夫は、夕食の時間を昔から6時と決めていた。夫の実家では、夫に合わせ6時までに夕食を用意していたそうだ。私は結婚直後の短期間だけ専業主婦だったので、そのときは6時までに夕食を準備できていたが、しばらくして私も仕事を始め共働き夫婦となったのでそうもいかなくなった。
夫の職場は家から近く、夫は私より遅い時間に出勤し、私より早く帰宅した。私の職場は、家から45分くらいかかったので、5時に仕事を終えても、スーパーに寄ってきたりするとどうしても帰宅が6時になる。まして5時ちょうどに仕事を終えることはほとんど不可能で、5時15~20分の退社が精一杯だった。
しかし結婚してまだ数ヶ月だった私は、それについてあまり深刻に受け止めなかった。夫は私が仕事をすることに賛成していたし、5時ちょうどに職場を出ても6時に間に合うよう夕食を作るなんて無理だとわかってくれているだろう(夫はできあいのお総菜や冷凍食品は嫌いだった)。現に、今まで私はできるだけ急いで帰宅し、6時40分くらいまでには夕食を作りそれについて夫は何も言わなかったので、そのくらい遅くなっても仕方ない、と思ってくれているのだろう。私はそう考えていた。
その日も仕事帰りにスーパーに寄った。この季節、おいしそうな秋刀魚が並んでいた。秋刀魚はぷりっと脂がのり、つやつやとひかっていた。いつも夕食は何しようかと悩むのだが、今日の夕食は秋刀魚にしよう、とすぐ決められたことも嬉しかった。スーパーで仕事関係の知り合い会い、「今日の夕ご飯は秋刀魚にするわ~」と笑顔で話しかけた。知り合いは「うちは昨日秋刀魚だったからな~。悩むわぁ。」と言い、「じゃあね」とさよならした後、私は急いで家に帰った。時計は6時5分になっていた。
「ただいま~」と家にはいると夫は「おかえり。今日の夕食は何するの?」と言った。私は「今日は秋刀魚にするね」とスーパーの袋から食材を取り出しながら話したら、夫は突然「今から作るのか?」と言った。私は「急いで作るから」と返すと、夫は「今から作ったらいったい何時にできあがるんだ?30分はかかるだろう?」だんだん怒気を帯びた声になる。「だいたい俺が6時に夕食をとりたいってことは、前から言っていただろ?おまえはわかった、と言っただろ? 俺は昔から夕食は6時と決めているんだ!それはもう俺の生活習慣になっているんだ!6時にとらないと、すべての予定が狂ってくるんだよ!」私はただ罵倒されるだけだった。「いますぐ食べられるものを買ってこい!!いますぐにだっ!!」と夫は大声で怒鳴り、私は青ざめ混乱しながら家を飛び出した。スーパーに向かって走りながら「何でこんな仕打ちを受けなければいけないのだろう…」と惨めな思いで一杯だった。泣かないように歯をくいしばった。
さっき行ったスーパーには、会話を交わした知り合いがまだ買い物をしていた。知り合いは私を見つけ、「どうしたの?買い忘れ?」と笑顔を向けた。私は仕方なく「夫に他のおかずがほしいって言われて…」と気まずく答えた。「え?秋刀魚は嫌だったの?」「う…ん」こんなところ、知り合いに見られたくなかった。ますます打ちひしがれながら私はお総菜コーナーに行ったが、この小さいスーパーでは、夫が好みそうなものはないと知っていた。でも躊躇してはいられない。適当に揚げ物を選んで買い、また家まで走ったが、暗い予感に覆われていた。
家に戻ると夫は鬼のような顔で待っていた。そして買ってきた総菜を一瞥し「こんな」まずそうなもの食えるかっ!!」「はあ。まったくどんな神経しているんだ!?もういい、外で食ってくる!」。夫は荒々しくドアを開けて出て行った。
私はただ呆然と突っ立っていた。これはいったいなんなんだろう?これからいったいどうしたらいいんだろう?じゃあ6時に夕食を食べられるように仕事を辞めた方がいいのだろうか?秋刀魚がパックの中で光っていた。この秋刀魚、明日食べようか…でもこの秋刀魚がまた夫の怒りを誘発するかもしれない。私は秋刀魚をゴミ箱に捨てた。そして買ってきたお総菜を一口食べた。無理に飲み込んだが胸につかえそうで、食べるのをやめた。思考停止状態になっていた。
1時間後に夫は帰ってきた。私には一言も口をきかなかったが、テレビをつけ、お笑い番組を見て笑っていた。私は得体の知れない不安を覚えながらも、夫の機嫌が戻ったのだと、ちょっとほっとしていた。夫は空腹になると恐ろしく不機嫌になる。きっとお腹がすきすぎていたのかもしれない。そう私は解釈して黙っていた。
実際には、そんな単純のものではないのだが…。
夫の職場は家から近く、夫は私より遅い時間に出勤し、私より早く帰宅した。私の職場は、家から45分くらいかかったので、5時に仕事を終えても、スーパーに寄ってきたりするとどうしても帰宅が6時になる。まして5時ちょうどに仕事を終えることはほとんど不可能で、5時15~20分の退社が精一杯だった。
しかし結婚してまだ数ヶ月だった私は、それについてあまり深刻に受け止めなかった。夫は私が仕事をすることに賛成していたし、5時ちょうどに職場を出ても6時に間に合うよう夕食を作るなんて無理だとわかってくれているだろう(夫はできあいのお総菜や冷凍食品は嫌いだった)。現に、今まで私はできるだけ急いで帰宅し、6時40分くらいまでには夕食を作りそれについて夫は何も言わなかったので、そのくらい遅くなっても仕方ない、と思ってくれているのだろう。私はそう考えていた。
その日も仕事帰りにスーパーに寄った。この季節、おいしそうな秋刀魚が並んでいた。秋刀魚はぷりっと脂がのり、つやつやとひかっていた。いつも夕食は何しようかと悩むのだが、今日の夕食は秋刀魚にしよう、とすぐ決められたことも嬉しかった。スーパーで仕事関係の知り合い会い、「今日の夕ご飯は秋刀魚にするわ~」と笑顔で話しかけた。知り合いは「うちは昨日秋刀魚だったからな~。悩むわぁ。」と言い、「じゃあね」とさよならした後、私は急いで家に帰った。時計は6時5分になっていた。
「ただいま~」と家にはいると夫は「おかえり。今日の夕食は何するの?」と言った。私は「今日は秋刀魚にするね」とスーパーの袋から食材を取り出しながら話したら、夫は突然「今から作るのか?」と言った。私は「急いで作るから」と返すと、夫は「今から作ったらいったい何時にできあがるんだ?30分はかかるだろう?」だんだん怒気を帯びた声になる。「だいたい俺が6時に夕食をとりたいってことは、前から言っていただろ?おまえはわかった、と言っただろ? 俺は昔から夕食は6時と決めているんだ!それはもう俺の生活習慣になっているんだ!6時にとらないと、すべての予定が狂ってくるんだよ!」私はただ罵倒されるだけだった。「いますぐ食べられるものを買ってこい!!いますぐにだっ!!」と夫は大声で怒鳴り、私は青ざめ混乱しながら家を飛び出した。スーパーに向かって走りながら「何でこんな仕打ちを受けなければいけないのだろう…」と惨めな思いで一杯だった。泣かないように歯をくいしばった。
さっき行ったスーパーには、会話を交わした知り合いがまだ買い物をしていた。知り合いは私を見つけ、「どうしたの?買い忘れ?」と笑顔を向けた。私は仕方なく「夫に他のおかずがほしいって言われて…」と気まずく答えた。「え?秋刀魚は嫌だったの?」「う…ん」こんなところ、知り合いに見られたくなかった。ますます打ちひしがれながら私はお総菜コーナーに行ったが、この小さいスーパーでは、夫が好みそうなものはないと知っていた。でも躊躇してはいられない。適当に揚げ物を選んで買い、また家まで走ったが、暗い予感に覆われていた。
家に戻ると夫は鬼のような顔で待っていた。そして買ってきた総菜を一瞥し「こんな」まずそうなもの食えるかっ!!」「はあ。まったくどんな神経しているんだ!?もういい、外で食ってくる!」。夫は荒々しくドアを開けて出て行った。
私はただ呆然と突っ立っていた。これはいったいなんなんだろう?これからいったいどうしたらいいんだろう?じゃあ6時に夕食を食べられるように仕事を辞めた方がいいのだろうか?秋刀魚がパックの中で光っていた。この秋刀魚、明日食べようか…でもこの秋刀魚がまた夫の怒りを誘発するかもしれない。私は秋刀魚をゴミ箱に捨てた。そして買ってきたお総菜を一口食べた。無理に飲み込んだが胸につかえそうで、食べるのをやめた。思考停止状態になっていた。
1時間後に夫は帰ってきた。私には一言も口をきかなかったが、テレビをつけ、お笑い番組を見て笑っていた。私は得体の知れない不安を覚えながらも、夫の機嫌が戻ったのだと、ちょっとほっとしていた。夫は空腹になると恐ろしく不機嫌になる。きっとお腹がすきすぎていたのかもしれない。そう私は解釈して黙っていた。
実際には、そんな単純のものではないのだが…。
私の元夫も、空腹が「怒りのスイッチ」の一つでした。
「この人は食に関してだけ拘りがあるんだ、ただそれだけなんだ。」
と、自分に言い聞かせていましたが、冷静になってみれば、元夫の感覚は尋常ではないものでした。
気付くのに時間が掛かったけど(爆)気付けて本当に良かったです
しかしねえ。モラってどこのモラでもよく似てますねえ!
しかも「空腹に弱い」のは共通キーワードかも。
どうしてこんなに似てるのか!?
それは同じモラ星人種だからか~!!
あっ!思い浮かびました。
「モラ腹ぺこは凶暴化!」
ウメより