トジハジ日記

日記代わり、家族への発信用として利用させていただいてます。内容はいろいろですが登山が趣味で、公開は山行記録がメイン。

2015年9月22日-24日甲斐駒ケ岳黄蓮谷右股

2015-09-25 11:31:59 | ブログ
上の写真は3日目の朝、2400mビバークサイトからの八ヶ岳連峰。


Y君と甲斐駒ヶ岳頂上に突き上げる黄蓮谷にいってきました。ここを登るのはもうあきらめていましたが勤めていた会社の山岳部員であるY君が同行してくれることになり、このコースにいくことができました。度重なるルートファンティグのミス続出で、2日間で下山する予定が3日間かかってしまいました。しかし幸い頂上に抜けるまで天候が持ち、思う存分にこの谷の魅力を味わうことができました。

黄蓮谷右股の記録はネット上で豊富に見ることができるので、ここでは3日間かかってしまった理由や注意点を記します。

<難度>
クライミング経験が豊富なパーティーならザイルは不要なレベル(我々が参考にした遡行図の場合。時々3級レベル)でした。奥千丈などの核心部でもザイル未使用で登れました。しかし初心者がいたり重荷の場合はリスクが高くなるので簡単そうに見えるところでもザイルを使用しなければならない。例え結果的にザイルを使用しなかったとしても、それはうまくいった場合の話ですのでザイルの携帯はマストです。

<時間がかかった理由>
1日目

遡行図にある”怖いトラバース”では足場がかなり剥げ落ちていて、ブツシュ頼りのかなり限界に近い腕力の持久力が必要。後続の重荷のY君は耐えられず、沢までずり落ちてしまい細い枝で何とかバランスを保っていたところを、ザイルを出してことなきを得た(本人はザイル不要と言っていたが、行動し始めてスリップの連続だったのでザイルを出して本当によかった。出さなかったと思うと今でもぞーとする)。この時、トラバースのトレースもほとんど剥がれ落ちてしまったのでこのルートの使用はもう無理と思う。ほんの数メートル上に立派な踏み後ができているので、注意して欲しい。(上のトレースを使えばこの箇所を巻くのに10分もかからない)(ここで1時間近くのロス)

多分、千丈の滝と記憶するが、右岸を高く登り過ぎてしまった。懸垂テープが残っていたので懸垂下降することも考えたが、ここまでは登らないと判断し下降。1/2位下ったところで小さく巻くトレースを見つけることができ、すんなりと千丈ノ滝上に抜けれた。(ここで30分程度のロス)

坊主の滝の上にある滝は高巻きすべきでないところを勘違いして高巻こうとして大きく時間をロス。尾根まで上がってしまった。仕方なくGPSで確認すると明らかに上り過ぎ。その後も巻きルートを探したが結局わからず、あきらめて沢に降りて強行突破を覚悟。しかし滝に取り付くとなんと、右壁に簡単なルートがあり、がっくりするやらホットするやら。(ここで1時間30近くのロス)

右股に入ったところのナメで先行していたY君がずるずると後ろ向き姿勢のまま滑り落ちてきた。落ちる速度が遅かったので彼の踵を私の手で支え、落下を止めることができた。すぐにY君はクライミングシューズに履き替えた。私もステルスソール(アクアでなく普通のステルス)のシューズに履き替えた。この谷にはフェルト靴は絶対に向かない。(ここで30分程度のロス)

結局1日目は目標とした2400ビバークポイントまで行けず中途半端な場所でビバーク。
15:00で行動打ち切り。

2日目

9月後半は真夏とはかなり異なる。奥千丈核心部のシャワークライミングででは全身グショ濡れになり、1時間程度体の震えがとまららず。次の行動に移る気力がしばらくなくなってしまった。必ず水対策をして登ること。真夏なら快適と思うが。(ここで1時間程度のロス)。

2400mビバークサイトから少し高巻いて沢に戻るところを、奥ノ滝の全て巻いてしまった。これでは黄蓮谷の遡行にならないし、急傾斜の石楠花と這い松のブッシュ帯を稜線まで突き進むことに全く気がすすまないというY君の強い主張で止む無くビバークサイトまで戻ることにした。しかし、お互いに戦意喪失。また快適そうな2400mのビバークサイトの誘惑には勝てず今日はここで泊まることにした。(ここで約2時間の無駄骨)。(翌日は約30分の高巻きで沢に戻れてホットした。2400mビバーク地点から1時間近く登った明らかに間違い。20分から30分後には右へ右へと進むこと。)15:00前に行動打ち切り。

奥千丈の滝通過後、遡行図や参考情報の紙が水でぼろぼろになり、自分の勘によるルートファンティグに頼るしかなくなり考える時間がかなり多くなってしまった。2400mからの高巻き失敗もこれが原因。悩む時間は本当にバカにならない。

我々の場合、この時期は就眠時の寒さを考えてしまうので、つい重荷になってしまう。そのため、今回は スピードも落ちてしまった。やはり我々のレベルでは沢登り真夏に限る。

究極的には読図能力不足と、ずぼらな水対策で気軽に行ったことが3日を費やした原因。
以上、自戒の意味を含めてここに記します。参考になれば幸いです。

ps:ホイッスルがずいぶん役にたった。

 




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