岩槻の阿吽たち

　どうしたことか　大勢の人の前で一席　語らねばならぬことに
　人前でしゃべることが大の苦手の　この私が・・・・だ

　狛犬に関してなにか薀蓄を語れとのご指定
　
　度胸を決めると言っても「素」ではしゃべりにくい　ＯＨＰに映して　何とかごまかすことに
　ネタは　さいたま市内に現存する　江戸期の狛犬だが　市内のうち岩槻区については手持ち写真がない
　そんなわけで　二日間をつぶして　撮り歩く　

　かつての城下町だけに狛犬の数は多い　文献によれば区内に10カ所　14対
　実地には　破損したまま放置されたり　まるで面白みのない昭和の狛犬に置き換えられたりでそんなにはない
　
　気に入りのを　ここに披露する
　　
　これ以外の区内十数カ所　これだけの材料でどのように話すか　およそ２時間　気の重いことだ

　とりあえず　皆様には写真のみをご覧いただく　
　神社名・所在地には　興味ないかと思うのでいちいちの記載は省略する

　

7
　これは　江戸斯のものとは思えない　探し方が悪かったか　再度の訪問は気乗りしないので　ご勘弁願うことに　　　

三度（みたび）のフクシマ

福島県　野出島の里「そばの花を観る会・寺コンサート」に出かける
近頃お世話になりっぱなしの　白河市・神宮寺が会場

今回ばかりは主目的は寅吉・和平ではなく寺・本堂でのコンサートと客殿での十割手打ちそば　
震災復興　地域活性化プロジェクトとあっては　出かけずばなるまいと　前夜から近くに宿をとる



　


真言宗豊山派の若手僧侶による太鼓演奏　和太鼓には興味があり幾たびか演奏会にも出かけては　
いるが　寺の本堂で目の前で聞くのは全く違った趣で　ひどく感動を受ける大変な迫力だ
　



琴（笙）と尺八　の演奏にしばし暑さを忘れる　そしてうち立ての蕎麦・・・・。




庭内の　石仏を観て回る　このあたりの特色であろうか　柔和な顔に和まされる


神宮寺近くの坂本観音に　小松寅吉の馬の石像があるので出かける
ここで　悲惨な光景を目にする　震災はこんなところにも牙をむいていた　完全に倒壊している
恐らく修復は不可能かと思われる　今回、福島訪問のもう一つの目的がこれの撮影だったのだが。。。。　

　　　　震災に対しての感覚が　遠くにいては薄れてきている　何とかしなければの思いだけで　
　　　　何もしない出来ない身がもどかしい　　　　　　　　　　
　　　　今回も、わずかな義捐金を差し出しただけだった　

　　　　この美しい風景と暖かな人情に　逆に慰められ帰ってきた身が情けない思いでいっぱいだ。

寅吉・和平 の世界へ その四

　
【新地山の石柵を観る】

　　　　　　ご住職を煩わせての　寅吉・和平　作品めぐりは　十数カ所にも及ぶ
　　　　　　どれも　深い感動と尽きぬ興味に満ちたもので　すべてをここに紹介したい気持ちとの葛藤だが
　　　　　　毎日、訪問して戴いている方の中には　退屈されておられる方も多いかとも思うので　今回はこの辺で
　　　　　　いつか機会を見て　再登場させたいと思う
　　　　　　私自身は　この先、何度でも福島に足を運ぶつもりなので　その機会はそう遠くないようだ
　　　　　　そう度々　世話になれないので　これからは持ち前の足でじっくりと見て回ることになりそうだが　

最後に　これだけはどうしても語らずにはいられない　
先回は　見つけられずだった　新地山、今回もご住職の先導がなければあきらめるところだった

白河藩主　江戸幕府老中　松平定信の歌碑を囲む柵なのだが　肝心の歌碑は覗けない
歌碑建立に当たり　当然，わが方に依頼されるものと思っていたところ　歌碑は東京で有名な石工に発注
自分には　その周りの柵だけの注文
寅吉の負けづ魂は　こんな物凄い柵で　それを囲ってしまった
寅吉は意地の職人であり反骨の芸術家なのだ


柵の前にある　寅吉の狛犬　一体は震災で脱落したままだ　　　これが　目当ての石棚　物凄いのを創ったものだ







明治３０年の作品　頼るのは　自らの手と鑿と玄能だけ　
神の鑿を手に入れた寅吉、狂気に近い情熱のなせる業　とは鐸木能光氏の指摘だが　それ以外に表現しようがない

あるいは　狛犬に　江戸狛犬　それも江戸期建立のものしか価値を認めない人も多いかと思う
かく言う　私もその傾向が強かった
だが、これだけのものを目の当たりにしては・・・・・・これからも　見届けていきたい。　

　蛇足：サンデーハイキングは　腰痛気味の我と夏バテとやらの相棒の都合が相まって　今週もお休みです　次週から再開の予定