夫は些細なことでよく怒っていた。まず家事について、掃除機を毎日かけない、洗った後の食器を拭かない、さっと思うような行動をしないとか、食事が6時に作れなかったとか、食事の味が自分にあわない、洗濯を毎日しない、等いろんなことで罵声を浴びせられた。私からしたら、私も毎日仕事をしている中で、毎日掃除機や洗濯はできない。まして食事が夕方の6時にできないなんて当然のことだった(6時に帰宅していたのだから)。
しかし夫は自分の要求に応えられない妻(私)に対して、容赦なく罵声を浴びせた。それはそれはひどい罵声だった。夫は言葉で他人の魂を殺せる人だと感じたくらいだ。しかも自分の感情に覆われてしまって、他人の気持ちを考える余裕なく、ひたすら怒りを放出するために、めたくそに、相手を地の底に引きずり倒してぼろぼろになるまで踏みにじった。私は何度ひどい言葉を言われたことか。その言葉を聞いていると、夫の目の前でマンションから飛び降りて死にたくなるくらい、他人の自尊心をズタズタにするものだった。
その言葉とはどんなものか、挙げてみよう。
アホ、バカ、頭が足りない、想像力が欠如している、でくのぼう、鈍い、犬やネコよりひどい、寄生虫、ゴクつぶし、おまえのせいで人生がめちゃくちゃになった、根性が腐っている、根性が曲がっている、無神経、セックスしているときだけは女、奴隷、ロボット…その他モロモロ言われた。夫は怒鳴っているうちに、自分の言葉に煽られて興奮するのか、後半はヤクザ言葉になっていた。「殴ってやろうか、おらぁ?」みたいな。あまりに酷いと思いつつ、その言葉に反応していたら身が持たなかったので、それこそ貝になって我慢してた(『私は貝になりたい』というあの映画のセリフがよく頭に思い浮かんだ)。言い返そうと思ったときもあったが、そうするとますます猛り狂って手がつけられなくなる。コップやお皿を割ったりもした。食事がまずいといっては怒り、私の話す日本語がおかしい、と言っては怒っていた。あまりに言われると、なんだか夫と話すのが恐ろしくなり、話すことは必要最低限の連絡事項だけにしようと思った。これが私達の日常とは考えたくなかったが、これが私達夫婦の生活だった。
そして、夫は私に言った。「おまえのすることは、ドメスティックバイオレンスだ!毎日洗濯しないのは、毎日掃除機をかけないのは、俺への暴力だ~!!」「おまえが俺の人生を滅茶苦茶にした!「おまえが俺の仕事の邪魔をした」「おまえがしゃきっとしていないから俺は元気になれない」「おまえが変わればいいんだ」「おまえのいい加減な態度で俺は病気になりそうだ!」「おまえが俺を怒らせるから下痢になった」「おまえがしっかりしていないから仕事ができない」
夫はあくまでも自分が被害者だと言い続けた。私がすべて悪いのだと。私が夫を虐待しているのだと。自分は被害者で、私が加害者であると。
私は唖然とした。私が夫を虐待?どうやって?掃除を二日に一回したということで?
夫婦はなんでも理解し合えるなんて、夫との関係ではありえなかった。夫は私の話なんて聞きたくないのだ。そして自分の気持ちが無視されたと思ったら暴力に訴えるだけだった。ただ、夫は妻が自分に注目し、自分の気持ちだけを察してもらえればよかったのだ。よく夫婦では「喜び二倍に、悲しみは半分に」なんて言われるが、私にとって夫婦の間では「喜びは十分の一以下に、悲しみは十倍に」だった。
私は怒りよりも悲しく寂しかった。私は夫婦になってからはじめて本当の孤独を感じた。お互いが好きで結婚したとしても、この状態ではお互いを理解するなんてとうていできない。何でも言い合えるのが夫婦の理想だと思っていたが、それは違うということがわかった。私は夫が受け入れられるようなことだけを最小限でしか話せなかった。余計なことを話すと夫はまた怒り爆発で手がつけられなくなる。
夫は自分の感情を抑えられない。もともと精神的に不安定で過敏症な上に、忍耐力がなかった。だから些細なことが気になり、ちょっとした自分の怒りとか恨みをとことんぶつけないと気がすまないようだった。一度気に障ると自分の感情に覆われてしまって、こういう言葉を相手に言ったら、相手との関係が破壊されるとか、相手にダメージを与えて今後の人間関係が切れる可能性がある、ということを全く考えない。だから罵倒するだけ罵倒して、その結果相手が離れていこうとすると、また怒る。「おまえが俺を怒らせたのに」と。まったくやりきれない。もし私が相手に何か決定的にひどいことを言うときは、相手とのお付き合いがもうなくなってもかまわない、という気持ちで言うだろう。しかし夫はそのような配慮は全くなかった。
そして徹底的に罵詈雑言を吐いて吐いて吐き尽くしてエネルギーが消耗してから、ふと言うのだ。「ちょっと言い過ぎた。」「俺は弱い人間だから」「つい酷いことを言って悪かった」「分かってくれよ」「おまえも変わるべきだろう?」
私の心は虚ろだった。これが何回も続くと、もう何も感じられなかった。ただその時をやり過ごすことだけを考えていた。そう、心を無にして感じないようにすれば、何とかなる。いつのまにか明日が来ている。これは夢。これは悪夢。忘れよう。忘れよう…。
そうやって私は日々を送っていた。それが生きるための対処法だった。
しかし夫は自分の要求に応えられない妻(私)に対して、容赦なく罵声を浴びせた。それはそれはひどい罵声だった。夫は言葉で他人の魂を殺せる人だと感じたくらいだ。しかも自分の感情に覆われてしまって、他人の気持ちを考える余裕なく、ひたすら怒りを放出するために、めたくそに、相手を地の底に引きずり倒してぼろぼろになるまで踏みにじった。私は何度ひどい言葉を言われたことか。その言葉を聞いていると、夫の目の前でマンションから飛び降りて死にたくなるくらい、他人の自尊心をズタズタにするものだった。
その言葉とはどんなものか、挙げてみよう。
アホ、バカ、頭が足りない、想像力が欠如している、でくのぼう、鈍い、犬やネコよりひどい、寄生虫、ゴクつぶし、おまえのせいで人生がめちゃくちゃになった、根性が腐っている、根性が曲がっている、無神経、セックスしているときだけは女、奴隷、ロボット…その他モロモロ言われた。夫は怒鳴っているうちに、自分の言葉に煽られて興奮するのか、後半はヤクザ言葉になっていた。「殴ってやろうか、おらぁ?」みたいな。あまりに酷いと思いつつ、その言葉に反応していたら身が持たなかったので、それこそ貝になって我慢してた(『私は貝になりたい』というあの映画のセリフがよく頭に思い浮かんだ)。言い返そうと思ったときもあったが、そうするとますます猛り狂って手がつけられなくなる。コップやお皿を割ったりもした。食事がまずいといっては怒り、私の話す日本語がおかしい、と言っては怒っていた。あまりに言われると、なんだか夫と話すのが恐ろしくなり、話すことは必要最低限の連絡事項だけにしようと思った。これが私達の日常とは考えたくなかったが、これが私達夫婦の生活だった。
そして、夫は私に言った。「おまえのすることは、ドメスティックバイオレンスだ!毎日洗濯しないのは、毎日掃除機をかけないのは、俺への暴力だ~!!」「おまえが俺の人生を滅茶苦茶にした!「おまえが俺の仕事の邪魔をした」「おまえがしゃきっとしていないから俺は元気になれない」「おまえが変わればいいんだ」「おまえのいい加減な態度で俺は病気になりそうだ!」「おまえが俺を怒らせるから下痢になった」「おまえがしっかりしていないから仕事ができない」
夫はあくまでも自分が被害者だと言い続けた。私がすべて悪いのだと。私が夫を虐待しているのだと。自分は被害者で、私が加害者であると。
私は唖然とした。私が夫を虐待?どうやって?掃除を二日に一回したということで?
夫婦はなんでも理解し合えるなんて、夫との関係ではありえなかった。夫は私の話なんて聞きたくないのだ。そして自分の気持ちが無視されたと思ったら暴力に訴えるだけだった。ただ、夫は妻が自分に注目し、自分の気持ちだけを察してもらえればよかったのだ。よく夫婦では「喜び二倍に、悲しみは半分に」なんて言われるが、私にとって夫婦の間では「喜びは十分の一以下に、悲しみは十倍に」だった。
私は怒りよりも悲しく寂しかった。私は夫婦になってからはじめて本当の孤独を感じた。お互いが好きで結婚したとしても、この状態ではお互いを理解するなんてとうていできない。何でも言い合えるのが夫婦の理想だと思っていたが、それは違うということがわかった。私は夫が受け入れられるようなことだけを最小限でしか話せなかった。余計なことを話すと夫はまた怒り爆発で手がつけられなくなる。
夫は自分の感情を抑えられない。もともと精神的に不安定で過敏症な上に、忍耐力がなかった。だから些細なことが気になり、ちょっとした自分の怒りとか恨みをとことんぶつけないと気がすまないようだった。一度気に障ると自分の感情に覆われてしまって、こういう言葉を相手に言ったら、相手との関係が破壊されるとか、相手にダメージを与えて今後の人間関係が切れる可能性がある、ということを全く考えない。だから罵倒するだけ罵倒して、その結果相手が離れていこうとすると、また怒る。「おまえが俺を怒らせたのに」と。まったくやりきれない。もし私が相手に何か決定的にひどいことを言うときは、相手とのお付き合いがもうなくなってもかまわない、という気持ちで言うだろう。しかし夫はそのような配慮は全くなかった。
そして徹底的に罵詈雑言を吐いて吐いて吐き尽くしてエネルギーが消耗してから、ふと言うのだ。「ちょっと言い過ぎた。」「俺は弱い人間だから」「つい酷いことを言って悪かった」「分かってくれよ」「おまえも変わるべきだろう?」
私の心は虚ろだった。これが何回も続くと、もう何も感じられなかった。ただその時をやり過ごすことだけを考えていた。そう、心を無にして感じないようにすれば、何とかなる。いつのまにか明日が来ている。これは夢。これは悪夢。忘れよう。忘れよう…。
そうやって私は日々を送っていた。それが生きるための対処法だった。
そうそう、依存症なんだと思いますよ。
夫はもともとニコチン依存(ヘビースモーカー)
仕事依存、カフェイン依存、
そしてモラハラ依存って感じ。
エネルギーを溜め込み、一気に放出、そしてすっきりさせ謝るふりをする、
そしてまたエネルギーを溜め込み…という繰り返し。
まさに依存症や暴力のサイクルですねえ。
不安やストレスに弱い自分を見ないでごまかすために
そんな悪循環を繰り返すんでしょうね。
この悪循環の被害を受けるのはいつも妻などの家族と身内だけ。
はぁ~…しんどい人たちですね。モラって。
いつもありがとうございます!
ウメより
こういう人たちって、一種の依存症……
ギャンブル依存症等に近いものを感じます。
暴言という石礫を投げるだけ投げて、
弾を撃ち終わったら、
あるいは自分が疲れたら、
そこで、その日のゲームは一旦、終わりです。
野山に行って雉でも撃って来い!!
ついでに熊にでも襲われて来い!!
って感じです。
けど、山は怖いから行けないんだよね。
つくづく、弱い者に強い奴らだと思います。
卑怯者ーーーーーーーーっ!!
すみれさん、こんばんは。
すみれさんに、そんなことを言っていただけると
何だか泣けてしまいます…。
そんなふうに見ず知らずの方がそっと寄り添ってくれる、
生き延びたことを喜んでくれる、
身近な人には言えなかった、苛酷な日々を
ただ共感してくださる、
そして、私が吐き出す文章に想いを寄せてくださる…
なんて出会いなんでしょう。
偉大なる存在に、すみれさんに、ただただ感謝です。
ありがとうございました!
ウメより
☆文旦さんへ
文旦さん、こんばんは。
苛酷な戦場から生還してまいりました…(敬礼っ)。
いつにない文旦さんのシリアスなコメント(失礼!)に
思わず涙が滲んできました…。
夫と暮らし続けていたら、もう我を忘れるしかなかった、と思います。
私は私を殺していいのか?私は私を失っていいのか?
そう自問自答したことを思い出します。
私はこんな人生を送りたかったんじゃない~!!と
脱出しました。
文旦さん、私は生きているよ~…(涙)。
いつもありがとうございます!
ウメより
宇砂子さん、こんばんは~。
宇砂子さんに、背中をさすさすしてもらっているのを感じます。
この記事は、当時つけていた日記から抜粋し編集しました。
「あ~、私はこんなこと言われてたんだなあ」と
改めて実感…。忘れてたんですけどね。
忘れるのは私達の得意なところですが。
皆さん、そうやって生き延びてきたんですね(涙)。
宇砂子さんが一緒に歩いてくれていること、
いつも感じています。
心強いです。
ありがとう~~~、ハグッ
ウメより
☆やまさんへ
やまさん、こんばんは。
そうなんですよ~。
やまさんの言われていること、「そうそう」とうなずくばかりです。
感情が麻痺…麻痺させないと生きていけないんです。
家から外に出ると、道行く夫婦や子連れの母親が笑っている。
なんだか別世界を見ているようでした。
私はいったい何をしているんだろう、と。
私の現実はまるで悪夢でしたね。
そう、悪夢にしなければとても受け入れがたいものでしたから。
ひとりになった今はほんとに楽ですよ。
怯えることもなく、のびのびと生活しています。
頭が痺れるような焦燥感もありません。
夫との生活はあったんだろうか?なんて思います。
なんて、これも忘れることにたけてる私の悪い癖ですね(笑)。
同じ過ちを繰り返さないためにも、こうして文章を綴っています。
いつも読んでくださり、共感していただき、力をいただいています。
ありがとうございました!
ウメより
本当に戦場から帰ってきた息子(?)を迎える気分です。
言葉で魂を殺せる人。
そんな人の戦いはあまりにもつらい。きつい。そして切ない・・・
魂が殺されてしまう前に無事生還できて本当によかった・・・・・
壮絶な罵倒の日々を耐え忍び、
正常な神経を持って今こうして
ウメさんが生きておられるということに
感謝します。
壊れないように、自分の心を守って、傷ついた日々をくぐりぬけ、
力を蓄えて、こうやって私たちにモラを告発してくださる今日にたどりついたこと。
本当に大変だったと思います。
そういう日々が、どうして必要だったのか、なんの意味があったのか、被害にあった私たちには理由がわからないことだらけだけど、
今さなかにある人たちに気づかせてあげることは出来るように思います。
とにかく、ウメさんが、今こうして生きていること、とてもわかりやすく、状況を私たちに伝えてくださっていることに、感謝します。
ありがとう。
ウメさんの気持ち。
反応しないようにするので、精一杯なんですよね。だんだん無反応になって、感情がなくなっていくのが分かる。
自分って、本当に生きてるんだろうか。
このまま壊れてしまうのではないだろうか。
日々そんなことを思っていました。
本当に他の家庭って、こんなこと少しもなく幸せなんだろうか。
何が普通なのか。
何もかも、感情が麻痺して、
感じなくなっていくんですよね。
どうやったって、変わらない。
このまま、このままにしていることが
一番安全で、苦しくないとか、思っちゃうんですよね。
でもそれじゃあ、生まれてきた意味がない。
生きている意味がない。
ウメさんのつらい気持ち、分かるような気がします。
こんな気持ち、本当は味わわなくていいことだったんですよね。
今は少し、感情が戻ってきていますか?
大丈夫ですか?
この記事を書く事、ウメさんにとって、
とても辛い作業だったのではないですか?
吐き出した後は脱力してしまいますが、
その後は必ず少し元気になっている自分がいるはずです!
一緒にがんばって生きましょうね
一緒にいるよ~