週五日記

ボチボチがんばります

沈む日本を愛せますか

2011-01-05 09:10:29 | Weblog
内田タツル×高橋源一郎の対談本。

正月本として。かなりぶ厚い。

ハズレかな?と思いきや、

かなりはまってしまった。


自民党を語ろうとする時、何から、あるいは、何を語ればいいのか?

政治イデオロギーや、政治信条といったものが『無い』との指摘。

55年体制を考えた場合、自民党だけで、日本を切り盛りしてきたと

いうよりも、社会党と相対的な距離感を保ちながら、有利なポジションを

選んできて、野党も含めて『日本の政治』を持ちつ持たれつ、運営してきたのではないか?とい

う指摘。なるほど。


ただ、イデオロギーや信条がない分、『生活実感』に根ざした政治で、いや、むしろ、

日本人全体で日本を運営してきたので、そもそも自民党が良かったというよりも、

『まあ、自民党なら薬にも毒にもならないな、』という感覚での55年体制だったのではないか?

経営学の本にもあったが、『集団』で行動するために、個人主義の欧米のように、『哲学』

や『信条』が必要ない。それよか、魚の群れのように『集団』が一定方向に走る事が

むしろ、すんごい統治システムなわけで、なんとも政治も、組織も『日本的経営』なんだなあ。、と改めて。


しかし、政権交代した民主党であったが、


『さよなら自民党、こんにちは自民党?。』に象徴されるように、中身変わらず。

つまり、民主党は、単なる自民党の生まれ変わりではないか?と。


小沢さん論も、おもしろい。

政権交代前に、確かビールケースの上に立って、小さな農村で演説しているのを見たが、

まさに、あれこそが、パフォーマンスでなく、小沢さんの真骨頂であり、

まさに東北の農村を『傷だらけ』で守ることに全力なのが小沢さんの凄みをうむのだろう。

田中角栄さんの教えを引き継ぎ、選挙区の全員に会うぐらいの覚悟で、選挙区の方の

叱咤激励を全身で浴びてこい、というところが『強み』かもしれない。マスコミでチャーチャー

口先だけでしゃべる政治家とは、明らかに違う。そりゃ、『強い』わな。



この本全体を通して、『口語体』で政治を語ろう、というメッセージがあり、

成功している。こんな風に政治を知りたかった。インタビュワーが、渋谷陽一さんというのも

オツであった。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする