NHKは政府の御用機関化していないことはない（２重否定）

松田浩著「ＮＨＫ」（岩波新書）によると，１９６９年１１月に日放労（ＮＨＫ労組）が「放送の自由を守る月間」運動の一環として放送職，記者職の組合員役２５００人を対象に「客観的にみてＮＨＫは政府の御用機関化はしていない」という質問に対し，「ＹＥＳ」（つまり御用機関ではない）と答えた人は４．０％，「ＹＥＳに近い」と答えた人は７．９％であった。逆に「ＮＯ」（つまり御用機関である）と答えた人は２３．６％，「ＮＯに近い」と答えた人は５９．６％であった。答えの誘導を避けるために質問を否定形にしたうえでのこの結果だ。

この種の調査はその後行われていないというが，できればいまの時点での数字を知りたい。現執行部の英断を期待したい。

上記調査が行われたのは，ジャーナリスト出身の前田会長の時代だ。上記「ＮＨＫ」によると，前田会長は，佐藤栄作首相が選挙対策でラジオ受信料廃止を一方的に打ち出した際に，「法の精神を無視した決定は間違っている。滑稽千万だ！」と啖呵を切って政府に反論したという。そういう人物がトップでいる時代ですら，上記のような数字だ。
いま調査すればその結果は明らかだろう。でも，だからこそ，やらねばならないこともある！