、おはようございます」

それまで作業していた刺繍物を置いて立ちあがる。そんな馬鹿丁寧に挨拶をしてくるのも彼女の常だ。

「うん」

まだすっきりしないまま生返事を返し、いつもの定位置にミカが座っても、ミオはその場に突っ立っている。

それに気を回すほどには覚醒していない。

しばらく何かを考えようとして、不意に気づく。

「…あいつらは?」

「あ、ウイちゃんとヒロくんは、外です」

と、即座に返ってきたミオの言葉で、どうやら船内には二人きりらしい、ということまでは解った。

特にそれに感じることもなかったが、脳はようやく起きはじめているらしい。

「外?」

「はい、あの、錬金の素材を集めてくるって…、あ、昼食には戻るって言ってました」

「ふうん」

そう言えばなんだか新しいレシピ本を見つけたとか何とか、ヒロが興奮していたか。

まあ、昨日見た限りでは小さな島で、特に脅威らしい脅威もなかったから、

二人放っておいても大丈夫か、などと考えていると。

「あの、ミカさん」

まだその場に立っていたミオが、遠慮がちに話しかけてくる。

それに気づいたミカが彼女に意識を向ければ、必死、という面持ちで続けた。

「朝ごはん、食べますか?」

「ああ?」

朝ごはん、という時間ではないようだが、とミカが思わず時計を確認していると、

大丈夫です!すぐ作れます!!と付け加える。

違う。別にそういう意味で時間を確認したわけではなく…。

「いや、いい」

「えっと」

「必要ない」

「そう、です、か」

大体、昨日の夜更かしからして体調を崩しているな、と、無駄な夜更かしの原因でもある、机の上、

そこに広げられたままの遊戯盤に目をやる。

 

 

 

それは、『賢者の砦』と呼ばれる対戦型の遊びで、砦を作り兵士の駒を動かし敵の陣地を攻略する、という

戦を模した盤上遊戯だ。

それをヒロと二人で興じていたのは良かったが、意地を張り合ってなかなか決着がつかず、

最後にはどこで手打ちにしたんだか、それさえも睡魔に襲われて不明だというのが度を越している。

(それなのにあいつはなんで朝っぱらから素材集めに走りまわってんだ?)

時々、ヒロの底なしの体力が解せない。

そんな苦いものを抱えつつ、なんとなく盤上の駒の配置から昨日の流れを思考していると。

「あ!じゃあ、お茶を淹れましょうか」

と、ミオの声に再び我に返る。

頬杖をついたまま視線だけを向ければ、やはり先ほどと変わらず、なにやら必死で提案している。

「あの、熱いお茶を、一杯、いかがですか」

どこの店員だ。と思ったが声には出さず、一考、…確かにその提案には惹かれるものがある。と、

ついつい盤上遊戯での思考状態のまま堅苦しく返答しそうになって、気分を切り替える。

「…うん、そうだな」

淹れてもらおうか、と返すよりも早く、「はい!お待ちください!」と、有無を言わせぬ迫力に、

ミカがやや気押されている間に、ミオは部屋を出て行った。

やたら張りきっているように感じるのは気のせいか?…気のせいか。

大体彼女はいつもあんな風であり、自分もいつも大体こんな風に対応しているだろう。

多分。

と、何か調子が狂うのは、やはり昨夜の夜更かしがたたっている。

いつもほどよく切り上げ就寝、というのが常なのに、昨日はなぜか互いに譲らなかった。

ヒロが珍しく執着したせいもある。

『賢者の砦』と言われるこの盤上遊戯を手ほどきしてやったのはミカだが、案の定、というか

何に対しても飲み込みのいいヒロは、回を重ねる度に腕を上げてミカと対戦できるまでになった。

それはいい。

だが、勝ち負けに執着しない性分のヒロは、この遊戯に関しても「過程が楽しければそれでいい」という、

対戦相手にしては手ごたえのない、ぬるい暇つぶし程度にしかならなかったものだが。

「あー!ひでえ!俺今すっげえ砦思いついてそれ作りかけてたんだけど!!」

と、ミカがヒロの陣地の守りの背後を突いて攻め落とした事を、怒られた。

なんでだ、そういう遊びだ。という理不尽さと、その「すっげえ砦」ってどんなんだ、という好奇心。

つい好奇心が勝って、もう一戦。

当然ヒロも真剣に砦を完成させるために熱が入っているために、再戦に次ぐ再戦。

そうなると今度は、そう簡単に作らせるかよ、という対抗心が勝ってきて、互いに一歩も引かぬ局面になった。

もう一回、もう一回、今度こそ、もう一回…

(で、結局あいつの作りたかった砦って何なんだ)、と盤上の配置を確認していると、

ミオがお茶の用意をして戻ってきた。

「熱いですから、気を付けてくださいね」

と、並べられる食器も、湯気も、葉の香りも、馴染みあるもので、それは確実に気分を向上させる。

「あ、あの、熱すぎないですか?大丈夫ですか?」

ミカの反応を気にするように、控えめに声をかけてくるミオの様子も変わりなく。

「うん、ちょうど良い」

ミカは体に心地よい熱を取り込んで、ようやく、昨日からの眠りが覚めた。

 

 

 

「もう一杯いかがでしょう?」

「今度はミルクを入れますか?」

「あ、ビスケットも出しましょうか」

「果物もありますよ」

と、ミオから繰り出される怒涛の攻撃。

すっきりと目が覚めたから解る。何だ、なんでそんなに 必死で食いついて来るんだ。

思えば、先に顔を合わせたときから普段のミオらしくなく、積極的ではなかったか。

やや戸惑いながら一つ一つ律儀に断っていたミカは、これによく似た状況を嫌というほど知っている、と

ようやく思い至った。

そうだ。対する相手が違うから勝手が違うような気がしていたが、いつも大体、この状況になる。

主に相手が、ウイかヒロの時。

(これはあれだ!)

と、ミオがさらなる攻撃の手を考えてい隙に、「お前、な」と、口をはさむ。

すると「はい!」と力いっぱい返事をして期待に満ちた目をするミオ。

うん、やっぱりな。あれだな。あいつらと反応がそっくりだ。と、脳内で再確認しておいてから、

ミオにも確認する。

「…暇なのか?」

ミカのその言葉にあっけにとられたようなミオだったが、ややあって、「はい暇です!」と返す。

「大丈夫、すごくすごく暇ですから」

その大丈夫、ってのはなんだ。とは思ったものの、ミオは興奮してる時には勘違いな言動になるのも、

まあ、慣れているので気にしないことにした。

「そうか」

(暇だから構え、ってことだよな)

そう納得したが、ウイとヒロの「構って!」攻撃には慣れているものの、ミオにどう絡めば良いかが

さっぱり解らない。

机の上には彼女の趣味らしいやりかけの刺繍の木枠とこまごましたものが乗っているが。

あれを俺がやるわけにもなあ…、と困惑する。

ミオは相変わらず期待に満ちた様子でミカの次の言葉を待っている。

万事休す。

 

 

 

「私、駒の動かし方くらいしか、わからないですよ」

そう困り果てたような声を出すミオ。

「動かし方が解れば十分だ、適当に付き合え」

二人で並んで席に着き、『賢者の砦』の盤上の駒を初期配置に戻しながら、答えるミカ。

万事休す、で‘盤’に思い至ったのは我ながら陳腐でしかたがない、と思いつつも他に手がない。

これなら互いに苦手な会話でひたすら気まずく不穏になる必要もない。

この『賢者の砦』は、古くは戦場で実際に軍師たちが戦略を立てるために使っていた軍議が元だ。

それを盤上仕立てにしたものが貴族たちの嗜みになり、市井にも遊戯として広まっている。

そういう事で、造詣が深いミカがヒロに手ほどきしたわけだが、その時からずっとそばでウイとミオも観ている。

いちから説明しなくてもできる、というのも良い。

つまり、極限まで会話をすることなくただ時間が過ぎるのを待つ、という逃げの戦法だ。

(そのうちあいつら戻ってくるだろ)

などと軽く考えていたのが甘かった。

そもそも<極限まで会話をすることなく>というのが、ミカの性格ではまず無理!と

ウイかヒロがいたなら突っ込むところである。

間違いは正さないと気が済まない、曖昧なことを見逃せない、適当な感じで流せない。

そのうえそれを絶対に口に出して指摘してしまう厄介な性分であるがために、

『賢者の砦』という盤上でミカが口を出さずにいられるはずがないのだ。

「ちょっと待て、それはどういう動きだ」

「なぜそこに配置する」

「役割がないとか有り得ない」

「とりあえず、とかいうのもやめろ」

などなど、いちいちミオの手順が気になって確認してしまうものだから、一向に進まない。

ミオもその度たどたどしく意図を説明しては呆れられ、やり直し、また指摘され、を繰り返す。

二人とも気付いていないが、泣きださないミオのおかげでなんとか状況を保っているようなものだ。

これが以前なら、一気にミカが窮地に陥るのは目に見えている。

「えーっと、じゃあココ、で、…正しいですか?」

「正しいか正しくないかで言えば、正しくない」

「あ、じゃあ、えーっと、…えっと、もちろん、…正しく置くのがいいんです、よね?」

「戦略があって、敢えて正しくないことを選ぶなら、それでも良いが」

「え?戦略?」

「戦略もなしに攻めてきてんのか、お前…」

「いえ、攻めてるわけじゃないです」

「なに?それ守りか?!」

「は、はい、守ってるんです、あのー、ここを」

「守ってねえよ!」

「ひゃー、すみませんすみません!」

こんな調子なので、ハッキリ言って普段の倍以上、会話がはずんでいると言っても良い。

楽しいかどうかは別として、会話が途切れて気まずい空気にはなりえないのが不幸中の幸いか。

「いいから攻めてこい、進まねえだろ」

「はあ」

自分が初めて祖父から手ほどきを受けた時も、まず攻めから教わった。だからヒロにもそうした。

ついでに言えばウイも同じだ。(彼女の場合は攻めしかできない、というのもある)

なのに、ミオはなぜか侵略が落ち着かずたびたび進んでは戻ってを繰り返す。

「難解すぎる…」

ミカが思わず口にしたことに、ミオが即座に委縮する風を見せる。

「ご、ごめんなさい、あの、私のやり方、おかしいですか」

「おかしいというか…、意図が全く読めねえ」

「えーと?それは、よくない、ですか」

「いや単に下手なんだろうな、とは思うが」

「は、はい、そうですよね」

普通は、とミカは戦局とは関係のない空間に駒を配置しながら、言葉を続ける。

「定石というものがあって、どの駒運びも大体、それに倣うように動く」

古くから多くの戦局を研究されつくしてきた中でも、これが最善の手順だ、と言われるものである。

勝つために駒を動かしていくと自ずとそうなる、と説明して、最小限配置した駒を指さす。

「この配置で、攻めるならどこに置く?」

「え、と、…ここです、よね」

「そうだな。これなら?」

と、自陣の駒を動かして配置し直すと、しばらく考えたミオが空いた升を指さす。

「こっち、です?」

「うん、そうだな。それが定石。絶対勝てる配置、あるいは絶対負けない配置、てことだ」

9マスの狭い範囲で、2対1の駒数でなら正解を出せるようなのにな、とミカは盤上に目を戻す。

今やったことと全く同じことが、盤上の2か所で展開されているわけだが、なぜそこでは出来ない?

(不可解だ)

それを責めるつもりはないが、一体どういう障害があってそうなるのかが非常に気になる。

とミカが内心で唸っていると、ミオが思い切ったように口を開く。

「そういう正しい手順がいっぱいあって、ミカさんとヒロくんはそうしてるんですよね」

「…そう、だな」

「じゃあ私も、その手順を覚えたら勝てるってことですよね?」

「……」

ミオにしてはらしくない、ずいぶん飛躍したような問いかけに、思わず絶句する。

そのミカの反応をみて、途端に恥じ入るように両手を突きだすミオ。

「す、すみません!そんな単純なことじゃないですよね!」

「…いや、…勝ちたいのか、お前」

「めっそうもないでございます!そんなオコガマシイと言いますか、ええ、本当に、はい!」

そのまま立ちあがって部屋から飛び出していきそうな勢いである。

「いい、いいから、待て」

これは、とても大事なことのような気がする、とミカは無意識の威圧でミオをその場にとどまらせる。

「違うなら最後まで話せ。中途半端に止められると俺も答えられない」

「は、はい」

「勝ちたいならそれもいいだろ。ヒロに勝てるくらいまで鍛えてやるぞ」

「いえ、あの、…勝ちたい、わけじゃ、ないような、んですけど」

「勝ちたくないってのもどうなんだよ…」

「あ、すみません、えっと、そうじゃなくて、あのうまく言えないんですけど…」

「うまく言わなくていい、普通にいえ」

思ったことを思った通りに、と促せば、ミオが両ひざの上に置いた手をにぎりしめた。

傍目には、説教の場面のようでもあるが、ミカは大まじめにミオの気持ちを汲んでるつもりである。

「よくわからなくて」

と、ミオが床を見たまま言葉をつなげた。

「さっきみたいに、ミカさんが一度だけ問題を出してくれるのは解ります」

でも、盤上を見る。

そこには大いなる戦場の縮図、両陣営と兵士と戦略の流れがある。

「ずっと駒が動いてて、その時はここが最善だって思って配置しても、すぐ後には崩れちゃうし」

先の先を読んで配置してもその通りに動けなければまた一からやり直す。

自分の一手が正しいのかどうか解らないまま、ずっと不安なのだと言う。

「だから、定石っていうのを覚えたら、それを目指せばいいと思って」

正しいことをしている、という確信が欲しいのだ。

駒の犠牲も、相手の誘導も、砦の囲いも、侵略も、最終的に向かう理想の形を目指している。

その為に必要な動きだ、と理解できていれば自信が持てる。

「と、思いまして」

これって勝ちたいっていうことでしょうか?とミオに問いかけられ、ミカは言葉に詰まった。

ミオの言うことは、ひどく当たり前のことだった。

だが、それをそうと言われなければ解らないほど、自分は失念していた。

なぜなら、先に遊戯のやり方を教えたのが、あのヒロとウイだからだ。

定石、と聞いて、ヒロはこう言った。

「え、そんなのつまんねえ。もっと凄い最善の手が出るかもしれねえじゃん」

(おまえはたった数カ月で何百年から続く先人の研究を凌駕する気満々か)

さらにウイはこう言った。

「最善の手があるなら別に勝負しなくても勝てるよね?」

(そういう問題じゃねえだろ!)

そうして何度も戦局を重ねれば、定石とかいうのウットオシイ!好きにやらせろ!だの

定石意識してたら余計わけわかんなくなっちゃうよ!だの、言いたい放題散々だ。

だから好きにやらせた。

それで当人たちが面白いならまあ良いか(定石の重要性も後々自己解決するだろう)と

今の今まで放っておいたのだ。

ウイは飽きっぽいこともあって子供の遊び程度で満足らしいが、ヒロなんかは昨夜のように

一進一退の攻防にまで発展するほどに腕を上げた。

そんなこともあって。

「あの、ミカさん?」

ミオも同じに考えていたのだ。

「いや、お前の言うことは正しい。俺が間違っていた」

「えっ?」

そうだ。

同じであるわけがなかった。それは、普段の行動や、戦闘状況においても解っていたはずなのに。

いや、自分は本当に解っていたか?

今気づいたことと同じ過ちを犯していないか?

不意にその可能性が頭をかすめる。

だとすれば、確かめる必要がある。何よりも、ミオのために。

その結論にたどり着いた自分の覚醒をさえぎるものがここには多すぎる。

ミカはあっけにとられているミオを真っ向から見据えた。

「表へ出ろ」

「えええ?!」

立ちあがる。

「すすすすみませんすみません!私なんかがヘンニ意見したりしまして申し訳ありませんでしたー!」

…違う。

別に制裁を加えるために外に出るわけじゃない。

 

 

 

 

 

ハイ、賢者の砦(攻)につづくよー

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旅の目的は、天界の救出でも女神の果実集めでもなく
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