トジハジ日記

日記代わり、家族への発信用として利用させていただいてます。内容はいろいろですが登山が趣味で、公開は山行記録がメイン。

2020年6月9日 奥美濃明神山、ドウの天井&マダニ 

2020-06-23 06:14:26 | ブログ

管理道路から白山を望む。 右端は2週間前に登った平家岳。

ログ軌跡(最後の方はロガーの電池切れで軌跡が記録されていません。

先回に引き続き、奥美濃の山へ行きました。今回は越美県境に近い、明神山とドウの天井という山です。昔は秘境中の秘境の山で近づくのも大変だったようですが、上大須ダムができて状況が一変。途中、ダムの管理道路の一部を無断使用させていただいて登るという変則的な山登りです。去年、これも薮山でほとんど人の来ない屏風山の頂上から見えた大きな湖とその奥に連なる山並みが忘れられず(帰宅後確認して上大須ダム湖と奥の山々が明神山、ドウの天井ということを知った)、いつか登ってみたいと思っていました。

6:00にダム駐車場を出発、ダム左岸の舗装道路をしばらく歩く。登山取りつき口までの途中には、ダム観光者用に作られたと思われる、あずまや、トイレなどがある広場があったがトイレには鍵がかかっており、アスファルト舗装面からは雑草がいたるところから生え出ていて訪れる人はもういない雰囲気だった。 6:16に登り口に到着。ここからいきなり急登が始まる。体が慣れてくるまでなかなかしんどい。一時間程度で山腹を横切っている管理道路に出るだろうと思っていたが2時間近くもかかった7:48に管理道路に飛び出した。ここから明神山への入り口を探しながら管理道路を進む。味気ない管理道路を歩くのは気分がのらないだろうと来る前には思っていたが、とんでもない。展望を遮るものがないので、その大パノラマ展望たるや超一級だ。おかげで過去に登ってきた山々の姿、位置関係をしっかりと頭に整理することができた。 景色と写真撮影に気がいってしまい肝心の明神山入り口に気づかず”ドウの天井”の入り口まで来てしまった。予定を変更して先にドウの天井を登る。入り口から朽ち気味の木製の階段が続いている。ダム管理道路をつかって以前は観光登山ができていたのだろうか??。木製の階段は途中で直角に曲がって続いていた(帰りに気が付いた)が、それに気づかず、直進してしまい無駄なブツシュ漕ぎをやって頂上にでるというハプニングもあった(自分にはよくあることです)。頂上に8:31到着。頂上には当初は立派であったであろう、展望できる山々の名前が書かれた2つの金属製のプレートが設置されていて以前は多くの人が訪れていたであろうと思われる雰囲気があった。展望をしばらく楽しんでから今日のメインの目的の山、明神山へ向かう。8:54明神山入り口に到着。入り口はブッシュにおおわれていて、とても突入する気がなかなか起きず、一時はやめようかとも思ったが意を決して突入。ルートがさっぱりわからない。右往左往を繰り返しながらもなんとか先駆者の赤布に助けられながら進む。今はマダニの活動最盛期なので時々、体をチェツクしながら進む。尾根らしき様相を呈してくるとなんとか踏み跡もわかってきた。しかしブッシュをかき分けながらの進行で頻繁に踏み跡を外し、ペースもはかどらずマダニチェツクどころではなくなってきた。ピークを2、3超え、ブッシュ漕ぎに嫌気がさしてきたころ明神山に到着((10:03)。朱色で明神山とかかれた小さなプレートが樹の上の方にかけられていたので頂上と確信できたが、それがなければ、展望がまったくないので頂上かどうか恐らく確信できないだろうとおもう。 展望の無い、蒸し暑い環境の頂上には長居する気はなく、写真を撮ってすぐに去ることにするが、ここから下山まで約4時間、ブッシュ漕もある元来た道を戻るのは気が重い。地図を見るとこのまま進んで沢を下れば1時間でダム道ででられそうなので少しそちらに進んでみたが、2週間前に対岸の左門岳で遭難騒ぎがあった(4日後に無事発見された)ばかりであるし、登山届にも、このコースは書いておかなかったので、自重して元来た道でもどることにした(自分でも珍しいこの判断に後で後悔)。帰りもブツシュに悪態をつきながら進む。ズボンも腰まで下がってきて、腰が丸見え状態であろうが戻す気にもなれない。管理道路に戻る手前の急斜面では立ち休憩が多くなった。11:32にやっと広々とした管理道路に飛び出し日陰を探してヤレヤレと腰を降ろす。早速、マダニチェツクをすべく腹側の裾をまくり上げてビックリ。マダニが出っ張った腹に食いついているではないか。頂上でチェツクしたときは異常なかったのだらから、恐らく立ちとまることが多くなった最後の斜面の10分程度の間にやられたのだろう。裾をズボンに入れず、腰丸出しで歩き続けたのがいけなかったのだ。デコピンで撃退しようとしたがデコピンを食らわせるたびに益々、執拗に腹に食い込もうとする仕草をみせるので今度はダニスプレーをかけてみる。しかし一向に離れようとしない。マダニツイストを持ってきているので除去できるとは思ったが失敗するとマダニ体液?が逆流するとの記事を読んだことがあるので、あきらめて病院にとってもらうことにする。下山は登りに使用した急斜面をマダニをつけたまま下る気にはなれず、時間はかからるダム管理道路を歩くことにした(本来は禁止です)。腹にマダニをつけたまま歩くのは気持ちがわるかったが30分も歩くと慣れてきて再び管理道路からの大展望を楽しみながら下山した。13:20駐車場着。

コメント:
・このコースは今の時期はブッシュがひどく、まったく登山に適さない。積雪期に登るべき山と思う。
・長袖、裾はズボンに入れるなどのマダニ対策は必須。ダニスプレーを数回、全身にかけたが結果的に基本を無視したためマダニにやられた。
・管理道路からの展望は素晴らしいの一言。展望目的でここまでくるのも良いかと思う。
・管理道路の法面の崩壊がいたるところで見られた。雨中や雨上がりに歩くのは危険。

<マダニ顛末記>
マダニは恐ろしい重症熱性血小板減少症候群(SFTA)を引き起こすウイルスを持っていることがあり、潜伏期間は5日から2週間程度と言われている。症状が一旦発生すると致死率は20%から30%だそうだが、これは全年齢の平均で、我々のような受容体の多くなっているスーパーシニアではほとんどアウトと思われる。以下、ご参考までに。

6月9日の昼近くにマダニに食いつかれているのを発見。スプレーなどをかけて撃退しようとしたが執拗に食いこむ仕草を見せて離れず除去をあきらめる。

17:30 市内の皮膚科を受診。マダニは1cmくらいまで大きくなっていて医者もビックリ。医者が最近は便利なものがあると見せてくれたマダニ除去ツールは自分が持っていた市販のマダニツイストだった。これで除去しただけでは完全にマダニの口器が除去できていない可能性があるという記事を見ていたので、念のため、患部周辺の皮膚を頼んで除去してもらった。1週間分の抗生物質錠剤と患部塗り薬が出た。

食いつかれて2日後の夜中に発熱。気温が高いにも関わらずゾクゾクと異常な寒気がして起きた。毛布を引っ張りだしてかけたが寒気は収まらず汗も噴き出してきて軽いが吐き気がする。熱を測ると38度近い。まだウイルスのよる症状は潜伏期間のはずだが心配になった。幸い昼頃には熱も下がった。 原因不明。

念のため、発症した場合に備え、ほとんど妻にはしらせていない、ほんのわずかな投資資産、生命保険、毎月費用発生する有料商品などを整理してわたした。

症状が発生したときの診察可能な病院を確認する。SFTSは感染症なので保健所に連絡し、そこから搬送先をきめてもらうことになる。地元に感染症の病床がある病院はなく、一番近いところで春日井病院。 新型コロナと同じで、最悪の事態のときでも家族と直接会えないのがお互いにつらい。

反省
・裾をズボンにきれることがマスト。
・ダニスプレーは効果がないとは言わないが過信は禁物。今回は効果なし。
・首から入ってくる可能性があるので逃避剤をスプレーしたタオルを巻いておくとよいかも。
・なにより、今のマダニ活動最盛期にこのような山や野生動物の多い環境にいかないこと。
・マダニは侵入してもすぐには噛みつかず、体中をはいずり回って、一番柔らそうなところを探し食いつくそうです。時々チェックすることは無駄ではないと思います。背中側はパートナーがいないと確認のしようがないですが。

一応、潜伏期間と言われている2週間をクリヤーしたので参考までに顛末記を追加しました。今回はマダニですが、何でもほんのちょっとした油断が大変な結果をもたらす恐れがあることを改めて思い知らされました。