トジハジ日記

日記代わり、家族への発信用として利用させていただいてます。内容はいろいろですが登山が趣味で、公開は山行記録がメイン。

2018年8月21日22日 南アルプス アサヨ峰と仙丈ヶ岳

2018-08-25 19:31:51 | ブログ

仙丈ヶ岳頂上付近から甲斐駒ヶ岳とアサヨ峰(右)

一瞬ガスが切れ栗沢山からアサヨ峰に続く稜線が見えた。案外、岩場が多かった。

北海道から帰ってしばらく山登りをしていない。なんでこんなに本州は暑いのか。近場の低山へ行くことは熱中症にかかりに行くようなものだ。そんな訳でおとなしくしていたら甲斐駒ケ岳と仙丈ゲ岳に登りたいと言うOさんのお誘いがあり、付き合うことにした。両方とも四季を問わずいろいろなルートから登っていたので興味があるわけではないが、南アルプススーパー林道のバスで2000mを越す北沢峠までバスで行け、そこから10分程度歩くとテント場と小屋があるので、涼しい環境でのんびりとテント泊が楽しめのがよい。自分は2時間程度で登れる栗沢山とアサヨ峰へののんびり登山を楽しむことにした。

21日 朝3:00小牧発 仙流荘(林道バス乗り場) 5:30
バス 6:05 北沢峠 7:00前、 

甲斐駒ヶ岳に登るOさんに付き合って仙水峠までご一緒する。ここは10年以上も前に妻と次女を甲斐駒に案内して以来だが何も変わっていなかった。峠でOさんと別れアサヨ峰へと向かる。時々、雨が降ってきて、また朝露のせいもあって下半身は早くもぐしょぐしょになってしまう。すぐに雨具をつければよいのだが面倒症は直らない。この道は歩く人が少ないせいかブッシュが登山道にかぶさっている所が多かった。2時間40分近くかかって栗沢山に到着。頂上は岩山で広々としていて、晴れていれば実に気持ちのよさそうな処だが今日は展望が全くないので少し休んでアサヨ峰を目指す。アサヨ峰という名前から、何となく簡単な尾根歩きと勝手に想像していたが、岩峰が所々現れ、以外にも慎重さを要求されるコースだった。頂上に栗沢山から1時間弱で到着。ここも頂上は岩山。時々視界はきくようになってはきたが期待した甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山、北岳方面の展望は全くなく、三角点にタッチしてすぐに栗沢山まで戻った。時間に余裕があったので頂上で1時間以上休憩してガスの晴れるのを待ったが、結局、時々甲斐駒ヶ岳から双児山への稜線が見えた程度で期待は完全に裏切られた。諦めて下山を開始しようと腰を上げ始めた時、目の前に突然、毛並みの良い綺麗な”おこじょ”が現れ、なんと自分の2mほど先まで寄ってきた(寄ってきたことが信じられない)。しばらく呆然と見ていた。慌ててカメラを取り出し、オコジョに向けた一瞬の間に、”オコジョ”の姿は消えていた。実にすばしっこい。しかしこんなに近くでじっくりと見ることができたのは初めてだったのでとても感激した。ささやかな感激の余韻に浸りながら、下山を開始。ここからは登りに使ったコースではなくテント場に直接下る尾根コースにルートをとった。この道は仙水峠からの道と違い、大変整備されていて歩き易く、自然と鼻歌が出てきて幸せ気分でテント場へと向かった。

コースタイム: テント場 7;50 (仙水峠経由) 栗沢山 10:32 アサヨ峰 11:24 栗沢山 12:34 テント場 14:30頃 (休憩1時間以上)

22日 仙丈ヶ岳
当初は全装備を担いで丹沢新道を下る予定だったが、諸事情により軽装で北沢峠から仙丈ヶ岳の往復に変更した。4時頃にラテをつけてテント場発。6時前には明るくなる。。昨日はすべてが灰色だった景色が今日は快晴で明るくなるにつれて周囲の山々が浮かび上がってくる。四季を通じて何度も登っていた山だが、何度来てもやはり感動させられる。北岳の左に富士山が大きく見えて来たときはOさんも感動の声を思わず上げた。そして尾根の両サイドにカールを抱かえたフィナーレを飾る頂上への稜線歩きは実に気持ちがよかった。

コースタイム: 往復 6時間弱。休憩含む 登り 3:20 下り 2:30 






 


2018.08.03 札幌観光のついでに登れる山 八剱山 

2018-08-10 10:01:55 | ブログ

迫力のある八剱山頂上の鋭い岩峰群

札幌岳?方面


頂上付近の岩稜。岩稜歩きの好きな方はどうぞ。正規ルートは左側にある。

核心部。岩壁の右下を通過する。木で分からないが右下は切れ落ちている。

札幌近郊には観光の余った時間に平服で運動靴で1時間程度で登れる山は4つほどあります。今回は観光を終えて余った半日を利用してその中の一つである八剱山へ行ってきました。1時間程度で登れる山ですが、なかなかスリルがあり、頂上からの展望も申し分ありませんでした。札幌観光のついでに山登りの好きな方にはお薦めです。




2018.7.25 - 26 日高 カムエク(カムイエクウチカウシ山) 

2018-08-06 11:48:46 | ブログ

稜線に上がったところからカムエクのピークをのぞむ

日高の最高峰、幌尻岳を遠望

稜線から歩いてきた八の沢を見下ろす

稜線直下まで去っていってくれた羆さん(雪渓の左)

札幌に住んでいる娘と娘家族に会う旅の始めに日高のカムエクを登りにいった。ネットで記録を見るとどの記録も札内川増水に注意、滑落事故多い、ヒグマに注意、三股からのルートで迷いやすいなど、いろいろと不安になるような事が書かれている。しかし八の沢カールのすばらしさは特別らしいということで行ってみることにした。今回も一人の気楽な山登りだ。
結果は、灯りの全くない暗闇の不気味なテント場での一夜、崩壊が始まった雪渓歩きの恐怖、三股から八の沢カールまでの油断のならない急な登り、期待を裏切らなかった別天地の八の沢カール、胸を痛める福岡大ワンゲルのヒグマ遭難レリーフ、ヒグマとの出逢い、天に突き上げるカムエク頂上への最後の登高、独り占めだった頂上からの大展望などなど、7X才過ぎた自分にとっては体力的に厳しかったが久しぶりに達成感で満足できた一日だった。

7月25日

11時頃に札内のキャンプ場から数キロの所にある札内ダム付近に車を駐車し車止めのゲートをくぐって車道を歩き始める。荷物は17kg程度。途中パトカー2台と道路公団数台の2台の車を含む車列とすれ違う。登山者が事故でも起こしたのだろうか。当方は単独なので事故を起こしても連絡してくれる人がいないので注意しなければと気が引き締まる。札内ヒュッテには45分程度で到着。中を覗くこともなく通過して登山口の七の沢出会いに13時半頃に到着。どこかに登山口の標識があるはずだが見当たらない。しばらくうろうろしていたらピッケルがついている標識があった。ここまでは運動靴で来たがサイズが小さくて爪を早くも痛めてしまって先が思いやられる。ここで沢靴に履き替える。アタック時の軽量化を図るため登山靴の持参は止め、ラバーソール(Five Ten)の沢靴一つで全行程を歩き通すことににした。ほとんどの人はフェルトの沢靴と登山口を持参するようだが、数年前、甲斐駒ヶ岳の黄連谷を登攀した時、頂上から長い黒戸尾根をこのラバーソールで下って全く問題なかったので自信があった。セオリーより自分の経験優先だ。(但し雪渓ではとても滑りやすいので下りの時は軽アイゼンを装着した)七の沢から八の沢までは余り巻き道をこだわらず、ジャブジャブと積極的に川中、川岸を進んだ。躊躇して考えてばかりいると時間が無駄に過ぎるので直観第一で立ち止まることはしないことにしている。特に戸惑うような渡渉も無く、今日の宿泊予定の八の沢出合いには15時20分頃に到着。ちょっぴり期待していた人影はない。早速テントを張る。油断大敵。足首を露出しながらテントを張つていたら、両足首は真っ黒になるほどブヨが貼り付いている。気がついた時は既に遅し。両足で100か所以上(大袈裟ではありません)はブヨに噛まれ、赤斑点だらけになってしまった。ブヨは蚊のように刺すのではなく皮膚を噛んで破る。その痒さは蚊などの3倍以上と言われていて、この後、1週間ほど痒さに悩まされた(日高の山では薬をもっていくのが常識らしい)。テントを張り終え、川原へ下りてのんびりしていると17時頃、かなり下の方にテントが張ってあった1パーティー4名が下ってきた。八の沢カールでヒグマが登山道の少し上にいたので登頂は断念し明日は下山するとのことだ。朝、5時にスタートしたとのことなので八の沢カールまでの往復で12時間かかっていてスピードが遅すぎるので熊以前の問題かもしれない。疲労した顔と中の一人が’凄い山ですね”という言葉とヒグマが頭から離れず、ほとんど眠れない一夜になった(いつものことですが)。

7月27日
朝3:30に起床。ちからラーメンを食べて4時頃にテント場をスタート。少し沢を進むと朝陽に照らされたカムエクが姿を表し、おもわず”オーー”と声をあげる。そして不安が登高意欲が変わる。大きな流木などで歩き難い沢をどんどん詰めていく。左右には見事な滝がところどころかかっている。この時期はまだかなり雪渓が残っている。特に三股近くは大規模な雪渓が残っていて、崩壊も始まっているのでルート取りには神経を使った(以前に、中央アルプスの片桐松川本谷を詰めていた時、目の前の雪渓が崩壊した時の恐怖がトラウマになっている)。2つの大きな雪渓を処理し三股に5時40分頃に到着。ここまで、遡行してみたいような滝がいくつもあった。日高が地元なら登りまくりたいようなフィールドだ。三股からは滑落注意の油断のならない登りが続く。滝はほとんど巻き道がついているが、巻き道ゆえにスリップしたら大事故必須なので慎重にならざるを得ない。ましてや単独なのだから。更に足元ばかり気にして登っていると簡単にルートを外れてしまう箇所が八の沢カール到着までに数か所あるので注意が必要だ。危険そうなところには所々、ロープが張ってあるが当てにはできそうもない代物ばかり。沢登りや岩登りの経験が乏しいと厳しいかもしれない(昨日登頂をあきらめた人は200名山を目指しているとのことだった)。まだかまだかと思いながら水量の少なくなった源流をつめると広々とした八の沢カールに飛び出した。期待を裏切らない美しいところだ。自然と”オーー”と声がでる。ここで羆チェツク。すぐに昨日の4人パーティーが話していた場所でヒグマが採食しているのがわかった。4人の話もあるので撤退するかどうか迷ったが、ここまで来ては簡単にはあきらめがつかない。少し様子をみることにする。気は進まなかったがこちらの存在を知らせる為にホイッスルを吹いた。ヒグマがこちらを向いた。少しドキとする。じっとこちらを見ている。少し進んでみる。まだじっと見ている。更に進む。これでこちらに少しでも進んできたら即撤退だ。ヒグマ遭難リリーフ近くまで進むと、うれしいことにヒグマが山の上に向かって後退しはじめた。ヒグマの進む方向には最後の頂上に向かう登路があるので、途中で鉢合わせするのではないかをいう不安があったが、何とかなるだろうと信じてヒグマのいた下の登山道をハラハラドキドキしながらトラバースした。あまりヒグマに気を取られていたのでカールの湧き水を補給することをすっかり忘れてしまい、ここからの2時間程度は水不足に苦しめられた。待望の頂上とピラミッドピークの間の稜線コルに7時45分頃に到着。少し休んだ後、熊との突然の出会いに注意しながら頂上に向かう。ハイマツを分けての歩き難い道を進みコイボクカールが左下に見えたころ、ようやく頂上が間近になり嬉しさがこみあげてくる。最後の歩き易い道を登り切ると、待望のカムエクの頂上に着いた。快晴の空の下(暑くて仕方がない)、独り占めの頂上からはどこまでも続く日高の山並に圧倒される。北方向には数年前に妻との登った幌尻岳、トッタ別岳が確認できる。反対側には去年に登ったペテガリ方面の山々、そして1839峰やイドンナップ岳など、登ってみたい山が目白押しだ(もう少し早く日高の山々の存在に気がつきたかった)どれだけ滞在しても飽きないが長居をしている余裕はない。10分程度の滞在で名残惜しい頂上を後に下山にかかる。喉の渇きに苦しみながら一気に八の沢カールへ。カールの冷たい湧き水は美味しかった。フィルターをセットするのももどかしく、それを通さずにたらふく飲んでしまった。一息ついて辺りを見渡したが幸い熊の姿はなかった。見えないだけでその辺で休んでいるのだろう。ゆっくりしたいところだがやはり落ち着かないので先を急ぐ。慰霊碑からしばらくトラバースしなければならないのだが ここで間違って一つ手前の沢を下ってしまい途中でおかしいと気づいて登り直すというアクシデントがあった。確かにここは間違え易い。下りは慎重の上にも慎重さが要求される。何とか特別な苦労もミスも無く三股に到着。本来ならここで緊張感から解放されるはずだが、温度の上昇した今の時間帯ではスノーブリッジの崩壊が怖い。ルートを慎重に見極めながら雪渓群をクリヤ―してようやく緊張感から解放された。あとは時間の問題だけだ。12時半頃に八の沢出会いに到着。自分の予定より2時間早いので明るい内に日高山脈センターのある札内公園に戻れる余裕がでてきた。テント撤収などで30分ほど大休止した後、テント場をあとにする。巻き道はおおむね左岸についていてこれを使えば早い。いい加減に川歩きに飽きてきた頃に七の沢出会いに到着。この辺りも熊の糞が多。その後、長い林道と車道を歩き駐車場に17時過ぎにスタート地点の札内ダム駐車場に到着、13時間少々のカムエク登山が終わった。

25日(休憩を含む行動時間 4時間16分)
ゲートをスタート 11:05 札内ヒュッテ 11:49 七の沢登山口 13:27
八の沢出会い(テント泊) 15:21
26日(休憩を含む行動時間: 13時間38分)
テント場発 3:55 三股 5:39 八の沢カール 7:00頃  稜線 7:44
頂上 8:35 下山開始 8:45 テント場 12:31 七の沢登山口 14:44
ゲート 17:33

コメント

1.登山靴を持参しなくても沢靴だけで歩き通せる。軽量化できる。
2.ラバーソールの場合は雪渓が多く残っている時は下りでアイゼンが欲しい(自分は4本爪使用)
3.虫よけや薬が無いとブヨに噛まれてひどい目にあう。
4.迷いやすいポイントが3つある。下ばかり見て進むと知らぬ間に誤ったルンゼなどに入りやすいので常に全体の地形を見ながら進むこと。
5.滑落は許されない。疲れている下りは十分に注意。
6.八の沢カールではヒグマのチェックをすること。
7.八の沢カールまで水は持参しなくてよい。八の沢カールでは水の補給を忘れずに。
8.自転車を活用すれば健脚者なら日帰りは充分に可能であろう。


2018.7.23 夕張岳

2018-08-06 11:39:06 | ブログ



 
夕張岳は何としても妻と登りたい山だった。昨年、一昨年と平成28年の台風で夕張コースが閉鎖され反対側の金山コースからのみ登頂が可能だったので一時は金山コースから登ることも考えたが、やはり湿原がとても美しく高山植物が楽しめる夕張コースを歩きたかった。そしてここは無粋な自分一人だけで登るのは余りにも勿体ないのでハジさんと登りたかった。   

前日の夜。苫小牧東港に21時頃に到着。そのまま車を夕張岳登山口に向けて車を走らせ、途中のPAで車中泊。翌朝登山口に6:40到着。登山口にはすでに10台程度の車があった。 7:11に駐車場をスタート。登りは冷水コースをとる。シラネアオイの群落地帯と言われる気持ちの良いところでゆっくりと休む。疲れから2人ともペースが上がらない。途中から200名山の芦別岳が望めた。憩沢で2回目の休憩をとる。気が進まないが沢の水を二人とも大丈夫と信じて、たらふく飲んでしまった。ここからは湿原と湿原植物、高山植物を楽しみながら気持ちよい歩きがほぼ頂上まで続いた。頂上に11:45到着。生憎ガスがかかって展望はなかったが天候に恵まれて無事に北海道旅行中の最初の目的の山に登れたことに満足。20分ほど頂上に滞在して下山開始。帰りは馬の背コースを下ったが失敗だった。少々のアップダウンと急坂の樹林帯が下山口まで続き、ハジさんはうんざりだったようだし、私もなぜかいつもより疲れた。

コースタイム(かなりのゆっくりペースで)
 登り: 約4時間35分(休憩含む)
 下り: 約4時間10分(休憩含む)