ドラクエ9☆天使ツアーズ

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時々ドラクエ風味ほかゲームプレイ漫画とかとか

ミカん家の事情4

2018年08月30日 | 天使ツアーズの章(クラン)

 

 

 

 

 

 

 

 

          

毎回、話が下手すぎてどこを捕捉するかは悩みどころなんですが

(正直な所毎回捕捉しなきゃという衝動に駆られているものの)

そもそもこの話、SSで作ってたんだったわ、と今気づく

なんか4コマに割りにくいと思った…

 

なんで4コマで始めちゃったんだろ?SS面倒くさかったのかな

…面倒くさかったんだろうな

(お爺ちゃんSSなので思考をお爺ちゃん風味にするのがもう面倒)

 

て事で捕捉

ミカがお爺ちゃんの筆頭従者であるリストルさんを必要としているのは

自分たちが何か行動を起こす時に、それが侯爵家に障りがあるかどうか?

を判断してくれる人として相談したいと思っているからです

 

単純に、侯爵家に障りがあるかどうか、を判断するのはお爺ちゃんが適任者なのですが

今回のようにお爺ちゃんの庇護から逸脱してしまう行動をとってしまう場合

家=親族、というように、親戚筋の意見を無視するわけにはいきません

かといって

何か行動する度に親戚を集めて親族会議をやるのか、というとそれも現実的ではありません

なので、今までお爺ちゃんの側で仕えてきて、長年親族たちの動向を見てきた彼なら

かく家長たちの主義主張を最も理解し、それを偏見なく「仮の総意」として

自分を導いてくれるだろう、というのがミカの考えです

 

リストルさんはお爺ちゃんより10程度お年を召している設定です(今のとこ)

お母さんを育てた侍女を「婆や」と呼ぶように、リストルさんの事は「爺や」と呼ぶ

ような気もするんですが

この辺り適当すぎてあやふやでございます

爺やとしてはミカの成長が嬉しく、

また従者としては、次期当主に自分の立場を認め尊重してもらえた、というのが

感激のポイントでしょうか

 

そもそもSSで片付けようと思っていた話なので、大した内容ではなく(ていうとリストルに失礼か)

この後、家でこんなこと言われたぜ!ってミカがウイたちに報告するのが本番なので

さらっと、さらさらっと流していただければ最高です

 

…私お貴族様好きではありますが、ドラマや映画で見たことのあるお貴族様モノは

かなり昔の「マリーアントワネット」を思い出せる程度で

そういう方面の小説は読んだこともない体たらくです

家にあるお貴族様系漫画でも「赤髪の白雪姫」「大奥」「エヴァンジェリン姫」←全部白泉社

くらいしかないという

(あ、ランドリオールもまあ広い意味ではお貴族様関係に含める?)

こうなると、本当にお貴族様物語が好きなのか?と疑わしくなって来るところ

かなり知識の乏しい、そして妄想が著しいミカ周辺でお恥ずかしい限り

 

知識豊富な方にはツッコミどころ満載だろうなと思いつつ

暖かく見逃してもらえているんだろうなと甘えに甘えて、ひたすらテキトー妄想で押し通してます

 

 

 

 

 

 

いやもうほんと有難や〜

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ミカん家の事情2

2018年08月28日 | 天使ツアーズの章(クラン)

 

 

 

 

 

 

 

          

ちょっと補足、と未来予想図

 

前回のミカの帰郷の章でお月見夜会をしたわけですが

そこで上流社会に、ミカが庶民の子らとつるんでいる、という現実を公開しました

上流社会の表向きの反応は、「ふーん、まあ私たちには関わりないことだけどね」

 

なのですが

 

レネーゼ侯爵家としてはそうも言ってはいられません

親族会議での総意は「侯爵家の跡取りともあろうものが格下と馴れ合うなんて言語道断」

という方向なのです

それを今回のように、儀式もすませていない未成年のやることだから、という

若気の至りで済むような方向に持って行ったのはお爺ちゃんでした

お爺ちゃんはミカが可愛いので何とか、友人たちとそのまま付き合わせてあげたいわけで、

そのほうが将来的にミカのためにも、ひいては侯爵家のためにもなるという考えです

 

未成年の火遊び的な心当たりはどこの家にもあるもので

子供が外で何をしようと家に関わることではないなら、わざわざこちらから関わりに行って

火種を大きくすることもないだろう、というような流れで

おいたが許されるのは成人式まで!の猶予がつきました

成人式(後継の儀)までに、ウイたちを親族に認めさせることができればミカの勝ち、という

庶民階級育成ゲームの始まりです

(うっかりお爺ちゃんに本音ダダ漏れ)

 

そして

おそらく、そこまで書くことはないと思うので未来予想図をここでぶっちゃけておくと

 

この後、数年を経てミカの成人の儀には、ウイたちが招かれる事になるでしょう

(そこを目指して成長して行くので)

そしてウイが、ここぞとばかりに世界各地の関係者に声をかけるわけですよ

「ミカちゃんの成人式するから皆出席してあげてー」って感じです

これこれ!これをやりたくて、ミカの帰郷の章ではぼやかしてあったところです

 

天使ツアーズは各地を飛び回っての大冒険を繰り広げて実質儀式に参加するのですが

その後押しとして世界中から権力者を呼び寄せる事で完全にその実力を見せつけることが

ここで!やっと!叶うんですねー

長かったですねー

 

そして集める権力者たちというと

7つの果実関係で集める妄想はあるんですが

人選がなかなか…

 

ダーマの大神官は来てくれると思う(これはこの章でネタがある)

ツォの村長は来てくれなくていいし(本音)オリガたちは小さすぎる

サンマロウはそもそもお亡くなりで人形を飾っても、これ何なんだろ?だし

あ、石の町もお亡くなりだわ、関係者とはいえエラフィタのばーちゃんは何のこっちゃだろう

で、グビアナの姫は堂々とお越しいただくとして(むしろ大本命が来てくれないと困る)

ああ、カルバドも親子二世代でお越しください(むしろ大本命2ウェルカーム)

エルシオンもまあ現学長が来てくれてもいいかな(話的には幽霊の学長の方がいいんだが)

と考えて、少ねえ!(ミカの、っていうかツアーズの箔を付けるには少ねえ!ですわ)

 

ってなったので

 

7つの果実以外関係者以外にも手を伸ばす事にする!

ベクセリアも町長一家でお越しいただけるとして

ナザムの町長はどうだっけ、ちょっとは心開いてくれたんだっけ?(シナリオ忘却)

ドミールの里はグレイナルさま関係で里長とか…、いやもういっそグレイナル様が来てくれてもいいんだけど(めっちゃ来て欲しい!!)

じゃあカデスの星メンバーも賑やかしで(意外と凄い経歴の人とかいたような気がする?)

あーもうだったらテンチョーとサンディも呼んじゃえよ!

セレシア様も来るでしょーよ!(うちのセレシア様ノリ軽いし)

一夜限りで天使たちも人として地上に大集合しましょうよ!エルギオスもラテーナも歓迎だよ!!

 

っていう感じで

 

ミカの成人の儀+後継の儀は、ドラクエ9同窓会、みたいな幸せな儀式になるはず

これが天使ツアーズの未来予想図です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレイナル様〜ラテーナまでは「ファンタジー的にそうなったら素敵だなあ」っていう夢物語ネ

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姫と娘それから

2018年08月24日 | ツアーズ小ネタ

 

 

 

ミカの母と侍女の、学生時代の話

一応設定として大雑把に

出会いから仲良くなるまで、そして卒業から侍女になるまで

の流れはSSで書く用にさらっと作っておいたのですが

大雑把すぎて忘れてしまいました!

なのでSSにするほどではないんですが、ざっくりとメモ書きで残しておきます

 

 

 

■ミソカ入学希望

ミソカ(ミカ母)は、女性として侯爵家から出て他所の家に嫁ぐ事が決まっています

嫁ぎ先は同格、もしくか格下の家に嫁ぐことも踏まえて

王族や公爵クラスの子供が通う学校ではなく(通常はここに入学する)

あえてその下の伯爵から庶民中流クラスの家庭の子が通う学校に入学を希望します

 

それは両親や兄を説得するための建前として

本音は、侯爵家に産まれながら後継ではないために軽んじられる自分の存在と

優秀すぎる兄との板挟みになっている、思春期ゆえの、反抗心みたいなものです

 

 

■ミソカ入学

それまで厳しく育てられてきたミソカは、格下の女子に囲まれる事で初めてお姫様扱いを受けます

周りにちやほやされる経験をして、自分は侯爵家の人間であることを実感できたミソカは

その自覚を持つと同時に、高貴なる者の使命に生きる兄の姿を見てきたからこそ

「私にだってできるもん!」と、格下の学友たちの為に色々と尽くさねば、と決意します

それがレアに出会った事で、さらに加速

 

 

■レアとの出会い

これまでは、貴族の学友たちには服や宝石を褒められたり羨ましがられたり、と言う

見た目重視の世界を体験してきた為に、とくにミソカが何かをする事もなく

せいぜい学友たちにせがまれるまま豪華なお茶会を開いてあげるくらいでした

そんな学園生活で突然、庶民クラスとの交流会

 

月一の交流会に振り回されている庶民クラスの少女レアは、貴族クラスに興味がありません

面倒ごとを押し付けられるだけだから、あまり関わらないようにしようと思っていましたが

今までにない「侯爵家」と言うはるか格上の存在を知らされて俄然興味が出てきました

 

 

■交流会

ミソカとレアの出会いによって、今までただ慣例どおり無難に行われていた交流会に

本当の意味での交流が生まれ、変化が起きます

レアは物怖じせずミソカに話しかけられる豪胆さで、

ミソカは「下の者に施しをしなければ」と言う使命感で、

月一の交流会で頻繁に話をするようになりました

 

今までのミソカの経験では、学友に話しかけられても興味がなければ周りがフォローし合い、

程よく適当に会話が流れて行くと言うお膳立てに慣れていたものですが

それが通じないレアには、「さあ知りませんわ」などと答えようものなら

「ええー知らないんですか」「せっかく侯爵家に生まれたのに」「勿体無い、代わりたい」

などとズケズケ言ってこられる為に、実はこれは恥ずかしい事なのかも、と思わされる始末

結果、ミソカはレアの言動によって負けず嫌い精神を刺激される羽目に陥ります

 

交流会の度に事前準備として勉強し「さあどこからでもかかっていらっしゃい」とレアに対峙する

と言うただそれだけの関係がしばらく続きます

お互いに知識合戦を繰り広げる二人を周囲は遠巻きにしつつ、勢いで参加してしまう、という

消極的な交流会から、そのうち和気藹々として交流会になっていくのでした

 

 

■大人への変化

月日は流れ、ミソカの社交界デビューの準備が近づいてきた頃

ミソカが少女の髪をあげて、ひざ下のドレスから足首までの長さのドレスを着るようになり

その容貌を目にしたレアは、完全に世界の違う人、と認識してちょっと引いてしまいました

 

あまり馴れ馴れしくしてはいけない、と言う友人たちの言も素直に聞き入れるようになり

それまでのズケズケした態度が改まり、距離をおくようになったレアに不満を感じたミソカが

「あなたも子供気分でいないで前髪をあげなさいな」と勧めます

それに対してレアは、「やだ!私おでこがブツブツなんですよ!」と大反発

男子の学友にそれをからかわれ、いじめられてからずっと隠してると言うレアに

「そんな不届き者は成敗してあげます!」とミソカも大奮発

 

その男子はレアの事が気になっててついいじめてしまう、と言うベタもベタなキャラですが

「社会的に弱い者いじめは許されない、二度と同じ事があったら私が相手になりますわ」と

侯爵家の威光をバリバリに見せつけて、相手の男子を震え上がらせるミソカ

レアは「これで良かったのかな」と思いつつ「わーさすが侯爵家、つよーい」なんて

軽い気持ちで褒めそやしてしまいます

そんな「面倒だから、とりあえず褒めとこう」と言うレアの雰囲気を感じ取って

ミソカは泣き崩れます

 

レアは違うと思っていたのに、結局、貴族の学友たちと同じような反応をされた事

侯爵家での兄と自分との立場の違い、結局自分は侯爵家の何者でもないと言う虚無や

自分も侯爵家の名を出して弱いものいじめをする卑怯さに変わりない現実などなど

色々溜まりに溜まってたストレスが爆発してしまった状態です

そんな胸の内を泣きながらに訴えるミソカに、最初は驚いたレアも、

今までろくに感情も見せなかったミソカの胸の内を知ってようやく彼女を理解できます

 

この時レアは子供なりに色々とミソカを慰めますが、あまり良いことは言えません

「なあんだ、お姫様も私たちと全然変わんないんですね」くらいの言葉です

自分も家は兄が継ぐからお飾り状態なのは一緒、どこかの良い家に嫁に行けと言われるのも一緒

いじめっ子もいるし、将来どうなるかもわからないし、ほら一緒一緒、ね?

なんて言う軽いノリですが、ミソカには逆にその軽さが新鮮すぎて、言いくるめられてしまいます

この事件後から、二人は交流会以外でも時間を作って会うようになり

お互いの話をしたり、悩みを聞いたりアドバイスをしたり、無理やり境遇を重ねて

急激に仲良くなっていくのでした

 

 

 

 

これが、姫と娘それから、の流れです

このあとはミソカが結婚、伴侶と死別を経て侯爵家へ戻ることになります

そしてレアは、後継者である子供の将来が不安だとミソカに打ち明けられて一念発起

ミソカを守る為、公式に則って男爵系の養女になり伯爵家に嫁入りし、

侯爵家の侍女に上り詰めていく、と言うストーリーに繋がっていきます

 

4コマでは描いていませんが、

ミソカには、2〜3人、身の回りの世話をする侯爵家所縁の少女たちが着いています

彼女らが、一緒に入学し、一緒に成長して、結婚後もそばに使える侍女になります

なので、外から成り上がってきたレアは彼女たちとも存分にやりあって

侍女頭として認められるまでの交流を築き上げて行くのですが

そう言うところもほとんど忘れてしまって、まあ大変!と言うこともあって

姫と娘の4コマは3回で終わらせるはずのものでした

 

それが、描いてみたら女子校のノリが楽しくて、つい長引いてしまいました

だいたい予定を大幅に超えて長引くのはいつもの事なものの今回は言いたい…

女 子 最 高 で ぇ す !!

私は同性の塊がとことん大好きらしいです

(ミカのお貴族様編が膨らんでるのも女子が全然関わってこないからだわきっと)

と言うのも

この後、交流会は、お嬢様たちの社交界デビュー前の軽い練習、みたいな感じで

(いきなり社交界デビューして、異性に免疫がないお嬢様が悪い男に引っかからないように)

男子クラスとも月一交流会が始まるわけなんですよ

そこでミソカは伴侶となるクルシスに出会うんですね

男子クラスではどんな授業をしているのか、などと言う話から会話が広がって行き

「物理学って面白そうだわ」と好奇心が沸き起こり、授業内容を聞いたりしているうちに

クルシスと懇意になって行くわけですが

そこは妄想しても何っにも楽しくないので、全く作ってません

触ってもいません

女子クラスのきゃっきゃうふふとは大違いです、ええ女子最高です

 

ちなみにレアはクルシスがあまり好きではないです

あの人にミソカ様は勿体無い、ミソカ様にはもっと良い男がいるはずだ!って思っています

(これを暴露するSSもあるけど書かないうちに忘れそうなので、ここで爆)

 

 

 

 

 

■そんな姫と娘 

大人になったある日、レアは今でもミソカが泣いた日のことをよく思い出して

「自分はなんて馬鹿なことを言ってしまったんだろう」と恥ずかしくなります

侯爵家に身を置いて初めて、ミソカのあの日の胸の内が悲愴だったのかがわかるようになり

自分と同じだ、なんて今は口が裂けても言えない、と自己嫌悪に陥ります

とあるきっかけで、そんな心情をレアに打ち明けられたミソカは

「でもあの言葉がなければ私はここまで来れなかった」とレアに信頼を寄せます

 

その信頼こそがミソカの美徳

ミソカが「貴族の責務と庶民の営みを同じに語るな」と、レアの言葉を突っぱねていれば

そこで終わってしまっていた二人の関係

ミソカがそれをせず、同じだと言ったレアの言葉を素直に聞き入れてくれたからこその関係

この経験とミソカの言葉があって

幸と不幸は完全に抗えぬものではなく、自分の心持ち一つでどちらにも裏返るものである

と言うことを信条として、侯爵家を支えるミソカのそばにいるレアなのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

臣と良

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姫と娘3

2018年08月18日 | ツアーズ 4コマ劇場

 

 

 

 

 

 

 

■ちょっと補足のコーナー

上流階級(貴族)クラスと中流階級(庶民)クラスとの交流会

それなりに昔から続いている月一行事のようなものですが

そもそもは、上流階級の女子たちが「せっかくなので何か自主課題をしてみましょう」と

軽い暇つぶしのような感じで、完全に思いつきから始まり、

「貴族と庶民の交流」として教師に報告、「まあ素晴らしいですね」と褒められて

成績に上乗せ

 

が、実際に交流会を開催しているのは中流階級クラスの女子たち

「交流会を開きたいと思いますので皆様よろしくね」と貴族様に持ちかけられ

「私達準備とか分かりませんわ」と丸投げされてしまいました

庶民女子たちは教師に相談するも「まあ何事も経験と思って」と流され

致し方なく、日々の課題の合間をぬっての準備作業に追われてます

当然後片付けまで庶民女子の仕事です

お貴族女子様は「おほほほほ〜」とやってきて「おほほほほ〜」と帰っていき

それだけならまだしも、お茶がまずいだの余興がつまらないだの文句をつけられる、という

庶民女子的には忙殺されてる割りには何の見返りもない交流会です

 

まあ中には、「お貴族様に取り入って」という親からの使命を果たすために

入学してきている子達もいるわけでして…

そういう子たちがせっせと続けているおかげで、不満がありつつも長く続いている、

というのが現状です

 

 

 

 

 

 

 

 

レアさん、勇ましいけどありがた迷惑です

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悲壮にたゆたう

2018年08月11日 | ツアーズ SS

その日、レアは偶然にも、王城でレネーゼ侯の子息ミカヅキの姿を見つけた。

偶然にも、というのは、レア自身、滅多にないことだが侯爵家の使いで単身王城を訪れていたという事と。

これまた滅多にない事に、世界の国々へと出かけて家を留守にしているはずのミカヅキが王城に立ち寄っていたという事の重なりによる。

(お声をおかけして良いものかしら)

王城という公式の場で、自分の立場とミカヅキの置かれている立場とを考える。

平民という身でありながら侯爵家の侍女という地位へと上り詰めてきたが、未だに公式の場での振る舞いには助言を必要とする事もしばしば。

特にこの場合、何か無作法があったとして上の方からお叱りを受けるのはミカヅキの方なのだ。

立派な成人であるレアのしくじりで未成年のミカヅキが叱責を負う。長くこの社会に身をおいていても、なんとも受け入れがたい慣例だ。

(侯爵家の方から正式に呼び出しは行っている事でしょうし、今私が関わらなくともミカヅキ様は家に戻られる…)

しかしとっくに呼び出しの連絡が行っていながら未だミカヅキがそれに応じていないことを考えると、単に連絡の手違いか、ミカヅキ自身の意思で応じない態度なのかは確認しておく必要があるかもしれない。

そう考えていた為にミカヅキから目を離せないでいると、ミカヅキに近づいていく人影に気付いた。

(あら、あれは)

ご友人だわ、とその微笑ましい光景に頬が緩んだ。

同じ年頃の少年と気兼ねなく雑談しているような姿は、自分が育った町で見慣れた少年たちと何も変わりはしない。

それを。

「ミカヅキ様が普通の少年であってはならぬ事です!」と、教育係であった当時の侍女頭に厳しく窘められた昔の事を同時に胸に思い描いてしまう。

それは許されない。決して許される世界に生きているのではない、と、教育係であった彼女にあれほど厳しく怒りを露わにされたのは、レアが侍女としての位について初めての事だった。

その剣幕には、そばにいた者たちに「レアが失踪してしまうのではないかと気が気では無かった」と後に打ち明けられた程だ。

(確かに震え上がった事は事実だけど)

今思い出しても、肝が冷えるのも事実だけど。

レアが侯爵家の侍女になったのは、侯爵家の為でも家の為でもない。自分の為だ。大切な人を守りたいと思い、その為の力を欲したが故なのだ。

(それを投げ出して失踪したりはしないわ)

と、幾度も言い聞かせてきた言葉を今また胸に落とし込んだ時。

レアの視界の中で、ミカヅキが振り返った。

隣にいる友人に何やら指図され、それを確認するかのような動作でこちらを向く。

とっさの事で、つい動揺し、それと分からないほどの軽い会釈を返したがミカヅキはすぐに視線を隣にいる友人に戻した。

(あら)

少し距離があるために気づかれなかったか、或いは、やはり公の場では良しとされない為になかった事にされたか、と考えていると、ミカヅキが友人と別れ、こちらへと向かって来るのが分かった。

侯爵家にいる時には考えられないほど簡素な服を着てはいるものの、その堂々たる姿は町にいる少年たちと比べられるものではない。

周囲の視線を集めながらその中心であることに僅かの疑問も持たせない存在でなければならない。

どんなに簡素な見かけでも優雅さをわずかでも損なってはいない一挙一動は、侯爵家の正当後継者として育てられた高き使命。それ以外の世界など存在しうるはずもない。そんな空気に威圧されるように、レアも知らず緊張を強いられ背筋を伸ばしていたが。

「お久しぶりです、夫人」

と、側まで来たミカヅキは単純明快な挨拶をした。

あまりにも率直なそれに拍子抜けして、レアも最低限のお辞儀をすることすら失念してしまったほど。

「ええ、月見の宴以来ですわね」

お元気そうで良かったわ、なんて口走りながら内心で焦る。

(ああビックリした、長々と登城の儀なんたらの口上でも述べられるのかと思ったわ)

前触れもなくそんな事になっていたら。

ただでさえ公式の場に馴染めない自分では、危うく失態に失態を重ねて王城中に広まってしまうだろう。

いや、王城の一広間で知人が顔をあわせるだけで、そんな格式張った口上を述べ合うことなど今の時代にはあり得ないとわかっている。

(だけど、そう思わせるほどの)

格式高い儀式での振る舞いであるかのようなミカヅキの雰囲気に飲まれたのだと思う。

いや、違う。これはミカヅキのせいではなく、普通の少年であってはならない、と言われたあの日のトラウマ。

この子供を、普通の少年と同じに見てはならない、と言う強迫観念が故の。

その動揺を、何気なくミカヅキの近況を尋ねたりしてやり過ごしているレアに気づくはずもなく。

それで、とミカヅキの口調がレアの言葉を押しとどめる。

「私を訪ねてこちらまでお越しいただいたのでしょうか」

「ええ、それが」

と事情を話し出そうとするレアを、ミカヅキが再び押しとどめる。今度は、言葉ではなく仕草で。

どうぞ、と無言で差し出された手はまだ少年のそれだが、多くの社交場で手慣れた感はあった。貴婦人を優雅に連れまわす、紳士としてのそれ。

ともすれば、自分の方がエスコートに慣れていないくらいだ、とレアは焦ってその手を取る。

「あ、ええと」

そんな大事ではないないのだが、と説明する前に、「この場を離れます」と短く告げてレアの足元を気にしてくれる。艶やかに磨かれた廊下や、洒落た作りのタイル張りの段差に気を配り、ドレスの裾捌きまで注意して、すぐそこの花園のベンチまで誘導された。

(まーすごいわーこんな事さらっとやっちゃうんだわー子供なのに紳士だわー上流階級のご子息ってみんなこうなのかしらー)

などと舞い上がっていたので、ミカヅキの意図を知れたのはベンチに腰を下ろした時。

「ここなら人の目もありますので」

と、レアの隣に座ったミカヅキの言葉に我に返り、そういえば、と今までいた場所を振り返る。

そろそろ帰ろうとしていたところでミカヅキを目にし、立ち止まった場所。

城内をめぐる入り組んだ通路が放射状にこの広間に集まってくる。豪勢な飾り付け柱や美術品がそこここに並べられ、それがあらゆる方向から視界の邪魔をする。多くを行き交う人々の視界には入りづらく、逆に忍んでいるようにも見えようものなら、有らぬ誤解を受けるだろう。ミカヅキはそれを危惧したのか。

円形の広間であるここは中央の花壇を囲うようにベンチが置かれ、視界は自然と広がり、何処からでも人の視線は自由に見渡されており、かつ人の導線の邪魔にもならない。

(そういう事なんだわ)

と辺りに目を配り、何気なく、ミカヅキといたあの町の少年を探していた。

その姿はもう何処にもなく、どうかされましたか、と隣から声がかかって、慌ててミカヅキに向き直る。

「あ、申し訳ございませんでした。まだ王城にはなれなくて」

ミカヅキの母親ほどの年齢でこれは恥ずかしい事だろう。

「だめね、配慮が足りなくて」

情けなく独り言のように口をついて出た言葉には、いえ、と短い返事ですますミカヅキ。

彼にとって、それ以上もそれ以下もないのがわかる。

(こんなところは、ミソカに似ているわ)

ミカヅキの母である女主人。彼女に長く使えていると、時折二人は重なって見える。

そう思えるのでミカヅキに苦手意識はない。むしろ今のように自分を異性として扱ってくれる分、ミカヅキの方が懇切丁寧なくらいだ。

そんな風に、今のミカヅキと同じ年だった頃の彼女の態度を思い返して比べてみては、微笑ましくなった。

「今日王城に来たのはミカヅキ様とは関係がないのですけれど」

と簡単に今日の用事を説明して、姿を見かけて声をかけようかと迷った原因を話しておく。

「お館様がミカヅキ様に言い渡すことがある、と仰っていたので」

おそらくその侯爵家からの知らせは行っているはずだが、とミカヅキを窺えば、まだ手元にはきていません、と言う。

「しばらく国を離れていました」

「あら、そうでしたの」

ならミカヅキがまだ知らなくても仕方がない。

「緊急ではない様でしたから、きっとミカヅキ様の事情を優先されたのでしょうね」

恐らくそのように指示が出ている。

ミカヅキが戻ったらことが進むよう手筈が整っているはずだ。

「それなのに私ったら」

「いいえ、夫人にお声がけいただけなかったら気づかぬまま国外へ出ているところでした」

「あら、間をおかずまた?それでは」

「いえ、知った以上は私の方で優先度合いを確認して対処します」

声をかけてもらって良かった、というミカヅキが微笑んでみせた気がした。

幼い頃から表情を変えることのない子供だった。感情をあらわにしない、それはそういう教育を受けているものだから、と分かってはいても親子間であってさえ淡々と接する上流階級のそれには未だ馴染めるものではない。

だが今のミカヅキからは、確実に親しみを込められた気がして。

「そう言っていただけて良かったわ、ミソカ様も気にかけておられたようですから」

と、つい余計な情報まで出してしまった。

「え?母上が?」

それほどの大事か、とミカヅキが身を乗り出したのに慌てる。

「あ、そうではありませんわ。いつもの親族会議の内容をお話ししておく、という事のようでしたから」

まだ成人していないミカヅキは参加できない会議だ。

だが正当後継者としてその内容を知っておくように、と老侯爵がミカヅキとの時間を設けて話し合うのはいつもの事。

「ではなぜ、母上が」

「お館様が先にミソカ様と話し合いを持たれましたの。ミカヅキ様がご不在だったから、という事ですけれど」

「代理を母上に任せてしまったのでしょうか?何かしらの決定を母上が?」

「ああ、いえいえ、決定はお館様が。その事後報告ですけど、ほら、ミソカ様は小さな事も先送りにするのがお嫌いな方ですし、単に気にされているだけなのですけれど」

「じゃあそれはすぐに戻ってあげた方が良いよねっ」

「!?」

と、突然割り込んで来た声に驚いて、レアとミカヅキは同時に背後を振り返る。

悪びれもなくベンチの後ろから二人の会話に割り込んで、ニコニコしている少女が一人。

「お」

いくら人の目があるとはいえ。

「お前なあ、堂々と人の話立ち聞するなって言ってるだろ!いつも!」

「やだなあ、知らない人の話は立ち聞きしないようになったよ?」

「なったよ、じゃねえよ!それが普通なんだよ、最低限の人としての礼儀だからな?!あ、あと師匠にも言っとけよ?」

お前らそれだから困るんだよ、と、あり得ないほどの口汚さで罵られているにもかかわらず、はあい、と機嫌よく返事した少女がレアをみる。

「ごきげんよう、レア様!」

「ごきげんよう、…ウレイ様」

思わず、勢いに押されて返事をしてしまったレアであるが。

レアにとって問題はもう突然割り込んできたこの少女の神出鬼没さではない。

ミカヅキのあり得ないほどの変貌だ。

「ごきげんようじゃねえよ、まず謝れ!」

と、少女の頭を片手で引っ掴む。それに無理やり頭を下げさせられて少女が。

「ミカちゃんが深刻そうだったので立ち聞きあそばしてしまいました!どうもごめんあそばせデスわ」

ほほほー、と上品そうに笑ってみせるそれは何処まで本気なのかは分からないものの。

ミカヅキの様子を心配して、というのはよく分かった。

「やめろ、無理にあそばすな」

「えーだってミカちゃんのお屋敷の女の人、みんなこんな話し方だしー」

真剣さが通じないかと思って、と訴えているその姿に、思わず吹き出していた。

この一連の大事件。

公人として美しく誇り高くあるはずの侯爵家の跡取りが、下町の雑多な少年らと交わった結果がこれだ。

嘆かわしい、という悲愴感が微塵もない。少なくともレアにとっては、二人のやりとりは痛快にすぎた。

(ああ、そうなんだわ)

ミカヅキが友人を紹介すると言って、以前、侯爵家に連れて来たうちの一人。そうだ、名前は確かウレイ。ここにはいないがもう一人の少女がミオ、先ほど目にした少年がヒロ。

それはレアにとっても、息子のように見守って来たミカヅキが初めて友人という存在を認めた事がただ嬉しく、忘れようはずもない名前だ。

レアの笑いが収まるまで二人が不可解そうにこちらを見ているのも、可笑しくてたまらない。

ただ一度、儀式の中で対面しただけでこんな風に言葉を交わすことなどもうないだろうと思っていたのに。

(そう、ミカヅキ様は普通の少年であってはならないから)

あってはならないと定められた運命の中で、それでもミカヅキ自らが欲し掴み取ってきたものを排除し葬り去ろうとするのは。

命運を定め、それを自在に操る残酷な神などではない。

人間だ。

「大丈夫」

だからこそ、言える。

「大丈夫ですわ。ミカヅキ様を心配して下さっている真剣さは十分、伝わりましてよ」

そう言えば、ウレイとミカヅキが顔を見合わせ。

ほらね、と笑ったウレイにミカヅキが調子にのるな、と渋面を返す。

そのとても自然な関係が、これから先もずっと続いていくだろう。ミカヅキがそれを願い、仲間がそれを望む限り、叶える力は彼らの手の中にある。

かつての自分たちがそうであったように。

(ミカヅキ様は普通の少年だわ)

何も変わらない。上流で生まれ上流で育ち、その責任を果たす為に普通の少年であってはならない、という事。

レアの教育係であったばあやの真意が今なら解る。

上流の人間である自分たちがミカヅキを惑わせ、その責任を放棄させることなどあってはならない。それはミカヅキの為にはならず、結果ミカヅキを苦しめる事にしかならない。

いずれ全ての領民の命運をその手一つで動かす地位にいる人間が、そこから降りる道など見つけてしまってはならないのだ。

(ばあや様はミカヅキ様を慈しんでおられるからだわ)

厳しい教育の中で、一切のわき目を振る事なくその頂点を目指して成長してきた彼の姿は、それを支える全ての人間たちの慈愛によってその場に立つ。

彼の立つその場が、僅かでも揺らいではならない。揺らがせてはならないという使命を追って、自分たちは頂点を支えている。

かつて、一人の公女を守りたいと思い、その力を手にするために遥か高みまで上り詰めた自分は今。

同じ様に、ミカヅキを守りたいと思い、それを実現させようとする幼い雛たちを見ている。

ミカヅキを自分たちと変わらない普通の少年だと認める存在だからこそ、自分たちと変わらない少年が到達するその高みが、恐れを抱く場所ではないと思えるだろう。

それは若さに他ならない。

これからどれほどの困難と苦境に挑むのか、具体的に考えることもできないそれも強みに変えていく若さ。

彼らが絶望し、諦めてしまうことのない様にレアが出来ることは一つ。

侯爵家の人間が出来ることは、昔から変わらずに一つ。

ミカヅキを普通の少年にしてはならない。その足元を揺らがせてはならない。

遥か高みに立つことのみを教え込まれてきたミカヅキなら、揺るがぬ地盤があるだけで、自分を追い求めてくる存在を引き上げることができるはずだ。

それを願う。

レネーゼ侯爵家の女性陣の守りは、母なる祈り。

我が子の未来だけを望み、厳しくある。

 

 

 

 

 

 

侯爵家の紋章を掲げた馬車は、王城から正当後継者を連れて戻る。

急ぎでない、とはいったが、ミカヅキはとりあえず家に戻る事になった。

屋敷に戻るレアを馬車の乗車まで見送りにきてくれた二人だったが、すぐに後から戻ります、というミカヅキに対してウレイがその背を押し込んだ。

「もー今ここに馬車があるんだから、そんなこと言わないで一緒に乗せてもらったらいーじゃない」

お堅い格式より大事なことってあるでしょー?という言葉に説得されたらしいミカヅキが、同乗させていただいてよろしいでしょうか、と聞いて来た時にはわずかな驚きがあったものの。

レアにとっても断る資格などない。主人はミカヅキだ。

ただ侯爵家へ戻る道中、ミカヅキと二人きりの馬車内で一度だけ口を開いた。

「格式より大事なものとは、何を指しておいでだったのかしら」

普段、ミカヅキが心を許している仲間と何を共有し、何処を目指しているのか。

おそらく部外者の自分には理解することもできないだろうけれど、それでも聞いてみたかったのだ。

「ああ」

と、ミカヅキが先ほどの言葉を考える様子を見せ、レアを見た。

「恐らくは、母上のことかと」

まあ、と内心で驚く。

そう言えば、直前に「ミソカ様が気にしている」ということを伝えたのだったか。

それを優先してミカヅキに戻るよう勧めた、と受け取るのは自然な事。

(初めて会見した時も、あの子たちはミソカに一切相手にされない状況だったんだわ)

そしてそれはこれからも変わらないだろう。

正当後継者の母親である彼女は、家に背くことはない。背けないのではない。背かぬ事で、ミカヅキを守っているのだ。

それは、ミカヅキにとっては厳しいものだろうと思える。

親と子としての二人の間に、レアは立ち入ることができない。

それは許されない。

(ミソカを悲しませることになる)

ミカヅキは普通の少年であってはならない、とレアがお叱りを受けた日の夜。

ミソカが泣いた。

「レアはあの子が普通でなければ幸せでないと思っているの?わたくしはそんな非情な世界にあなたを縛り付けてしまったの?わたくしが、ただ、あなたにそばにいて欲しいと思ってしまっただけで」

違う。そんなつもりじゃない。そんなつもりで言ったのじゃない、とどんなに言葉を尽くしてもミソカの涙は止まらなかった。

レアを哀れんで、それよりももっと自分を責めて、ミソカが泣いたのは学生の時とこの夜だけ。

レアは知らなかったのだ。上流社会がどんなものか。そこで育つということがどんなことなのか。多くを学び、この世界の住人になるため必死に努力を重ねても、生まれたままのレアの根底は決してミソカと同じにはなれない。

休む事なく後継者教育を詰め込まれ、大人たちの要求がどれほどの高みを指そうともそれを成し遂げ、数多の難関を次々と超えていくミカヅキの毎日を目にしていて、ふとミカヅキがとった些細な行動が、レアには愛らしく映った。その年齢にふさわしく、子供らしい単純な行動が、珍しくて可愛らしくて、つい言ってしまったのだ。

「ミカヅキ様も普通の男の子ですもの」と。

その言葉が禁忌だという感覚さえもない。知識はどれほど高められても、心からの支配にはなり得ない。感情は、心は、知識だけで導かれるものではないのだ、とあの時、レアは思い知らされた。

どれほど時を過ごしても、きっとこれだけはミソカと分かり合えない。

生まれと育ち。人を作るのは育ちと考えます、と侯爵家の礼儀の講師にも言われた事。

成人まで民間人として育った自分には、同じ期間を公人として育ったミソカには決して追いつけない部分がある、と自分を戒めてここまできたつもりだが。

「ミソカ様は、お立場上、ミカヅキ様のご友人をお認めになることができないだけですわ」

つい、そう、ミカヅキに進言する。

レアにとって唯一無二はミソカだ。ミソカがいればこそ、ミソカの子だからこそ、ミカヅキの事も我が子の様に思えるのだから。

二人の橋渡しになれれば、という、今まで封印してきた思いがここにきて溢れてしまった。

それは王城で見たミカヅキの変化があったがゆえに。

その思いをミカヅキが汲み取れるとは思っていない。今日から始めるのだ、という細やかな初手のつもりで。

それは分かります、とミカヅキが返し、この話はここで終わるはずだった。

 だが、ミカヅキは続けた。

「侯爵家でも、ほかの家にも、彼らを認められるとは考えていませんし、私自身、認めてもらわなくてもいいと思っています」

その意志は、冷えた言葉とは裏腹に、確かな熱量があった。

今までのミカヅキとは明らかに違う、遥か高み以外の一切を必要ないと言い切る様なそれではない、と感じ取ってレアは息を飲む。

続けられた言葉は、さらに温もりをもたらす。

「ただ、母上にだけは認めてもらわなくては、と思っています」

そのために、こうして急ぎ館に戻るのだ、とでもいう様な意志。

「まあ、どうして」

驚くレアに向けられたミカヅキの視線は、親を慕う子のそれだった。

「彼らが、母親に心配かけさせるものじゃない、というので」

情、というものが人を動かす。

正しき道にも、過ちの道にも、柵はなく、ただ情という流れに沿って人は動かされて、その先にあるものを見る。

彼らは、ミカヅキは、自分たちの保身のために動いたのではなかった。

ただ母親を安心させるために、その存在を認めさせるという純粋な動機に触れて、レアはそれ以上何も言うことが出来ない。

ミソカとミカヅキの間にいて何をすることも許されず耐えるしかなかった日々は、とっくに終わっていたのだと知る。

友人に支えられて成長するミカヅキが、ミソカも、その間に立たされるレアの事も、その情に巻き込んで行く。

「そういうことでしたら」

ミカヅキは知らない事。

自分の母が、学生時代に民間人と交流を持とうとした事。そして交流の先に希望を見た事、夫を亡くし子のために上流社会でただ一人嵐に立ち向かうためにその手でレアにすがったこと。

レアが民間出である事さえも耳に入れられぬ環境で育った彼には、想像さえも出来ないだろう。

「陰ながら応援させていただきますわ」

レアとミソカの間にある決して埋められぬ溝。

それさえもミカヅキが埋めてくれるのではないかという希望をみる。

それほどに成長したミカヅキは、ありがとうございます、と微笑む。

二度目のそれは、今度こそ確実に受け止めることが出来た。

レアに向けられた親愛。

そして、同じく親愛をむけられるべき相手が待つ場所へ、馬車は走る。

(待っていてミソカ。私たちが身を置く世界は決して非情なんかじゃない)

それが分かった。レアにも、今日やっと。

分かり得る希望が、今、深い深い場所へ誘われた自分たちをしっかりと結びつけようとしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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clipstudioおまけ

2018年08月05日 | ■うのじごと■

ヒロ 「戦闘機とかイージス艦に匹敵する破壊力の座布団なのか?!」

ウイ 「大魔王ゾーマさんが座っちゃったら世界征服したくなくなる座布団なのかも!!」

 

 

 

 

 

 

 

私、べつに製本するためにマンガ描いてるわけじゃないんだからグレー原稿でいいんだわ

って気づいたのでトーン処理じゃなくてグレーで塗りつぶして描いてみた4コマ

いつも日曜は4コマ描く時間もないんですがコレ昨日描いたやつなので

今日こっそりUP

 

前回今回お絵かきソフト使ってない人にはなんのこっちゃなネタが続きましたが

ネタは、マンガ素材をダウンロードした時の話です

 

クリスタではプロの方から趣味の人まで自由に作って自由に使える漫画素材が

てんこ盛り用意されていて、無料もしくは有料でダウンロードできるんですね!

クリスタに変更になって、私が唯一楽しみにしていたのがコレ!!

ありとあらゆる素材を検索して、どれにしようかな、なんてやってるだけで

2〜3時間があっちゅーまに過ぎてしまう恐ろしい魔境でした

 

結局、私の落書き4コマにはあまりにも精巧すぎる素材だったので

杖とか剣は購入しませんでしたが

人様が作ってるのを色々みて、そうか自分で作っとけばいいのか、と気づき

とりあえず杖と剣を作成してみた次第

 

…でも私、魔法使い系が使う杖で一番好きなのは

初期の方に出てくる「かしの杖」なんですよね

色々装飾過多の杖やら剣はデザインを好んで鑑賞するのは楽しいのですが

自分のキャラに装備させるなら、かしの杖、一択!

見た目だけで言えば、あれが一番、強力な魔法が打てる気がするのです

昔見た絵本とかに出てくる魔法使いが大体木の杖を持っていたからでしょうか

三つ子の魂百まで、なのかもしれません

 

そんな私が一番テンションが上がった素材、それは

 

にわとり!!

 

ラインを引くだけでにわとりが画面いっぱいに乱舞するペン素材、にわとり!

正直、イージス艦よりも使い勝手が難易度高いと思われる素材を躊躇なくダウンロード

使うか使わないかじゃねえ!愛せるか愛せないかだ!!

てことで

私の好きな鳥ベスト3は

1カラス(かわいい)

2にわとり(かっこいい)

3その他鳥類(愛おしい)

なので、そこはもう幸福感をダウンロードしたと言っても過言ではない!!

 

 

他にも、ありとあらゆる幸福感がたんまり揃ってる漫画素材

ドアノブセットとか窓枠セットとかカーテンセットとか素材好きにはたまらんすぎて

4コマ描いてる場合じゃないわ!ってなるので泣く泣く退避してきました

 

早いとこ今までの感覚を取り戻したいと思います

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかまだ圧縮がしっくりこない夏

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天使御一行様

 

愁(ウレイ)
…愛称はウイ

天界から落っこちた、元ウォルロ村の守護天使。
旅の目的は、天界の救出でも女神の果実集めでもなく
ただひたすら!お師匠様探し!

魔法使い
得意技は
バックダンサー呼び

 

緋色(ヒイロ)
…愛称はヒロ

身一つで放浪する、善人の皮を2枚かぶった金の亡者。
究極に節約し、どんな小銭も見逃さない筋金入りの貧乏。
旅の目的は、腕試しでも名声上げでもなく、金稼ぎ。

武闘家
得意技は
ゴッドスマッシュ

 

三日月
(ミカヅキ)
…愛称はミカ

金持ちの道楽で、優雅に各地を放浪するおぼっちゃま。
各方面で人間関係を破綻させる俺様ぶりに半勘当状態。
旅の目的は、冒険でも宝の地図でもなく、人格修行。

戦士
得意技は
ギガスラッシュ

 

美桜(ミオウ)
…愛称はミオ

冒険者とは最も遠い生態でありながら、無謀に放浪。
臆病・内向・繊細、の3拍子揃った取扱注意物件。
旅の目的は、観光でも自分探しでもなく、まず世間慣れ。

僧侶
得意技は
オオカミアタック