登山道の脇にはニッコウキスゲがまだ目を楽しませてくれた。
浮島先端から北アルプス。中央左のピラミダルな山が劔岳。
浮島の池
今やトレッキング大流行で書店にはコースガイド本がズラリと並んでいる。そのような中にあって、一個人だけの目線で選ばれ、記された日本100名山、信州100名山と最近刊行された岐阜100秀山の3冊は山への愛情がひしひしと伝わってくる素晴らしい本だ。何度でも時間さえあれば読み返している。今回はそんな岐阜100秀山で紹介された山の一つ、富山県と岐阜県の県境にある白木峰へ出かけてみた。
3時30分ころに自宅を出発、東海北陸道の飛騨清見インターを出てすぐに猪臥山トンネル方面、471,472号経由で突っ走り、6時10分頃に万波登山口に到着。さすがに人気の山で既に5台の車がとまっていた。日曜日は避けたいところだったが諸事情で已む無し。
6時30分頃に駐車地を出発。林道をしばらく歩くと万波登山口に到着し、ここからつづら折りの登山道が始まる。すぐに汗がしたたり落ちはじめが木立の中は気持ちが良い。一気に急登を登ると二ツ屋ダムからのルートと合流して尾根に乗り、傾斜も落ち、少し風もあって気持ちの良い稜線歩きとなった。しかし登山道はぬかるみ状態の所が多く、最初は右左に飛び跳ねてぬかるみを避けながら歩いたが、それも始めだけですぐに諦めてズボズボと歩いた。
2時間ほど進むといよいよ樹林帯を抜け、低い灌木帯に変わってきて周囲の山々への展望が広がり始め清々しいほどの稜線漫歩が楽しめる。そして登山開始から約2時間30分で白木峰頂上に到着。360度の大展望と眼前に広がる草原の美しさは格別で、うまく表現できない自分のボキャブラリ不足が情けない。一番期待していたニッコウキスゲの姿が全くないので少し落胆したが、それもほんのしばらくの間。ここから浮島方面に歩を進めると、なんとシーズン終わりとは思えない程のニッコウキスゲの群生に出会えることが出来て嬉しくてたまらなくなる。30分?ほどで浮島に到着。浮島はこじんまりとした美しい池塘のあるところで頂上台地の先端にあり、池塘の美しさは言うまでもないが、そこからの北アルプス方面の展望が抜群だ。しばらくの間、北アルプス劔岳のピラミダルな姿を見つめながら、クライミングに明け暮れた仲間たちとの日々に思いをはせた。
浮島から再び、高山植物を楽しみながら白木峰頂上に引き返す。頂上でしばらく休もうと思ったが人が多いので100mほど下った先に白木峰山荘から続く舗装された林道終点広場があるのを見つけ、そこで靴を脱ぎ、マットを敷いて青空を眺めながらしばらく横になった。もう一度、今度は妻を誘ってこの時期に再訪したい。
コースタイム
駐車地発 6:24 小白木峰 7:24 白木峰 8:36
浮島の池 8:56 白木峰 9:53 小白木峰 11:00
駐車地 11:53