世界一周クルーズ (第37章) BY 芝原 稔
今回のクルーズでの目玉の一つ、南米からアラスカへ、縦の地球横断、その中でも最たるものはオプショナルツアー「国境横断・イグアスの滝とサンパウロ観光3泊4日」である。残念ながら体調に自信がなく参加しなかった。だがイグアスの滝を語らずにクルーズの話を終わらせることは出来ない。幸いにしてツアーに参加された岡田さんから、感動の特別寄稿を頂いたので掲載する。感動の旅もそれだけに苦労があるようだ。なにせ120名という大軍団、フライトも二つに分け、朝3時起床とか2時間空港での待ちなどいろいろあったらしい。(写真の一部は岡田氏の提供)
特別寄稿 イグアスの滝
「イグアスの滝」は大小300の滝が幅4000mにわたって落下する大瀑布である。最大落差80m以上、イグアスの滝に流れ込み吐き出される川がアルゼンチンとブラジルの国境となっている。
第1日目(6月1日)はアルゼンチン側から川の上の歩道橋を渡って、最大の瀑布<悪魔の喉笛>展望台から、落下寸前の滝を眼下に見る。落下していく水の凄まじい勢い、ジェット機の排気音に似た轟音、滝壺から巻き上がる水煙、水煙が雨となって頭上に降り注ぐ。繰り広げられる光景に唖然とする。しかしこれはプロローグでしかなかった。
第2日目(6月2日)は対岸のブラジル側の下流から遊歩道を進み、さまざまな瀑布群を見ながら<悪魔の喉笛>に迫る。滝壷の近くまで迫り出た展望台で、80m上空から落ちてくる瀑布を見上げ、落下の速度と量と高さに圧倒される。その後岩盤をくり貫いたエレベータで上部展望台に昇ると、クライマックスがあった。これまでと全く違った情景に息を呑む。至近に<悪魔の喉笛>の全貌を見下ろす。断崖絶壁から大音響で落下する水、これは水などの表現は適切でなく、疾駆する白い巨大なマグマだと思える。落下し、大気を巻き込んで、水煙を霧を天高く立ち上がらせ、滝壺に虹の色彩を描き出し、壮大なドラマに彩りを添える。落ちた水は川となって渦を巻き奔流となって下がれ行く。遠くに昨日行った展望台が見え、アルゼンチン国旗がはためいている。壮大なパノラマ、大自然の雄大さと荘厳さへ畏怖と感動。クローズアップで、上からの落下の瞬間を見て、下から落下を見上げる。瀑布群のさまざまの展開を見て、最後にイグアスの滝の全容を俯瞰する、その演出の見事さに大満足。仕上げは船で滝壺へ(写真・下右)。濁流のイグアス川を遡り滝壺の直下へ。滝の落下点の至近まで突入すること3回、その都度、“ワー、ウォー、ヤッホー”などと歓声が上がる。心から乗客が喜んでいる。老若男女120名の全員が、堪能し、驚嘆し、感動した。世界三大瀑布の一つ、イグアスの滝ツアーだった。