久しぶりの更新です。
なんだか最近やたらに忙しくて…
はい、言訳です。
すみません。(-_-;)
気を取り直して今日のお題「ギックリ腰」!
西洋では、ぎっくり腰を「魔女の一撃」って言うのだそうです。
ギックリ腰とは急激に発症した腰痛全般を指す俗称で、正式な名称ではありません。
中には関節や筋肉の怪我を伴うものもあれば、筋の痙攣による「機能的障害」である物まで様々です。
※筋の痙攣による「機能的障害」である場合は私どもの治療によく反応してくれます。
そのギックリ腰の相談がこのところ増えています。
急に腰が痛くなった!とは言えその中身は千差万別。
多いのは腸腰筋の痙攣と相場が決まっているのですが、
このところ、そうでないケースが多く『ちょっと意外だなぁ』と…
いくつか実例を挙げるとこんな感じです。
1、ウエイトトレーニングをしていて傷めたAさんの場合
傷めた当初腰の痛みが現れ、数日後、腰痛が和らいだころから下肢の痛みが出てきたと言います。
恐らく脊柱管内の炎症に足に行く神経が巻き込まれたのでしょう。
諸々理学検査をしてみると、軽度ですが椎間板性の(つまり椎間板ヘルニア)問題が確認できました。
Aさんは片脚を引きずって来院されましたが、幸いなことに、帰りには両足で歩いて帰れるまでに回復されました。
2、慌てて立ち上がろうとして傷めた80代のBさんの場合
Bさんは居間でくつろいでいるときに台所の鍋が噴きこぼれ、慌てて立ち上がろうと身をよじった時に「魔女の一撃」が襲ったそうです。
もともと圧迫骨折の既往があり背中も大きく丸まったBさんは『また骨折か!?』と思われたそうですが、
レントゲン検査では「問題ない」とのこと。
でも、この手の骨折(脆弱性骨折=疲労骨折)は治り際にならないと判断が付きにくいのです。
今までも、痛めてすぐにレントゲンを撮って「問題ない」と帰ってきたがあまりに強い痛みが長引くので再度レントゲン検査を受けたところ「骨折!」となったケースもいくつか見てきました※ので
Bさんもひょっとして…
と思ったのですが、結果としては単純な起立筋の痙攣でした。(*^_^*)
※昔、寝た切りの患者さんを対象とした「訪問マッサージ」をしていたころにそうした例に遭遇しました。
ある例では腰痛の発症から3週間ほどしてようやく圧迫骨折だったという所見がレントゲン上で確認されました。
MRIどころかレントゲンも取れない私のような治療院の人間にどうしてそんなことが判ったのか?
と不思議に思われたかもしれませんが、
実は徒手医学には「急性:炎症や損傷」による痛みなのか「慢性:痙攣や拘縮」による痛みなのかの判断に応用できる治療手技があるんです。
その名を「ポジショナルリリース」と言います。
この技法は傷めた箇所の「ゆがみ」を誇張して痛まない姿勢をつくったまま1~2分休ませるという変わった手続きを踏みます。
この技法は筋の「スパズム」という痙攣に原因する痛みにはとてもよく効いてくれます。
しかし一方で、痛みの原因が今まさに炎症や損傷を起こしている状態(怪我)によるものの場合は、
患部の過剰な緊張こそ抑えられるのですが、痛みは引いてくれません。
怪我による痛みかそうでないのかが判れば治療の適応か否かの判断が付くんです。
しかもこの技法は怪我であった場合にもそれをすることで怪我を悪化させることがないのも良いところ。
レントゲン検査も出来ない私にとって、とても便利な技法なのです。
Bさんのケースのように強い痛みがあって、治療の手を入れて良いのかどうかハッキリと分らない時、
「ポジショナルリリース」という技法を使い、その結果から徒手医学的介入の適応か否かを判断すると、
そういう訳なのです。
話が長くなりましたね(*_*;
Bさんの場合、そうした方法で痛みがすっきり取れてしまったので、
『圧迫骨折をはじめ組織の損傷は考えなくともいい』事が判ったんですね。
このところ低気圧の影響で関節もグラつきやすい日々が続いて居ましたから、
そうした相談も多くなったのかもしれないな、と考えています。
まだまだ天気も不安定なようですし、皆さんもどうかお気を付け下さいね。
では。