ドラクエ9☆天使ツアーズ

■DQ9ファンブログ■
オリジナルストーリー4コマ漫画を中心に更新中
時々ドラクエ風味ほかゲームプレイ漫画とかとか

稼ぎ頭

2010年09月29日 | DQ9 らくがき
ゴールドマン。
ヒロが一番好きなモンスター。

ゴールドを落とす額からいえば、ゴールデンスライムの方が何倍も儲けが多いのですが
そこはそれ、ヒロも男のコ、ですから。
巨人ロボっぽいみかけに、「カッコイイ!」という一声と
全身がゴールドというみかけで、「ゴ、ゴージャス!!」という一声のたまものです。

…あ。しまったこれ4コマのネタだった。




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情熱大陸4

2010年09月28日 | 11章 グビアナ城


ウイ 「ヒロ、それ王様の仕事だよ…」
ミカ 「みみっちすぎて、計画の壮大さに気がついてねえんだよ、あいつは」


  

つまりヒロは、自分の生活費と実家への仕送りと、村への基金(?)のために
日々、「お金がいくらあっても足りないぜ」状態なのです。

ヒロの人柄でお分かりかとは思いますが、村人も全体的にこんな暢気な感じです。

とっぴょうしもない奇人変人が多く、その日が楽しく生きられればそれで万事OK!
という気質なので、村全体が明るい貧乏状態に陥っています。
(出稼ぎに出てやっていけるのは、真面目な人、…少数派なのかもしれません)

ヒロは子供のうちから外の世界を知ったことで、
「俺が村を豊かにして見せる!」という若き希望に溢れてます。

いつか三人の故郷を訪ね、それぞれお泊りする話も出てきますが…

ミカとミオの出身に次いで、やっとヒロの話が描けました。
早く描いとかんと…、とちょっと焦ったので、砂漠の王国に入る前にねじこみました。

さて。
砂漠の女王さまに会いに行くとしましょう。


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まさかのヒャド

2010年09月27日 | 11章 グビアナ城



ミオ 「ウイちゃん!人体に向けて攻撃魔法つかっちゃいけません!!」

ウイ 「ミカちゃんなら、うまい具合に避けて勝手に涼むかと思って…」

ヒロ 「あ、そんな事言ったらミカが…(汗)」

ミカ 「おお、避けてやろうじゃねえか!もう一発こい!!」


…こうして無駄に砂漠での体力を消費していく一行であった。




  

どうなんだろうな、これ。と、思いついたままに描いた2コマギャグ劇場。
穴埋めの突発ギャグなので前回のかき氷同様、
笑って流してもらえれば助かります。

実は、同じオチで「鍛錬編」もありました。
ミカがミオを鍛えているのを見ていたウイも参戦、メラ連発でミカブチ切れる、という…。
「焼き殺す気かー!!」

だから何だ。
ハイ、どうっっでもいい話、でした。

そんなこんな。
ドラクエの世界を9作も旅していると、魔法に関して色々、思う事があります。

ウチの世界では、回復魔法(ホイミとかキアリク、ザオリクなどなど)は
モンスターにやられた時の回復のみ有効、だと勝手に思っているのです。
そうじゃないと医術がいらなくなってしまう。死んだ人も自在に生き返ってしまう。

まあ。
道で転んですりむいたー!ホイミー!とか、
子供が間違えて毒薬飲んだ―!キアリクー!とかくらいまでならまあ、有りかもしれない。
(医者はいなくて魔法屋や教会が治す、という世界観で)

が。

ザオリクまでが有効になると、かなり困ったことになる。
(ベクセリアの件とか)

もちろん教会のお祈りで生き返るのも非常に困ったことになる。
(いわずとしれたベクセリアの件とか)

この辺りの線引きが非常に悩めるところです。
あやふやなまま、描き進めてて…、スミマセン。

そもそも「しに」というステータスが非常に扱いにくい!
どこぞのRPGみたいに、「気絶」、とか、「戦闘不能」、とかいう表記なら悩まないのに!!

まあ、この「しに」ステータスがドラクエの伝統だといわれると、
うんまあ…というほかはないんですが…

(他人の褌で相撲をとることの難しさよ…)



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情熱大陸3

2010年09月26日 | 11章 グビアナ城

ウイ 「ところでテキ屋ってなあに?」
ミオ 「ヒロくん、テキ屋さんだったんですか?」
ミカ 「んなわけねえだろ…」
ヒロ 「ハッタリハッタリ♪」




  

ミカに思いッきり、「どうっっでもいい」と言われておりますが…
ワタクシ、こんな『どうっっでもいい』話だけを描いていきたいのです。

というわけで、「ドラクエ」のなんたるかを求めてここにたどり着いた皆様には
深くお詫び申し上げまする。
(今更?!)

…ハイ、昨日、ブログ村のアウトポイント(ご新規様?)がアップしておりましたので
ちょっとビビっています。
あと、ブログ村の記事キーワード欄に、「情熱大陸」がピックアップされていて
かーなーり、びびってます。

情熱大陸ファンの皆様にも、深く深くお詫び申し上げます。申し訳ない気持ちでいっぱいです。

が。

この『どうっっでもいい』ぬるさ加減に遭遇してしまったのも何かの縁、
お気に召していただけましたら、恐悦至極でございます。
一気に回れ右せず、怖いもの見たさのお気楽度で
ぬるいマンガに片足を突っ込んでいただくのも一興かと思われます。


(お前は、詫びたいのか浮かれたいのか…)






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情熱大陸1

2010年09月24日 | 11章 グビアナ城

ミカ 「あーくそ、暑くて文句つける気にもならねえ…」
ウイ 「ミカちゃん、しっかり!」




  

しっかり、って言われてもな。てな感じで、ミカが砂漠で弱ってます。

ウイは、暑さに強く、寒さに弱い、ヒロは、暑さにも寒さにも、強い
ミオは、暑さに弱く、寒さに強い、ミカは、暑さにも寒さにも、弱い

って感じで。


この世界は多分、球…ですよね。

なんか、不思議な気候(地域)の配置ですけど…
砂漠!湿地帯!草原!節減、じゃなかった(おおう、ヒロの呪いか)、雪原!が
右側でひと塊りになっているところがまた、

いきなり地方色濃くなったな

って感じで、旅してる側としては面白かったんですが。

その他の地域の気候ってどうなってるんだろう?と
ウイ達の季節の好みを設定した時にちょっと悩んだもので。
ま、その結果、住んでいる地方性を無視して、個人の性格的なものを考えて
決めたんですがね。

ベクセリアは年中秋、エラフィタは年中春、とかそういう感じで良いでしょうか。
(見た目かよ!by.ミカ)





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砂漠の大陸

2010年09月23日 | 11章 グビアナ城

ミカ 「のっけから迷走する気満々か!!」


さあ、砂漠に上陸しましたよ。
砂漠の為の衣装チェンジ(紫外線予防、防寒など)も考えていたのですが
描くのが非常に手間がかかるので、服装はこれで貫きます!

船をどうするか、とかも考えていたのですが
(駅前にチャリを止めるのをは訳が違うぞ、と思って)
それを描きだすと、他の細かいところも延々フォローしていかないといけないので
そこはもうファンタジーのお約束で、天使の守護があるから盗まれない!
ということでよろしくでっす。


…さて。

船を手に入れて、皆様はまず一番にどこに着きましたか?
実はゲームでは、ウイたちはナザム村に着きました。
村人みんなが冷たくて、あ、ルート間違ったな、とすぐに解りました。
(その前にモンスターに追いかけ回された時点で気付け)

見ず知らずの大陸よりも、見知った大陸の方に興味があって
船を走らせてしまった結果です。

いつも大体そうです。



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落書ニード

2010年09月22日 | DQ9 らくがき
なんだろう。そこはかとなく別人。まあ良いか…

落書シリーズはウイが会った順番に回して行きます。というわけで、ニード。
カッコつけつつ、ヘタレ、という彼が大好きです。

お師匠様がいなかったら、間違いなく、標的は彼だった。
リッカにほのかな恋心を抱いている彼を、
ゲーム時間の全てを注ぎこんで主人公に振り向かせる少女マンガ的展開を希望。

というのも、自分は、レベル1の時に一緒に戦ってくれるキャラに弱い。というのが
傾向的に解ってきたので。
(お師匠さま然り、ヤンガス然り、パパス然り…)

お師匠様というキャラがいなかったら、多分、ニードが仲間になるクエストを
今か今かと待ち望んでいたと思われる。
(そしてクエスト配信が終了した時点で抗議の声明文を書き連ねる!…脳内で)

…うん。
お師匠様がいてくれて良かったな。
(少なくともお師匠様関係のクエストは配信されたし)





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甲板にて

2010年09月20日 | 10章 航海

ウイ 「もー、そういう生生しいのはいーよー、隠れてやってくれてー」

ヒロ 「なんでだよー、大っぴらにやるから清々しいんだろー?」



掃除当番は公共性が高いので、ミカももれなく参加しないといけないだろう。
が、まあ…、洗濯は個人個人の問題だしな。

という、男子組二人の認識の一致で、ヒロ、ミカの専属洗濯屋(海限定)に決定。




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心もよう

2010年09月19日 | ツアーズ SS


「そっかあ、ミオちゃんが大変な時に、ウイ一人で洗濯楽しんでてごめんね?」

ミカに掃除を教えた様子を尋ねられて、ありのままを答えたミオに返ってきたウイの第一声に、
ミオは慌てた。

自分がうまくミカを指導できなかったのはウイのせいではないし、
勿論、ミカのせいでもないのだ。

人とのコミュニケーションが苦手な自戒は、自分一人の問題だ。
こんな自分にとても良くしてくれるウイやヒロに、これ以上、
世話を焼いてもらってはいけないと思う。

だから、話題を変えられるように、ウイの言葉に糸口をつかむ。

「良いんです。え、と、洗濯、楽しかったですか?」

「うん、そうそう!もー、ものすごく楽しくってね、ついね」

と、ウイは、昼の間に洗濯の仕方を教わって、その後、部屋を洗剤だらけにして、
ヒロに呆れられてしまった話までを、楽しそうに話してくれた。

ウイは何でも楽しそうだ、と、先ほどまで落ち込んでいたミオも気分が軽くなる。

「でもね、もう大丈夫。次はウイがミオちゃんに洗濯を教える番だからね」

自信満々にそう言われて、ウイの話に聞き入っていたミオは、首をかしげる。

ウイが、ヒロから習った事を教えてくれることに不満はないが、てっきり洗濯に関しては、
自分も、次いでミカの事も、ヒロが指導してくれるものだとばかり思っていたので。

「うん、なんかね。その方が、全員が教える側と教わる側になるから良いんだって」

だから、掃除の分担は、ミカがウイにやり方を教えることになるのだ、とウイに説明されて
ミオはますます、昼間の失態を悔やんだ。

「だったら、やっぱり私がヒロくんに教えて、ヒロくんがミカさんに教えた方が良かったですね」

「うん?え?どうして?」

「私、ミカさんに上手に教えられなかったです」

つまり、今日の午後の半日は、ミオにとって、『一人で甲板を掃除した日』、だったし、
ミカに至っては、『甲板で立っていた日』、でしかないだろう。

あの状態で、ミカがウイに、掃除の仕方を教えられるとは思えない。

そもそも、『全く掃除をしたことがない』というミカにとっては、
説明のない作業を見せられても、何も得られるものはなかっただろうと思えるのだ。

「うーん、でもそれはねえ」

ベッドの上で、ウイが腕を組んで唸った。

「ミカちゃんも、あんまし喋らない人だからね?」

今、夜の不寝番はミカが務めているだろうか。そろそろ、ヒロと交替するのだろうか。
自己嫌悪のあまり、そんなどうでもいいことがふと頭の隅をよぎったが。

「ウイは、ミカちゃんに教えてあげる人が、ミオちゃんで良かったと思うよ」

そのウイの発言に、驚いて、意識は目の前の話題に引き戻された。

「え?どうしてですか?」

「ミカちゃんも、喋らない人だから」

先に言われたことを繰り返されて、ミオはただ戸惑う。それを見て、ウイも困ったようだった。

「ん~、と、…ね、ミオちゃんは、ウイやヒロとはおしゃべりしてくれるよね」

「あ、ハイ、でもそれは…」

それは、ミオが会話をしている、というよりは、ウイやヒロが相手をしてくれているのだと思う。

二人が何かしら話をふってくれて、それでもミオが言葉に詰まるとミオの心情の先を読んで、
ミオが心にため込んでいる言葉を促してくれる。

ただミオは二人の会話を聞いて、そばに居るだけ。それだけで安心していられるのだ。
二人が、会話の苦手なミオを最大限に気づかってくれるから。

「ヒロくんや、ウイちゃんが、優しいからだと思います」

そうだ。今まで、会話も下手で、他人と交流するのが苦手な自分に、
こんなにも親身になって構ってくれる人はいなかった。
ウイとヒロには本当に感謝していると同時に、そうしてくれない、とミカを責めることは
できないと思う。

ミカと交流しようとしてできない自分が、なによりもミカとの距離を作っている。

「あ、ご、ごめんなさい、えっと、ミカさんが優しくないっていうんじゃなくて、えっと」

「うんうん、大丈夫、ミオちゃんがそんな風に思ってないのは解るからね」

言葉はムツカシイ。
そもそも、不確かな自分の心というものを、たった一つの言葉で表すことが難しい。
そして、そうしなければ繋がることができない他人との交流は、
ミオにとっては、さらに難しかった。

それを、ヒロやウイは、今みたいに、さっとすくいあげてくれるのだ。

「でもね、ヒロよりミカちゃんの方が、ずっと優しいんだよ」

「ええっ?!」

すくいあげてくれるあまり、つい安心して無防備な感情が言葉になる。
それをまた、ミオは恥じた。

「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!ミカさんが優しくないっていうんじゃ…」

「うんうん、大丈夫、ミオちゃんがそんな風に思ってないのは、本当に解るからね」

さっきと全く同じやりとりをして、ウイが笑った。ミオはただ恐縮するしかない。

「本質。本質のね、問題なの」

「本質?ですか?」

そう、人のもともと持っているもの、気質、とウイは前置きして続けた。

「ヒロはね、人に優しくしよう、って思って、優しくできる人なの。本質は、ずっとこわいよ」

「…で、でも、私、ヒロくんを、怖い、って思ったことはないですよ?」

「あ、その怖いじゃなくて、えっとね、…『強(こわ)い』、かな」

「…はあ」

「逆に、ミカちゃんは、本質は優しいの。優しいのに、優しく接してないだけなんだよ」

「え、ええ?」

優しくない自覚がないのか、あえて、しなくていいと思ってるのかは解らないけど、と続け、

「多分、捨て身になったらミカちゃんよりヒロの方が冷酷になれると思うよ」

そんな事を言われて、ミオの思っていたあの二人の印象とはまるでかけ離れた
ウイの心象観察に混乱する。

「え、と、じゃ、じゃあ、どうしたらいいでしょう?」

「うん、だからね、ミオちゃんはミカちゃんの事で何も悩まなくていいんだよ」

ミカちゃんはあれで優しいんだよ、とウイに保障されて、なんとなく、ハイ、と頷いた。

「ミオちゃんが悩まなくちゃいけない時は、ヒロが優しくなくなった時だよね」

その時はミオちゃんだけじゃなくて皆で一緒に考えたらいいんだよ、と言われそれにも頷く。

ウイが言う、ミカの『優しいのに優しくない態度』と、ヒロの『優しくないのに優しい態度』、
その両極をどう考えたらいいのか解らないうえに、その先の展開、
『ヒロが優しくなくなった時』までを予想するのは不可能がすぎて、今の自分には何もできない。

それを、悩まなくていい、とウイが言うのなら、ただそれに従うだけだ。
無力な自分には、それだけだった。




翌日。

「そろそろお昼ご飯できるから、ミカ呼んできてくれる?部屋か、甲板にいると思うけど」

そうヒロに言われて、ミオはまず甲板へと上がった。

昨日の今日で、ミカに合わせる顔がないとは思ったが、だからと言って避けていても
何も解決はしない。
ヒロはその機会をくれたのだと思う。思って、ウイの昨日の言葉を思い出す。

『ヒロは、優しくしようと思って優しくできる。ミカは優しいのにそれができない』

その事はまだ正直、よくわからなかったが、今はミカに食事ができたことだけを伝えよう。
そう思って甲板にミカの姿を探せば、二階部分にミカの後ろ姿が見えた。

大きな声を出すのは苦手なので、階段を上がってみると、ミカは一人で甲板の掃除をしていた。
驚いたミオの気配が伝わったのか、ミカが振り向く。

「なんだよ?」

「え?あ、え、えっと、なんだっけ、あ、えっと、お昼、お昼御飯に…、ヒロくんが…、えっと」

「ああ、そんな時間か」

ミオがどれだけ動揺しても、ミカはいつも、今の様に素っ気ない。それもまた、近寄りがたい。

『ミカは優しいのにそれができない』

ウイの言葉はミカとの関係を考える鍵だと思えるのに、
ミカの態度がそれをミオに許してくれなかった。
許されないことに気ばかり焦って、ただミオは、考えなしに、衝動的に口走っていた。

「そっ、掃除してるんですか」

「見りゃ解るだろ」

ぬくもりも感じさせない単調な一言が返ってきて、当然だ、という思いに落ち込む。

あ、だめだ。泣きそうだ。

心が弱い。上手に出来ない自分が嫌い。それがますます、自分を弱くする。
うつむいたまま、『伝えたのだし、このまま船室に戻ろうか』、と手すりを握りしめた時。

「あがってこいよ」

と、信じられない言葉が上から降ってきて、驚く。

「え?」

「そっからじゃ見えねーだろ。こっちこいよ」

ミカの意図するところに疑問はあったが、逆らえるはずもなく、慌てて目じりをぬぐって、
彼のいる場所まで、恐る恐る近づいていけば。

「一通りやってみたんだけどな、…こんなもんか?」

そう言って、ミカは自分たちのいる二階部分を指す。
掃除の仕上がり具合をミオに尋ねているのだ、と解るまで少々時間がかかった。

「え?…えっと、ハイ、い、いいと、思います…けど」

「おい。そこは遠慮なしに辛い点数付けとかねえと、俺がこのままウイに教えるんだぞ」

「あ」

そういえば、次に、ミカがウイに掃除の仕方を教える、という話だったか。
ヒロは大体、掃除洗濯料理、と一通りこなせるので心配はないが、ウイはどうだろう。
いや、ウイが間違った掃除の仕方をしていたら自分が正してあげれば良いのだ、と思い
このままミカに及第点を告げようかと、迷う。

仕上がりだけ見れば、特に問題はなさそうだ。でも、やり方が間違っていたら?

そんな躊躇いは、ミオ本人が居心地が悪くなるほど長い時間のように感じられたが
ミカは何も言わず待っているようだった。
それがますます、返答の機会を逃してしまったようで、焦燥感が高まっていく。

早く、ちゃんと返事をしないと、自分の先ほどの言葉は信憑性が薄れていく。
それは解っているのに、ミカを納得させないといけない、という思いが口を重くする。
どうしよう、と逃げ出したくなった時、解った、とミカが階段の方へと足を向けた。

見限られた?

「あっ、あの…っ」

必死の思いでミカを引き留めようとすれば、ミカが振り返る。

「あ、良い。お前はそこにいろよ。…ここをやるから、見てろ」

で、やり方が間違ってたらそう言えば良い、と続けたミカが、階段の掃き掃除を始める。
思いがけない展開に、今度こそなすすべもなく、ミオはそこで立ち尽くしたまま、
ミカの動きを見ていた。

箒で掃き掃除、モップで水拭き、雑巾でから拭き…、その手順を目で追っていて、
とても重要な事に気づく。

ミカは、ミオが言葉で伝えなくてはいけなかった細かい事を、しっかり吸収している。

掃除道具は木目に添わせて使う、隅を掃くとき箒は寝かせる、雑巾は折り込む、
モップは緩く絞って一度目の水拭き、次に固く絞って二度目の水拭き、…そう言った細かいことを
きちんと実行して見せた。

ミカはただ、ミオが掃除をしている傍らで、つっ立っていただけではなかったのだ。
ミオの一挙一動を、その意味を、しっかりと考えながら「見て」学習していたのだと解った。

昨日のあの時間、ミオが「失態だった」と悔やんだ時間は、ミカにとって全くの無駄ではなかった。

「す、すごいですっ、ミカさん、完璧ですっ、すばらしいですっ」

「…そうかよ?」

感動のあまり賛辞の言葉を並べていると、先に、「いいと思う」とミカに告げた時よりももっと
不審な表情が返ってきた。

「あ、あの、本当に、本当にちゃんとできてます。ミカさんは本当にすごいです」

慌てて言い直した事に、ミカがそっけなく返してきた。

「別に、俺がすごいんじゃねえよ。お前が、教えたことだろ」

「え?」

「俺ができてる、ってんなら、それは、お前の教え方が良い、ってことだ」

それは、自分への賛辞なのか?賛辞だと捉えた方がいいのか?と惑い、
そのおごりを全否定する。

「ち、違います、私は昨日、何もできませんでした。それなのにミカさんがちゃんと」

ミカがきちんと意図を汲んでくれたおかげだ、と続けるはずのミオの言葉は
お前はな、というミカの言葉に遮られた。

「できない、って思うことをやめさえすれば、もともとちゃんとできてるんだよ」

それは、呪文のように不思議な言葉だった。
できないことも、できると思えばできる、という精神論だろうか?

「え、と…、それはどういう風に…」

「どういうも何もねえよ。俺の掃除のやり方はこれでいいんだろ?」

「あ、はい。完璧です」

「おう。これが、俺に教えるのがヒロとかウイだったら、一か月かかっても絶対、無理だ」

「え、ええ?…そ、そん、な…」

「あいつら、口ばっかうるせえんだよ。まず喧嘩になる」

…それは、わかる気がした。

何故喧嘩になるのか、きっかけも理由も内容も、ミオにはよく解らなかったが、
今までの旅の間には、ほんの些細なことでミカとヒロの口げんかが頻発している。
あの二人はあれで仲がいいんだよ、とウイに言われるまでは、本当に心配したものだが。

「お前で良かった、ってことだ」

そう言ったミカが、実際あいつは適材適所を解ってる、と言いながら
掃除道具を片付けている。だからお前も安心して任せとけ、と続けて。

その目の前の景色が、水の中にゆらゆらと溶けていくようだ。

振り返ったミカが驚くのと同時に、水滴が階段に落ちた。続けざまにいくつも。

「な、なん…、何やってんだよ、お前…っ」

「あ、ごめんなさい、ミカさんが掃除した所を…っ」

「阿呆か、そんな事はどーでもいいんだよ!何で泣く?!意味わかんねえ!」

ミオ自身にも、なぜ泣きたくなったのか、解らなかった。

ただ、気持ちが溢れた。

それは、仲間と呼んでくれる人たちへの感謝なのか、自分を認めてもらえる感動なのか、
解らないまま、ただ溢れて止まらなかった。
涙ではない、感情があふれてどうにもできなかった。

慌てふためいたミカが船室に引っ込み、すぐさまウイが駆けつけてくるまで
空の青と海の紺碧に見守られて、立っていた。




「なんとかしろー!だって。いきなりだよ?ウイだって意味分かんないよ」

階段に並んだウイがミカの弱り果てた様子を、苦笑を交えてミオに聞かせる。

「ごめんなさい、ミカさんを困らせてしまって…、あ、ウイちゃんにも…」

「いーのいーの。ミカちゃんを困らせることが出来るのって、ミオちゃんだけなんだから」

もっと自信もって、ガンガン困らせてあげて良いんだよ、とウイは笑う。

「そうじゃないと、ミカちゃんだって成長しないでしょ」

「…成長、ですか?」

「そうだよ。ミオちゃんがいないと、ウイとヒロに怒鳴ってばっかりな人になっちゃうよ」

怒鳴りすぎて血管きれちゃうから、と、ミオの為に冗談めかして言ってくれるウイに、
なんとか、冗談を受け止められる言葉と笑顔を繋ぐ。

「それは困りますね」

でしょ、と頷いてから、

「ミオちゃんが強くなりたい、って思ってるみたいに、ミカちゃんも変わっていくんだよ」

とウイは言う。

ミカとどう接していいか解らないミオと同じように、ミカもミオへの接し方が解らないのだ。
わからないまま、ミカはミカなりにミオと接しようとしているのだから、
ミオはそのままでミカと付き合えばいい。そう言われて、いたたまれなくなる。

「でも、ミカさんだけじゃなくて、私もちゃんとできるようにならないと…」

自分だけ変わらなくていい、と甘やかされて、その立場に甘んじていてはいけないと思う。
そんなミオの不安と焦燥を、ウイが軽く払拭した。そんなの、へーきだよ、と。

「あのミカちゃんに付き合ってたら、ミオちゃんだって嫌でも鍛えられるよ」

そのうちミカちゃんと口げんかとかしてるかもよ?と、ウイの示唆する未来は
まだあまりにも遠い。そんな自分は想像もできない。けれど。

できない、と思う事さえやめれば。

そう言ったミカの言葉が、今なら解る気がした。

不完全でも、自分はミカと交流していた。理想の形とは違っていても、後悔ばかりでも、
ちゃんと、交流していたのだ。
交流する事さえやめなければ、そこから逃げなければ、いつかは自分も変われるだろうか。

ウイが言ってくれることは、そういうことだろうか。

「ミカちゃんは優しい、って言ったでしょ。だからウイ、心配してないよ」

「ハイ」

ウイの言葉に自分の心が従えるのは、ウイがミオを認めてくれているからだ、と気づいた。

無力だから委ねるのではなく、庇護してもらうために唯々諾々と従うのではなく、
まだ知らない自分の内なる存在を、ウイが見出して引き出してくれているという信頼だった。

その確信が自信になる。

自信をもって、他人とも自分とも向き合えるようになる。ありのままの自分でいれば、変わっていける。



ミオは今ようやく、人と繋がることの意味を知った。

自分の旅は、今、やっと始まった。




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ミオの試練1

2010年09月16日 | 10章 航海



ミオはまだ、ミカと二人きりにされるのが苦手です。

それを踏まえての、ヒロなりの愛のムチ。

サンマロウの北の洞窟で、ミカと二人きりにされそうになった時のミオの動揺ぶりに
この先、同じような展開があって、それをどうしても避けられない事態になった時でも
ミカと二人きりの状況でミオが不安にならないように
少しずつ、ミカと二人きりになる機会を作ってあげようと思ってます。

(今まではウイかヒロが、必ずミオについてフォローしていたので)



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名付けのこだわり

2010年09月13日 | ツアーズ小ネタ
てことで。
後日穴埋め記事でっす。

ウイたちは大海原をさまよっているのか、なかなか砂漠の大陸に着きません。
ので、今日は小ネタ。

ウイたちの名前のこだわり。


■ウレイ(愁)
小学校の音楽で、旅愁という歌を習った時、「愁」ってなんぞや?と疑問に思い、辞書をひいた。

愁い(憂い)=かなしみ。なやみ。心配。

それまで、感情と云えば単純に「喜怒哀楽」が基本だった小学生に、衝撃が走る!
愁いという高度(?)な感情表現が、当時の小学生には、とてつもなく大人びて感じられたのだ。
それ以来、なんとなく「愁い」という感情は、大人の階段を駆け上がる必須条件のような感覚が根付いた。
根付き過ぎて、大人になった今も大体毎日何かを愁いている。
大人の陰り。必須アイテム。ウイには全く必要ない。


■ヒイロ(緋色)
これは色の名前。深紅色。だが、色とはあまり関係なくて。
小学生の時、「ひとみ」という少女マンガ雑誌があった。(今もあるのかは知らない)
そこに連載されていた「緋色マイロード」というマンガが、小学生には強烈にカッコよかった。

学校では優等生な美少女が、夜にはバイクをかっ飛ばして男どもを殴り倒す。(ちょっと違うか?)

小学生が読むには少々、年齢層が高かった気もするが…
その主人公の名前が緋色ちゃんだった。(夜バージョンのあだ名はピンク!秀逸!)
とにかく、それ以来、『カッコイイ』とは、自分の中で「頭脳明晰!眉目秀麗!喧嘩上等!」になった。
それを踏まえてヒーロー道を行くはずだったヒロに哀惜の念を捧げる。


■ミオ(美桜)
えーと。
もう記憶も定かではないものの、「澪つくし」というTVドラマをやっていたような気がする。
ドラマの内容も、言葉の意味も全く知らなかったが(興味なかった)、

女の子の名前に多い「~み」と、男の子の名前に多い「~お」を組み合わせた斬新な単語だ!

とわけの解らない感動の仕方をしたことだけは覚えている。感動するポイントが異質だ。
ミオのポジションは最初、男だった。(ヒロの幼馴染、ミカの同僚、という設定で)
しかし、この男3組、ものすごく仲が悪くて、ちっとも楽しい旅にならないので、女子を投入してみた。
速攻、ものすごく楽しい旅になった!!
そういう、男子<女子、という経緯で、「み」と「お」の関連を思い出して、ミオという名前に決定。
漢字は当て字。というか、変換キー押すと普通に出てくる甘美な字面にノックアウトされた。


■ミカヅキ(三日月)
社会人になって初めての上司が「チカちゃん」というあだ名だった。(名字が「ちか○○」)
むさくるしいおっさん(失礼)のあだ名が、チカちゃん!!ステキすぎるそのギャップ!!
(いや外見はむさくるしいけど内面がおちゃめで一緒に仕事してても常に楽しい上司でした)

その思い出だけで、男キャラを、「ミカちゃん」と呼ばせることが当初から決定!!

いかめしい冷酷キャラだけど、仲間からはミカちゃんと呼ばれるギャップ!萌え!
あとは適当に、ミカ…に続く単語で、ファンタジー的な名前を考えて最終的に三日月に決定。
最終候補は、ミカゲ、ミカガミ、ミカン。
ミカンの場合、自ら「俺の事はミカと呼べ!(可愛い名前が恥ずかしい)」とか言いそうな気がして
個人的にツボだったのだが。
まあ三日月で、良かった。かな。
(ミオとミカヅキは本当に、何度も何度も作りなおして作りなおして、手のかかる子たちだった)



  

…以上、主要キャラの名前つけ経緯でした。

これを踏まえて、ヒロの一族は色の名前、ミオは植物、ミカは天体、という
サブキャラ名簿も準備万端!

というわけで、冒頭のイラストは、ミオの一番上のお姉さん。志桜(シオ)。

もうストーリーを続けて行く気力が損なわれつつあるので、
(船が漂流して砂漠大陸に着かない最大の理由)
先にサブキャラとか彼らの故郷ネタとか出しちゃおうかな、とか思わないでもないんですが。
(ヒロの幼馴染=ミカの同僚、とか、ミオの幼馴染とか、家族とかもろもろ大所帯になってきた)

とりあえず、根性だけで天使の果実は揃えとかないと駄目かな…

と思っているので、なんとか残り3つがんばりまする。




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天使御一行様

 

愁(ウレイ)
…愛称はウイ

天界から落っこちた、元ウォルロ村の守護天使。
旅の目的は、天界の救出でも女神の果実集めでもなく
ただひたすら!お師匠様探し!

魔法使い
得意技は
バックダンサー呼び

 

緋色(ヒイロ)
…愛称はヒロ

身一つで放浪する、善人の皮を2枚かぶった金の亡者。
究極に節約し、どんな小銭も見逃さない筋金入りの貧乏。
旅の目的は、腕試しでも名声上げでもなく、金稼ぎ。

武闘家
得意技は
ゴッドスマッシュ

 

三日月
(ミカヅキ)
…愛称はミカ

金持ちの道楽で、優雅に各地を放浪するおぼっちゃま。
各方面で人間関係を破綻させる俺様ぶりに半勘当状態。
旅の目的は、冒険でも宝の地図でもなく、人格修行。

戦士
得意技は
ギガスラッシュ

 

美桜(ミオウ)
…愛称はミオ

冒険者とは最も遠い生態でありながら、無謀に放浪。
臆病・内向・繊細、の3拍子揃った取扱注意物件。
旅の目的は、観光でも自分探しでもなく、まず世間慣れ。

僧侶
得意技は
オオカミアタック