小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

古井由吉 「雪の下の蟹」

2006-01-21 23:50:57 | 小説
大学教員となり、金沢で下宿する「私」が、記録的な豪雪の中で経験する、自分と人々の、いくばくか変調を来たした精神状態を描いています。
鬱屈した心が以前に見た、海底を這い回る蟹の姿の幻想が、象徴的に再び現れます。
初期の短編ですが、既に、古井由吉の特質がよく出ていると思います。
講談社文芸文庫「雪の下の蟹・男たちの円居」(品切れ)で、41ページ。
雪の下の蟹;男たちの円居

講談社

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