会社の所有者というテーマについて書いていますが、本当に所有ということはあり得るのでしょうか?
わたしは企業の創業経営者の引退後、経営者の晩年について関心があり、機会があれば、経営者の周囲にいた人の話を聞くようにしています。 経営者自身が出版した本などより、経営者の周囲にいた人が見た「行動」が真実を伝えているように思います。
ダイエーの創業者、中内功氏は、大阪の『主婦の店ダイエー薬局』を、小売業売上高トップにまでに成長させた大実業家です。
晩年は、90年代以降の土地下落に伴う凋落から、2001年ダイエーを退任。 中内氏は2005年、私財を投じて設立した流通科学大学を訪れた後、神戸市内の病院で死去。 既に私財を全て売却処分、自宅は差押となっていたため、一度も亡骸を自宅へ戻すことなく、大阪市の菩提寺に搬送されたといいます。
流通業界出身初の勲一等瑞宝章を受章、「流通王」と呼ばれた中内氏自身が晩年、「消費者が見えなくなった」と嘆いていたそうです。 なぜそんなことが起こったか?
橘玲氏は 「貧乏はお金持ち」 (講談社) で、中内氏は「会社を自分の分身と見なしていた」と記しています。
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