小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

カール・マルクス 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日[初版]』(平凡社ライブラリー)

2012-11-11 22:05:20 | 評論・批評
アメリカ大統領選は終了して、日本では解散風が強まっているようですね。

代表を選ぶ選挙によって民主主義が行われることになっていますが、投票した人にとっては、どうも思ったようになってないということも多いのではないでしょうか?

本書は、男子普通選挙が行われた共和制下のフランスで、ルイ・ボナパルト(ナポレオン3世)のクーデターが成功し、国民投票で圧倒的支持を得たのはなぜかということを考察しています。
経済的状況に基づく各階層の人々の思惑、代表するものと代表されるものとのズレ、など様々な側面が浮かびあがってきます。

冒頭の有名な一節
「ヘーゲルはどこかで、すべての偉大な世界史的事件と世界史的人物はいわば二度現れる、と述べている。彼はこう付け加えるのを忘れた。一度は偉大な悲劇として、もう一度はみじめな笑劇として、と。」(植村邦彦訳)

古いと思わずに一度読んでみるとなかなか面白いです。
歴史は繰り返す、とも言われますし。

ルイ・ボナパルトのブリュメール18日―初版 (平凡社ライブラリー)
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平凡社
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