ブラチンブリの風 第35章 タイ・ライフ By Harry H.
2009年8月にタイに来て、2年半が経つ。こちらの生活に慣れるのに、最初の半年かかったが、今では、タイでの生活を、十二分に楽しんでいる。来月3月には、ここでの任務を終えて、日本に帰任する予定である。
1. 湿度:タイの首都バンコクは、東京と比べると、一年中、高温・多湿である。しかし、ここプラチンブリに来てみると、バンコクに比べると、湿気が少なく、過ごしやすい。日中、35度前後の中でも、ベトベトした感じはなく、サラッとしている。朝晩は、25度前後と、過ごしやすい。日本だと、夜は25度を超えると“熱帯夜”ということで、寝苦しいことになるが、こちらは、寝る前、エアコンを消して寝ても、汗をかくことは稀で、安眠できる。
2. 親切:タイ人の親日的なことは知られているが、それに加え、タイ人は、親切である。熱帯気候が、大きく気質に関係しているかも知れない。昨年3月11日の東北大震災発生時も、タイ人の知人・友人は、皆会うたびに、気遣いの言葉を掛けてくれた。HARRYの住んでいるサービス・アパートのオーナーは、日本への義援金を、私に託してくれた。感動すると共に、心から感謝した。
3. 生活費:日本に比べると、生活費はかなり安く済む。身近な例で示すのが一番わかりやすいであろう。理髪代は、カットだけで、100BAHT≒250円。コカコーラ(330ML)は、6本パックで、66BAHT≒170円だから、1本≒30円。プラチンブリから首都バンコクまでの民間バン・サービスは、120BAHT≒300円。150KM、2時間の乗車料である。映画は、ロード・ショーで、140BAHT≒350円。住んでいるサービス・アパートは、1カ月=14500BAHT≒36000円(光熱費・水道代・朝食・ベッドメーキング・インターネット代込)。
多くの先進国の退職者が、タイに来て生活するというのが、理解できる。そういう人たちのためのビザ(RETIRED VISA)は、タイの銀行口座に、残高として80万BAHT≒200万円があれば、取得できるようだ。
4. 料理天国:最近では、日本でもタイ・レストランは、珍しくなくなった。が、日本で食べるタイ料理は、やはり、日本人の味覚に合わせて、辛さをはじめスパイスは、控え目なのが一般的であろう。タイ料理の基本は、辛いのであるが、やはり,上手さの元は、スパイスである。日本では決して味わうことのできない、何とも言えない味である。また、安い。もっぱら、タイ人が来るタイ・レストランのメニューは、数十BAHT(100円~200円)が大部分。多くのタイ人が、自宅で食事をしないで、外食をするというのが頷ける。自炊するより、外食した方が、安いからである。
5. フルーツ天国:熱帯のタイは、フルーツ天国だ。これについては、既に書いているが、一年中、豊富なフルーツが、安く手に入る。HARRYは、こちらに来てマンゴー(ナムドクマイ)、ソムオ―(柑橘系)、マンゴスティンが好きになった。
6. 地震:タイには、北部を中心に、12-13か所の活断層が存在する。従って、地震も起きているが、過去で最大のものが、MAGNITUDE4.5程度だ。ここプラチンブリでは、殆ど地震は起きない。
7. 原発:タイは、エネルギー計画として、2020年までに、500KW級の原発を、5機稼働させる予定だった。だが、昨年3月に起きた福島原発の事故を受けて、昨年7月発足したインラック政権も、その計画に対しては見直しが必要との姿勢だ。
このように、タイでの生活は、気候的・経済的・自然災害面・食生活面等、多くの点で住みやすさを見つけることができる。不安定な“政治”面では、昨年7月の下院総選挙で、大勝利をおさめたタイ貢献党が、インラック首相(元首相タクシンの妹)の元、重点施策として、“国民和解”(reconciliation)を掲げて、努力している。また、昨年50年ぶりの大雨で、北部を中心に大洪水が起きたが、日本政府(ジャイカ)の協力も得ながら、本格的な治水対策を進めて行く予定だ。 (2012年2月3日記)