世界一周クルーズ (第57章)

2007年09月09日 | 世界一周クルーズ

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世界一周クルーズ (第57章) BY 芝原 稔

船内の紹介

ぱしふぃっくびーなすの船内については本編でいくつか紹介してきたが、船内の様子など書き忘れたことを紹介したい。

A5702_1  ぱしふぃっくびーなすは、26,518トン、全長183m、幅25m、喫水6.5mである。キャビンはロイヤルスイート(65㎡)4室、スイート(35㎡)16室、デラックス(23.5㎡)20室、ステートはA・B・Cに分かれるが、全て15.3㎡で198室、合計238室で定員は620名である。外国船と異なり、キャビンはすべて海に面している。

船は12階で、キャビンは5階から上にある。1階から4階は機関室・倉庫・船員の食堂とA5703 居住区となっている。ただし4階には船客に関係ある場所として、医務室・病室がある。参考までに104日間の船旅で、医務室の利用者は1192人。月別では問題の5月、利用者はダンドツで501人。それと美容室・理容室がある。美容室はベテラン女性が一名、色々必要な情報?はここから得られる。理容室(写真・右)は若い男性が一名、すべて予約制。参考までに料金は、パーマ12,000円、セット4,000円、カット6,000円である。

A5704 5階にエントランスロビー(写真・左)があり、それに面してフロント(写真・右下)、ツアーデスクがある。フロントで先ずお世話になったのは、セフティボックス、ここへ預けておけば、船内の生活は売店も含めて現金は殆ど要らない。上陸前の現地通貨へA5705 の両替、郵便の発送、(当初は)船内のパソコンの使い方、テレビの調子が悪い、昨日の○時の通過点は何処?など、何度もお世話になった。上陸はほぼ5階の右舷から、寄港地によって6階、または左舷の時もある。これらの設備のほかに5階にはキャビン・ステートタイプが60室ある。

6階はステートタイプのキャビンが90室、私の部屋は673(右舷船尾)、陸地が見える右舷、揺れが少なく、エンジン音が少ない6階船尾を申し込んだが正解だったと思っている。A5706 10階などのスイートは如何に部屋が良くても、か弱な我々は揺れで苦労したと思う。毎日何回も利用するエレベータや階段に近く、やれ鯨だ、イルカだと階段を駆け上がるのに便利だった。あと6階には、レセプションルーム(囲碁室)、喫煙室、麻雀室、図書室(ライティングルーム)、シアターと会議室がある。お世話になったパソコンはこの図書室(写真・左)にも3台ある。

7階は3食お世話になるメインダイニングが船尾に、プロムナード、ショップ、オープンバA5716 ーを経てエントランスロビーに、さらにメインラウンジにいたる。我々は食事後、この通りを「銀座」と称し、ショップを見て、プロムナードでコーヒーを飲み、メインラウンジで音楽を楽しむのが日課である。ここにはピアノサロン(写真・右)がある。ショップには土産物以外に化粧品・文房具など生活必需品や、寄港地離港後にその土地の名産品も売られる。名産品はケーA5707_1 スによってあっという間に完売になる。またショップではDPEサービスがあり、現像・プリント、デジタルカメラのCD-Rへのデータ保存もやってくれる。参考までに35mmの現像料500円、L版プリント40円、デジカメL版50円、CD-R保存600円である。専属カメラマンによるスナップ写真の展示コーナーもここにある。7階のエントランスロビーでは季節や行事の飾り付けが行われるが、写真・左はスタッフが鯉のぼりの準備をしている。

8階の船尾にはヨガや運動会を楽しんだメインホールとステートクラスのキャビンが34A5708 室、船首はクルーの居室、そして外回りには366mを一周できるデッキがある。9階はデラックス20室、ステート12室のキャビンと会議室・カラオケルームA・Bと茶室(写真・右)がある。10階船尾はスポーツデッキ、スポーツデッキバー、そしてロイヤルスイート4室、スイート16室(1人750万)がある。ロイヤルスイートは写真はないが、見学した記憶では、ベッドルーム・リビング・バスルーム・広いクローゼットにバルコニー付きだった。段ボールを一人で15箱持ち込み、フォーマルの正装は勿論、毎日衣装を替えるのが趣味の人は利用されるべし。料金は一人1600万、二人でなら3200万。 

A5709 11階はプール(写真・左)・ジャグジー・スポーツサウナ・ジムナジアム・展望浴室・びーなすサロン・オブザベーションラウンジがある。折角水着を持参したのに、プールは日中炎天下、夕方は何かと予定があり、利用できなかったのは残念、特に紅海の水は塩分濃度が高く浮き易いと聞いていたので是非入りたかったのに!

 

A5715 船内のエレベータは合計5基、国内ではよく問題を起こすシンドラー製、揺れがある時はギシギシと音を出し心配だが、船舶用のエレベータはシンドラー社一社との事、整備は万全だから安心だと回答あった。大西洋洋上で1基が故障・停止、リスボンで部品が到着して一件落着。だが運動のために出来るだけ階段を利用していた。12階はゲームコーナーとサンデッキ(写真・右)。ここから去り行く港の、特に夕景は素晴らしかった。

操舵室

A5730 船の司令室とも言うべき操舵室は9階の船首にある。この操舵室の見学は度々あり、我々に解放されている。キャプテン以下航海士のA5732 面々は交代で勤務する。この日の00:00~04:30は小野二等オフィサーと川井クオーターマスター。但し運河通過時などはキャプテンとパイロットは屋外の操舵室(写真・右)で監視。操舵室に無線で指示をする。一等航海士は4名で船首に、二等航海士は3名で船尾で監視する。

朝、気象条件など加味して航海計画がたてられ海図に書き込まれる。後は殆ど自動操縦。下の写真は操舵室の各装置で、ナビゲータの監視(2)、配電盤(3)、計器盤(4)、スクリュープロペラ(縦5.2m×横4mで2基)の制御と監視(5)、同計器での監視(5)、着岸時などに横へ移動するためのボウスラスターの操作(7)、横揺れ防止のフィンスタビライザーの操作(8)。

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フィンスタビライザーの開発によって、今の船舶は軍艦を含め横揺れが少なくなったようだ。これは船底の両側から羽(フィン)を張り出し、その揚力を利用して横揺れを防ぐ。これは東大の教授が発明、全世界の船舶が取り付けている。特許料はさぞや莫大と思うのは素人の浅ましさ。無料公開したようだ。後は縦揺れ防止の装置が発明されれば、船の揺れは解決する。次の出番は京大か?

A5733 船の外観で目に付くファンネル(写真・右)はただの煙突ではA5734 なく、船の顔であり船会社は色・デザインに工夫を凝らしている。「ぱしふぃっくびーなす」は美と愛の女神VENUSの誕生をイメージしたマークが描かれ、贔屓目ではないが格好良い。その次に目立つのは、衛星放送受信用のCSとBSのアンテナ(写真・左)である。このおかげで遠く離れた海域で日本のニュースを見ることが出来た。

もう一つ目立つのはテンダーボート(写真・下左)である。船が接岸出来ない時に使う小型船舶で、モナコで上陸の時に乗船出来ると期待したが、波が高く乗船出来なかった。救命艇としての乗船は幸いにして機会なく、眺めるだけであった。運航部の仕事として欠かせないのが、給油と給水である。今回の航海での給油地は、横浜・ドバイ・ピレウスなど7寄港地。C重油4458KLが給油船より海上から給油された。KL5万円とすると2億強か?(写真・下右は給油風景) 給水は24寄港地、合計15,311トン、寄港地で陸上からの給水である。

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ついでにスエズ運河の通行料と通航時間は、2000万円と10時間37分。パナマ運河は1400万円と10時間だったそうだ。素人目には設備・人件費などのコストは逆のような気がする。要するに通行料は原価によるのではなく、政治力か需要の大小によるようだ。

 


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