早速、ふるいちまゆみさんブログで、取り上げられていたが、
この時期、時宜を得た講演であろう。
且つ、面白い!
掲載全文転載したい。
生臭い話は、一切ないが、読む者にとっては示唆を与える講演である。少し長いが、愉しんで頂ける内容である。
野暮な解説は、必要ないと思うので......。早速、どうぞ!
【転載開始】
【鳩山講演詳報】(1)「恥ずかしいがまだ総理。あながち嘘ではない」(5日午後)
鳩山由紀夫首相は5日午後、都内の東京工業大学で講演し、「内閣総理大臣と紹介され、何か恥ずかしい気持ちで聞い ていた。正確に言うとまだ総理で、国家の一大事があったときは、まだ私が仕事をしなきゃならん」などと述べた。
講演の概要は以下の通り。
まだ首相
「お集まりの学生のみなさん、お集まりのみなさん、こんにちは。ご紹介をいただきました。内閣総理大臣の鳩山由紀夫と(会場笑い)。何か、恥ずかしい思いで聞 いておりました。でも、正確に申し上げると、まだ総理でありまして、きのう、ご案内の通り、菅直人君が次期の首相指名がされて、次期の総理大臣になるわけでございますが、天皇陛下の親任式(任命式)というものがあって、親任をされては じめて正式な総理大臣になるんでありまして、その間ですね、もし何 か国家の一大事があったときには、まだ私が仕事をしなきゃならんという、そういう状況でございます。したがって、何か総理大臣という肩書でお話を司会の方からいただいたの は、あながちうそではないんでありまして、『うそだろー』と思っておられるかもしれませんが(会場笑い)、まだ違うんであります」
「それ はそれとして、でも、みなさん方には正真正銘の総理としての話が聞きたかったと、そんなふうに思われるかもしれませんし、なぜ辞めるんだという話もあるい はあるかと思います。でも、いいじゃないですか。次の総理(菅直人新首相)は正真正銘、東工大出身ですから(会場 笑い)。私は東工大に、でも、菅さんは4年。私は4年半もおりまして(会場笑い)、この大学には4年プラス1年、研究生としておりました。5年遊んでおり ました」
「そして大学も入りました。大学に入ったときに(東大の)理1でありましたから、入っておやじ(鳩山威一郎元大蔵事務次官。後に外相)が『なんでお前、法学部に行 かなかったんだ』って、理系に入ってから言うものですから、『入った後で言ってもしようがないでしょ』と。そのおやじは後で大変苦しんでおりました。おや じは苦しんでいるというのは、数学というものが役に立つかどうかがまるで分からないおやじでありまして、大蔵省にいながら私に1度聞いたことがあります。『数 学が世の中に役に立った試しがあるのか』と聞かれて、『新幹線乗ってるだろ』という話もしながら、すべてがやはり数学が土台、基礎にあってこの国、世界は 成り立っていると話したことがありました。『相関係数ってなんだ』と聞かれたこともありまして、答 弁で答えなきゃならないことがあるのかなと思ったわけでありますが、いずれにしても、大蔵省出身、きょうも私と一緒に来ている仲間もおるわ けでありますが、必ずしも数学というものが果たしてどれぐらいこの国に役に立っているのか。理工系が実際にはこの国の基礎で、精緻(せいち)な世の中を作 り上げているにもかかわらず、建物1つとっても現代の建築はなしえない状況であるにもかかわらず、政治とか行政の分野で認められなかったというのが現実の 姿ではないかと思います」 「それはおかしいぞと思いながら自分としては理系として身を立てていこう と思っておりました。ただ、留学をして戻るころから、アメリカを見て日本を振り返ったときに、この国に果たして本当の意味での政治があるんだろうかと。と ても政治に対して距離を置いていた自分自身がこれでいいのかと自問自答するようになったんであります。ちょっとおかしいなと。あまりにも日本が見えない。 留学時代、日本に対する報道がほとんどされていなかった。カリフォルニアに住んでいたからかもしれません。しか し、ほとんど日本が見えない。これでいいのかと思いながら、弟が『自分は政治の世界に入るぞ』と。『兄貴、先にがんばるぞ』といわれたときに、『そうか。 先に行きなさい』と。『しかし、おれも40代になったら、ひょっとしたら、あんたの後になるかもしれないけれども、政治の世界に行くかもしれんぞ』という 話を兄弟でしたことがございます。まだ兄弟、仲がよかったときの話です(会場笑い)。今も仲はいいんですけども、そのような会話をいたしておりました」
「現実にアメリカから帰って日本人として日本の社会に住むようになって、やはり自分がおやじや兄弟、じいさん、政治の世界に身を置いていたという気安さも あったのかもしれません。これはどうも違うぞと。政治の世界に自分も足を突っ込まなきゃいかんぞと。そういう気持ちになったとたんに矢も立てもたまらなく なり、政治の世界に入る決意を固めました。37(歳)のときでございます。弟は10年ぐらい前に政界入りをしていたのでありますので、だいぶん遅れたわけ でありますが、その決意を固めて北海道に移り住んだのでございます。そのときに私が政 治に対して何を語るかと。今から思えば、かなり先見的なことを申し上げたつもりであったんですが、『夢を形に 今、政治を科学する』という言葉を使いまし た。地元・(北海道)室蘭の人、誰一人理解してくれませんでした。日本製鉄の鉄炉の火が消えようとしているときになんな んだと。今は経済が厳しい環境で、政治家を目指す人間が政治を科学するなんて言って通じると思うのかと批判されましたが、その標語は捨てないで戦ってまい りました。本当は今こそそういう言葉が必要なのではないか。むしろ党の中にも科学が必要だと。まあ、あんまり党の話はしないほうが…(会場笑い)」
目的達せず
「政治を科学すると いう考え方が今こそ必要だと思うにつけ、それから二十数年間、政治の中に身を置きながら、本当に私がやってきたことは何なのか。科学を政治することができ たのか。むしろ科学を政治にしてしまったかもしれないなと。科学、科学と言いながら、予算をつけるということに、ある意味で力を注いだときもありました。 しかし、本当に大事なことは政治、意思決定というものに、もっと科学性を持たさなければいけない。事業仕分けも方向性は間違っていないと思いますが、無駄 をなくすということだけ、コストを削減するという議論の中で制約条件はいろいろとつけていきながら、その中で最適な解を、最小のコストの解を見いだすとい う意味での事業仕分けというのは意味がある話かなと。そのようには考えておりまして、方向性は間違っていない。
しかし、もっと本当にトー タルとしてのこの国の安全保障の議論とか、あるいはこの国の社会保障の議論などというものをもっと科学性を持って 意思決定をするべき時ではないかと思うにつけ、今日まで総理までやらせていただいた私ではありますが、必ずしも十分その目的が達せられたとは思わないこ と。そのことは、はなはだ残念な思いがいたします。だからこそ、きょう、こちらにおじゃまさせていただいて、むしろ政治とか行政に対してご関心のあるみな さん方にはぜひ、そういった思いも含めて、すなわち政治とか行政にもっと科学的な合理性というものを持たせた発想をいかしていけるような、そういう社会 を、仕組みを作り上げていくためにご努力をいただければ大変うれしいなと。そのように考えております。自分の生い立ちなどというものを述べているうち、時 間の半分も過ぎてしまっている。気がついて駆け足でその後の話を申し上げたいと思います」
<中略>
子 ども手当
「少子化への歯止め策としてわれわれが考えてきたのが、 例の子ども手当ということでございます。子ども手当が満額(2万6千円)になりますと、いわゆる防衛費よりも多くなるということでありまして、果たしてそ こまで多くするべきかどうか。一方で逆に言えば、しかし、防衛費というのはどれぐらいのレベルであるかというのも議論でありますが、こういった子育てに対 して今まであまり国が面倒を見てこなかった」
<中略>
将来は大学無償化
「それから次に、もう時間が過ぎているようでありますので、端折って申し上げていきたいと思いますが、高等教育もようやく、高校までは実質無償化という道が 開かれました。中学までは子ども手当というものがあります。高校は実質無償化ということになりました。でも高等教育、すなわち大学あるいは大学院の教育というも のはまだ、実質無償化ということになっているということになっておりません。これも私ども、新政権としては将来的に、段階的にはなろうかと思っています が、無償化の方向に行くべきであろうと。本気で大学、大学院で学びたい。ドクターをとってやろうじゃないか。そして、日本だけ ではなく、アジア、世界で貢献してやろうじゃないかと。どんなもんだと、そのような高い志を持って努力をしたいと思っている人たちの意欲というものをそが ないようにする。少なくとも経済的な理由でそいでしまうということは大人たちが決してやるべきことではないと」
仕送り1500億円?
「そのよ うに思っておりまして、奨学金の充実ということも先ほど申し上げましたし、ティーチング・アシスタントあるいはリサーチ・アシスタントなどもそうでありま すが、そういったものを行って、私も(米国の)スタンフォード(大学)に行ったときもそういった形 で、えー、貧しい学生でしたから。と言ってもだれも信じてくれませんが(会場笑い)、一応仕送りというものが年間1500億…(会場笑い)。1500万円
鳩山さんは役者さんだったのだ、その場その場で与えられた役を全力で演じていただけなのかもしれないと思ったとき、胸につかえていたもやもやがさっと晴れたような気がした。
民主党には国民の為の政治を行って欲しい、こんな当たり前のことを望まなければならない私たちの気持ちを分かって。
<返事>
yama 様
コメント有り難うございました。
以前yamanoさんですね。再度、有り難うございます。鳩山・小沢攻撃はメディア連合軍の魂胆です。それを見抜いての退陣劇。それに間違いなし。
パンドラの箱を開け、攻撃の軍勢を引きつけ、体を躱(かわ)す、見事な役者と言うことも出来ます。推測が中っているとすれば......。
飄平
ご自分の言葉で話をし、ご自分の体験を間に入れて、専門用語が無く、分かり易いのがいい。何より安心感があります。鳩山さんには、もうしばらくやって頂きたかった!
<返事>
コウコウ 様
コメント有り難うございました。
そうですね。時にはユーモアもあって、分かり易く、誠実さが如実に表れていますね。きっと、正統派の論客として、活躍されると信じています。正統派の論客が、必要とされる、このことは機密費受領のジャーナリスト、評論家を排して、まともな言論が必要とされている時でもあります。
ひょっとしてその事が、先行すべきかも知れない。国民が啓かれないことには、真の民主主義は啓かれません。
飄平