狛犬と石仏と

神社・仏閣に狛犬と石仏を訪ねて 時には花を愛でての山歩きも

デジカメ片手に気楽にのんびり 足の向くまま気の向くまま

坂東巡礼・其の壱   

2008-10-28 | Weblog
  この春に 秩父三十四札所廻りを終えたが その感動も醒め 落ち着いた所で
坂東三十三観音巡拝を急に思い立った
ひとたび 発起すると 中々抑えられない性格である
秩父同様 今度も深い仏心があってのことではない
ただ 仏像を拝み 出来るならば鄙びた石仏に出合えたら言うことなし と、
まことに単純且つ無信心なことで  熱心な観音信者の方からのお叱りは覚悟の上である
とは言うものの 秩父とは異なり広範囲にわたるため 不本意ながらバスツアーにての参拝とあいなった。


鎌倉の杉本寺を発願の寺として 相模の国、そして武蔵、上野、下野、常陸、下総を廻って
安房の那古寺を結願の寺とする 全行程1300kmの巡礼だ
もとより一回で廻れるわけも無く今度のツアーも 10回に分けてのものである 順次報告することになるが
効率的その他の理由からか巡拝が 順不同のため報告も それに沿ったものとなるのをご容赦願いたい


第一番 大蔵山 杉本寺

天平六年(734)創立 鎌倉最古の寺

苔むした古い階段は今は使用できず 隣の石段を行く
小雨降る中 登りつめると みどり濃い ほっと安らぐ空間が 
そこに古都の寺らしい萱葺きの枯れたたたずまいの観音堂が 江戸初期の頃の再建とか

ご本尊は天平の僧 行基が自ら彫ったと伝わる十一面観音 そして 寛和、明和の時代に一体ずつ 
あいにくと言うか当然撮影はならず三尊を拝し 『御影』を戴いて帰る 













第七番 金目山 光明寺

堂々たる観音本堂 明応年間 西暦1700年頃建立
源頼朝の婦人 政子が実朝出産の折 祈願したとの故事があり
以来「お腹帯」の授与をうける者がきわめて多いとの事だ

ご本尊は 行基が一・七メートルの観音像を彫み、
その「胎内」に海浜より出現したとの金像を納めた「お腹ごもりの観音」

庭先に安置された 石仏もまた いかにも安産祈願の寺らしく 愛らしい











第五番 飯泉山 勝福寺


宝形造りの観音堂は 宝永三年(一七〇六)再建 きらびやかな中にも 地方色もあって
好ましい建物
 ご本尊は唐僧鑑真和上が将来した十一面観音像が孝謙天皇に献上され
のちに僧道鏡に下賜されたが、道鏡がこの地を去るに辺り 一宇を建立したのに始まると言う

本堂横に 当地ゆかりの少年 二ノ宮金次郎 の本尊礼拝像がある
ここの境内で名力士の雷電が土地の無法な力持ち岩五却を投げとばした話は有名









第六番 飯上山 長谷寺

春 、境内は桜並木でうまる。満開の頃は、花見客がこの観音さまのお膝もとで一日を清遊するという
長い長い石段を登りつめると嘉吉二年再建と伝える観音堂の前に出る
素朴ながら風格のある本堂だ

縁起は、この地の領主飯山 なにがしが旅僧に一夜の宿を提供したところ、
そのお礼にと大和長谷寺の本尊と同材で造った観音像を賜わり、
一宇を建立したのがこの寺の始まりであり、その旅僧こそ弘法大師であったという。