情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

グリーンピース「横領」鯨肉「窃取」事件で、鯨肉所有者らの証言はちゃめちゃ、そして注目のDNA鑑定は…

2010-05-27 06:42:09 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 グリーンピース「横領」鯨肉「窃取」事件は、いよいよ、大詰めを迎えようとしている。6月8日が論告・求刑、弁論だ。それに向け、先日行われた、鯨肉を自宅に送った船員とその船員に鯨肉を贈与したという船員の尋問調書が届いた。改めて、船員らの証言にあきれるとともに、横領問題を不起訴とした検察庁の見識に疑問を呈したい。

 この事件は、グリーンピースのメンバーが宅配中の段ボール1箱を確保し、中から鯨肉(ウネス)10本を発見したというものだ。グリーンピースのメンバーは、この鯨肉は、船員が勝手に船から持ち出したもので、税金を投下した事業における業務上横領であると主張している。

 これに対し、捕鯨船から降りた際に、鯨肉を宅配業者に自宅に送らせた船員(●さん)は、それらは同僚4人からもらったものだと主張した。ところが、「正規のおみやげ」なるものが一人2本であると発表されたことから、数が合わなくなったためか、この船員はもらった鯨肉はもともとは5本でそれを2分割し、10本にして送ったとの説明をした。先日の尋問では、その筋書きが破たんした。

 その日の午前中、まずは、鯨肉を贈与したという同僚(◆さん)の尋問が行われた。この船員は取り調べ段階で作成した調書とは違うことを話し、われわれを驚かせはしたが、少なくとも、鯨肉を1本上げたという点は筋をとおした。

◆さんは

「私は●さんに1 本やりましたけれども。」

と答えたのだ。


そして、午後、その●さんが登場した。

弁護人「じゃあもらった人を挙げてください。」

●さん「もらった人の名前ですか。

弁護人「はい。」

●さん「名前は… 名前は◎さん, それと…○さんかな, それと・・・もう一人, もう一人だれだつけな… えっと… 名前はちょっと思い出せない。ニックネームは分かりますけど。」

弁護人「ニックネームでいいよ。」

●さん「□っていう名で。」

弁護人「男性でしょ。」

●さん「はい, 男性です。」

弁護人「男性で□っていうニックネームの人がいるんですか。」

●さん「一応。」

弁護人「あとは。」

●さん「あとはいません。」

…え、4人じゃなかったのか?それも午前中に尋問に出てきた人の名前を覚えていない…

弁護側は、この後3人であることを確認し、この件についての質問は終えた。

弁護側はそれでよいが、検察官は終われない。

弁護側終了後次のように質問した。


検察官「今回畝須をわけてもらった船員の方の名前についてなんですけれども, ◆さんという方はいませんでしたか。」

●さん「いいえ。」

検察官「◆さんが午前中の公判で, あなたに1 本渡したっていう話してたんですが, 記憶にありませんか。」

●さん「… もらってないと思いますけど。」


…傍聴席、ざわめく…。鯨肉がお土産だったというストーリー自体の信ぴょう性が破たんした証言だった。



そして、さらに、2分割について、弁護側は次のように聞いた。

弁護人「こちら側の取られたやつっていうのは人からもらったやつを2個にした, それ間違いないですか。」

●さん「全部全部2個です。」

弁護人「全部2個にしたんですね。」

●さん「はい。」

弁護人「そうすると, もし現物をチェックして, そこに切った跡がなかったり, あるいは大きさが2個そろっているのがなかったりしたら, あなたが言ってることは。」

●さん「大きさの2個って。」

弁護人「縦の長さはそろってるはずですよね。」

●さん「はい。」

弁護人「縦の長さがそろってるものがなかったら, あなたが言ってることは嘘っていうことになりますね。」

●さん「はい, なりますね。」

弁護人「あるいは, D N A 鑑定をして, 奇数, 頭数が奇数, 個数(が奇数)であったら, あなたが言ってることは嘘になりますね。」

●さん「はい。」

近く、DNA鑑定結果が裁判所に提出される予定だ。

結果は…。







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