栄養素は呼べないだろう・・・?!
でも、
無くては一日も生命活動は始まらない・・・。
酵素って、
一体何者(物)・・・?!
しかし、
「酵素栄養学」なる書物もある・・・。
はっきり言えることは、
酵素はタンパク質合成物であり、
生命体ではない。
それ自体が栄養素といえる存在でもなく、
消化・代謝を営む上で欠かせない触媒作用を行う物質・・・。
という事は間違いがない。
栄養素でなくてもそれ以上の働きがある。
つまり、
生きるということは、
食物を食べ、
消化し、
同化して身体を作り、
エネルギーに転換している訳であるから、
これには酵素なくしては行われない。
そうした酵素は、
全ての生命体は保持しているばかりか、
必要性に応じて創りだすことが出来る。
だから、
日々、
ツツがなく生きていられるのである。
食事をしたら、
消化酵素が消化器官に供給される。
吸収され、
体内を巡ると必要に応じて、
身体に同化すべく代謝酵素が存在する。
エネルギーとして、
活力を生むのも代謝酵素の力が必要だ。
難しい話はさて置いて、
概ね、
こういう具合に、
生命活動には欠かせない存在である。
ズバリ、
酵素がなくては生きていけないよ!
という訳である。
酵素って、
食することで健康に役に立つのか?
という問題がある。
これには諸説あって、
外部から補うことは不可能という説もある。
消化器官で失活するからだという。
又、
そんなことはなく、
体内酵素を補って、
大いに役立つという説もある。
後者の考えが「酵素栄養学」に繋がり、
実に活発な論争がある。
その論争に与して、
議論に加わるつもりはないが、
素直に考えて、
人間は酵素と共に生きて来た。
新陳代謝が酵素に依ることは間違いないし、
食物は酵素によって消化される。
そして、
それ以外にも、
発酵食品は酵素に依って造られる。
微生物(酵母)の酵素が、
食文化を豊かにする。
今も大いにその恩恵に与っているということは否定できない。
例えば、
発酵とは酵素に依る食性の多様化だ。
酵素の存在が知られない古代から、
発酵技術が活用されてきた。
お酒がそうだし、
醤油やみその様な調味料がそうである。
又、
食品の保存や、
食品の異次元的変化は発酵に依るものが多い。
納豆などはその典型だろう。
例を挙げれば、
沢庵漬けやぬか漬けの多種多様な食材が、
特に日本人を日々楽しませてくれている。
特に、
不思議なのは鮎なれ寿司である。
好きな人もそうでない人も居るだろうが、
寿司は寿司でも乳酸発酵寿司で酢を使わない寿司だ。
得も言われない旨み成分が、
発酵することに依って生まれる。
酵素に依る奇跡の変容であろう。
塩麹は、
麹に高濃度の塩(自然塩)を加え寝かせたものである。
塩の辛みが失せ、
甘味が増し、
調味効果が発揮され、
塩味は天然の調味料と化す。
健康上、
塩の取りすぎが問題にされるが、
発酵した食品の場合、
その弊害が少ないように感じられるのは一人ではあるまい。
これも酵素の不思議である。
分子生物学上、
酵素は単にタンパク質の一種に過ぎないと言われる。
食しても消化器官で消化分解し、
失活してしまう。
だから、
外部から補うことは不可能だ言われる。
理論上、
そうであろうが、
単細胞思考と言わざるを得ない。
元来、
理論というのは後付けで、
現象を全て説明できるものではないのだ。
新たな発見で、
常に変遷し続けるものである。
これ程長きに亘って活用されてきた実績に鑑み、
酵素食品(発酵食品)が、
健康に良い影響を齎さないはずがない。
酵素が発見されたのは近年である。
今では3000種も認められている。
もっと増えるであろうし、
化学技術の進展に依り、
新たな発見されている。
多くの酵素が人工合成される時代である。
薬と言えば、
新たに化学合成された酵素阻害剤と思えば、
分かり易い。
そして、
それらの多くは経口投与される。
それでそれなりに効くのであるから、
消化の過程で酵素はすべて失活するというのは、
正しくない。
生命科学は、
ほんの一端を捉えているのに過ぎないし、
分子生物学は、
そのさらに一端を専門化した学問だ。
そして、
ほとんどはインビトロ(試験管内)の現象を捉えて、
理論化したものだろう。
一つの現象は事実(Fact)かもしれないが、
真実とは言えないだろう。
酵素の真実に迫ってみたい。
序に書いて置きたいが、
真実とは、
無数の事実(Fact)に基づいて、
総合的に真相を説明できる必要があるが、
それには知恵が必要だ。
世の中には、
事実(Fact)は正しいが、
真実ではない事が多く在る。
例えばである。
塩が健康に悪いといわれるが、
塩がなくては生きていかれない。
取りすぎは悪いが、
加減の問題である。
減塩が必ずしも健康に良いとは言えないし、
特に、
行き過ぎた減塩が、
却って腎臓病を悪化させると説もある。
傾聴すべき所見である。
さて、
最初に戻って、
「酵素と何者(物)か?」
ということであるが、
- 生命活動に欠かせない重要不可欠なタンパク物質である。
そして、
その働きは、
- 特定の物質の消化・代謝に関与し、自身は変化せず触媒作用をする。
酵素は
- 細胞・酵母・菌などの生命体に依って生成される。
生きた酵素と言うのは存在するが、
- 活性酵素のことである。
- 熱や消化に依って失活する。
又、
- 化学合成に依って、人工的にも創りだせる
その他にもあるであろうが、
それくらいで置いて措きたい。
「栄養素」ではないが、
栄養素を働かす意味では不可欠であるので、
そういう観方も決して不都合ではない。
酵素を活用して健康に役立たせることは可能か?
可能であると考える。
だって、
今では酵素は多く人工合成されている。
人工合成であるから、
健康と言うより、
病気に対して対処するために実用化されているのである。
であるならば、
天然の酵素が有用でなかろうはずがない。
さらに、
酵素に依って生成された有用成分が、
様々な健康増進を発揮する。
そういう側面も期待される。
これが至極当然の期待であろう。
⇒又次に・・・