椿山荘に石仏を観る
東京目白 椿山荘 結婚式場やイベント会場としては承知していたが
ある偶然からここをたずね 庭園のそれも石仏を観ることに
かつてこの地の野道に点在していたものを 移してきたもののよう
寛文九年との彫り込みが 300年を超える以前のものとは思えない出来栄えと保存に驚嘆
背後の植え込みには一見無造作に 実は充分計算された上であろうが 野趣たっぷりに
石仏やその一部が それと知らずに通り過ぎてしまうような格好で 横たわっている
どれもみな泥臭く 滑稽であり 物悲しくもあり 都会の真ん中にいながら郷愁を誘われるかのよう
由緒正しい石仏を見るより何倍もの感動を与えてもらった
さりげなく置かれた七福神 これもまたうれしい
庭園は 当代一流と言ってよいのだろう そのほうの趣味のない身にも そのよさは実感できる
名園を見た充実感を抱いて 帰路に着いた