「小事に仕える」 ルカによる福音書 1章26~38節
「大きいことは良いことだ」と言われています。夢も大きければ大きいほど良いとされています。人間は、とかく大きな地位や大きな名誉を追い求めてしまうところがあります。しかし、大きいことを求めるあまりに、小さいことを軽視してしまうなら、結局のところ大きなことを成し遂げることなどできないように思われます。大きいことを成し遂げるには、小さいことに忠実でなければなりません。小事に忠実になれないのに、大事に忠実になれる筈がないからです。
マリアのところにやって来た天使は、「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」と言いました。天使は、マリアの身に起ころうとしていることが、人間の思考を遙かに越えた大きな出来事であることを伝えています。天使の言葉を聞いたマリアは、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」と言いました。マリアは、大きなことに心を奪われるのではなく、まず自分が神さまの僕であるという「小事」に忠実であろうとする姿勢を示しました。