すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

代表質問ー8 元気な未来づくりをやらいや① 壇上での質問

2014年12月24日 | 日記

代表質問は第二部「元気な未来づくりをやらいや」に移ります。元気な未来をつくるとは、県内の経済や産業が活況を呈していないと地元企業が元気とはいえませんし、雇用が質量ともに充足されていないと家庭が元気とはいえませんから、経済成長策を考えることに他ならないと思っています。今回はピピケティの「21世紀の資本論」をベースに議論したいと思っています。

二、「元気な未来づくり」をやらいや

3番(砂場隆浩君)(登壇)引き続き質問をさせていただきます。

1.「21世紀の資本論」の提起したもの

 議長のお許しを得ましたので、壇上に持ってまいりました。議員の皆さん、この本を御存じでしょうか。フランスの経済学者、トマ・ピケティが書いた「21世紀の資本論」です。ここにノーベル経済学賞を受けたポール・クルーグマンがニューヨークタイムズに書いた書評が出ていますが、ことし、そして恐らくこの10年間で最も重要な経済学書というふうに絶賛をしております。ニューヨーク、アメリカのほうでは、ベストセラーにもなっていますが、英語力がないので間違っているかもしれませんが、この本の書いている意味するところは、18世紀以降2つの大戦とその復興期を除き、資本収益率が経済成長率を上回った結果、富は資本家に蓄積され、格差が拡大し続けてきた。その結果、社会や経済を不安定にしたのだと。累進課税制度の強化など富裕層に課税を進めていくべきだというのが、どうもこの本の趣旨のようです。しかし、2つの大戦後の復興期には経済成長が大きく伸び、政府の諸施策とも相まって、格差が縮小されているとピケティさん自身もこの本の中で書かれているのですね。この視点こそ私は大事だと読んで思いました。イノベーションを起こして鳥取の経済の未来を元気にして、豊かな鳥取を創造したい、その視点から幾つか提言をいたします。

①フードバレー構想で「食のみやこ」を建都しよう

 昨年11月の定例会でフードバレー構想を提言をいたしました。平井知事には御賛同をいただき、とっとりフードコンソーシアムが設立されましたし、今年度予算ではフードバレー戦略事業として1億68万円が計上されております。フードバレー構想は、大きな雇用を生む可能性があるだけではなくて、実際に加工販売するのは中小企業の皆さんにお願いできますので、これがフードバレーのよさだと私は思っています。そしてフードバレーの本質は、研究機関を中心に、食という分野を先進科学で切り開いて、食品産業にイノベーションをもたらすことにあります。国内にも実は栃木県、熊本県南部、北海道の十勝・帯広地方などではフードバレーを掲げる地域がございます。しかし、よくよく話を聞きますと中心は市場開拓であったり、観光のコラボであったりして、先進技術にフォーカスしないように思えるのですね。翻って県内を考えてみますと、鳥取県産業技術センター食品科学研究所を初め氷温研究所や菌蕈研究所などユニークな食の研究機関が非常に頑張っておられます。鳥取型フードバレーの方向性は、ワーヘンニンゲンと同様に研究開発型で進むべきだと思いますし、それが可能だと思います。知事のお考えをお聞かせください。

 そしてその中心となるのは、やはり産業技術センターの食品開発研究所の強化だと思います。このたびも強化がなされましたが、さらなる強化が必要だと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。

 フードバレー構想を考えるとき、農林水産業の振興は不可欠です。内田議員の代表質問と重複を避けるために、農業問題についてはちょっと切り口を変えて議論をしたいと思います。鳥取県の年間日照時間は 1,726時間で、47都道府県中、41位と、少ないです。全国平均が 1,927時間ですから、1割以上も少ない計算になります。降雪量は 214センチで10位。全国平均の 101センチの倍以上あります。雪が多くて日照時間が短い、農業の不利益地域と言ってもいいかと思います。こうした不利益な条件をはね返すことができる農業の一つが人工光源で栽培する植物工場です。鳥取県内では昨年1月、鳥取市雇用創造協議会がまちなか植物工場を開設され、ことし1月には、東京のIT企業、インフォメーション・ディプロメントが愛ファクトリーを設立し、青谷町の旧日置小学校校舎で植物工場の稼働が始まりました。

 そこで、先進的植物工場施設整備費補助事業に採択され、植物工場研究のトップを走る明治大学植物工場基盤研究センターを会派希望(のぞみ)で訪ね、池田センター長からいろいろお話を伺いました。池田先生のお話では、植物工場の栽培技術は既に確立しており、難しいことではないそうです。この日に、これだけ収穫するという完全な計画生産ができるので、ホテルや外食チェーンと契約栽培が可能です。葉物中心で収穫期が短くて、しかも日銭が入ります。初期投資を抑えることができればかなり有力な農業の手段だそうです。

 ところが、固定資産税評価ですが、土地の評価は地目別に行われ、農地は田または畑として、工業用地は個別の利用実態に応じて宅地として評価されます。総務省から通知された平成26年度提示平均価格は、鳥取市の場合、田んぼは1平方メートル当たり 122円、ところが宅地は1平方メートル当たり2万 1,942円と、 180倍も違います。池田先生は、福井県などで栽培指導に当たっておられますが、植物工場を農地並み課税にしてほしいという声をよく聞かれるそうであります。経営支援課にお聞きしますと、水耕栽培、鉢植え栽培、シイタケのほだ木栽培など、土地の上で農産物の生産を行っても、耕作や堆肥管理が行われていない場合は農地としては扱うことができず、植物工場を農地として課税するのは難しいということでした。池田先生は、農地並み課税ができれば全国からそれこそ鳥取にたくさん進出する可能性があるとおっしゃっておりました。そこで、植物工場用地を農地並み課税にする植物工場特区を提案をしたいと思いますが、いかがでしょうか、知事の所見を伺わせてください。

②「新産業創造で県民所得日本一目指そう

 フードバレー構想は、食品業界だけのイノベーションにとどまりません。農水産物をベースに、医薬品や化粧品など幅広い新商品開発を射程に入れることが可能であります。鳥取県経済再生成長戦略は、昨年の改定で新たに創薬イノベーションを導入いたしました。とっとりバイオフロンティアでは、クロモセンターがヒト化マウス、ジー・ビー・シー研究所が発光マウスという創薬支援ツールの開発を今支援されておりますが、この創薬は非常におもしろいと思います。

 先月中旬、境港にある海産物のきむらやさんを訪問いたしました。モズクから抽出されるフコイダンという物質に注目しておられ、2008年10月には鳥取県産業振興機構の次世代産業育成事業に、さらには2011年10月には地域資源活用事業に採択され、鳥取県産業技術センターや鳥取大学、島根大学と連携をして研究が進められています。抗がん剤の副作用抑制、抗がん作用、血栓の溶解、抗菌、酸性尿の改善などさまざまな効果が確認されており、抗がん副作用の抑制では薬剤特許も取得されております。特許は、12件取得あるいは申請をされております。 しかしながら、商品化はされているのですけれども、食品扱いのため薬効をうたうことができないのですね。2010年に始まった鳥取県の美容健康食品創出支援事業は、4件の研究を支援をしております。鳥取県の伊福准教授と進めておられますカニ・梨由来ナノフィイバー研究は既に5件の特許を申請していますが、うち2件は潰瘍性大腸炎の治療薬というものだそうです。ですが、これもやはり医薬品としての承認を受けていないのです。

 実は厚生労働大臣の製造承認を得るためには動物実験を用いての薬効や副作用の確認など非臨床試験に普通は3年から5年、そして3段階の臨床試験がございまして、これにはトータルで3年から7年、そして中央薬事審議会の承認審査には2年から3年という長い時間がかかり、この間の投資は莫大なものになります。県内の地場中小企業や創業間もないベンチャー企業には手に負えない分野だと今まではされてきました。ですが、バイオマスフロンティアのクロモセンターやジー・ビー・シー研究所、カニ・梨由来のナノファイバー、そして今話しましたきむらやさんのフコイダンと本当におもしろい地域資源があるのにもったいない話だと私は思っています。そして厚生労働省は今、薬の早期承認に向けたさまざまな改善と取り組んでおります。知事には、きむらやさんやバイオフロンティアに足を運んでいただいて、自分の目で確かめていただきたいと思います。そして参官学金のメディスンコンソーシアムを立ち上げ、政府系ファンドや県民債なども利用してこの莫大な資金調達を応援してあげてほしいと思います。メディスンバレーというのはどうでしょうか。知事の所見を、お考えをお聞かせください。

 フードバレー構想に加え、まんが王国で目指すコンテンツ産業の育成も本県の産業振興には大きなインパクトがあると考えています。今度倉吉に進出してこられるグッドスマイルカンパニーは今、注目を集めるスカイツリーに本社を構えておられました。ここを会派希望(のぞみ)の横山会長と行ってまいりました。そこでおもしろいことを聞いたのですが、コンテンツそのものを創造するのか、それともコンテンツの商品化で産業化するのかというのは全然違う問題だということであり、その方向性を鳥取県も明確にしたほうがいいのではないかというサジェスチョンをいただきました。鳥取県は、コンテンツ産業の育成についてどちらの方向性をお持ちなのか知事の所見を求めます。

③地元企業を支え、完全雇用を実現しよう

 地場産業を支えるためには、商品開発、販路拡大、資金繰り、人材の育成など各段階できめ細かな支援が重要だと私は思っています。その各段階での細かな支援の重要性について知事はどのように認識されておられますでしょうか、お聞かせをください。

④大交流時代を到来させ観光立県を実現しよう

 次に、大交流時代について考えたいと思います。鳥取に大交流時代を到来させるのは、スカイマークの米子就航とDBSクルーズフェリーの境港就航だと思います。その継続発展を願って何点か提言をさせていただきます。

 期待を集めたスカイマークですが、搭乗率の低迷で札幌便と成田便は運休となり、羽田便も神戸乗り継ぎ便となりました。本当に残念だと思っております。そこで、会派希望(のぞみ)で羽田空港近くにあるスカイマーク本社に西久保社長を訪ね、意見交換をしてまいりました。まず、西久保社長からは鳥取県にはさまざまな御高配をいただき感謝をしていると謝辞をいただきましたので、平井知事初め関係者の皆さんにお伝えを申し上げます。そして、羽田便は来年3月までには必ずに復活するとの明言もいただきました。その西久保社長が一番気にしておられたのが、沖縄便の搭乗率であります。他社の他の空港に就航している沖縄便は実は好調で、米子-沖縄線がこんなに苦戦するとは思わなかったそうです。長距離線がペイすることが米子を拠点空港として維持する上では大きいとも話されておりました。修学旅行など団体客での利用があれば、搭乗率の下支えになるとも話されておりました。

 私は記者時代、取材で何度も沖縄を訪れております。首里城など5つのグスクと4つの関連施設が世界遺産に指定され、本当に豊かな自然に恵まれています。加えて、鉄の嵐と言われた激しい艦砲射撃を受け、国内で唯一、市民を巻き込んだ大規模な市街戦が展開された土地であります。そして、今なお米軍基地の多くが点在をし、平和教育には、またとない地域ではないでしょうか。集団的自衛権の行使容認が閣議決定をされ、日本がいつか来た道を歩きそうではないかと心配になる昨今、若者たちにぜひとも訪れてほしい地域だと私は思います。

 県教委に調べていただいたところ、県内から沖縄へ修学旅行に行ったのは2013年、2014年とも中学校が各12校でした。高校や小学校はないとのことでした。そして利用したのは岡山、神戸、伊丹、関空の各空港です。いずれの空港からもANA便及びJAL便の通常料金は片道3万 8,400円、一方、スカイマークは神戸便が2万円、米子便は1万 9,000円です。スカイマークの米子便は経済的な有利性がございます。米子便は 177席のボーイング 737- 300型機が就航しており、座席数の心配があるかもしれませんが、西久保社長は大規模の修学旅行で 177席で足りないときは、御相談をいただければ座席数 271のエアバス 330- 300型機に機種変更したり、2機を5分間隔で離陸させるなど最大限鳥取県に協力をしたいと話していただきました。

 スカイマーク便を使った沖縄への修学旅行を各校に提案をし、実施校に対しては何らかの支援策を求めていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。こうした提案をしますと、教育に商売を持ち込むかとおしかりを受けそうですが、小さな県です。教育だ、商工だと垣根をつくるのではなく、みんなで一つ一つの政策を支えていくことが大事ではないでしょうか。知事、教育委員長の考えをお聞かせください。

⑤NPOを地域経済に柱に育てよう

 NPOを私は地域経済の柱に育てたいと願っております。県内のNPOは年々、順調にふえ、ことし9月には 254団体を数えるまでになりました。県民みんなでつくり上げるためのガイドラインを作成され、県民活動センターを立ち上げられました。これは午前中の答弁でもいただきましたが、そして僕は大事なことは、担当職員の皆さんに本当に親切にしていただきました、お世話になりましたというのを昨年NPOを立ち上げた方からお聞きしたということです。こうした職員の皆さんの地道ですが、誠実な対応がNPOを増加させたと思います。関係職員の皆さんの努力に感謝をしたいと思いますし、引き続きの御努力もお願いをしたいと思います。

 総務部長が昨年10月16日、平成26年度当初予算編成等に当たっての留意事項という文書を出されています。そこにはNPOとの協働連携事業を立案する場合は、所要経費の精算において、実施する事業の内容に応じて人件費を的確に見込むことのほか、事業実施に当たっての諸手続などが相手方に過度な負担を課すことない仕組みを検討することということを記載されています。NPOとの協働のための配慮だと思います。本当にありがたく、高く評価したいと思いますが、この意識が全庁的に浸透しているのかどうか私は疑問に思うケースを幾つかお聞きをいたしました。NPOが経済主体となれば地域経済を元気になる主体となります。知事の所見を求め、以上で第2部での壇上からの質問とさせていただきます。よろしくお願いします。

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