名城めぐり 12の現存天守
お城めぐりは昔から好きだった。本格的にと考えたのはJALの機内誌「SKY WORD」に掲載された坂東三津五郎の紀行記事を見てからである。もともと写真撮影が好きなので、お城は絶好の被写体なので、とりあえず日本全国にある70城を目標に回っている。基本的には公共交通機関を使って、周辺の城下町の名残も楽しんでいる。天守は現存、復元、復興、模擬と分類されるが、現存は江戸時代以前から現代まで保存されている天守で全国に12ある。それらは弘前城・松本城・丸岡城・犬山城・彦根城・姫路城・松江城・備中松山城・丸亀城・宇和島城・松山城・高知城である。
撮影のポイント まずは天候。天気予報を見て日程を決める、直前に悪く変わると(交通費のキャンセル料のこともあるが)思い切って中止をする。一番狙いたい構図を考えて、晴天でも逆光は台無しになるので、東からが良い構図だと午前中に現場に行けるように段取りする。
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彦根城 国宝 複合式望楼型 3重3階地下1階 滋賀県彦根市
現存天守12城の中で国宝に指定されているのは、姫路城・松本城・犬山城、そしてこの彦根城の4城である。井伊直継が1622年に築城、天守は3重3階、1層目に並ぶ切妻破風は大小、奥行きも持たせている。2層目の唐破風、金の装飾、3層目の華頭窓も美しさを引き出している。井伊直継が1622年に築城、天守は3重3階、1層目に並ぶ切妻破風は大小、奥行きも持たせている。2層目の唐破風、金の装飾、3層目の華頭窓も美しさを引き出している。
詳しくは 彦根城 (別名・金亀城) をご覧ください
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松本城 国宝 複合連結式層塔型5重6階 長野県松本市
5層6階の大天守は2重の渡櫓で乾小天守と連結、東に2重の付櫓と朱塗りの廻り縁を廻らせた月見櫓、威容と美しさを兼ね備えて大変美しい。撮影で気を使っているのはまずはお天気、予報を分析して晴天が一番だが出来るだけ雲が少ない日を狙い、あとはメインの構図で逆光にならない時間帯を選ぶ。
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姫路城 国宝 連立式望楼型 5重6階地下1階 兵庫県姫路市
天守が現在も存在する、いわゆる現存天守は12城。中でもこの姫路城は国宝に指定されている。日本一美しい城の代表的な存在である。JR姫路駅から歩いて15分ほどだが、城内は極めて大きくざっと見るだけでも1時間では足りないくらいだ。現在大天守の補修工事中で、すべて工事が終了するのは2015年3月になる。
詳しくは 姫路城 (別名・白鷺城) をご覧ください
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犬山城 国宝 複合式望楼型3層4階(地下2階) 愛知県犬山市
木曽川の畔の標高80mにある犬山城は室町時代の1537年に築城された。3層4階地下2階の望楼型、付櫓がある複合式天守は南北に唐破風、東西に千鳥破風、天守はとても魅力的だが天守最上階からの眺望も素晴らしい。木曽川の畔で夕日が映える犬山城は最高だ。
詳しくは 犬山城 (別名・白帝城) をご覧下さい
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高知城 重要文化財 望楼型4重6階 高知市
山内一豊が土佐に入国、2年後の1603年に築城した。現在の天守は大火で焼失、寛延2年(1749)に再建されたもの、高知城には天守のほか15棟が重要文化財に指定されている。その中で本丸御殿も現存で全国でも貴重な存在である。ちなみに現存御殿は、高知城のほかに、掛川城(二の丸御殿)、二条城(二の丸御殿)、川越城(本丸御殿の一部)である。
詳しくは 高知城 (別名・鷹城) をご覧下さい
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松江城 国宝 複合式望楼型4重5階 島根県松江市
実に堂々とした天守閣、廻りの景観も素晴らしいので時間を忘れて見てしまう。天守最上階からは宍道湖を眺めることが出来る。城下にも見どころがたくさんあり、いずれもスケッチがしたくなるような素晴らしさである。松江城と城下を見学するだけでも1日かけた価値は十分にあった。ずっと重要文化財だったが2015年7月8日に天守1棟が文科省により国宝にしてされた。
詳しくは 松江城(別名・千鳥城) をご覧ください
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丸亀城 重要文化財 複合式層塔型 3重3階 香川県丸亀市
亀山(標高66m)を利用して築城された丸亀城、白漆喰に千鳥破風・唐破風を施した天守の高さは15メートル、現存天守ではもっとも小さい。麓から山頂まで4重に重ねられた石垣は60メートルと日本一高く、三の丸石垣だけで22メートルあり、日本一美しい石垣とされている。
詳しくは 丸亀城(別名・亀山城) をご覧ください
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宇和島城 重要文化財 複合式層塔型3重3階 愛媛県宇和島市
籐堂高虎が慶長元年(1596)に築城した宇和島城、現在の天守は伊達宗利が寛文6年(1666)に建てられた。縄張りのものは築城の名手と言われた籐堂高虎のものを踏襲している。天守からは美しい宇和島湾が望める。
詳しくは 宇和島城(別名・鶴島城) をご覧ください
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(備中国) 松山城 現存天守 重要文化財 岡山県高梁市
全国で12ある現存天守、中国地方には2つ存在する。備中松山城(岡山県)と松江城(島根県)だ。備中松山城はJR岡山駅で伯備線に乗り換え備中高梁(たかはし)駅で下車する。山城で途中までバスかタクシーを使う。鞴(ふいご)峠から松山城まで20分ほどだがかなり急な坂道が続く。実に見どころが多い城郭だが、また街にも素晴らしい観光スポットがある。
詳しくは 備中松山城 高梁城 (岡山県・高梁市) をご覧下さい
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(伊予国)松山城 現存天守 重要文化財 愛媛県松山市
伊予松山城には大天守はじめ21棟の重要文化財がある。大天守は三重三階地下一階の層塔型天守で、小天守・隅櫓などを廊下で結び、武備に徹した建造物群は代表的な連立式城郭である。
詳しくは 伊予松山城(別名・金亀城) をご覧ください
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弘前城 現存天守(御三階櫓) 重要文化財 青森県弘前市
2代藩主津軽信枚が築城した天守は本丸南西隅に5層5階のもので、若松城に匹敵するものだったが、寛永4年(1627)落雷の出火にて焼失。その後200年近く再建されることは無かった。文化7年(1810)9代藩主津軽寧親が幕府に三層櫓の新築を願い出て、現在の御三階櫓(天守)が建造された。高さは14mほどで規模は小さい、入母屋屋根に二の丸に面する側には切妻破風出窓を設けて格式もあるが、本丸側装飾もなく幕府に遠慮したのだろう。
詳しくは 弘前城(別名・鷹岡城) をご覧ください
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丸岡城 現存天守 重要文化財 福井県丸岡市
全国で12ある現存天守、北陸地方にただ一つあるのが「丸岡城」、しかも現存天守閣でもっとも古く、1576年(天正4年)に柴田勝豊が築城した。その前年織田信長は北陸の一向一揆を平定するために大軍をもって丸岡の東北4Kmの豊原寺を攻め寺坊をすべて焼き払った。信長はこの恩賞として柴田勝家に越前之国(現在の福井県嶺北地方)を与え、北ノ庄(現在の福井市)に築城を命じた。勝家は甥の勝豊を豊原に派遣させて豊原城を構えたが、翌年丸岡に移り城を築いた。これが現在の丸岡城である。
詳しくは 丸岡城(別名・霞城) をご覧ください
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