すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

鳥取県学童保育連絡協議会での伊藤さんの講演

2011年06月13日 | 日記
 ツイッターでも少し書きましたが、昨日(12日)、鳥取県学童保育連絡協議会の総会に招かれて参加しましたが、大阪府学童保育連絡協議会の伊藤真美子事務局長の基調講演は良かったです。ほんと、やっぱ現場の力は違うと思いました。

 伊藤さんは学童保育の指導員を23年間なさった後、現職に就かれました。話は指導員時代のエピソードを中心に進みます。
 伊藤さんのニックネームは「どど」というのだそうです。伊藤さんの旧姓は後藤さん。ダウン症でほとんど口を開かなかったやっちゃんが、伊藤さんにじゃれつきながら「どど」と言ったそうです。伊藤さんは、意味がわかならかったそうですが、回りの子どもたちが、「先生の名前を、やっちゃんが呼んだで」と大騒ぎ。それで、「どど」が「後藤」と発音したかったのが分かったそうです。
 キャンプに行って帰ってきた翌日のこと。キャンプの残りをホットプレート肉が嫌いで、ウインナーが大好きなけんた君は、ウインナーだけ30本食べて満面の笑みを浮かべました。伊藤さんは毎日、学童クラブでは作文を書かせていたのですが、けんた君は1行も書きません。しかし、この日はホットプレートにウインナーが並んだ絵を添えて、作文を初めて書きました。「ぬいんなおいしかった。くにまずかった。くにかたかった」。絵は1本だけ、ウインナーがホットプレートの外に書いてあります。けんた君は、落ちたウインナーも食べたからだそうです。
 乱暴者のさとし君が、小さな子に独楽をぶつけました。注意すると、今度は伊藤さんの向う脛に投げつけたそうです。それで、つい手を挙げた伊藤さん。すると、さとし君が言います。「どども、おかんや、おとうといっしょだね」。伊藤さんははたと気が付きます。さとし君にとって、伊藤さんだけが暴力を振るわない見方だと思ってくれていたと。数日後、伊藤さんは手を挙げたことを謝ったそうです。すると、さとし君は、ぶたれてないと言います。そして、言葉を継ぎました。「どつかれても、理由があってどつかれたときは忘れるんねん」
 淀川の土手を5、6年生と散歩していた時、子どもたちが伊藤さんに聞きました。「このまま行ったら、どこに行くんねん?」。「そりゃ、琵琶湖に決まっているやろ」「ほんまに行けるんか」「たたたーと走ったら、すぐや」「だった行こうよ」。この日から、子どもたちの鬼ごっこが変わりました。5、6年生は、下級生をおんぶして走り回っているんです。そして、言いました。「琵琶湖に行くために体鍛えているねん。修行やぞ」。その年の夏休み、子どもたちと伊藤さんは自転車で琵琶湖に向かいました。一列に並んで走る子どもたちの姿は、伊藤さんの人生の中で一番美しい情景だったそうです。このサイクリングには後日談があります。子どもの一人がこけて顔を切ったのだそうです。ところが、この子は、その傷を自慢げに指しながら、下級生に「これは俺の勲章や」と言ったそうです。
 子どものやりたい気持ちを受け止めてやるのか、それを、我儘と切り捨てるかで子どもたちは大きく変わると、伊藤さんは力説します。遊びの中で革命的に子どもたちは変わっていく。毎日子どもを見ているから、その変化に気が付くのだとも言います。「このごろ、どうや?」と、肯定してやることが大事で、この肯定感こそが、人格の幹を形成していくと信じていると伊藤さんは話を終えられました。

 大阪弁まる出しで、ちょっと早口で話す伊藤さん。しかも、思い出を語る時は、ときどき言葉が詰まり、目頭を押さえます。本当に子どもが好きなんだと思いました。私も3人の子どもの父親です。自分がいい親だったのか? 昨晩は自問自答していました。



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2 コメント

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Unknown (ろびゅ)
2011-06-15 13:14:51
こんにちは。
私も三人の子供の父親です。いい話をありがとうございます。
うちの長男も、「骨折らんかったらいいが(^.^)」と毎日のように、擦り傷を私に自慢してきます(笑)
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もったいない (すなば隆浩)
2011-06-17 08:35:22
ろびゅさんの言われる通りで、伊藤さんの講演は、もっと多くの人に聞いて欲しいなと思いました。
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