tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

Desafinado

2014-06-20 17:33:25 | 今日の出来事
amazonで映画『ワンダーランド駅で』のDVDを買ってしまった。
DVDを買うのは初めてだ。

この映画は何度も観ているし、これからも観ると思った。
それに、映画としてだけではなく、ミュージッククリップとしても楽しめる。
この映画の音楽は、まるで「ボサノヴァの教科書」のような、勘所を押さえた心憎い選曲だからだ。

映画冒頭に流れ出す「Desafinado」からもう、ぐっと作品の世界に引き込まれる。

印象的な曲だ。美しい曲だ。

この曲については、僕はA.C.ジョビンほかのCDも持っているが、YouTubeで動画を検索してみる。
いろいろな人がカバーしている。
ボーカルあり、ギターあり、ピアノあり、サックスあり。
数々の有名アーティストが歌い、奏でているが、アマチュアのがいい。
「上手く歌い上げよう」という前のめりな感じがなくて自然なうえに、驚くほどクオリティーが高い。

その1
アパートの裏庭か中庭だろうか、屋外に丸テーブルとイスが出され、恰幅のいい中年男女が座っている。
2人は夫婦なのだろうか、佇まいに相通ずるものがある。
とりとめのないお喋り。やがて男は静かにギターを爪弾き始める。
「ほら…これだよ」と歌詞を二言三言呟く。「ああ、あれね…」と女は頷く。
(「イパネマの娘」との混同を確認しているようでもある)。
歌が始まる。女の声は驚くほど豊かな張りと伸びを見せる。聴かせる。
歌の合間に、黒猫が男の背後の塀にひらりと上がる。近所の犬の吠え声も混じる。
どこかの街の飾り気のない片隅。
そこの日常のワンシーンに、こんなに幸せな歌の時間がある。
なんて素敵なんだろう!

その2
「Desafinado」とは「(音が)調子はずれの」という意味だ。
それは、男女の間の「すれ違い」の暗喩でもある。歌詞はこう歌う。

私たちの歌は今、メロディーを少しはずれてしまっているけれど、
もう一度ふたりの思いがひとつになれば、きっと素敵なメロディーを取り戻せるし、
これからもずっと歌い続けられるわ…。


男女のデュオが、時折互いを見つめ合いながら、歌い、奏でる。
その姿が美しく見えないはずがない、そんな歌なのだ。

<追記>
ボサノヴァと言えばブラジル、ブラジルと言えば今こそはまさにサッカーワールドカップ
…のはずなんだろうが、そんな連想すら思い浮かばないほど、サッカーへの関心が薄い。

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