以下、まとめ。
・赤面症をもっているかぎり、彼女は「わたしが彼とお付き合いできないのは、
この赤面症があるからだ」と考えることができます。告白の勇気を振り絞らずに済むし、
たとえ振られようと自分を納得させることができる。そして最終的には、「もしも
赤面症が治ったらわたしだって・・・・・・」と、可能性のなかに生きることができるのです。(P65)
・そしてその無力な状態から脱したいと願う、普遍的な要求を持っています。アドラーは
これを「優越性の追求」と呼びました。(P79)
・あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのです。(P86)
・そして最後にもうひとつ、自慢に関する複雑な事例も挙げておきましょう。
劣等感そのものを先鋭化させることによって、特異な優越感に至るパターンです。
具体的には、不幸自慢ですね。(P88)
・ええ。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。(P89)
・いえ、単なるライバルではありません。いつの間にか、他者全般のことを、
ひいては世界のことを「敵」だと見なすようになるのです。(P96)
・あなたが変われば、周囲も変わります。変わらざるを得なくなります。
アドラー心理学とは、他者を変えるための心理学ではなく、自分が変わるための心理学です。(P114)
・曰く、「貨幣とは鋳造された自由である」と。ドストエフスキーの小説に出てくる言葉です。(P129)
・自分への執着(self interest)を、他者への関心(social interest)に切り替えていくのです。(P181)
・たとえば彼が、一片のパンを買う。対価として1枚の効果を支払う。そこで支払った硬貨は、パン職人たちに
還元されるだけではありません。小麦やバターの生産者たち、あるいはそれらを運んだ流通業者の人たち、
ガソリンを販売する業者の人たち、さらには産油国の人たちなど、さまざまな方々に還元されているはずだし、
つながっているわけです。人は共同体を離れて「ひとり」になることなど絶対にありませんし、できません。(P191)
・そこで覚えておいてほしい行動原則があります。われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、
出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。(P193)
・(哲人)課題に立ち向かうのは本人ですし、その決心をするのも本人です。
(青年)ほめるのでもないし、叱るのでもない?
(哲人)ええ、ほめるのでも叱るのでもありません。こうした横の関係に基づく援助のことを、
アドラー心理学では「勇気づけ」と呼んでいます。(P202)
・たしかにその観点から考えると、寝たきりのご老人は周囲に世話をかけるだけで、
なんの役にも立っていないように映るかもしれません。
そこで他者のことを「行為」のレベルではなく、「存在」のレベルで見ていきましょう。(P209)
・このときのアドラーの答えはこうです。
「誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。
わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。」(P212)
・やはり、共同体感覚です。具体的には、自己への執着(self interest)を他者への関心(social interest)に切り替え、
共同体感覚を持てるようになること。そこで必要になるのが、「自己受容」と「他者信頼」、そして「他者貢献」の3つになります。(P226)
・巨万の富を得たのちに慈善活動に尽力する富豪たちもまた、自らの価値を実感して、「ここにいてもいいんだ」と確認
するために、さまざまな活動をおこなっているのです。(P239)
・つまり他者貢献していくときのわれわれは、たとえ目に見える貢献でなくとも、「わたしは誰かの役に立っている」
という主観的な感覚を、すなわち「貢献感」を持てれば、それでいいのです。(P252)
・承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がない。(P254)
・(青年)共同体感覚さえあれば、承認欲求は消えると?
(哲人)消えます。他者からの承認は、いりません。(P255)
・特別によくあろうとすることも、あるいは特別に悪くあろうとすることも、目的は
同じです。他者の注目を集め、「普通」の状態から脱し、「特別な存在」になること。それだけを目的としているのです。(P258)
・そこでアドラーは「一般的な人生の意味はない」と語ったあと、こう続けています。
「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」と。(P278)
・(哲人)「わたしの力は計り知れないほどに大きい」ということです。
(青年)どういうことでしょうか?
(哲人)つまり、「わたし」が変われば「世界」が変わってしまう。
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない、ということです。(P281)
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、デカイお話であるが、地に足ついていると思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます