TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

近江商人、走る!

2023年09月28日 | 映画鑑賞日記

レンタル店で借りて観た映画『近江商人、走る!』の感想です。近江商人で薬売りの喜平(村田秀亮さん)に会って大根売りを助けてもらった銀次(植村侑さん)が主人公。父を亡くした銀次は喜平の勧めで大津の大善屋に丁稚奉公に入ることになります。少年だった銀次は大善屋で修業を重ね、町の人々の助けになるような互助組合を作ってけがをした大工を助けたり、お客が減ってしまった茶屋の看板娘お仙(田野優花さん)のアイドル化計画を手掛けたり、眼鏡職人の有益(前野朋哉さん)を助けたりと店の仕事の他にも知恵を絞ったりいろいろな工夫を凝らして町の人々を助けながら近江商人として立派に歩んで行く姿が描かれていました。そんな中、悪徳奉行と銀次の先輩の丁稚蔵之介(森永悠希さん)の父の企みで大善屋が千両(約一億円)もの多額の借金を背負わされる危機が訪れます。その窮地をなんとか乗り越えようと銀次は大津と堂島の米の値段の差を利用した裁定取引を思い付き、16里(60キロ)離れていた大津と堂島の間にやぐらを立て旗を振って銀次が今まで助けてきた町の仲間たちとともに総出で取り組んだ結果が見事でした。

この映画では近江商人の三方よしの心得が描かれていました。三方よしとは「買い手よし、売り手よし、世間よし」の近江商人がよしとされていた精神で現代社会においてもその心得が経営理念にも取り入れられて受け継がれています。先日近江八幡で買ってきたお土産のひとつだった丁稚羊羹の中にこの三方よしの説明書が入っていたのを覚えていました。近江商人の三方よしの心得は現代においても仕事と向き合う姿勢にも繋がる心得だということがよく伝わってきました。今の日本では時々この心得がなおざりにされているようなニュースになるような企業が増えてきているかのようにも思いました。この心得が継承され続けるような日本であってほしいなあと思いながら見ました。また、父を幼いころに失った銀次にとって家族は大善屋の主人や同じ丁稚たちや町の仲間たちだったことも暗に描かれていたシーンがたくさん出てきてました。銀次が丁稚仲間の蔵之介を信じようとしことや蔵之介が父親の言いなりになることを拒むことを決意し、血縁で結ばれていた父と決別し、日ごろから世話になっていた大善屋の人々のために頑張る姿が描かれており、家族とは何かを問う意味の奥深さをも描かれていたように思いました。近江八幡の八幡堀や琵琶湖が出てきていたのも印象深かったです。


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