茶道部なごみ会
池内 和美(徳島)
茶の湯に「名水点(めいすいだて)」という手前があります。新しい木地の釣瓶の水指を使用し、名水である事を客に示すため、釣瓶にしめ縄を張ります。幣を前後二つ両横一つずつ縄につけ、水指のまわりに巻いて勝手付向こうの角で縄を結びます。
京都では、醒ヶ井、利休井戸、宗治橋三間の水が茶の湯の名水として有名です。
徳島には名水と呼ばれる水が(茶の湯に適しているかどうかは別として)どのくらいあるのか調べてみました。
〇徳島市 眉山湧水群(びざんゆうすいぐん)
「鳳翔水」カルシウムとマグネシウムのバランスがよく、まるやかな味わい
「錦竜水」阿波藩士が寵愛したことで有名、 「春日水」春日神社の境内にある
「桐の水」西部公園にある、 「青龍水」椎宮神社の駐車場にある
〇徳島市蔵本町 蔵清水(くらしみず)
「まろやかで白湯にするとぜんぜん違う、クセのない水」と飲料水や炊事に使ってい る方の話
〇小松島市松島町 宝寿水(ほうじゅすい)
地蔵寺境内に昔ながらの水を出し続ける掘り抜き井戸がある。汲み上げられた水は一枚岩の青石から止まることなく地下水が湧き出ている。アルカリイオンやミネラルがたっぷり含まれている。
〇鳴門市北灘町 憩いの水
落武者を救ったといわれる霊水伝説が伝わるためか、傍らでは小さな社が見守っている。石壁の間から流れ出る水は日照りの日も枯れることがないとの事
〇神山町阿野 柳の水
四国霊場11番札所(藤井寺)と12番札所(焼山寺)の中間地点にある柳水庵。柳の水はその境内にあるため、昔からお遍路さんの休憩所として親しまれてきた。
〇上勝町旭 高丸山ブナ林の水
高丸山登山口から入り、ブナの天然林に囲まれた登山道を約20分ほど歩く。その登山道に湧き出ているのがブナの水。湧水は蛇口につながっていて、ひねると冷たい水が流れ出す。
〇那賀町木頭 歩危峡(ほききょう)の湧水
徳島と高知の県境、峠を越える、ドライバー達が車を停めて水を飲んだり顔を洗ったり、よくこの道を通る人は「道中の疲れをいやす”道の駅”のような場所」と例えている。
〇美波町奥河内 瑠璃(るり)の水
四国八八ヵ所第23番札所の薬王寺の中にある瑠璃の水は、昔から肺の病に効くと伝えられている。本堂の裏にある「肺大師」と書かれた小さなお堂、その下側から湧き出ているのがその有名な水です。
〇吉野川市山川町 天狗の湧水
高越山の青々と生い茂る草木に心を和ませながら山道を登っていくと「天狗の湧水」と書かれたカラフルな看板が現れる。口当たりがやわらかく飲みやすいので、炊飯用、コーヒー用、お茶用として愛飲者が多い。
〇吉野川市鴨島町 龍王水
元々は地域の人たちに愛される憩いの場だったが、次第にそのおいしさが広まり今では遠くから水を汲みにやってくる人もいるそう。「まず飲んでみ、飲んだら違いがわかるよ」との事。
〇三好市山城町 児啼爺(こなきじじい)の水
大歩危、小歩危狭の大パノラマが見渡せる道沿いに児啼爺の名を持つ水が流れている。苔むした赤い岩の間から流れる冷たい水、これでお酒を割るとそもも美味しいらしい。
〇三好市池田町 竜ヶ岳の名水
ガードレールのない急カーブの続く道を進んだ先にひょっこり現れる穴場中の穴場、地元の老舗の造り酒屋や祖谷そば店がその味を求め汲みに来るという。
〇つるぎ町 土釜の岩清水
ミネラルの多さは県内でもトップクラス、剣山へ向かう途中の休憩所として利用する人が多い。
◎徳島は山林が多く、降水量も多いのでたくさんの河川があります。また、水源地には工場や産業があまりないということで、水質のきれいな川が多い。このような環境が、たくさんの名水と呼ばれる、おいしい水を生んでいることを知りました。
なごみ会活動状況
平成30年6月と7月の稽古は次のとおりです。8月は休みとしました。
6月 5日 茶箱手前(和敬) 4名
6月12日 茶箱手前(卯の花) 6名
6月19日 茶箱手前(月・雪) 5名
6月22日 茶箱手前(和敬) 6名
7月 3 日 大円の草 4名
7月10日 薄茶点前(洗い茶布) 4名
7月17日 大円の草 5名
7月26日 薄茶点前(葉蓋) 6名
稽古日は、毎月第一・第二・第三の火曜日と第4の金曜日です。
OBサロンの和室が稽古場です。おいしい名水で一服いかがですか?