昨日(21日)の福祉生活病院常任委員会で、6月補正予算で提案されている禁煙治療費助成事業費について、補正予算から削除すべきだという修正案を提出しましたが、否決されました。
この事業費は、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200未満の人は、禁煙治療を受けるとき、保険適用の対象外となるため、これらの人が治療を受けるときに保険適用相当額を支援しようというものです。
この事業が良い事業か、悪い事業かと問われれば、良い事業だと思います。ただ、非常に厳しい財政状況の中で、実施すべき事業かちえば、私は疑問です。それで、修正を提案しました。
その理由は①喫煙は大人が自己責任でするもので、自己責任で吸い始めた以上、禁煙も自己責任ですべきではないか②税金は喫煙者も、非喫煙者も治めていますが、喫煙者、それも、まだ、呼吸器疾患やがんなど合併症の低い段階の人に対して税金を使うことに非喫煙者の理解が得られるのだろうか③保険適用になっている人で治療を受けているのは、肺がんなど別の病気を発症し、その治療のために、禁煙治療をしている人が多いのが現実で、禁煙を薦める効果があるか疑問④禁煙治療は、禁煙治療中に断念する人が多く、しかも、治療後9カ月の実績では、55%の人が再度、喫煙を始めており、治療実績は必ずしも高いとはえない⑤健康保険の制度的欠陥を埋め、がんの発症率を抑えることで健康保険の支出抑制になるというが、国保の保険者は市町村であり、県より、市町村がする事業ではないのか⑥この事業を対象となるのは20歳未満から喫煙をしていた人が想定され、違法行為者に税金で進んで支援していいのか……などなどの理由からです。
平成18年に禁煙治療の保険適用を決めた中医協も、適用すべきかどうか、議論が重ねられていました。総医療費抑制の視点から、効率性、有効性を厳しき審査して、ニコチン依存症として治療を始めるべきなのはブリンクマン指数200以上という線引きがなされていると、厚生労働省の担当官が聞きとりに対して話していただきましたし、当時の中医協の議事録や資料からも、様々な意見があったことが読み取れます。
賛成したベテラン議員は「昨年6月に「鳥取県がん対策条例」を制定した経緯があり、私の意見はわかるが、ここは贅沢でも、若者の禁煙を支援したい」と述べ、別のベテラン議員も「喫煙を始めた年齢が低いほど、合併症の発症率が高く、依存性も強いので、税金を使ってでも治療を促進すべき」と話されました。これらの意見は見解が異なるものの、示唆に富むものです。ところが、ニコチン依存症の治療費助成費であるのに、ある若手議員は「1本でも煙草を吸って、吸いたくなるので必要」というもののありました。医療の問題は感情の流されやすいのですが、きちんとした医学的知見を調べた上での議論が必要だと思います。
結局、賛成は提案した私だけで、否決されました。ですが、本会議に再度提案することはしません。私は副委員長でもありますし、しっかりと議論したうえでの否決ですから、議決責任が私にもあると思うからです。ただ、中医協の水準を超える治療を推奨するのですから、福祉保健部には、治療実績の確認と追跡調査をきちんとして、事業が有効であったかどうか検証をして欲しいと要望し、担当者は「当然、そういたします」と答えていただきました。文句や注文を付けるだけでなく、疑問があれば、今後も提案の修正を含め、実行性のある提案を続けて参ります。
この事業費は、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200未満の人は、禁煙治療を受けるとき、保険適用の対象外となるため、これらの人が治療を受けるときに保険適用相当額を支援しようというものです。
この事業が良い事業か、悪い事業かと問われれば、良い事業だと思います。ただ、非常に厳しい財政状況の中で、実施すべき事業かちえば、私は疑問です。それで、修正を提案しました。
その理由は①喫煙は大人が自己責任でするもので、自己責任で吸い始めた以上、禁煙も自己責任ですべきではないか②税金は喫煙者も、非喫煙者も治めていますが、喫煙者、それも、まだ、呼吸器疾患やがんなど合併症の低い段階の人に対して税金を使うことに非喫煙者の理解が得られるのだろうか③保険適用になっている人で治療を受けているのは、肺がんなど別の病気を発症し、その治療のために、禁煙治療をしている人が多いのが現実で、禁煙を薦める効果があるか疑問④禁煙治療は、禁煙治療中に断念する人が多く、しかも、治療後9カ月の実績では、55%の人が再度、喫煙を始めており、治療実績は必ずしも高いとはえない⑤健康保険の制度的欠陥を埋め、がんの発症率を抑えることで健康保険の支出抑制になるというが、国保の保険者は市町村であり、県より、市町村がする事業ではないのか⑥この事業を対象となるのは20歳未満から喫煙をしていた人が想定され、違法行為者に税金で進んで支援していいのか……などなどの理由からです。
平成18年に禁煙治療の保険適用を決めた中医協も、適用すべきかどうか、議論が重ねられていました。総医療費抑制の視点から、効率性、有効性を厳しき審査して、ニコチン依存症として治療を始めるべきなのはブリンクマン指数200以上という線引きがなされていると、厚生労働省の担当官が聞きとりに対して話していただきましたし、当時の中医協の議事録や資料からも、様々な意見があったことが読み取れます。
賛成したベテラン議員は「昨年6月に「鳥取県がん対策条例」を制定した経緯があり、私の意見はわかるが、ここは贅沢でも、若者の禁煙を支援したい」と述べ、別のベテラン議員も「喫煙を始めた年齢が低いほど、合併症の発症率が高く、依存性も強いので、税金を使ってでも治療を促進すべき」と話されました。これらの意見は見解が異なるものの、示唆に富むものです。ところが、ニコチン依存症の治療費助成費であるのに、ある若手議員は「1本でも煙草を吸って、吸いたくなるので必要」というもののありました。医療の問題は感情の流されやすいのですが、きちんとした医学的知見を調べた上での議論が必要だと思います。
結局、賛成は提案した私だけで、否決されました。ですが、本会議に再度提案することはしません。私は副委員長でもありますし、しっかりと議論したうえでの否決ですから、議決責任が私にもあると思うからです。ただ、中医協の水準を超える治療を推奨するのですから、福祉保健部には、治療実績の確認と追跡調査をきちんとして、事業が有効であったかどうか検証をして欲しいと要望し、担当者は「当然、そういたします」と答えていただきました。文句や注文を付けるだけでなく、疑問があれば、今後も提案の修正を含め、実行性のある提案を続けて参ります。
最初の1本を吸った年齢を調べてみると20歳未満が95%を占めます。つまり、喫煙は自己責任の取れる年齢で始めたものではありません。
女性の喫煙は本数は少ないが、COモニターで見ると高値を示すことが多いです。つまり1本を
しっかり吸うのです。1日4-5本といっても男性の20本に相当することもあります。
特に女性の喫煙で問題となるのは、女性は家庭で吸うことが多いので、子どもへの健康影響が大です。
また、議員は、受動喫煙のことを考えていられない。イギリスのデータですが、喫煙者・非喫煙者の70歳時点の生存率を1900-1909、1910-1919、1920-1929生まれの3グループで比較すると、喫煙者は58・58・57%であったが、非喫煙者は75・80・85%であった。喫煙率が年代とともに下がり受動喫煙を減らした結果と思います。
早く禁煙を支援することは、少ない投資で大きな利益を得られます。多くの人の健康に寄与することにこそ税金は使われるべきです。
煙草も、お酒も依存症であることは間違いないと思います。正直、申しますと大学入学後、喫煙を始めましたから、数か月は未成年でした。それでも、子供が誕生したのを期にきっぱり止めました。小心者なのかもしれませんが、もし、子供が煙草を誤飲したらと思うと、怖くて怖くて……。それが理由です。また、私の友人にも禁煙した人はたくさんいます。止められないと断言することはできないと思います。これが実感です。
次に未成年の喫煙は違法行為であるということです。若い人ほど禁煙すべきだということはご指摘の通りですが、だからと言って、違法行為の尻拭いに県費を使っていいのかという素朴な疑問があると思います。法を破ってまで吸ったのだから、最後まで自己責任で始末を付けるべきではと思ったのです。
最後に受動喫煙の問題です。これはご指摘の通りで、県費を使うとしたら、ここが根拠になると思いますし、受動喫煙者の健康を考えれば、そうかもしれません。私も悩みました。しかし、受動喫煙者のことを考えば、喫煙は喫煙スペースだけで可能とし、それ以外の場所では禁煙とすることの方がいいと思います。公共施設だけでなく、複数の人が出入りする空間は、会社や店舗でも、そうすべきではないでしょうか。
野田さんに教えていただきたいのですが、ご指摘のデータだと喫煙者の生存率が変化しないのに、非喫煙者の生存率が低下したことの理由は、受動喫煙だけなのでしょうか?この資料があれば、読んでみたいので、お教えいただければ幸甚です。
私は喫煙そのものが悪いと思っています。しかし、法律が認めている以上、喫煙する人は自己責任で最後まで対応していただきたいと思っています。法律が禁止する未成年で喫煙を始め、止めようと思うでの税金を下さいということが、いいことなのかどうか。そこが、私がこの制度新設に違和感を感じるところです。今後、制度の運用状況が分かったら報告したいと思いますので、また、議論させてください。ご指摘ありがとうございました。
未成年者喫煙禁止法は、親や監督者,販売者に対する罰則を規定している法律です。親や監督者・販売者が子どもにタバコを吸わせないようにする法律です。子どもがタバコを入手しやすい状況を作っておいて、自己責任を求めるのは筋違いではないでしょうか?
喫煙者は灰皿を見れば、吸いたくなります。
高いお金をかけて喫煙スペースを作ることは
喫煙者の禁煙意欲をそぎます。
非喫煙者のためだけでなく喫煙者の健康のためにも禁煙は必要です。筆者も28年間の喫煙ののち、禁煙できました。禁煙して文句を言う人は、一人もいません。
スコットランドでは、公共の閉鎖空間は禁煙にしました。有名なパブの禁煙です。毎年5%の増加を見せていた子どもの喘息入院が17%減少しました。(NEJ.M.363;1139-1145, 2010)
受動喫煙の防止によって、パブで働く従業員や客だけでなく、その人たちが生活する家庭環境まで良くなったと言えます。
お尋ねのデータは、
Doll, R. et al. BMJ 2004;328:1519
です。
未成年喫煙防止法をつくった根本正は、幼児がタバコを吸うのを見て、上記法律を作りました。体が小さいほど、依存形成が早いのです。
その精神は、自己責任を問えない未成年者に
タバコを入手させないように、喫煙を見過ごさないように大人を規制する法律ですから、喫煙した未成年に罰則規定がないのです。
幼児がタバコを吸う話は以前に聞いた記憶がありますが、衝撃的でした。そのケースは野田さんのおっしゃるとおりだと思います。しかし、大体、タバコを口にするのは中学生か高校生くらいからと思います。もちろん、未成年ですから罰則規定はないものの、ものごとが良いか、悪いかの判断のつく年令ではないでしょうか。
禁煙教育は大賛成です。小さな子にも、きちんと理解できるようにタバコの害を分かりやすく教えてあげることが大切だと思いますし、この点は野田さんの話される通りだと思います。
喫煙は善悪の判断とは、別の次元で論じられるべきです。
ブリンクマン指数200未満の人に対する補助が未成年者に適応されないとすると未成年喫煙者禁止法にはない罰則を鳥取県は科すことになってしまいます。
ですから、未成年での喫煙を肯定する気はさらさらありません。3人の子どもには喫煙の害を説明し、喫煙はさせてません。長男は20歳を超えましたが喫煙していません。家の中でだれも煙草を吸う者がいなかったことが大きかったと思います。
私はブリンクマン指数200以下の人の禁煙治療に助成すること反対した時、その理由として、200以下の人は未成年で喫煙を始めたことを理由のひつとに上げましたが、制度ができた以上は、公平性の観点からも、若年で喫煙習慣ができた人ほど禁煙が難しいという視点からも、未成年適用にこそ活用すべき制度であると認識しており、未成年者の適用に反対はしていません。むしろ、医療関係者も、教育関係者も、この制度を活用して、未成年者の喫煙を根絶するように動いていただければと思います。
野田さんは私の考えを誤解されているように思います。私は禁煙の実践者です。そして、受動喫煙の問題もあるので、パブリックスペースを全面禁煙にするなど今、以上に社会全体が喫煙に厳しく対応すべきだと思っています。そのうえで、県の制度が良い制度か、悪い制度かといえば良い制度だとは思うものの、極めて県財政が悪い中での優先順位を考えれば、税金を投入することに疑問を感じているだけです。ですから、委員会では修正案を提出しましたが、議決責任もあるので、本会議では、この制度を含む補正予算案には賛成をしています。
日本は法治国家です。制度ができ、動きだした以上は、しっかりと活用したらいいと思います。どれくらいの人が利用されるのか、医療機関がどれくらい禁煙治療を薦められるのか、しっかり見守りたいと思っています。
この言葉を聞いて安心しました。
議員のますますのご活躍を祈念いたします。
真摯に議論につきあってくださってありがとうございました。
私たち議員の仕事は議論することです。ですが、それが十分なのか、鳥取県議会も含め、真剣に考えていかなければなりません。私が今回、問題提起したかたのは、多くの議員が良いことであれば税金を使っていいと単純に考えていいか、ということだったのです。大切な税金ですから、優先順位を考えて使おうということです。私は禁煙を継続中ですし、もう、吸いたいとも思いません。そして、煙草は吸わない方がいいに決まっています。では、行政としてどう向き合うべきか。そうした議論をしたかったわけです。
喫煙は害ばかりです。喫煙を認めるとしたら、自己決定権の尊重しかないと思っています。その意味では、喫煙している人に法的拘束力をかけるのは事後法となるので、デュープロセスに反し、違憲の恐れがあるでしょうし、煙草産業で生計を立てている人への配慮もいるので、難しいかもしれません。だったら、10年後に施行する禁煙法を制定するのもいいかもしれません。今、吸っていない子どもたちには、将来も吸わせない。これが立法の趣旨です。ちょっと夢のような話ですが、現実になればいいと思います。