週五日記

ボチボチがんばります

貧困と思想 の続き

2011-01-14 08:50:35 | Weblog
吉本隆明さんのこの本は、

『買い』だと思う。

昨日の続きの『第二次産業革命』についての

語りと対置して語られている、いわゆる『思想』の部分も

刺激的。

その『思想』を語る前段階で、御自身のことを語っているところで、

自分がすべてを語ってしまうと、世界から見離されて、孤独になってしまうのではないか?

と思っていたというところが、なんとも切実に、かつ、赤裸々な語りで、

インタビュワーの方(高橋順二さん)の吉本さんへの理解と愛情が深く、

すんごい話が展開しており、『関係の絶対性』という吉本さんの有名なキーワード

をめぐる対話が、全て理解は出来てないが、刺激を受ける。

『富める者』と『貧しい者』の、なんともならない『関係性』。財産の有無が、

身体を快適・不快にするというレベルでなく、『どうしようもないくらい』に『心』まで

も完膚なきまでに打ちのめされて、もう『一生』どうにもならない『関係性』

ということか?と個人的に考えた。自分も貧しかったので、なんか『かわいくない』

アラフォーになったのかもしれないな、とも思う。


『関係の絶対性』を考える上で、吉本さんは、文学、宗教、社会経済を『身近なところから』

考え抜いてきたのだろうか?


あと、太宰さんと坂口さん、いわゆる無頼派について、現在でも読まれていて、

現在そのような無頼派を引き継いだ作家がいないのは、人生そのもので『語り』、

その人生そのものが『宗教性』をおびているからではないか?というのが、

刺激的であった。


自分は1970年代のロスジェネで、この本が、そのロスジェネを対象としているからかも

しれないが、自分たちの世代を代表する作家さんは、『村上龍さん』と『村上春樹さん』

で、『高度経済成長』のなかで、『関係の絶対性』が希薄で、世代全体が右肩上がりで、

激しい貧困はなく、その『高度経済成長』にあわせた『文学』がうまれて、それを『享受』

してきたのかな?と思う。


でも『焦げ臭い匂い』は、『宝島』から、『ほんのり』匂ってたな、

でも『宝島』は、ちょっとマニアックか?
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