TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

それ、無理なんで大丈夫です。

2018年01月21日 | 気になるコトバたち
若い世代の言葉づかいが、とか言い始めると年寄りっぽいのだが(ま、実際それなりの歳だし……ブツブツ)、いわゆる「無理」と「大丈夫」の微妙な加減というか距離感が興味深い。この両者、語義上ではほぼ逆の意味なのだけど、今時の用法では同じ否定―"No"として使われるているからだ。

違いを見出すとすれば「無理」はニュアンスとしてかなり強く、「ありえない」に近い気がする。「相手の親と同居とか無理」と。一方で「大丈夫」は少しやんわりしていて"No thank you"的な響きがあるのでは。「お弁当、温めますか?」「大丈夫です」みたいな。

で、別に良し悪しとか言うつもりは全然ないし、どちらかというと言葉がアレンジされていく様子は面白く思っている。この辺は素直に、若い感覚には脱帽なので。

でもちょっと気になるのは、皆んな物言うのに苦労してるな、ということ。さらっとNoが言えないと―あるいは受け止められないと―妙にコミュニケーションがこじれることもあるからだ。ニュートラルな意見の違いがいつの間にか攻撃的な批判になったり、単なる意見の違いをモラルや人間性にかこつけてディスってみたりと、こういうのあまり生産的じゃないなぁ、と。

別に日常での「無理」も「大丈夫」も全然アリだと思うけど、その言葉を選ぶことで、何か自分の気持ちから逃げたり誤魔化したりはナシにしたい。これって無理?大丈夫?