狛犬と石仏と

神社・仏閣に狛犬と石仏を訪ねて 時には花を愛でての山歩きも

デジカメ片手に気楽にのんびり 足の向くまま気の向くまま

秩父三十四観音巡礼 ⑤札所三十番、三十二番

2008-04-23 | Weblog

梅の花が開花し始めた 3月半ばに 札所一番を打ってから 日帰り巡礼を重ねて 早や5回目
桜の花に酔っていたかと思ったら 今は 鯉のぼりが暑いほどの陽差しの中でへんぽんと泳いでいる
季節の移ろいの速さはあきれるばかり
札所めぐりも どうやら終盤 ここからは秩父の郷をこころ行くまで堪能し楽しみながら
残りいくつかも無事修めたいものと念じつつ 歩き行くことに。
 



札所三十番 法雲寺
池を配した 美しい日本庭園の向こうに 40段ほどの階段の上 木立の中に観音堂がある
ご本尊は 如意輪観世音 鎌倉・建長寺の道隠禅師が 持ち帰ったものと言う


大きな 石標に導かれるように 山内に入ると花と仏が渾然一体となって 出迎えてくれる


観音堂は江戸初期の建立 時代を感じさせる木鼻が風情たっぷり 適当に古ぼけたところが何とも言えずいい。


鬱蒼とした樹木の中のあちこちに 苔むした これもいかにも時代を感じさせる石仏が ひっそりとたたずんでいる




順序としては 三十一番だが 行程が楽な三十二番を先に廻る事として 芝原方面に向け 歩く
途中、巳待ち供養塔を見かける この辺りでは 流行ったのだろうか随所でみるが   途中の稲荷神社で休憩






札所三十二番 法性寺
観音堂は 高い崖の中腹 苔むした石段を登る 舞台造りの立派なものだ
秩父の苔寺 との異名があるそうだが それほどのものではない が、私好みではある


奥の院に行く前に もう一度 じっくりと仁王様と対面 うん なかなかいいお顔だ これも江戸期のものなのだろう


石仏は豊富だ どれも 結構な出来で見とれてしまう




奥の院には青銅の 大日如来が祀られている 
全身を撮りたいが そのスペースが無い うっかりすると急峻な崖から転落しそうな危険なところだ。 

反対側 岩舟観音は 中空にせり出したような巨岩の上に 
ここは又 眺望も最高で 高所恐怖症の私も それを忘れしばし景色を楽しんだ








                                    大日峠の大日如来石像


帰途は 新緑の大日峠を辿り 小鹿野へ出る
木洩れ陽に映えて 若葉が神々しいまでに美しい





       平成20年4月22日(火)快晴 風も無く強い陽射しの日に巡礼




秩父三十四観音巡礼 ④札所二十五番から二十九番まで

2008-04-10 | Weblog

《番外その1 音楽寺再び》 
先回の訪問は 硬いつぼみのもと、寒さに震えながらの訪問 少々回り道になるが 今回も23番 音楽寺からの巡礼。
桜模様に再度の挑戦 結果は御覧の通り 
秩父巡礼道はどこも桜・桜・桜・・・・そして人・人・人(まぁ都会の花見に比べたら 閑散と言えるほどだが)




先回の状況はこんなもの 強風にあおられ 仏さん方も いかにも寒そうだったが↓  今回は 巡礼の方々が マイクロバスで次々と↑


前回訪問の 札所二十四番を迂回して 二十五番から 今日の札所廻りを開始する


札所二十五番 久昌寺
武甲山を右手に見ながら 荒川沿いを 県道に平行に古道を行く
小学校の下校時か 行きかう子供たちの コンニチワの挨拶が さわやかだ

古風な 朱色の山門の奥が観音堂 但し 総開帳の時期は ご本尊を本堂に移動したとかで ここには無い

弁天池の対岸に本堂が ご本尊は聖観音 平素はおそらく静かなたたずまいを見せるであろう 池の辺りも 折からやってきた 
二組の団体のため落ち着かない 軽い休憩の後 次に向かう。






札所二十六番 円融寺
大きな桜の樹に 境内は占拠されたよう 本堂の堂内に ご本尊・高さ30センチに満たない小さな聖観音が 安置されている
観音堂は これより 30分ほど行った山の上 昭和電工の構内を通らせてもらう



鬱蒼とした樹木の中 苔むした石段をゆっくりと登る 途中にはこれも苔が生えていかにもあじがある石仏が 目を楽しませてくれる

奥の院・岩井堂賀 崖に抱かれたような格好で建っている
三方に勾欄を廻らせた舞台づくり 深緑の樹木の中に古色蒼然・毅然としていて 何とも良い形だ


岩井堂裏手に石仏軍が 岩の窪みで 雨風に護られて これも小さな舞台を見るよう 


岩井堂への道 途中にの琴平神社に寄って観る 狛犬は 大正時代後期のもの 半身に構えた形はなかなか・・・・。




札所二十七番 大淵時
ハイキングコースとなっている山間の道を歩く
頻繁にアップダウンを繰り返す 細い尾根道は結構こたえるが 江戸時代の巡礼道らしいので 往時を偲んで汗をかく事にする
途中 二十七番にたどり着く直前にに護国観音がある コンクリート製、高さ16.5メートル 関東三大観音の一つとか
左手には 蓮華の変わりに剣を持つ 昭和10年 戦時色濃い時代の象徴か         こちらはブロンズ 左手には蓮華を持つ

旧観音堂は 大正八年 開通間近の 秩父鉄道の蒸気機関車から排出の煤煙によ焼失したとか 近年やっと再建なったもの





札所二十八番 橋立堂
迫力満天 70メートルの石灰岩の岩山が 落ちかかってきそうな気さえする
ご本尊は 馬頭観音 残念ながら写真撮影ならず
その昔、牛馬が運輸、農耕の主役だったころ 牛方、馬方の参詣で賑わったと言う  近くの鍾乳洞見学は今回 省略した






札所二十九番 長泉院
天保四年 建立の本堂に ご本尊 聖観音立像が安置されている 藤原時代の作らしい

「花の寺」を 標榜するだけあって境内はこの季節 花で覆われている
石仏たちも 花に囲まれてすっかり存在が忘れられたよう






《番外その2 清雲寺の枝垂れ桜》

札所二十九番 から15分ほどのところ 枝垂れ桜で名高い清雲寺まで足を伸ばす
折から満開の桜の下では 縁日の屋台が出て 大変な賑わい 早々に退散

樹齢650年 の枝垂れ桜は今年も健在で見事に開花

                             境内 若獅子神社の狛犬 三峰神社と同じ 狼かと思う




     平成20年4月9日(水)春爛漫・花曇りの日に 巡礼



秩父三十四観音巡礼 ③札所十五番から二十四番まで

2008-04-02 | Weblog
今日は巡礼に先立ち 秩父神社に参拝 強風下ながら晴天の一日 無事,巡行できることを祈願する
強い風にあおられながらも 数人の神官が 掃き清めているが 思うように行かない 集めたばかりの落ち葉はまた散乱して 
ご苦労様ですと挨拶をすると 佳い旅を の答えが返ってくる
荒天ではあるが 何か今日一日 良いことに廻りあえる様な清々しい気分で出発する

 



札所十五番 少林寺
巡礼三日目の今日は 秩父鉄道 お花畑駅至近の 少林寺へ
右側白い蔵造りが観音堂 ご本尊・十一面観音が安置されている
34札所でここの桜が一番早いんですよと 納経所の方が言っていたがなるほど一本咲きの桜が美しい


境内には小さいが それぞれ趣のある 観音や地蔵尊の石仏が 新旧取り混ぜて点在している




札所十六番 西光寺
おそらく江戸時代のものと思われる 古い山門の先に大きな本堂が
百日紅が咲く季節が美しいと聞いているが 春のこの季節 垂れ下がる桜もまた いいものだ
ご本尊の千手観音は 行基作と伝えられているとの事だ
 

 

 



札所十七番 定林寺
観音堂は四間四方・宝形 但しここでも 桜と武甲山に目が行ってしまう この季節 致し方ないこととご勘弁願う
ご本尊は 十一面観音 どことなく なまめかしい感じがするのは 信心が足りないせいかと反省する


石段下に 地蔵尊等の石仏   梵鐘には百観音の本尊が浮き彫りにされている   観音堂天井の花鳥図だいぶ色あせてきているが





札所十八番 神門寺
小さいが 重厚な立派な観音堂だ 地元の名匠の作と言う 本尊は高さ1メートルほどの聖観音 両手に蓮華を持っている


観音堂の裏手 回廊には仏像が 灯明に照らされて美しい  それでも私には石仏のほうが・・・・。






札所十九番 龍石寺
小高い原の中に 観音堂と納経所がある
地元の青年たちが自ら托鉢し集めた浄財で再興したものと言う 頭が下がる思い
本尊は千手観音 高さ50センチほど 室町時代の作と伝えられている






札所二十番 岩之上堂
そもそもは かなり古く 由緒正しい古刹だったらしい 現存する観音堂も江戸前期のものらしく いい感じを出している
本尊はこの中に安置されているはずであるが 近くでフラッシュをたいたら突如、警報が 解りました撮影禁止ですね あきらめることに

早々に次に向かう 秩父橋を渡る 武甲山が朝観たときとは幾分角度が変わって威容が増した感じだ




札所二十一番 観音寺
国道沿いに こじんまりとした観音堂と納経所が
本尊は小さな30センチほどの聖観音 火災に強く 大正の秩父大火にも無事だったことから火除けの観音様と言われているそうだ


狭いながらも境内には石仏がいくつか 六地蔵は 武甲山を見つめるようにして立っている






札所二十二番 童子堂
茅葺の山門を入ると 素晴らしい彫刻が施された観音堂がある 本尊は弘法大師が作ったと伝えられる 聖観音が

境内の石仏たちも愛らしい            これも石仏?なにやら どこか誰かに似ていそうな自然石 ↓ 


二十一番からの 道中 安政4年と刻印された 大きな地蔵尊の坐像


当初の予定では ここまでだったが 音楽寺の桜が気になって もう少し歩くことにする





札所23番 音楽寺
三十四観音巡礼の中で いくつかある人気スポットの内の一つ 桜の時期が最高に見もの との噂
秩父市内で 今日あたりが丁度見頃であるが ここは一週間ほどは遅いときいている
何はともあれ 観音様を拝むことにする

観音堂は三間四面の宝形造り 内陣の須弥壇の厨子の中は室町時代の聖観音 頭上に阿弥陀小像を載せているようだ


さて 問題の十三仏とその頭上を飾る桜だが 案の定一週間か10日早いようだ 硬いつぼみの下で 石仏たちが整列している
桜の木の下であることを想像して 今日のところは別れを告げる 一週間後に又、来られるだろうか?来たいとは思うが






札所二十四番 法泉寺
観音堂は116段の石段の上 ここまで歩きずめに 歩いた我が足には いささかきつい
上り詰めたところに 観音堂と納経所 がある  本尊は蓮華の上に座した聖観音との事だが 判然としない 

本堂横に石仏がいくつか  道中見かけた   弁財天石碑と    おそらく廃寺跡とおもわれる 遺物の石仏




陽のあるうちに 家に帰り着きたい都合もあるので ここから西武秩父駅まで 急ぎ足で帰ることにする

幾分遅咲きの桜を追いかけて 次回はどこまで行こうか これを考えるのも又、楽しい


               平成20年4月1日 火曜日  晴天 風の強い日に 巡礼