受難の日

ととろにとって、今日は一年で一番嫌な日です。
今日は平成１８年度犬登録・狂犬病予防注射の日。
１０日程前に、この葉書が届きました



生後９１日以上の犬の義務だから、平成３年に初めて経験
その時は何も解らないまま、スムーズに終わりました。
翌年は注射の最中に、後へさがりだし、注射の針が抜けたため、二度注射される羽目に…

　注射を見たら、犬が怯えるから、股に犬の頭を挟んで、見えないようにすればいい
　人前で、スカートなのに、そんな事出来ない
　女は無理だ犬がバカにする来年からワシが連れて行く
義父と私の会話ですが、義父の言葉にムッとしたけど、連れて行ってもらえるのなら、仕事を途中から抜けなくていいし、グッと堪えて、お願いした。

次の年の注射の前日、義父に聞くと、連れて行ってくれるとの事で、お金を渡して、頼んでおいた。
その時の獣医さんは、白衣を着ていなかったため、そばへ来ても、気づかずに注射されたそうだ
義父は鼻高々に、『やっぱり、ワシでないと駄目だ』

注射も４回目になると、犬にも学習機能が出来る。
ととろ　　義父のバトルが始まった。
集会所の手前の角で、ととろが動かなくなった。
体重１１kgだから、引っ張れば引き寄せる事が出来るし、私より義父の方がはるかに強い。
だが、ととろは頑として動こうとしない。
ととろ優勢のようにみえたが、義父の逆襲が始まった。
義父は手招きして、獣医さんを呼んだ
獣医さんは注射片手にやって来て、そこであえなく注射された

夕方仕事から私に、ととろはワンワンと訴える
私が帰るのを見計らって、義父もやってきて、『こいつは注射をさせない』と、左右から両者が訴える
この光景は、毎年我が家の四月の風物詩となり、十年続いた



今年は私が連れて行く事にした。
動かなくなった時のために、前日に本家から台車も借りたけど、少し前にポロポロしたので、車で行く事にした。
久しぶりに乗る助手席は、居心地悪そうで落ちつかず、あの場所に来ると、辛く寂しそうに泣いた
集会所の前は、ごった返していたので、駐車場へ車を止めても、なかなか降りようとしなかった。

降りた後は、素直に歩き、大人しく注射をさせた。
沢山の犬が来ていたが、どの犬も嫌がって、飼い主さんたちは四苦八苦していた。
注射が嫌いなのは、どの犬も一緒みたいで、今日のととろはお利口だった

帰る時も車に乗りたがらず、車の中で、私に向かって、ワンと力強く吠えた。
家に着いてもなかなか降りず、辺りを見回して安心したのか、降りた後は散歩を要求した。
散歩から帰ると、好物のスルメを食べた。

　そんな顔しないでね

主人は、時々ととろと呼ばず、『トロ』と呼ぶ事がある。
最近、お気に入りのピンクの毛布を駄目にしてしまったので、黄色いトラ柄の毛布になった。
さっき覗いたら、トロトロちゃんが、トラトラちゃん毛布の上で、スヤスヤと気持ち良さそうに、お昼寝していた。