このところ「今日診てほしい」という連絡が後を絶たちません。
そのほとんどが「ぎっくり腰」の相談。
雨上がりから1~3日後がとくに多い。
なんでそんなことが起こるのでしょう?
今日はその理由についてお話しいたします。
ただ、あくまで私的見解ですのでそのつもりでお付き合いください。
まず知っておいてほしいのが関節の安定性の仕組みです。
関節はそれを包む関節包や周囲の靭帯、関節を取り巻く筋肉によって支えられていますが、
関節内外の気圧の差も関節の安定性に関与しているんです。
関節の中は通常、外の気圧より低くなっています。
外気より気圧が低いことで関節する骨同士を気圧(陰圧)で引きつけ合うように安定させているんです。
そういう仕組みが働いてるもんですから低気圧が近ずくと内外の圧力の差を維持できず不安定になるんです。
そこに来て私含め中高年の下位腰椎は椎間板がしぼんで元から不安定。
そうした不安定な腰椎は代わりに周辺の筋肉で安定させることになります。
つまり、そこそこの年齢にある人の腰は大なり小なり慢性的な緊張状態にあるわけです。
そこに雨降り前の気圧の低下があると筋肉は普段以上に強固に関節を支えなくてはならず、よりいっそう緊張を高めて関節を守りに入ります。
そうして雨降りの間、関節をぐらつきから守るわけです。
問題は雨が上がったあと。
気圧が今度は高くなるわけです。
すると、関節は再び気圧による安定性が取り戻されるわけです。
関節する骨同士がしっかりと引き付けあう。
するとどうなる?
関節の隙間は狭くなる。
すると、周辺の緊張した筋肉はさらに短く縮まざるを得なくなる。
目いっぱい縮んだ筋肉って、不意に引き伸ばされるようなシチュエーションで筋痙攣をおこしやすいんです。
もうわかりましたよね。
雨上がりからの数日がぎっくり腰にはリスクの高い期間であることが。
例年よりもこうしたぎっくり腰が多いのは、きっと在宅勤務の普及も原因していると思います。
通勤がない分、日常生活から歩き回るということが極端に減ってしまいますよね。
そうなると座業で癖がついた身体がリセットされなくなります。
座った姿勢では椎間板の負荷も高くなるし、ぎっくり腰の原因になりやすい腸腰筋の短縮も生じやすくなります。
このところのぎっくり腰の相談の急増は天気とコロナ下での新生活様式のダブルパンチが原因でしょう。
そうかんがえると通勤ってけっこういい運動になってたんですね。
となると…
テレワークが定着したコロナ禍での日常では通勤に変わる運動をした方がいいということになるのでしょうね。
では何をしたらいい?
ミニマムな答えとしては一つ前の記事で紹介した動画のエクササイズをお勧めします。
その上で、お散歩やジョギング、リフティング(?)などをすればなおよしです。
コロナだからと言って籠りきりにはならないように気を付けたいところですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます