tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

板橋七福神を歩く

2014-04-26 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
3週連続で週末七福神めぐり。今日歩くのは「板橋七福神」。
11:23 都営三田線・板橋区役所前駅。出口を上がると国道17号線に出て、その上に首都高が覆いかぶさっていて、途切れない車の音がわんわんと反響している。

11:29 国道17号と並行して旧中山道の商店街があり、そこを歩くと、ほどなくして第一番、観明寺(恵比寿)。七福神はどこだろう?と思ったが、開帳期間以外は拝めないようだ。

観明寺を出て、旧中山道の商店街を北へ。細い道なのに車も通るので落ち着かない。商店街の中心部にあるスーパーには自転車置き場がなく、周辺のコインパーキングが軒並み貸し切られて、臨時の駐輪場になっていた。

11:49 第二番、文殊院(毘沙門天)。この寺の門をくぐった境内までもが、スーパーの駐輪場として使われていた。警備員や店員も店の周りに数多く動員されている。「自転車を停める」というだけのことが、ひと騒動になっている様子だった。

門の脇には閻魔堂が。真っ赤な閻魔様。

旧中山道をさらに北上すると、その名もズバリ「板橋」が。板橋の地名の由来になった橋。板ではなく、頑丈なコンクリートだったけど。

橋の下には石神井川が流れる。ここからはこの川に沿って歩く。

12:03 氷川神社。境内には立派な大木が生い茂っているが、それを上回る圧迫感で高架の首都高が横を通っている。大木は長い年月をかけてやっとこれだけの高さになったのに、人間はほんの数年でそれを凌駕する馬鹿でかいものを作ってしまう。なんて傲慢なんだろう。

区営の釣り堀がある。水はかなり濁っていて(何色もの絵の具の筆を洗った水バケツのような、くすんだ灰緑色)、あまり楽しそうな水辺ではないが、釣り人は多い。釣った魚は逃がさないといけない、と看板にある。

川を上流へ。柵の上で休むハト。この川はとても深く掘り下げられていて、護岸の高いコンクリートの絶壁が物々しい。昔からこんな風に谷が刻まれていた川なんだろうか。

12:24 東武東上線・中板橋駅。東上線にはこの駅の前後に「上板橋」「下板橋」駅もあるが、都心に近いほうが「下」である。並行する中山道の宿場が、京都に近い方が「上」、遠い方が「下」だったからではないかと想像する。新潟県の地域の分類「上越・中越・下越」と同じような考え方で。

何の変哲もない道が、歴とした「街道」なので驚く。

12:43 第三番、長命寺(福禄寿)が、川越街道と環七通りの立体交差点の喧騒の向こうに見えた。

幹線道路の交差点に直面していて、ロケーションは騒々しいが、境内は実に落ち着いている。

藤が花を咲かせている。香っている。

牡丹?だろうか。見事な大輪の花も。

12:56 また「氷川神社」が。参道の両脇を覆うように大樹が茂っていて、本殿へ往復するだけでも、とても厳かな雰囲気を感じた。

13:04 第四番、安養院(弁財天)。

境内は広々としている。向かい合わせに座るブランコが置かれていて、子どもたちがキーコキーコと乗っている。

ここにも巨木が。神も仏もあまり信じていないが、「自然」には力を感じる。こうした自然を残しているからこそ、寺も神社も尊いのだと思う。郊外とは言え東京23区内、周囲が人工物で埋め尽くされている今日の七福神歩き、特にそう思う。

「御砂踏み霊場」。弘法大師の像の周りの地面に「四国霊場の御砂」が収められた石が88個。踏んで一周すれば、四国の霊場を巡拝するのと同じ功徳が得られるという。

13:34 またしても「氷川神社」。今日3つ目だ。この辺に有楽町線の「氷川台」駅があるが、何か関係があるのだろうか。

道端の角に石像がある。礎石には「三猿」もいる。

13:40 第五番、西光寺(布袋)。こじんまりとした、落ち着いた寺。

でっぷりとした塔が。大谷口配水塔。「昭和6年に建造された」と、今日持参した七福神ガイドブックにも載っているが、東京都水道局のホームページを注意深く読んでみると、これは近年「旧配水塔の意匠を継承して」建て直されたもののようだ。

肉屋の店先に、見事な寄せ植えが。

14:08 第六番、西光院(大黒天)。先ほどは「西光寺」で、今度は「西光院」。

この寺にも巨木が。推定樹齢400年のシイの木。江戸の昔からこの辺一帯の「目標樹」だったそうだ。

六番から七番までの歩きがいちばん辛かった。歩き疲れているうえに、進む方角が真西で、西日を正面から浴びる。しかも、道はつまらない2車線の一本道。
14:51 第七番、能満寺(寿老人)。「板橋七福神」で、ここだけ練馬区。実はかつて、練馬区は板橋区の一部だったそうだ。練馬は板橋の弟分、ということなのか。もっとも、今は板橋も「練馬」ナンバーになるわけだけど。今日訪れた他の寺は門が開け放たれていたが、この寺だけはアルミの門扉が閉められていて、開けて入るのが躊躇われた。鍵はかかっていなかったのでそっと中に入り、お詣りを済ませるとそそくさと立ち去った。

14:59 西武池袋線、江古田駅が見えてきた。

駅のすぐそばに「日芸」こと日本大学芸術学部がある。…アートな感じはしないなあ。真新しくて無機質で整然としていて、受付の立番の警備員に「管理」のにおいもするし、キャンパスというより病院のような感じがする。江古田駅までで歩いたのは12km。そこで終わりにしてもよかったのだが…

15:37 さらに2kmほど歩き、「ホビーセンターカトー」へ。鉄道模型メーカー・KATOのショールーム。久しく訪れていなかったが、今年2月にリニューアルしたらしい。ずいぶん立派なビルに建て替わっていた。建物の前に置かれた昔の京浜急行の電車は変わっていないが。

ここには巨大な鉄道模型レイアウトがある。子どもたちに人気だが、客は多すぎず、のんびり見学できる。

走りゆく列車を眺めながら、しばし休息。

16:28 再び歩き出す。哲学堂公園。東洋大学の創立者で哲学者の井上円了が創設した「哲学世界を視覚的に表現した精神修養の場」。石とか池とかのいちいちに小難しい名前が付けられており、小理屈の説明書きが立っている。まかり間違えば「ちょっとイカレてる」公園。ここに来たのは初めてではないので、今日は園内を歩き回らない。

木陰のベンチで休む。カエデの繊細な青葉を見上げる。…こういうひとときも哲学なのかも知れないな。

さらに歩く。
16:51 西武新宿線・新井薬師前駅を越え、門前の商店街を抜け…

16:59 新井薬師・梅照院。

お詣りを済ませたら、ちょうど5時のチャイムが鳴り、本堂の木戸が閉ざされた。時間ぴったりだった。
この後、すでに盛り上がる人たちが店々にいる裏通りの飲み屋街を抜けて中野駅前へ出て、さらに歩いてホームセンター「島忠」へ。いい花か観葉植物でもあれば買おうと思ったが見つからず、さらに歩いて、青梅街道で感じのよい定食屋を見つけて晩御飯、丸ノ内線・新中野駅でゴールとする。今日歩いたのはおよそ19㎞。

※今回の七福神めぐりで参考にした本は、東久留米七福神めぐりの時と同じ、『東京ありがた七福神めぐり』

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