情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

難民情報提供問題の委員会答弁が掲載されています

2005-06-25 21:19:10 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
難民申請者について、母国への情報提供が危ぶまれた法改正について、衆院法務委員会の議事録がアップされたので、照会します。少し長いですが、お約束の、南野法務大臣とのからみもあります。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
付帯決議も最後につけます。

○山内委員 この法案につきまして附帯決議をつけさせていただこうと思って与党の皆さんと協議をさせていただいたんですが、今、日本の憲法の改正の議論がなされておりまして、その中に、プライバシーの権利、環境権を書き込もう、知る権利を保障しよう、あるいは自衛権を憲法上明記すべきじゃないか、自衛隊の国際貢献について法的根拠を与えるべきじゃないか、そういう論点がございますよね。
 そういう大きな論点の中の一つに、やはりプライバシーについては書き込んで尊重していこうと。特に、日本ではその権利について十分に保障されていなかったという議論もございまして、憲法にもし書き込んだとしたら、それは日本人だけではなくて諸外国の皆さんについても人権として保障していこうという議論が今なされているわけです。
 ですから、プライバシーについては、本人の放棄をするという合意があって初めて外国との情報を提供しようというようなことをすべきだと私は思うんですね。それがまさに、UNHCRが日本に勧告をしている内容の一つでもあると思うんです。それを、国連難民高等弁務官事務所の指導とか、そういう提言の精神を生かしてというような一文を附帯決議で入れていただきたいということも強くお願いしたんですけれども、与党の皆さんから、それは書き込めない、約束できないと言われてとても残念な思いをしているんです。
 今、私の方で話させていただきましたけれども、個人については特に事前の合意を求めていくという形で情報提供をしていくということについては、ぜひ考慮していただきたいと思っています。
 ところで、難民申請者から聞かれた情報についても、これは相手国の要請があれば、住所、氏名とか、先ほど増原政務官がおっしゃったようないろいろな情報を相手国に提供される考えなんでしょうか。
○滝副大臣 出入国管理及び難民認定法の六十一条の九の条文によれば、一般的に規定をしているように表現されているわけでございますけれども、当然、難民条約の制約がかぶってまいりますから、法務省としての扱いは、今度のこの改正、新しい条文を入れましたけれども、それがそのまま動くわけではございませんということで、当然、従来からこういう難民条約のルールに従って法務省としては事務を処理しているつもりでございますので、今後とも、これによって難民の本国に、出入国管理法に従ってストレートに情報が行くということはあり得ないと思っております。
 したがって、その問題はこれからも同じというふうに御理解をいただきたいと思います。
○山内委員 そうすると、難民申請者からの個人情報については、相手国には情報提供をしない。そういう国際的な基準と全く反する、あるいはUNHCRがマンデートとして難民認定した人についてまでも日本は世界でも類のない強制送還をしたという事実もあってかなりの批判を受けられたわけですから、難民申請者からの情報については絶対に相手国には提供しないということを大臣の口からもお願いしたいと思います。
○南野国務大臣 UNHCRとの協議の上で、今も話を進めております。いろいろな事例がございますが、そのことについては、なるべくその個人の問題を考えながら、また、UNHCRの意見を尊重しながらやっていこうという体制でございます。
○山内委員 大臣の発言は副大臣の発言より後退しているんですよ、全く。なるべくなんという話はないんですよ。大丈夫かな。難民条約に違反するんですよ。だから、しちゃいけないんですよ。それを副大臣は言われたんですよ。いや、笑い事じゃないですよ。
 そうすると、法文上にきちんと、難民申請者の個人情報は相手国に通報しない、情報共有はしない、情報提供の申し入れがあっても教えない、そういうような条文をつくる、規定するということは考えないんですか。
○富田大臣政務官 現在でも提案しております改正入管法の六十一条の九の第二項に、目的外使用されないための適切な措置というふうな規定がございます。これは、相手国当局との間の文書をもって情報提供の具体的な条件、手続等を定めることになるというふうに考えておりまして、その交渉過程で、相手国当局が目的外使用を防止するための条件等に同意しないなど目的外使用を行う懸念を払拭できない場合には、情報提供に係る取り決め自体をも結べませんので、法務省としましては、新たにきちんと、今先生御指摘のような条文を設けるまでもないというふうに考えております。
○山内委員 政務官の本当に誠実な答弁に感謝したいと思っています。非常に明確に言っていただきましたので、多少は大臣の答弁で不安を覚えたのが解消された気がいたします。
 ただ、政務官、一番最初におっしゃいました情報提供の立法趣旨というか提案理由が、密入国者の情報も情報交換する趣旨であると言われたのが少し気になっておりまして、難民の人たちというのは、普通の方法で入国する人たちというのがなかなかおられないんじゃないかなと思うんですね。
 だから、やはり、どういう国に提供するのか、どういう情報を提供するのか、あるいはどういう方法で情報提供するのかというようなことを、できれば、この中のそういう活動をしている人たちやそれを支援している弁護士などを含めて具体的な基準を決めて法務省として公表をする、これに従って行動していただけるならこうしますよというような行為規範を公表していただけないかと思うんですが、どうでしょうか。
○富田大臣政務官 先生御指摘の判断基準の策定とか公表の可否につきましては、今後、法務省の方としてはきちんと検討してまいりたいというふうに考えております。
○山内委員 どうもありがとうございました。

衆議院付帯決議
 五 外国入国管理当局に対する情報提供に当たっては、人身取引被害者及び関係者の安全確保を最優先に、提供情報の目的・範囲・方法等を定めた基準の作成や公表の可否について、検討すること。


どのようなガイドラインができるのか、ウォッチし続けたい。

朝日新聞が事件取材・報道の指針を一般販売開始

2005-06-25 20:44:19 | メディア(知るための手段のあり方)
販売開始されたのは、社内用のものとほど同内容のガイダンス「事件の取材と報道」(税込み1470円)。事件報道の意義、実名匿名の適否、被害者の取材・報道などについて書かれている。
朝日新聞の津山昭英・朝日新聞「報道と人権委員会」事務局長は、「社会がどこまで保護を期待しているかで報道の範囲が決まる」との認識を示し、「社会の理解を得られなければ報道の範囲はどんどん狭まっていくだろう。それが判例にも反映される。論理を作り、社会に訴えていくしかない」と指摘したという(新聞協会報6月21日)。

情報公開はまず、マスメディア自ら行わないとね。

非暴力平和隊(Nonviolent Peaceforce, NP)、ピンチ!

2005-06-25 20:30:57 | 有事法制関連
地域紛争の非暴力的解決を実践するために活動している国際NGOの非暴力平和隊が財政的に厳しいらしい。
一会員として何ができるか考え、ここに記載することにしました。

同部隊は、2002年12月、インドで正式に発足し、現在国際事務局はアメリカのミネソタ州にあります。非暴力平和隊は、地元の非暴力運動体・平和組織と協力し、紛争地に国際的なチーム(フィールドワーカー)を派遣することによって、地元活動家等に対する脅迫、妨害等を軽減させ、地域紛争が非暴力的に地元の人によって解決できるよう、環境づくりをすることを目的としています。

具体的な活動は、

護衛的同行:
暗殺・誘拐等の危険な立場におかれている活動家等に同行します。

国際的プレゼンス:
フィールド・ワーカーは紛争地帯にある村落や境界線、非武装地帯に「世界の目」として滞在します。これによって武力行使は国際的な非難の的となるというメッセージを武装組織に送ります。

情報発信:
フィールド・ワーカーは暴力的行為が政治的に受け入れられないような環境をつくることによって暴力を抑止します。「世界中が注目している」ことを徹底するために、平和隊は従来のメディアに加え、インターネットを使いリアルタイムで情報を配信します。

「割り込み」:
平和隊は、対峙しているグループの間に物理的に割って入り、暴力の抑止に努め、当事者が平和的に紛争を解決するような環境をつくります

というものです。よければ一度HPを覗いて下さい。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~npj/index.html