世界一周クルーズ 目次

2014年10月10日 | 世界一周クルーズ

 

ぱしふぃっくびーなすで行く 世界一周クルーズ 

芝原稔さんが2008年に世界一周クルーズの旅に出た。当時クルーズがブームでほとんどのプランはすぐに予約が入りフルブッキング状態。しかしその後景気が後退、ブームは去り多くのプランが消えていった。政権が変わって景気が回復、ファンが戻りまたブームがくる予感。

このクルーズでは毎日芝原さんはメールで旅日記と写真をアンクルサムに送り、それをアンクルサムのブログに掲載した。世界一周クルーズは横浜港を出発し、シンガポール・ムンバイと西周りで地球一周、104日間の船旅だ。なぜこのクルーズを選んだか、またクルーズでのエンターテイメント、食事、マナー、寄港地情報 ・・・ など、貴重な情報満載の旅日記で、まさに世界一周の長期間クルーズにはお勧めの必見バイブル。本文は58章になっており、このページから各章に飛ぶことが出来る。クルーズにご試問などあれば、左蘭のメッセージからお問い合わせ頂ければ、芝原さんからご返事をお届けするようにします。

   第1章 ぱしふぃっくびーなすに決定 

   第2章  乗船までの準備

   第3章 いざ出港!世界一周へ   

 

   第4章  横浜大桟橋

   第5章 神戸港         

   第6章 南シナ海へ

   第7章 マラッカ海峡と海賊

   第8章 最初の寄港地 シンガポール 

   第9章  インド洋へ

   第10章 アジアンデッキディナー   

   第11章 インド洋を越えて

   第12章 インド・ムンバイ    

   第13章 アラビア海

   第14章 オマーン海      

   第15章 セレブな街 ドバイ 

   第16章 さらば ドバイ     

   第17章 紅海だ! 

   第18章 いよいよスエズ運河   

   第19章 アレキサンドリア(エジプト) 

   第20章 EU入り ロードス島  

   第21章 ピレウス

 

    第22章 アテネ観光       

   第23章 ドゥブロブニク

 

   第24章 ベネチアに到着 

   第25章 世界遺産 アルベロベッロ・マテーラ

   第26章 ナポリ & アマルフィ海岸 

   第27章 モンテカルロ(モナコ公国)

 

   第28章 マヨルカ島 

   第29章 ジブラルタル海峡通過

   第30章 オビトス・ナザレ観光  

   第31章 さらばリスボン

   第32章 スペイン領・テネリフェ島観光   

   第33章 大西洋・赤道横断

 

   第34章 ぱしふぃっくびーなすの設備(機関室)  

   第35章 自然は峻厳

   第36章 忘れられぬ街、ブエノスアイレス   

   第37章 国境横断・イグアスの滝とサンパウロ観光3泊4日

 

   第38章 期待される経済大国・ブラジル

   第39章 二度と行かない町、レシフェ 

   第40章 大西洋からカリブ海へ  

 

   第41章 お伽の国 キュラソー 

   第42章 カリブ海横断  

 

   第43章  一度は通ってみたかったパナマ運河 

   第44章 いよいよ太平洋    

   第45章 メキシコからアメリカ

   第46章 いよいよサンフランシスコ

 

   第47章 アメリカ西海岸を一路北上  

   第48章 アラスカ クルーズ 

   第49章 ロシアの香り ジュノー

   第50章 スワードの自然を楽しむ

   第51章 いよいよ帰国

 

   第52章 横浜上陸の前後

   第53章 船内生活 食事

   第54章 エンターテイメント

   第55章 寄港地の楽しみ方 ツアーを含めて

 

   第56章 びーなす洋上スクール

   第57章 船内の紹介

   第58章 世界一周クルーズを終えて

 

   世界一周クルーズ 芝原 稔 著 ぱしふぃっくびーなすで行く104日間の船旅

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世界一周クルーズ 芝原稔著

2008年08月13日 | 世界一周クルーズ

Book01

AA

D:新刊

 

  世界一周クルーズ

  ぱしふぃっくびーなすで行く                           AD      104日間の船旅

  芝原 稔 著

  四六版 212ページ

  2008年8月1日 第1刷発行

  発行 揺籃社(本体1000円+税)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                 アンクルサムの休日で紹介された「世界一周クルーズ」が、ついに出版された。芝原稔氏がぱしふぃっくビーナスに乗船、104日間の船旅を、多くの写真を使って14章に綴った力作である。第1章にはクルーズの選択から準備が書かれている。新聞や雑誌に世界一周クルーズの広告が載り、多くの人が是非私たちもと興味を持つ。しかし104日間の長旅・・・どう過ごすのか・・・結局はあこがれに終わってしまう。芝原氏はこれらについて分かり易く説明している。これからクルーズを計画している人にとって本書は最高のバイブルとなるであろう。

  • 第1章 クルーズの選択から乗船まで
  • 第2章 いざ出港!横浜港からシンガポール・ムンバイへ
  • 第3章 アラビア海から地中海へ
  • 第4章 地中海クルーズを楽しむ(一) エーゲ海からアドリア海へ
  • 第5章 地中海クルーズを楽しむ(二) いよいよジブラルタル海峡へ
  • 第6章 いよいよ大西洋へ
  • 第7章 赤道通過 いよいよ南米へ
  • 第8章 カリブ海から太平洋へ
  • 第9章 やはり世界の大国アメリカへ
  • 第10章 インサイド・パッセージ・クルーズを楽しむ
  • 第11章 いよいよ帰国
  • 第12章 船内の生活(一)
  • 第13章 船内の生活(二)
  • 第14章 世界一周クルーズを終えて

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著書の購入とお問合せは

   揺籃社 〒192-0056 東京都八王子市追分町10-4-101 

            株式会社清水工房内 (電話 042-620-2626)

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世界一周クルーズ (第58章)

2007年09月26日 | 世界一周クルーズ

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世界一周クルーズ 第58章 BY 芝原 稔

世界一周クルーズを終えて

世界一周クルーズを終えた今、08年は無理としても09年は再度試みたい気が起こりつつある。それはクルーズではなく、「世界一周」である。世界各国の二年後、三年後、五年後の変化をこの目で確かめたいと言う熱望と、近い将来世界一周クルーズの大衆化が加速された時、クルーズ各社がどのような対応をとるかと言う興味深さがある。しかし自身の歳を考え、100日余りを元気に楽しめるかと言う心配もあり、出来る限り早く実現したいと思っている。

旅は船(クルーズ)で

58101 本章を書き終えたら一応クルーズ関連は終了、大げさに言えば趣味など遣り残したことに集中しようと思いつつ、傍ら内外を含め次のクルーズの資料を検討し始めた。こんな状況では・・・、いっそうの事クルーズに明け暮れ一生を終えても良いのではと誘惑されるほど、クルーズの魅力は大きい。

特に毎日海ばかりを眺めた航海の末、陸地が遠く霞んで見え、やがて山並みや街並みが見え始め、そして港が見え、入港する58102 時の感激。その土地の人々に接し、生活・文化・歴史を見る楽しみが、そのとき沸々と沸いてくる。これは何時間かのフライトでの空港着陸では味わえない、時間をかけての港への接岸の時である。出帆の時、例え半日の上陸であっても、徐々に離岸する時、陸上で過ごした半日への思い出と、その町とそこで暮らす人々の将来に思いを巡らすと胸が一杯になる。これも近代的な空港とは違い、なんとなく港というものが、うら寂れているせいか。例え数人でも、手を振り我々に別れを惜しむ人々が居り、別れを惜しむようにカモメが舞い飛び船の後を追う。それが夕刻であれば、更に今一度の訪問を考えたくなる情景である。これは港に着岸・離岸の時、寒い日でも、照りつける炎天下でも、何時間もデッキで眺め続ける人々が多いことからも、私だけの感傷ではないようだ。

ショートクルーズでなく、世界一周を勧める

前置きが長くなったが、これからクルーズを楽しむ方々への参考と、私はどうするか、未58103 だ夢のような計画を述べご参考になればと思っている。内外のクルーズで募集中のものは何十件とある。期間100日前後の世界一周か、10日前後の現地までフライトを利用しての地中海クルーズ・カリブ海クルーズ等のショートクルーズを選ぶか。今回の乗客の意見では、先ずは10日前後を経験して、気に入れば世界一周に挑むべきと言う意見が多かった。若い人たちはクルーズなら世界一周に挑戦だと言う考えが多いようだ。私の考えはショートクルーズはただ単に船を利用したツアーに過ぎないと思う。世界一周クルーズこそ、100日の船の生活を楽しみ、熱帯から寒帯までの自然の変化を肌に感じ、世界の寄港地を楽しめるから、クルーズの醍醐味が得られると考える。と言っているこの私も、次の世界一周までに、10日前後の地中海クルーズをもと考えている。

今回のクルーズでは、予約からムンバイ付近まで反対であった家内が、今ではいっぱし58104 のリピーターになりたいと気持ちが変化している。特に女性にとって、所謂、上げ膳・下げ膳、掃除からベッドメーキングまでしてくれるメイド付の毎日である。映画を見ても、街に出かけても、数分で我が家に帰り着き、シャワーを浴び食事が出来る。問題は洗濯だけだが、これとて機械がすべて片付けてくれる。不思議なものでこういう社会に入ると、普段昼寝の亭主が進んで手伝うようだ。かく言う私も洗濯を手伝ったが、粉石鹸を入れるのを忘れて、二度手間となり、洗濯はもう結構と言われた。

同じ海でも、太平洋の海は黒く、インド洋の海は青く、エーゲ海のそれはエメラルドのよう出るのである。ベネチュア然り、リオデジャネイロ然り、如何に近代的な設備と言え、フライトで空港に到着、裏口からこそこそと町に入るのとは異なる。身近なところでは、パスポートコントロールのために長々と並ぶ必要がない。入出国管理の役人達が我々のために船まで出張してくれる。こんな楽しく楽なことはない。ついでにひと言、港には空港のように税金の払い戻しの制度は殆ど無いことに注意。逆に無税だから買っておこうと言う不埒な気にならないのは助かる。世界一周クルーズは、毎日の生活を、自然を、そして動くホテルで各国を旅して楽しませてくれる世界である。

荷物は最低限に

問題は色々あるが、其の一つは荷物の準備である。我が家も乗船が確定してから約3ヶ月、大げさに言えば、毎日が苦難の連続であった。これについての参考資料がない。旅58106_1行会社に問い合わせると、「それは好みですが、持参された方が無難ですよ」と親切な?回答が帰ってくる。これがダンボール七箱となり、結果三箱はキャビンのソファーの上で最後まで邪魔になった。100日間も欲しいものが補給出来ないと言う恐怖心である。心配はない。無ければ無いで済ます開き直りがあれば、荷物は半分で済む。規格品のダンボールは、船で購入する箱もそうだが、高さが3cmの差でベッドの下に入らない。この会社はこう言うところが抜けている。ベッド導入の計画時にこの点に配慮すれば、乗客が如何に助かったか。結論は一家で4箱以内に収まるように考えるべきである。必要なもの、不要なものを書き添えることを考えたが、所詮これは個人差が大きく、クルーズの計画が無い人に関係ないので省略する。

早く予約だけでも

世界一周クルーズは、08年は満杯、09年も残り僅かと旅行会社は囃し立てている。確かに08年は満杯だろう。09年も残席僅かである。空前のクルーズ時代の到来である。58108 だが半年か一年先のことである。しかも申込者の平均年齢は高い。半分以上は取り消しが出ると思う。解約料は91日前までは無料。少しでも行く気持ちがあれば申し込んでおいては如何。覚悟が決まれば、準備すべきは色々ある。オリンピック選手は何年も前から計画的に最高のコンディションになるように調整する。100日を船上で楽しむには、体調整備のため、人間ドックで検査し、医者と相談することを勧める。適宜の運動もこの計画によって始まれば、一挙両得というものだ。(写真:マヨルカ島で見かけた男の子、将来はサッカー名選手?)

世界史・天文・動植物・語学・ダンスに取り組む

人それぞれ趣味や価値観も異なる。一概には言えないが、折角の機会、世界史は勉強しておくとベターだと思う。特にキリスト・イスラムの宗教史、新世界発見の歴史、植民地制覇の歴史から近代史まで、寄港地ごとに、また航海する海自体にも歴史が絡んでくる。星58110 座は北と南半球では全く異なる。デッキから見る夜空は遮るものは何も無い、満天の星である。私のように北極星や南十字星程度の知識では寂しい限りである。船上では星座の観測・説明の機会が何回もある。其の為には一寸齧っておくだけでも随分違うと痛感した。上陸地でも海上でも普段見られない動植物を見る機会がある。ギリシャの花一つをとっても、日本の花の原種であったりする。例え一つでも帰国後の生活で、これが分かれば如何に楽しいか。海上では鯨が度々観察できる。鯨にもそれにまつわり如何に歴史が動いたか。下田の黒船来航も、アメリカの捕鯨基地の必要性から生まれたと前述したが、鯨のお陰で日本は開国した。話は一転するが、ダンスの機会は随分と多い。勿論船内でも初級からのコースもあるが、乗船までにある程度マスターしておけば、クルーズはより以上に楽しいものとなる。以上自身の反省と次回の目標を書いた。(写真:パナマ運河を進む)

クルーズは早いほうが良い

今回のクルーズの平均年齢は68.84歳、90歳代は3名で矍鑠としている。この春に定年退職、人生の再出発の為に夫婦で参加、帰国後今後の生活を考えると言う所謂「団塊の世代」の夫婦もいた。過去500日以上のクルーズ経験者は数人。これが終わればすぐに次のクルーズに出かけると言うクルーズファン。少し痴呆症があり車椅子で参加した人58111 は、船では刺激があるのか、帰国前にはかなり回復した人など様々である。90歳でもクルーズは楽しめる。だが100日余りを如何に充実して暮らすか、プールでも泳ぎもすれば、夜遅くまでダンスに興じる。食事を三食、美味しく頂く。オーバーランドツアーにも参加したい。より楽しく楽しむには、早い時期に(出来るだけ若いときに)出かけることを勧める。ここ2、3年で世界クルーズは日本でも、もっと大衆化されると思う。今回のクルーズに参加して、予期していたより庶民的で気位が高い豪華客船の感じはしなかった。それはそれで素晴らしい事と思うが、とにかく長い道中、狭い空間、これ以上に庶民化されると、クルーズは悲観的でもある。船会社がどう対策を考えるか、これは余り期待できないと思う。はやりクルーズは高級感がまだあるうちに・・・一刻も早く参加したらと思う所以である。(写真:船で開催された盆踊り大会)

外国船か日本船か

現在の日本には残念ながら世界一周は、飛鳥Ⅱ・日本丸・ぱしふぃっくびーなす・富士丸・トパーズ(NPO運営)の五隻しかない。08年の外国船では、クイーン・ビクトリア新造船の58112 処女航海(108日・205万~2400万)、クイーン・エリザベス(91日・118万~2070万)、クリスタル・セレニティ(113日・648万~1860万)など乗船したいクルーズが多彩である。しかし外国船の場合、安いところはキャビンが海の見えない内側、狭い、レストランがキャビンの等級によって変わる。チップや経費は別など問題がある。詳細に調べる必要があるが、標準的なクルーズを楽しむなら、価格的にも殆ど変わらない。世界一周クルーズで超豪華なクルーズを楽しむなら外国船。キャビンは寝るだけと割り切り、海が見えない四人部屋の安いところに泊まり、超豪華なパブリックスペースでエンターテイメントなどを楽しむのも外国船を選ぶ一つの選択肢。ショートクルーズは日本近海以外なら断然外国船である。地中海を始め想像以上に多くのクルーズが選べる。(写真:シルバークラウド バハマ船籍の豪華客船 総トン数168,000トン・全長156m・乗客定員296名・乗務員212名、ムンバイにて)

日本船ならどれを選ぶか

08年日本船の世界一周クルーズは、横浜発で

  • 飛鳥Ⅱ 4月5日~7月15日 350万~1700万
  • ぱしふぃっく 4月1日~7月13日 260万~1600万
  • にっぽん丸 4月7日~7月16日 298万~1160万

09年も、JTBなど旅行会社に問い合わせと、カタログを送ってくれる。いずれも早期申し込み割引がある。選択はコースの希望が優先されると思うが、どの会社・どの船を選ぶかとなると、其の選択は難しい。私は「ぱしふぃっく」しか乗船経験が無いが、今回の船上で58113 の会話では、広いだけでたいしたことは無いがエンターテイメントなど船内のイベントの評価は高いのが飛鳥Ⅱ。にっぽん丸は食事の評価は高いが、全体が狭く、クルーの若い人への接客態度が悪いという話。「ぱしふぃっく」については、船内構造とクルーの評価は世界的にも抜群に高く四ッ星。これは私も同感である。但し私に言わせると、この船は関西、特に大阪の文化で、東京の文化、特に銀座・丸の内の文化には程遠い。私も関西生まれで東京育ち、大阪は好きだが長い船内生活には、な58114 んとなく別の文化があって欲しいと思う事がしばしばあった。またシネマの企画のお粗末さ、皆さん忙しいと思うが、素晴らしい映画館であるのに、観客はいつも10人以下。何故かと疑問を持つ幹部はいないのか?船内放送のビデオも本当に見たいような名画は放送されない。場末の映画館でもやらないような映画を、しかも繰り返し上演している。誰がプログラムを選定しているのか疑問。エンターテイメントも素人以下の演技を堂々と披露する。イベントのお粗末さも然り。でも船長以下のクルーたちの接客には本当に感謝しているが、企画部門、特に会社は現状をどのように認識しているのか、私に言わせると改善事項は100以上ある。

色々とクレームをつけたが、2009年クルーズに参加できるなら、やはり「ぱしふぃっく・びーなす」に再度乗船したいと思っている。きっと、それまでに指摘事項は改善され、素晴らしいクルーズを提供してくれると期待して。

「ぱしふぃっく びーなす」のテレビ放送 BS-i

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今回のクルーズがテレビ放送されたので紹介したい。上の写真はリオ出港時、パナマ運河通過時、アラスカ寒風の中での撮影準備などのロケ風景。

6月1日の船内ニュースで、テレビ取材・撮影のスタッフ乗船がリオデジャネイロからとなったと通知があった。BSデジタル放送6チャンネル「BS-i」で毎週水曜日(22:00~22:54)8回に亘り、ぱしふぃっくびーなすクルーズの「豪華客船で行く 南北アメリカ横断クルーズ」が放映されている。9月5日に第1話・ブエノスアイレス編が放映された。撮影時から期待していただけに、忘れないように録画予約を入れ、万全を期していた。スタッフの乗船はリオなのに3日前に過ぎたアルゼンチンからである。一寸おかしいが細かいことは言うまい。画面を見るとさすがプロである。撮影の企画・撮影場所・カメラアングル・光線の当たり方、当たり前のことだが、すべてが私のビデオとは桁違いに違う。生憎当日の東京は大雨、地上デジタルは雨に弱い。後半に画像が乱れたのは残念だったが一応録画した。

  • 10月3日  第5話 メキシコ
  • 10月10日 第6話 サンフランシスコ
  • 10月17日 第7話 バンクーバーからジュノー
  • 10月24日 第8話 アラスカ
  • (9/12:リオデジャネイロ 9/19:イグアス、アマゾン、サンパウロ 9/26:キュラソーからパナマ

これらのハイビジョンでの美しいテレビ映像で、自分達が辿った道を、再度別の目でしっかりと見直し楽しみたいと思っている。

 


世界一周クルーズ (第57章)

2007年09月09日 | 世界一周クルーズ

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世界一周クルーズ (第57章) BY 芝原 稔

船内の紹介

ぱしふぃっくびーなすの船内については本編でいくつか紹介してきたが、船内の様子など書き忘れたことを紹介したい。

A5702_1  ぱしふぃっくびーなすは、26,518トン、全長183m、幅25m、喫水6.5mである。キャビンはロイヤルスイート(65㎡)4室、スイート(35㎡)16室、デラックス(23.5㎡)20室、ステートはA・B・Cに分かれるが、全て15.3㎡で198室、合計238室で定員は620名である。外国船と異なり、キャビンはすべて海に面している。

船は12階で、キャビンは5階から上にある。1階から4階は機関室・倉庫・船員の食堂とA5703 居住区となっている。ただし4階には船客に関係ある場所として、医務室・病室がある。参考までに104日間の船旅で、医務室の利用者は1192人。月別では問題の5月、利用者はダンドツで501人。それと美容室・理容室がある。美容室はベテラン女性が一名、色々必要な情報?はここから得られる。理容室(写真・右)は若い男性が一名、すべて予約制。参考までに料金は、パーマ12,000円、セット4,000円、カット6,000円である。

A5704 5階にエントランスロビー(写真・左)があり、それに面してフロント(写真・右下)、ツアーデスクがある。フロントで先ずお世話になったのは、セフティボックス、ここへ預けておけば、船内の生活は売店も含めて現金は殆ど要らない。上陸前の現地通貨へA5705 の両替、郵便の発送、(当初は)船内のパソコンの使い方、テレビの調子が悪い、昨日の○時の通過点は何処?など、何度もお世話になった。上陸はほぼ5階の右舷から、寄港地によって6階、または左舷の時もある。これらの設備のほかに5階にはキャビン・ステートタイプが60室ある。

6階はステートタイプのキャビンが90室、私の部屋は673(右舷船尾)、陸地が見える右舷、揺れが少なく、エンジン音が少ない6階船尾を申し込んだが正解だったと思っている。A5706 10階などのスイートは如何に部屋が良くても、か弱な我々は揺れで苦労したと思う。毎日何回も利用するエレベータや階段に近く、やれ鯨だ、イルカだと階段を駆け上がるのに便利だった。あと6階には、レセプションルーム(囲碁室)、喫煙室、麻雀室、図書室(ライティングルーム)、シアターと会議室がある。お世話になったパソコンはこの図書室(写真・左)にも3台ある。

7階は3食お世話になるメインダイニングが船尾に、プロムナード、ショップ、オープンバA5716 ーを経てエントランスロビーに、さらにメインラウンジにいたる。我々は食事後、この通りを「銀座」と称し、ショップを見て、プロムナードでコーヒーを飲み、メインラウンジで音楽を楽しむのが日課である。ここにはピアノサロン(写真・右)がある。ショップには土産物以外に化粧品・文房具など生活必需品や、寄港地離港後にその土地の名産品も売られる。名産品はケーA5707_1 スによってあっという間に完売になる。またショップではDPEサービスがあり、現像・プリント、デジタルカメラのCD-Rへのデータ保存もやってくれる。参考までに35mmの現像料500円、L版プリント40円、デジカメL版50円、CD-R保存600円である。専属カメラマンによるスナップ写真の展示コーナーもここにある。7階のエントランスロビーでは季節や行事の飾り付けが行われるが、写真・左はスタッフが鯉のぼりの準備をしている。

8階の船尾にはヨガや運動会を楽しんだメインホールとステートクラスのキャビンが34A5708 室、船首はクルーの居室、そして外回りには366mを一周できるデッキがある。9階はデラックス20室、ステート12室のキャビンと会議室・カラオケルームA・Bと茶室(写真・右)がある。10階船尾はスポーツデッキ、スポーツデッキバー、そしてロイヤルスイート4室、スイート16室(1人750万)がある。ロイヤルスイートは写真はないが、見学した記憶では、ベッドルーム・リビング・バスルーム・広いクローゼットにバルコニー付きだった。段ボールを一人で15箱持ち込み、フォーマルの正装は勿論、毎日衣装を替えるのが趣味の人は利用されるべし。料金は一人1600万、二人でなら3200万。 

A5709 11階はプール(写真・左)・ジャグジー・スポーツサウナ・ジムナジアム・展望浴室・びーなすサロン・オブザベーションラウンジがある。折角水着を持参したのに、プールは日中炎天下、夕方は何かと予定があり、利用できなかったのは残念、特に紅海の水は塩分濃度が高く浮き易いと聞いていたので是非入りたかったのに!

 

A5715 船内のエレベータは合計5基、国内ではよく問題を起こすシンドラー製、揺れがある時はギシギシと音を出し心配だが、船舶用のエレベータはシンドラー社一社との事、整備は万全だから安心だと回答あった。大西洋洋上で1基が故障・停止、リスボンで部品が到着して一件落着。だが運動のために出来るだけ階段を利用していた。12階はゲームコーナーとサンデッキ(写真・右)。ここから去り行く港の、特に夕景は素晴らしかった。

操舵室

A5730 船の司令室とも言うべき操舵室は9階の船首にある。この操舵室の見学は度々あり、我々に解放されている。キャプテン以下航海士のA5732 面々は交代で勤務する。この日の00:00~04:30は小野二等オフィサーと川井クオーターマスター。但し運河通過時などはキャプテンとパイロットは屋外の操舵室(写真・右)で監視。操舵室に無線で指示をする。一等航海士は4名で船首に、二等航海士は3名で船尾で監視する。

朝、気象条件など加味して航海計画がたてられ海図に書き込まれる。後は殆ど自動操縦。下の写真は操舵室の各装置で、ナビゲータの監視(2)、配電盤(3)、計器盤(4)、スクリュープロペラ(縦5.2m×横4mで2基)の制御と監視(5)、同計器での監視(5)、着岸時などに横へ移動するためのボウスラスターの操作(7)、横揺れ防止のフィンスタビライザーの操作(8)。

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フィンスタビライザーの開発によって、今の船舶は軍艦を含め横揺れが少なくなったようだ。これは船底の両側から羽(フィン)を張り出し、その揚力を利用して横揺れを防ぐ。これは東大の教授が発明、全世界の船舶が取り付けている。特許料はさぞや莫大と思うのは素人の浅ましさ。無料公開したようだ。後は縦揺れ防止の装置が発明されれば、船の揺れは解決する。次の出番は京大か?

A5733 船の外観で目に付くファンネル(写真・右)はただの煙突ではA5734 なく、船の顔であり船会社は色・デザインに工夫を凝らしている。「ぱしふぃっくびーなす」は美と愛の女神VENUSの誕生をイメージしたマークが描かれ、贔屓目ではないが格好良い。その次に目立つのは、衛星放送受信用のCSとBSのアンテナ(写真・左)である。このおかげで遠く離れた海域で日本のニュースを見ることが出来た。

もう一つ目立つのはテンダーボート(写真・下左)である。船が接岸出来ない時に使う小型船舶で、モナコで上陸の時に乗船出来ると期待したが、波が高く乗船出来なかった。救命艇としての乗船は幸いにして機会なく、眺めるだけであった。運航部の仕事として欠かせないのが、給油と給水である。今回の航海での給油地は、横浜・ドバイ・ピレウスなど7寄港地。C重油4458KLが給油船より海上から給油された。KL5万円とすると2億強か?(写真・下右は給油風景) 給水は24寄港地、合計15,311トン、寄港地で陸上からの給水である。

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ついでにスエズ運河の通行料と通航時間は、2000万円と10時間37分。パナマ運河は1400万円と10時間だったそうだ。素人目には設備・人件費などのコストは逆のような気がする。要するに通行料は原価によるのではなく、政治力か需要の大小によるようだ。

 


世界一周クルーズ (第56章)

2007年09月06日 | 世界一周クルーズ

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世界一周クルーズ (第56章) BY 芝原 稔

びいなす洋上スクール

船上で各種エンターテイメントと共に、欠かせないのは、「びいなすカルチャー」と「びいなすアカデミー」である。例えばカルチャーの健康サロンは運動不足解消のため人気があるのは分かるが、世界の歴史・語学講座などにも案外人気があり、出席者が多いのには驚かされる。私は無精者、船内では結構忙しく、あまり出席していないので、これらを書くのに戸惑いもあるが簡単に紹介する。

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1.健康サロン 神戸からスエズ運河通過まで、ストレッチ体操(写真・上左)。スエズからブエノスアイレスまでは太極拳。最後はヨガ(写真・上右)の教室がある。

B5603 朝6時半から甲板でのウォーキング(写真・右)を30分、ここで適当に汗を流して、7時から上記の健康教室に出席する。何時かは参加したいと思いながら、思いだけで体験できなかった人たちを、言葉巧みに参加させ楽しく教えてくれる。ウォーキングから始まる朝食までの1時間は貴重な時間だった。下船後も続けたいと思っていたが、なにせこの暑さ・・・、秋にでもなれば再開したいと思っている。

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2.旅の思い出を残そう この講座は4つである。

  • 水彩画のスケッチ(写真・上) 一番人気の講座で、講師は和歌山大学の先生、船の水彩画では著名。日程も含めて抽選で6教室、1.5時間の講座を6回、静物・風景画の入門から始め、修了証書を頂いたのは57名、最後に全員の発表会。
  • デジカメ教室 希望者が多く抽選で7教室、1時間の講座を3回。内容は撮った画B5605 像のパソコンへ取り込み、名前を付けて保存。色調などの補正。画像データをCDに焼く。パソコンは二人に一台。生徒のレベルが異なり、教えるのに苦労されていたが、有意義な講座だった。
  • スケッチ・ポストカード 1回目は静物の写生、2回目はポストカードの風景画。講師は安田泰幸先生、この分野では多くの著書あり(写真・右)。この教室は2回だけだったのは残念、せめて4回くらいは。
  • キルトアート 出席していないので詳細は分からない。初級からの講座で男性の出席者も多かったそうだ。

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3.リラクゼーションサロン 

  • お香を楽しむ シンガポールからエジプトまでの航路は香料を運んだ道、まさにその航路で、お香の歴史・種類を学び、香道という香りの文化を聞き、実地に香木を焚き香りを楽しんだ。
  • 他にカラーセラピーの講演、アロマセラピーの講演と体験

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B5606_1 4.ティラウンジでお茶を楽しむ 

中国茶・紅茶・日本茶・コーヒー。夫々の歴史・産地・種類などを学びながら、ラウンジでお茶を楽しむ。写真は中国茶6種類を順番に楽しむ。

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B5607 5.レクリエーションサロンで

コントラクトブリッジ、マージャン教室・囲碁教室(写真・左)とトーナメント方式による王将決定戦の開催。

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6.音楽レッスン 

大正琴・オカリナ・ケーナ・ウクレレ・リコーダー・コーラスの初級からのレッスン。私は前述したとおりウクレレに挑戦、苦労の末、一応修了証書をいただき、終了演奏会(写真・トップ)にも出席した。

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7.ダンススタジオ クルーズで一番楽しむのはダンス。ダンススタジオではブルース・ワルツ・サンバ・タンゴ・ジルバ・コンチネンタルタンゴの初級からの教室とパーティーが連日開催。世界一周クルーズには必須科目。

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びいなすアカデミー

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1.文芸・語学・教養講座 これらでは英会話・スペイン語・フランス語・タガログ語などの語学講座

2.俳句・短歌・川柳・パソコン 一番人気はパソコン教室、聞くところによれば、余り進歩しなかったようだ。それでも講座終了後、パソコンのテーブルではメールに挑戦する人が10人程度増えた。

3.世界の歴史と文化の講演 

  • 海のシルクロード 霊長類の猿・類人猿・ヒトの進化から、陸での移動、次は船を使っての移動、漢の南方交易、インドを経由して地中海に至る海のシルクロードの誕生など豊富な掛図、自作の模型での説明と熱演。毎回多数が参加、講師は国立民族博物館の堀江保範さん。(写真・上)
  • ヨーロッパにおける海の歴史 地中海・大西洋を中心に世界史の中で海に関するテーマを説明。例えば「大航海時代を準備した東方貿易」、「海の帝国・ポルトガルとザビエルの旅」、「コロンブスと新大陸」。講師は北海道教育大学の宮崎正勝さん。
  • その他、エジプト上陸前には、パピロスに象形文字を描く教室(写真・下)

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B5611 エンターテイメント担当のクルー達が色々の作品つくりを指導してくれる。例えば、紙飛行機・印鑑入れ・万華鏡の作り方。写真・右は家内の作品。これらは、今思えば陸上では他愛のないものかも知れないが、特に終日航海の続く船上では、平均年齢68歳が活き活きと目を輝かして楽しんでいる。冷めた目で言うこの私も、かくして104日間を楽しんだ次第、スタッフの皆さんに改めてお礼を言いたい。